今日も昨日に引き続き、地域の産科から撤退ニュースです!
以前、岐阜でもかなりの地域でお産ができなくなっているという記事を読みましたが、
見えないところでなんとなく産科の崩壊は進んでいるのかもしれませんね。
あちらもこちらも医師不足、そして病院は大赤字です!
広島県医師会が医療政策について、県議会に問題提起を行っています。
しかし、民主党も公明党も『産科医・小児科医の確保』みたいな公約ですが、
どこからその専門医がわいてくるのか、私たちにも不明なのですが。。。
なにかよい画期的な方法があるのでしょうか?だとしたら教えていただきたいです!
あとあれこれ。なにも良い手が見いだせないまま混迷しているように思えます。
大丈夫なんでしょうか? 大丈夫じゃありませんねo(^-^)o!!
ではお楽しみくださいませ..。*♡
土岐市、産婦人科医ゼロに 出産受け入れできず /岐阜
岐阜新聞 2007年06月14日
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20070614/200706140818_2073.shtml
土岐市立総合病院(同市土岐津町土岐口)が、唯一の常勤産婦人科医=同科部長(39)=が辞職するため、9月中旬以降の分娩(ぶんべん)受け入れを休止することが13日、分かった。市内では民間の産婦人科医院も今年に入って産科を休止しており、市内での出産受け入れができなくなる。同院によると、部長は2004(平成16)年から産婦人科唯一の常勤医として勤務。現在は非常勤産科医との2人体制で、24時間体制の分娩を受け入れている。
同院では、名古屋大付属病院の医局に産科医派遣を求めたが「過重労働における医療事故防止のため(常勤医の)1人赴任はさせない」との返答があった。市では後任の常勤医の確保が難しくなったことから、9月中旬から産科を休止し、非常勤医師による婦人科の診療のみ継続することにした。榊原聰院長(60)は「当面は市外の病院で対応していただくしかない。産科が再開できるように産科医師の確保に努めていきたい」としている。
名張市立病院 医師22人に減少/三重
中日新聞 2007年6月14日
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20070614/CK2007061402023875.html
名張市立病院の山本順仁事務局長は十三日の市議会定例会一般質問で、市立病院は近年、医師数の減少が深刻で「一刻も早く医師数に見合った業務体制に見直さないと、二十四時間、三百六十五日の救急存続は難しい」との認識を示した。
市立病院の医師数は最大二十八人いたが、大学病院の医師引き揚げなどでこの二、三年急減し、現在二十二人まで減っている。特に内科はピーク時の十人から八人、脳神経外科は三人から二人に減るなど深刻で、山本事務局長は「医師一人当たりの負担が増大している」と答弁した。
このため医師の負担軽減策として、伊賀市の岡波総合病院と上野総合市民病院との間で時間外救急の輪番制を敷くことが検討されているが、山本事務局長は「今、調整中で詳細について報告できる状況にはない」と、めどが立っていない現状を説明した。
また市立病院の家里英夫副院長からは、医師不足の影響を象徴する事例の報告があった。昨年十二月十二日午後一時ごろ、市内の六十代の男性が頭痛で来院し、コンピューター断層撮影(CT)検査で、くも膜下出血の疑いが確認されたが、二人だけの脳神経外科医がいずれも手術中で対応できず、午後三時半前に奈良県天理市の天理よろず病院に転院搬送した。男性は天理よろず病院に午後四時二十分ごろ到着し、その後手術を受けたが、十二月二十二日に死亡した。
名張市立病院で早急に対応できなかったことと、亡くなったことが関係しているかは分かっておらず、家里副院長は「市立病院としてはできる限り最速で的確な対応をしたと思っている」と話している。
藤崎病院診療所化で過半数が進退未定
陸奥新報 2007/06/14
http://www.mutusinpou.co.jp/news/07061404.html
職員意向調査 処遇決定前倒し
