ある産婦人科医のひとりごと 2007/03/25 ぽち→
産婦人科の後期研修 コメント欄
http://tyama7.blog.ocn.ne.jp/obgyn/2007/03/post_d6f6_13.html
さんかいさまの書込みにて、記事の情報をおしえていただきました..。*♡
田原総一朗のような発言に力がある方が、こういったことを仰ってくださると、ちょっとは世論が変わっていくのではないかと思います。( ↑甘い、とかつっこまないでくださいね..。*♡)
いい記事です (>▽<)..。*♡ ではいきます!
産科医の減少を放置していいのか
田原総一朗のギロン堂 連載444
(週刊朝日 2007.3.30号 p43)
先日、故郷の滋賀県で私が毎月催している「琵琶湖塾」で、会員の女性が悲痛な声でこう訴えた。
「このままでは子供が産めなくなってしまう」
彼女は彦根市に住んでいるのだが、彦根市立病院では4月から産婦人科医はたったの一人になってしまう。多くの市民が出産を申し入れても、断られてしまうという深刻な事態に陥っていると強調した。
そして他の少なからぬ会員たちが、「公・私立の病院で産婦人科医が一人しかいないのはむしろ常態化していて、産婦人科が閉鎖している病院も少なくない」などと口々に言い始めた。
会場にいた医師は、2004年の福島県立大野病院の“事件”以来、産婦人科の医療現場から医師が立ち去るケースが目立つようになったと指摘した。
この事件をあらためて思い出す。
04年12月17日、帝王切開の手術中に29歳の女性が死亡する事故が起きた。女性には癒着胎盤という、全分娩数の約1万分の1という稀有な疾患があった。産婦人科医が手術用のハサミで子宮に癒着している胎盤の剥離作業をしていたところ、大量出血を招いて女性は死亡したのだった。
執刀したK医師(39)は06年2月、業務上過失致死傷と異状死体の届け出義務違反(医師法違反)の疑いで逮捕された。
この事件に、全国の産婦人科医は驚愕したに違いない。
実はK医師も県立大野病院で、ただ一人の産婦人科医だった。一人で365日、昼夜を問わず働いていたのである。
産婦人科の医師たちは、K医師の手術は「医療過誤ではない」ととらえているだろう。K医師としては精一杯の治療を施したが、結果として患者の女性にもK医師にも不幸な事態になってしまったと受けとめているはずだ。
インターネットで、医師たちに信頼されている「ある産婦人科医のひとりごと」というブログには、こんな一節がある。
<極めてまれで予測不能な難治疾患と遭遇して、必死の思いで苦闘しても、結果的にその患者さんを救命できなかった場合に、今回の大野病院事件のように、極悪非道の殺人犯と同じ扱いで逮捕・起訴されるようでは、危なくて誰も医療には従事できなくなってしまいます。> さらに30~40代の現役バリバリの医師たちが、現場から立ち去っていくようになったと嘆いている。
現に産婦人科では出産トラブルに伴う訴訟が多い。
89年以降に大学を卒業した産婦人科医約2千人を対象に行った厚生労働省の意識調査(04年)では、4人に1人が「産科医療をしたくない」と答え、約3割が「医療訴訟が多い」を理由に挙げた。
今年2月7日、民主党の枝野幸男議員が、
「産婦人科医が減り、産婦人科を閉じなければならない病院が増えている」
と国会で問うたのに対して、柳沢伯夫厚労相は、こう答えている。
「産科は出生数が減っているのに比例していて、分娩件数あたりの産科医数は減っていない」
産婦人科医の減少が深刻な事態になっていることを、厚労相はまったく理解していないようだ。問題となった件の発言よりも、はるかに罪深い発言である。
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