でも地方はやはり医師が足りません。
秋田では切実なようで、募集電話先まで記事に載っています。
信濃毎日の社説は、「医師数を増やすことも考えて!」というもの。
あとはあれこれ。
「明日の私」反響特集は、やっぱり政策に向けての批判の声が高まっているようです。
耳鼻咽喉科開業医ゼロ 気仙沼市立病院が体制強化 常勤医2人で連日診療/宮城
三陸河北新報 2007.05.19
http://www.sanriku-kahoku.com/news/2007_05/k/070519k-jibika.html
気仙沼市立病院(遠藤渉院長)は四月二日から耳鼻咽喉(いんこう)科の診療体制を強化、常勤医師二人で月曜から金曜までの連日診療を行っている。気仙沼市内では最近、耳鼻咽喉科の個人病院がなくなり、唯一診療科がある市立病院への依存度が高まっている。
市立病院耳鼻咽喉科の外来診療は体制強化後も原則として午前だけの診療が午後の遅い時間までに及ぶことが多い。依然として医師不足の状態は続いている。
個人医院は市内に昨年まで二軒あったが、昨年末に弁天町の佐々木医院が医師死亡により休業。今年四月半ばには南郷にあった佐藤医院が医師の健康上の理由で閉院。気仙沼・本吉地方全体を見渡しても、個人病院はゼロとなった。
市立病院は今年一月に外来の診療日を、月曜午後と火曜午前の週二回から金曜午前も加えて三回に増加。そして四月二日からは週五日(すべて午前診療)とし、医師も非常勤二人から常勤二人にし、入院もできるようになった。
今年四月一カ月間の外来患者数は千七百三十八人。昨年四月の八百四十人から二倍になっている。一日平均では週二回の昨年は百五人だったが、今年は八十七人と診療日が増えた分ばらけた感じだが、入院患者も延べ八十七人いたことから医師への負担が増している。
二次医療機関である市立病院は本来、個人病院で対応できない患者を受け入れる役割だが、個人病院がなくなった地域の事情をカバーしなければならない状況になった。
自治体病院医師 県が募集/秋田
2007年5月20日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news005.htm
深刻化する医師不足の解消を目指し、県は21日から、県内の自治体病院に勤務する医師を募集する。県職員として採用し、勤務期間は4年間。最初の3年間に病院に勤務した後、有給で希望する県内外の医療機関などで研修を受けることができる。
今年度から新たに導入した制度で、勤務先は12の自治体病院など。研修期間も含め、県職員の医師に準ずる額(44歳、経験年数15・9年、扶養家族1・6人で月額約80万円)が支給される。
今年度は5人を募集。おおむね50歳以下で、医師免許を取得して2年以上たっていることなどが条件。書類や口述試験で選考する。勤務先の病院は合格後に相談して決める。
受け付けは8月31日まで。5人に満たない場合は募集を続ける。問い合わせは県医務薬事課医務班((電)018・860・1411)へ。
神大が中核病院構想 北播磨5市1町へ提案/兵庫
神戸新聞 2007/05/19
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000341203.shtml
兵庫県内の多くの公立病院に医師を派遣している神戸大学医学部が、北播磨五市一町(西脇、三木、小野、加西、加東市、多可町)の首長や五つの公立病院長に対し、「従来通りの医師派遣の維持は困難」などとし、病院を統合して医師を集中派遣できる中核病院設置を提案していることが、十八日分かった。神戸大によると、大学側から自治体に対し、病院統合や中核病院構想を提案するのは、国内でも異例という。北播磨では医師不足が深刻なことから、小野市などは「住民の利益にもなる」と提案に沿う方向で検討を始めた。
国が二〇〇四年度から導入した新医師臨床研修制度により、研修場所が自由化された結果、大学医学部の医局に研修医が集まらず、地方病院への派遣が困難になった。北播磨の公立病院でも医師不足で、休診する診療科が相次いでいる。
神戸大医学部は今月十六日、北播磨各市町長と公立病院長らに病院統合を提案。医師の減少で救急医療などに悪影響が生じているなどとし、「自治体の同意があれば、大学を挙げて高度医療や救急医療が行える理想の病院をつくる決意がある」と説明した。中核病院の規模や位置などは、今後自治体と調整するとし、中核病院以外の残った病院には、リハビリ機能などを担わせる構想。神戸大は「できれば本年度中にも方向性を出してほしい」としている。
提案を受けた自治体のうち、小野市は「医師派遣がなくなり各病院が共倒れするより、中核病院が残る方が住民の利益になる可能性がある」と判断し、十八日に開かれた同市会議員協議会で神戸大の提案を説明。多可町も前向きに検討する方針という。
「ドクターヘリを全国配備」公明党が参院選公約第一弾
2007年5月19日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20070519ia21.htm
公明党の太田代表は19日、参院選に向けた遊説を名古屋市で開始し、「参院選で万一野党が勝てば、政治は混乱し、景気が腰折れする。公明党(公認候補)の13人全員の完全勝利こそが、与党の過半数(確保)と勝利になっていく」と支持を訴えた。
太田氏は、憲法改正手続きを定めた国民投票法が成立したことに関連し、「憲法9条が変えられるという話があるが、全然違う。(9条)1項、2項を堅持すると我々は明確に言っている。集団的自衛権の行使も、簡単に変えることはいけない」と指摘。
その後の記者会見でも、「選挙では(個々の)憲法条文の改正は論議にならない。国民生活に密着した課題が一番の争点だ」と強調した。一方、公明党は同日、参院選の公約の第一弾として、医療政策などを盛り込んだ「命のマニフェスト」を発表した。