藤崎町の国保藤崎病院は2008年4月から、指定管理者制度を導入しての有床診療所化を目指しているが、同病院の事務職員を除く看護師など職員の半数以上が進退を決めかねていることが13日、分かった。再就職希望者全員を受け入れる条件を示しているが、第1回の意向調査で未定とする職員が多数に上ったことから、指定管理者受け入れ病院と町の相互の人事調整上、職員処遇の決定を当初の10月から9月に前倒しすることとなった。
これは同日行われた町議会6月定例会一般質問で、浅利直志議員(共産)が病院職員の雇用、再就職の現状と町の基本方針を質問したのに対し、小田桐智高町長が明らかにした。
町は指定管理者制度導入に向け、医療法人ときわ会と、事務職員を除く職員の再就職希望者全員の受け入れを前提に検討中。並行して町は昨年11月から職員説明会を開催。5月8日を締め切りに同病院職員43人中、事務職7人を除く医師や看護師ら36人を対象に、初めての処遇意向調査を実施した。
この結果、半数以上が進退を決めかねており、指定管理者への再就職希望は10人以内、一般行政職への移行希望は若干名、退職希望は5人ほどとなった。再就職希望者の数によって、診療所化した際の職員数が検討されることもあり、当初9月に予定していた職員の最終処遇意向調査を7月に繰り上げ、その最終決定を9月とした。
今年11月には指定管理者選考委員会で指定管理者を決定し、12月に基本協定を締結。08年4月1日から有床(19床)診療所となる予定。
経営立て直し先導 大崎市民病院事業管理者/宮城
河北新報 2007年06月15日金曜日
http://jyoho.kahoku.co.jp/member/news/2007/06/20070615t13026.htm
宮城県大崎市民病院の経営健全化に、4月に就任した同市の吉田正義病院事業管理者(65)が自ら乗り出している。就任早々、黒塗りの公用車を廃止したほか、古川の本院にある管理者室を返上して診療室への改修を指示するなど、建て替えを控えた病院の経営立て直しを先導している。廃止した公用車は、トヨタのセダン型高級車センチュリー。先日、売却された村井嘉浩知事の公用車と同車種で、本院は1998年から、月5万円でリースしていた。
合併前の古川市職員を市立病院事務長で退職し、6年ぶりに古巣に戻った吉田管理者は、着任早々「改革断行に範を示す。ぜいたくは一掃する」とリースを解除。近隣は徒歩で移動し、遠方は他の職員同様に燃費のいいハイブリッド車を使うなど、コスト削減を実践している。事務方は「前の車はガソリンがハイオクで、燃費が4キロ。リース代とガソリン代を合わせれば年間100万円近い歳出削減につながる」と歓迎する。
広さ約40平方メートルの管理者室も、近く診療スペースに変える。本院は来院者が1日1000人超。待合室は常にごった返し、待ち時間の長さに不満を漏らす利用者は多い。
吉田管理者は「管理者室を診療に使えば、若干でも時間短縮になる。診察効率の向上、病院の収益改善にもつながる」と期待。机は、一般職員と机を同じ事務部の一角に置く予定だ。
同病院の2006年度決算は、市一般会計から19億円を繰り入れても、赤字が約12億円を超え、借金残高は90億円に達する。最低でも160億円と見込まれる本院を建て替えるには、あまりにも厳しい台所事情で、吉田管理者は11日から、本院と4つの分院・診療所を回って窮状を訴え、約1000人の病院職員に改革への協力を求めている。
病院建て替えは、合併協議段階では、古川の本院が08年度、岩出山分院は07年度着工の計画だった。しかし伊藤康志市長は昨秋、財政難を理由に計画延期を表明。「今夏をめどに方向を出す」としている。
道内の自治体病院で経営改善に向けた動き相次ぐ
日本経済新聞 2007年6月15日
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20070614c3c1400i14.html
道内の自治体病院で、病院独自の給与体系づくりなど、経営改善に向けた動きが相次いでいる。小樽市立病院は給与削減も視野に入れる。自治体病院の多くは赤字を抱え、自治体本体の財政にも重荷となっている。民間病院に比べ高止まりの人件費などのコスト削減が急務だ。ただ地方の医師・看護師不足は深刻で、「給与削減は現実には難しい」との声もある。
