メディカル・トリビューンが医局にあったので読んでみた。と、 ぽち→
へなちょこ内科医の日記(当直日誌兼絶望日誌)
http://d.hatena.ne.jp/physician/
にあったので読んでみた。
いやぁ、医局のゴミ箱はためになりますね o(^-^)o..。*♡
全然手付かずの読みモノがいっぱい落ちています!
件の腰椎穿刺に関しては、私たちも腰椎麻酔を行いますので、
手技的には関係が深いわけです..。*♡
では、いきます。
診断的腰椎穿刺のリスク軽減は可能
科学的根拠に基づく手技に関するレビュー
(Medical Tribune 2007年3月22日号 p21)
〔ニューヨーク〕カルガリー大学(カナダ・カルガリー)総合内科のSharon E.Straus博士らは,細菌性髄膜炎の疑いのある患者の臨床検査に関する情報を検討して,二有害事象リスクを軽減することが可能な科学的根拠の裏づけがある腰椎穿刺(LP)手技に関するレビューをJAMA(2006;296:2012-2022)に発表した。また,このレビューでは,細菌性髄膜炎の疑いのある成人患者の脳脊髄液(CSF)分析の検査精度の科学的根拠についても検討している。
LP後に床上安静の必要なし
15のランダム化比較試験を対象としたStraus博士らのレビューは,小口径の無外傷性針は診断的LP後の頭痛リスクを軽減する可能性があることを確認している。
特に,無外傷性針と標準針を比較した5つの試験(被験者合計587例)では,無外傷性針を用いると頭痛発生率は低下したが有意差は認められず,絶対リスク減少(ARR)は12.3%であった。また,小口径の無外傷性針を使用すると,LP終了までの穿刺回数が増加する可能性もある。
さらに,同博士ら壮「スタイレット(内筒)を再挿入してから,針を抜去した方がよい」と勧めている。この手順で再挿入すると,頭痛リスクが軽減し,ARRは11.3%であった。そのほか「手技後は患者を床上安静にしなくてもよい」としている。4つの試験(被験者合計717例)では,LP後に歩行を許可した患者の頭痛発生率は,安静にした患者よりも俸下していたが,有意差は認められなかった。
細菌性髄膜炎の疑いのある患者のCSFを生化学分析する検査精度を扱った研究のうち,試験参加基準を満たした研究は4件であった。それら4件の研究では,①CSF糖/血糖比がO.4以下〔尤度比(LR)=18〕②CSF白血球数が500μL以よ(LR=15)③CSF乳酸濃度が31.53mg/dL以上(LR=21)―という条件が細菌性髄膜炎を正確に診断することを示していた。
患者にリスクの説明を
これまでの研究から,LPを受けた患者の60%に頭痛が発生することが証明されている。頭痛は重症化して患者を衰弱させることもある。Straus博士らは「硬膜の穿刺部位か
らCSFが漏出するために発生すると考えられる」と説明している。
頭痛より数は少ないが,背部痛もLP後の患者の40%に起こりうる。その他のLP関連のまれに見られる有害事象には脳ヘルニア,頭蓋内硬膜下出血,脊椎硬膜外出血,感染症がある。
同博士らは,どのように手技を行うべきかについて次のように具体的に指示している。手技とそのリスクを患者に説明し診療状況に関連するならばインフォームド・コンセントを得るべきである。説明すべき内容には,どのように手技を行うか,なぜその手技を行うのか,発生する可能性のある合併症は何か,その合併症をどのように治療するかなどがある。
例えば,平均して10例のうち6例がLP後に一過性の頭痛を発症し,4例が一時的な背部痛を.経験することを患者に話しておく必要がある。患者には,局所麻酔薬などに対するアレルギーの有無を尋ねなければならない。不安を感じる患者に対して(患者が望むならば)手技の前に少量の抗不安薬(ロラゼパムなど)の投与を勧める専門家もいる。
神経学的知見,精神機能の変化,乳頭水腫が認められなければ,頭部CTスキャンを実施して占拠性病変を除外する必要はない。細菌性髄膜炎の疑いがあり,LP前にCTスキャンが必要ならば,CTスキャンの終了を待たずに直ちに抗菌薬治療を開始すべきである。可能であれば,抗菌薬治療を開始する前に血液培養を行うべきである。
側横臥位が基本(略)
側臥位の代わりに起坐位(略)
今回のレビューは,LPの指導法について考察したものである。また,LP実施方法の習得法を考察したものでもあり,臨床医が各自のLP手技の質を評価するのに有用な目標についても検討を行っている。
コメント