病院事業の経営改善策として各市町村が検討するのは地方公営企業法の「全部適用(全適)」という手法。病院事業の独立性が高まり、職員の人事や給与体系、事業立案などを独自の判断で取り組みやすくなる。通常は採算性が低い病院事業に考慮し、一部適用にとどめる自治体が多い。
市立病院の移転新築計画を進める小樽市は2009年春から全適に移行する。移行に合わせ給与削減も検討する。担当者を病院内に置き、先行事例の研究を始めた。同市の病院事業会計の累積赤字は05年度末で約66億円に上る。
県医師会:安全で良質な医療を、県議会に要望 /広島
毎日新聞 2007年6月14日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/hiroshima/news/20070614ddlk34040718000c.html
県医師会の碓井静照会長は13日、安全で良質な医療を市民が公平・平等に受けられるよう県議会の林正夫議長に要望した。要望書で「財政難を理由に国が医療費を押さえ込み、負担を国民に押しつけている」などと指摘。
▽国民の医療を守るために、医療の負担を国民に押しつけない
▽小児科・産科・救急医療などの深刻な医師不足を解消する
▽増加する高齢者のための療養施設を十分確保する
▽国民の命と健康を守るために必要なお金をかける
--の4項目を国に働きかけるよう訴えている。
碓井会長は「被爆者や高齢者、医師の偏在問題などがあるが県の現状に即した厚生行政を進めてほしい」などと話した。
タクシーじゃない!
山陽新聞 2007年6月14日
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2007/06/14/2007061408143954003.html
「死にそうや」と救急車を呼んでおいて、途中で「コンビニに寄ってくれへん?」。これに救急隊員が「タクシーではありません!」とキレる。こんなポスターを神戸市消防局が作った。かすり傷や検査のための通院など、全く急を要さない用件で救急車を呼ぶ人は、救急現場の悩みのたねだ。モラルに期待できないなら、不要不急の搬送は有料化してもよいのでは、と二年前、この欄で書いた。 「料金設定によっては潜在需要を掘り起こす(タクシー化現象が加速する)のでは」「本当に搬送が必要な人が利用を差し控える」「有料、無料の線引きが難しい」など慎重論もあるが、安易な通報に振り回されている間に一刻を争う患者に手が回らなくなるのが何より問題だ。 東京消防庁は六月一日から「救急搬送トリアージ」を試行した。トリアージとは災害時に治療・搬送の優先順位を決めること。救急車で現場に駆け付けても緊急性が認められないようなら、体調など十五項目をチェックし、同意を得た上で搬送するのを控える。当然といえば当然の話。モラルなき利用者に費やす無駄な時間を、重篤な患者に回してほしい。 津山市内では今月初め、保育園児が次々に倒れたといううその通報で、救急車など計十五台が出動する騒ぎがあった。これはモラルうんぬんではなく犯罪だ。悪質でしかも次元が低い。地方は高齢化が進み、救急需要が高い上、広大なエリアを抱える。無駄をなくし、本来の業務をまっとうできるような制度が必要だ。
豊見城消防 火の車/財政難 増員困難/沖縄
沖縄タイムス 2007年6月14日(木) 夕刊 5面
http://www.okinawatimes.co.jp/day/200706141700_02.html
【豊見城】豊見城市消防本部で慢性的な人員不足や設備の老朽化の問題が深刻になっている。豊崎地区の開発などで都市化や人口増加が進む同市では、救急などの出動要請が大幅に増えているが、財源不足で職員を増やせない状態。現場隊員は「このままでは万が一の時に、市民の安全を守りきれない」と不安の声を上げている。 現場隊員は二班体制。土日、祝日は八人体制で勤務する。救急出動が二件同時に起きると、三台目を出動する人員が足りなくなるため、非番職員の臨時招集が常態化。深夜招集の職員が翌朝の勤務に就くなど現場隊員に負担が掛かっている。車両の老朽化も深刻だ。車両台数は法定基準を満たしているものの、ポンプ車とはしご車は二十八年前の購入で、車両全体の四割(七台)が二十年以上を経過。現場隊員は「緊急出動時に故障が起こったらどうするのか。いつも冷や冷やだ」と心配する。 市総務部人事課は「自治体の財政縮小の流れの中で、消防だけ増員するのは難しい」としている。二〇〇八年度も現人員を維持しながら、事務職と隊員の一減一増により、救急対応を増強する方針だ。この問題は市議会でも再三指摘されている。金城豊明市長は「財源との兼ね合いを見ながら、広域化の検討も踏まえた上で、できるだけ早めに対応したい」と説明する。
「県消防防災年報」などによると、一九九五年に年間七百八十六件だった同市消防本部の救急出動件数は、二〇〇五年に千六百三十六件と二倍以上に増加。一方で消防・救急隊員三十人、事務職員十二人の人員は一九九六年以降変わっていない。新規採用を抑制する市人員計画がある中で増員は難しい。職員の高齢化が進み、五十代の職員が二十一人で全体の半数を占める。二十代はおらず、いびつな年齢構成となっている。
公明、初めて「改憲」明記 参院選公約、年金対策も
東京新聞 2007年6月14日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007061401000745.html
公明党は14日、憲法改正に関し「3年後を目途に加憲案をまとめることを目指す」と初めて明記した参院選のマニフェスト(政権公約)を発表した。 年金記録不備問題に関連し、基礎年金番号を基に年金、医療、介護に関し保険料納付履歴と給付状況を総合的に管理する「総合社会保障口座」の創設を提唱。医師不足対策では、ドクターヘリを5年以内に全都道府県(50機)に配備し過疎地医療の充実を図るほか、産科や小児科の診療報酬引き上げや、緊急時の医師派遣システムの構築を盛り込んだ。 マニフェストは236項目で、国民の生命や生活にかかわるテーマを重視したのが特徴。憲法改正は当初案には入れていなかったが、最終的に追加することにした。具体的な改正内容には触れていないが、「環境権」の追加などを想定しているとみられる。
民主・マニフェスト10本柱 年金記録照合で「国の責任」明記
中日新聞 2007年6月14日
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/saninsen07/all/CK2007061402024076.html
民主党は十三日の政権政策委員会で、参院選マニフェストに盛り込む「十本柱」の政策を決定した。年金記録不備問題については、国の責任で社会保険庁のコンピューターのデータや紙台帳などをすべて照合し、正しい記録にすると明記した。近く選挙対策本部を開き、十本柱に沿う形で五十項目の政策を肉付けし、最終的なマニフェストに仕上げる。 十本柱の最初の項目は「年金を守る」。納付履歴を記載する「年金通帳」交付や年金制度一元化などを盛り込んだ。「雇用を守り、格差と戦う」では、三年をめどに全国平均で時給千円の最低賃金を実現するとの目標を明記。「政治・行政の改革を徹底する」では天下りあっせんの全面禁止を打ち出した。 このほか
(1)子育て・教育政策
(2)産科・小児科などの医師不足解消
(3)農林業活性化と食の安全
(4)地方分権 (5)中小企業対策
(6)環境政策 (7)主体的な外交-が柱となっている。
勤務医負担「増えた」 疲弊ぶり予想以上
日本海新聞 2007年6月14日
http://www.nnn.co.jp/news/070614/20070614009.html
医師不足などを背景に全国的に勤務医の疲弊が問題となる中、鳥取県西部医師会勤務医部会(野坂仁愛部会長)は、実態を知ろうとアンケート調査を実施した。その結果、多くが三年前に比べ勤務負担が増えたと実感し、六割以上が処遇に不満を感じていることなどが分かった。なかには「地域医療が崩壊してしまう」と危惧(きぐ)する声もあり、「疲弊は予想以上」とみている。 アンケートは三月末までに実施し、同会の勤務医百十七人のうち四十九人(男性二十四人、女性八人、性別未記入十七人)が回答した。内訳は▽部長・医長二十六人▽副部長・副医長四人▽管理職以外五人▽役職未記入十四人-。 その結果、一日の平均勤務時間は「十-十五時間」が78%、「八時間以内」「八-十時間」がともに10%、「十五時間以上」も一人(2%)いた。 一週間の平均残業時間=グラフA=では「十-二十時間」「二十-三十時間」「三十時間以上」の合計が80%を超えた。 当直回数は 「当直明けが休みなら元気が出ますか?」の問いには、90%が「元気が出る」、または「少しは元気が出る」と回答し、当直を含めた長時間連続勤務が重い負担になっている実態がうかがわれた。 一方、給料や勤務時間、休暇などの処遇については、 このほか、医師の増員や休日の確保、開業医によるバックアップ体制、女性医師の労働環境整備などの要望も。「開業や転勤も考えている」「地域医療が崩壊してしまう」などの切実な声も記入されていた。また、マスコミへの印象を問う質問では「医療者側をたたきすぎる」との回答が八割近くを占めた。 同会の副会長で勤務医部会担当役員の高見徹・日南病院長は、この結果を「勤務医は予想以上に疲弊しており、安全面からみても問題。勤務医・開業医・住民がスクラムを組んで良い医療を築いていかなければならない」と受け止める。同会では今後、勤務医と開業医の連携強化などの対策に取り組む方針。
▽〇回(6%)
▽一回以内(20%)
▽一回半-二回(61%)
▽二回半-四回(12%)-。
「満足」「やや満足」が計31%に対し、
「やや不満」「不満」「大変不満」が計65%。
「三年前と比べ勤務負担は増えたと思いますか?」の質問=グラフB=には、勤続年数三年以上の三十五人のうち計80%が「増えた」「やや増えた」と答え、その理由として
▽医師不足
▽医療の高度化
▽事務作業の増加-などを挙げた。
効率優先で現場混乱
しんぶん赤旗 2007年6月14日
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-06-14/2007061404_03_0.html
国が不足地域に医師派遣‐退職者などでドクタープール
薬事日報 2007年6月14日
http://www.yakuji.co.jp/entry3406.html
災害専門の看護師育成 気仙地域対策連絡会議
岩手日報 2007年6月14日
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070614_10
県ぐるみで専門医養成へ 千葉医師研修支援ネットワーク
大学病院、地域医療機関 県も支援
Japan Medicine 2007.6.13
http://megalodon.jp/?url=http://www.japan-medicine.com/news/news1.html&date=20070614154047
お産SOS 第9部/リスクと向き合う(5完)情報共有/説明責任 重要性一段と
河北新報 2007/06/14
http://blog.kahoku.co.jp/osansos/2007/06/post_59.html
「聞きたくないという人もいるかもしれないけれど、大事なことをお話ししなければいけません」 5年前に赴任して以来、上原さんは欠かさず初回に出向く。「的確な情報を提供することが、妊婦との信頼関係をつくる第一歩になる」 国立病院機構仙台医療センター(宮城野区)には、死産などで子どもを亡くした親の心をケアする指標をまとめた冊子がある。医師、助産師、看護師全員が持っている。
東北公済病院(仙台市青葉区)で、今月1日にあった母親学級の「すこやかクラス」。40人の妊婦らに、産婦人科部長の上原茂樹さん(54)が切り出した。
「お産でお母さんや赤ちゃんが亡くなるケースもあるんです」。一人一人に語り掛けるように、妊娠中毒症などのリスクや周産期死亡率を説く。「早く手を打ち、そういうことがないよう適切に処置するのがわれわれの役目」と繰り返した。
じっと説明に聞き入る参加者。「自分でも気を付けないといけないことがいろいろある。再認識しました」。11月下旬に出産予定の小野寺史恵さん(34)=仙台市=は、参考になった様子だ。
すこやかクラスは、初めて出産を迎える女性が対象。初回のオリエンテーションで、産科医が出産のリスクを説明する。
公済病院では年約1000件のお産を扱う。クラスや健診を通して、妊婦と接する時間は限られる。「お産のリスクはたくさんある。どれだけ理解してもらえているか。難しい」。手探りの中で取り組みは続く。
不慮の事態に際し、情報不足が妊婦側の不信感を招くことが少なくない。
「子どもは助かったかもしれない。今もそう思っている」。仙台市の女性(29)は言葉少なに振り返る。5年前、第一子を亡くした。妊娠中期、自宅近くの病院の健診で胎児死亡と分かった。
詳しい説明はなかった。亡きがらと対面もできなかった。産後の病室では1人きり。じっと悲しみに耐えた。
今春、「2度と行きたくない」と思っていた病院に足を運んだ。その時の状況や原因が、どうしても知りたかった。
担当医とは別の医師から淡々と説明を受けた。へその緒が胎児の首などに絡まる「臍帯巻絡(さいたいけんらく)」だった。わだかまりは解けなかった。
「事実を正直に伝える」「(医師からの説明は)1回では理解できない場合もあるので、理解度に合わせて必要時に行う」―。約40項目の心構えや注意点を記し、情報公開の重要性を明記している。
冊子作りは、助産師の中鉢泉さん(28)が中心となって進めた。死産などを経験した女性たちとの交流が下敷きになった。
「悲しみを癒やすためにも、事実を隠さずに伝え、受け入れてもらうことが大切」。中鉢さんは同僚らに、そう呼び掛けている。
医療現場で重視される「インフォームド・コンセント」(説明と同意)。お産の現場で、その重みは一段と増す。
第5部 足踏み 3 見えない死 「答え」出すのは家族
山陽新聞 2007年6月14日
http://www.sanyo.oni.co.jp/kikaku/2007/yureru/5_3.html
冷たい水が流れる“水冷式毛布”で体をくるむと、体温は約三四度に保たれる。五日から一週間。全身を冷やして脳圧を下げ、脳細胞の壊死(えし)をくいとめる。 日本大学付属板橋病院(東京都板橋区)の脳低体温療法。一九九〇年代初め、わが国で初めて本格導入した。交通事故による外傷やくも膜下出血などで脳に重い損傷を受けた患者が、ケースによっては奇跡的な回復をみせることで知られる。 鹿島寿美江さん(69)=同所=の意識が戻ったのは、入院して八日目だった。昨年十月、入浴中に心臓まひ。心肺停止状態で運ばれ、すぐに脳低体温療法が施された。浴槽に沈んでいたため体温が高く、大量に水を飲んでいた。脳死や植物状態になる可能性もあった。退院後もリハビリを続けた今、鹿島さんに後遺症はほとんどない。「いろんな人から、あんたは一度死んだ身だと言われる。運が良かった」 だが、一度「脳死」になった患者が回復することはない。脳死とは、不可逆的な死、後戻りできない死だ。人工呼吸器で心臓は動くが、脳幹、あるいは脳全体は死んでいる。時間がたつと、確実に心臓死を迎える。 自発呼吸停止、心停止、瞳孔の散大。心臓死は誰の目にも明らかな三兆候で判定される。一方、「見えない死」と呼ばれる脳死患者は、人工呼吸器の助けで息をしており、体も温かい。水島中央病院(倉敷市水島青葉町)理事長の秋岡達郎医師(脳神経外科)は「家族にとって、脳死は納得しがたい死だ」という。 脳死を家族に説明するとき、「体が温かいのに『死』という言葉を安易に使わないで」と抗議を受けたことも一度や二度ではない。「治療を尽くしても患者が脳死になれば医師は負い目を感じる」と秋岡医師。「個人的には、脳死は臓器の死であり、人の死ではないと思っている」とさえ言う。
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同病院ではこれまで、約二百例に脳低体温療法を実施。心肺停止では五~六割、頭部外傷はややそれより低いが、多くの患者に効果があった。脳死か心停止を待つだけだった重症患者の蘇生(そせい)限界点を大きく伸ばしたこの治療法は、それまでの救命救急の“常識”を覆した。「脳低体温療法は端的に言えば、脳死になるのを防ぐ治療法」と同病院の守谷俊講師(43)。
「でも、数々の奇跡を目の当たりにすると、蘇生限界点がどこにあるのか。正直、答えは見つけにくくなった」。守谷講師は話す。
■ □
厚生労働省によると、脳死が発生する割合は全死者の約1%。毎年約百万人が死亡する日本では、約一万人が脳死になる勘定だ。
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脳死は「人の死」か―。この議論は一九八〇年代以降、ずっとわが国の世論を二分してきた。八五年、厚生省の脳死に関する研究班が脳死判定基準(竹内基準)を作成。八八年には、日本医師会生命倫理懇談会が「脳死は個体の死」とする見解を発表した。その後の、脳死臨調最終答申(九二年)、臓器移植法施行(九七年)をへてもなお、脳死に向き合う医療現場の“最前線”は揺れている。
守谷講師はこう考える。
「脳死になれば助からないが、人それぞれ宗教観があり、家族への思いもある。脳死が人の死かどうか。決めるのは医者ではなく、家族ではないだろうか」
長女死亡は担当医ミス、両親が高槻赤十字病院を提訴/大阪
2007年6月14日 読売新聞
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20070614p302.htm
大阪府高槻市の高槻赤十字病院で、検査入院中の長女(当時19歳)が死亡したのは、「担当医のミスで動脈を傷つけたのが原因」として、福岡県内の両親が14日、同病院を運営する日本赤十字社(東京)と担当医2人を相手に計約1億2000万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。長女の死亡を巡っては、両親の告訴を受けた大阪地検が、業務上過失致死容疑で捜査しており、民事・刑事両面から真相解明が進むことになった。 訴えによると、高槻市内の薬科大2年生だった長女は2005年3月、微熱が続き、血小板が急減していたため入院。同年6月13日夕、担当医から胸に針を刺して胸水を採取する検査を受けたところ、胸に強い痛みを訴えた。しかし、担当医は鎮痛剤を投与するだけで、再検査をせず、長女は意識不明となって翌日死亡した。解剖の結果、胸部の動脈が傷つき、胸の内側に約2・6リットルの血がたまっており、死因は出血性ショックだった。 病院側は「医師の過失は一切ない」などと責任を否定しているという。両親の代理人弁護士は「医師は、長女が強い痛みを訴えた半日間に救命できたはずなのに全く検査しておらず過失は明らか」と主張。両親は「娘は将来、研究者になって、たくさんの命を救える新薬を開発したいと張り切っていたのに。簡単なはずの検査で命を落とした原因と病院側の責任を明らかにしたい」としている。 代理人弁護士によると、長女の死亡後、高槻署が業務上過失致死容疑で担当医らから事情聴取。昨年6月には、大阪地検が両親の告訴状を受理、同署の捜査資料を引き継いで医師の過失の有無などを調べている。
高槻赤十字病院の話「訴状を見ていないのでコメントを差し控えたい」
医療ミスで男性死亡 道立紋別病院が賠償金
北海道新聞 07/06/15
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/32302.html
道立紋別病院で二○○五年九月、七十代の男性入院患者の胸腔(きょうくう)内にたまった水を取り除く手術で、医師が誤って肺を傷つけ、この患者を死亡させる医療ミスがあったことが十四日、分かった。 同日の道議会保健福祉委員会で道が報告した。道は、肺の位置をきちんと確認しなかった医師の注意義務違反が原因とし、賠償金二千二百二十万円を遺族に支払うことで、すでに示談が成立している。 道によると、男性患者は大腸がんで入院中に肺炎を併発し、胸に穴を開けてたまった水を取り除く手術を受けた。その際、医師が肺にも穴を開けてしまったことから血が止まらなくなり、翌日死亡した。医師は○五年度末で退職している。
借りた保険証で治療受ける 容疑で中国人2人逮捕 神戸
朝日新聞 2007年6月13日
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200706130035.html
未承認薬:使用を限定解禁 厚労省が新制度導入検討へ
毎日新聞 2007年6月15日
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070615k0000m040138000c.html
厚生労働省の「有効で安全な医薬品を迅速に提供するための検討会」(座長・高久史麿自治医大学長)は14日、国内未承認の医薬品の使用を、代替治療法のない重い病気に限り認める制度の創設を求めることで一致した。厚労省はこれを受け、来年度導入に向け検討に入る。医師が個人輸入していた海外の薬などの安定供給につながる期待がある一方、副作用への対応など課題も多く、議論を呼びそうだ。 この制度は「コンパッショネート・ユース(人道的供給)」と呼ばれ、欧州連合(EU)や米国にも同様の仕組みがある。薬事法は承認のない薬の国内での製造販売を認めていないが、医師が担当患者の治療に使う目的であれば個人輸入できる。しかしこの場合、有効性や安全性のチェックが働かず、安定供給できる保証もない。 そこで届け出や許可制で未承認薬の使用をルール化し、最低限の品質確保を図る。製薬会社にも一定条件下で輸入販売を認めれば、医療現場はより入手しやすくなる。 国内で承認申請中の薬は、治験が終わった段階で、有効性が確認されても患者への投薬を中止せざるを得なかった。これも使用を認めれば、承認されるまでの継続投与が可能になる。 同省によると、医師の未承認薬の個人輸入は05年で約1万2000件。背景には、日本の医薬品の審査期間が長く承認までに海外と時差が出る事情がある。過去に薬害を引き起こしたサリドマイドは、海外で血液のがんへの有効性が認められ、05年度は50万錠を超える個人輸入があった。 一方、検討会では▽副作用の情報収集や被害救済の方法▽輸入中止の手続き▽患者へのインフォームド・コンセント(十分な説明に基づく同意)の取り方--などの問題が指摘され、未承認の薬が広まることへの懸念も出た。厚労省医薬食品局は「承認された薬を使うのが望ましいのが大前提。あくまで例外措置として、導入を考えていきたい」と話している。
腎移植 ネットで仲介 比の病院へ事実上のあっせん 日本人代表会社
東京新聞 2007年6月14日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2007061402024114.html
市民病院事業改善へアドバイザー 高松市長が要請/香川
四国新聞 2007/06/14
http://www.shikoku-np.co.jp/kagawa_news/administration/article.aspx?id=20070614000125
大学生の自殺防止用・教員向けマニュアル作成…山口大
2007年6月14日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news004.htm
病気腎移植 世界的専門誌に論文
中国新聞 2007年6月14日
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200706140150.html
ロシアの「危険情報」を継続 外務省渡航情報
時事通信 2007/06/13
http://www.jiji.com/jc/c?g=saf2&k=2007061300694
【医療事情】
(ト)ロシアにおいて入院が必要となる病気になったり、負傷した場合には、ロシアの病院に入院することもできますが、重度の場合、ロシア国外の医療機関への緊急移送となるケースがほとんどです。この場合、極めて高額の費用を要しますので、海外旅行傷害保険に加入するよう強くお勧めします。最近、高齢者の方の観光旅行が増えていますが、食事や気候の変化から体調を崩し、入院される例が多くみられます。健康管理にも十分配慮し、無理な日程での旅行は避けるようにしてください。
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