公約の骨子は次の通り。
▽災害や事故などで救急医療が必要な現場にヘリコプターで医師を派遣する「ドクターヘリ」を、2012年をめどに、全国50か所、全都道府県に配備
▽産科・小児科などの医師不足対策として、新たな医師派遣システムを構築し、地域医療のための人材を確保
▽がん対策強化の基本計画を策定し、放射線治療医の育成を推進
診療科名38→26に…厚労省方針
2007年5月20日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070520ik01.htm
患者に分かりやすく 得意分野併記は自由
厚生労働省は、患者が医療機関を受診する際、自分の症状にどの診療科が当てはまるのかが現状では分かりにくいとして、診療科の表記の仕方を抜本的に見直す方針を固めた。
38ある診療科を26の基本診療科に整理する一方、医師が治療を得意とする専門分野や病名などを、いくつでも併記できるようにすることで、診療科の表記に関する規制を事実上、大幅緩和する。21日の医道審議会診療科名標榜部会に同省案として提案し、早ければ年内にもスタートさせたい考えだ。
医療機関が看板で掲げることのできる診療科名は、医療法に基づき、医科で34、歯科で4と定められている。診療科名は、時代とともに細分化されてきたが、基本的な診療科と専門性の高い診療科が混在し、「『内科』と『胃腸科』のどちらにかかればいいのかわからない」などの声が患者から出ていた。
同省案では、「アレルギー科」「心療内科」など、すでにある専門的な16の診療科を、新たに位置づける基本診療科からはずす。一方で、初期診療を担当し、必要に応じて患者を専門医に振り分ける「総合科」や、「病理診断科(または臨床検査科と言い換え)」「救急科」の四つ(言い換え分を含む)を基本診療科として新設する。
現在は、診療科をいくつ掲げても構わないが、改正後は医師1人につき二つまでしか掲げられなくなる。その一方で、治療が得意な「人工透析」「ペインクリニック(痛み緩和)」などの専門分野や、「糖尿病」「花粉症」などの病名を、小さな字か、かっこ内に書くなど、基本診療科名と区別する形でいくつでも表記できるようにする。
例えば、花粉症の患者の場合、「アレルギー科」「耳鼻いんこう科」などのどれを選べばいいか現在は判断しにくい。また、「アレルギー科」を掲げていても、得意分野が、花粉症なのか、食品アレルギーなのか、皮膚症状なのか、看板だけでは判別できない。改正後は、基本診療科として残る「耳鼻いんこう科」などのうち、得意分野で花粉症を掲げる医療機関を選ぶことができるようになる。同省では、6月中にも標榜部会での審議を終え、医療法施行令などを改正する方針。
救急隊暴力には屈しない 繁華街で多発昨年46件、増加傾向
東京新聞 2007年5月19日 夕刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007051902017393.html
「けられるために救急隊員になったんじゃない」
東京消防庁の男性消防司令補(46)は十年ほど前の冬、上司に向かって声を荒らげた。学生同士のけんかで駆け付けた東京都世田谷区の私鉄駅前。学生の傷を見ようと顔をのぞき込んだら、突然けられた。
消防士になり、同庁の内部試験に受かり、研修を経てやっとなれた救急隊員。一晩中、救急車で駆けずり回り、ほとんど眠れなくても、「人を助けたい」という一心が支えだった。なのに、救助に行った現場で暴力を受けた。「一体、自分の目的は何だったのか」。使命感が揺らいだ。
◇
東京消防庁によると、救急隊員に対する暴力や救急車を壊すなどの妨害行為は、一九九六年に前年比二倍の十六件になって以降増え続け、二〇〇五年は四十八件、昨年も四十六件発生した。加害者の七、八割は酒を飲んでおり、週末の午後六時からの十二時間に集中。繁華街での救急活動で被害が多発している。
一昨年夏、駆け付けた現場で泥酔して暴れる男性に拳で殴られた別の男性消防司令補(43)は、その後「また殴られるかもしれない」と疑心暗鬼になり、しばらく救急車に乗るのがつらくなった。暴力を受けたことで心的外傷後ストレス障害(PTSD)や後遺症に悩まされ、前線から離脱する隊員もいるという。
同庁は二〇〇〇年、救急隊員二人が殴られるなどして骨折した事件を機に、繁華街での救急活動では、首ガードと顔カバーが付いた防護用ヘルメットや防刃チョッキを身につけることにした。救急指導課の竹内栄一係長は「再発防止のため、暴力行為は徹底的に法的手段に訴える」と語る。
〇三年からは、繁華街の新宿区歌舞伎町では午後八時から午前五時まで「PA連携」作戦を導入した。Pはポンプ車で、Aは救急隊(Ambulance)。救急隊が出動する際、日常的に体力訓練を行っている屈強なポンプ隊の消防士四人も現場に駆け付け、支援する。連携開始前の〇三年に六件あった妨害行為は、昨年までの三年間でそれぞれ一件、二件、ゼロと推移している。
しかし、都内全体では救急隊員への暴力は一向に減る気配がない。同庁幹部は「バブル崩壊以降、社会情勢が不安定になり、世の中のうっぷんのようなものが救急隊員に向けられている感もあるのでは」と話す。
◇
上司に声を荒らげた消防司令補が、救急車に乗れないまま一週間ほどたったころ、殴った学生が消防署にやって来た。「本当に申し訳ありませんでした」と土下座していた。その姿を見ながら、自分の仕事への自負を取り戻せた気がした。告訴を取り下げ、現場への復帰を決意した。
「自分の本分は何だと考えれば、救急隊は現場に行くしかない。殴られようがけられようが、出動していくのが救急隊なんだ」都内では、約四千人の救急隊員が日夜救命に奔走している。
ちょっとチガウけど。
ところで、このご家族なくなったわけではなかったのでしょうから、
救急隊員の判断はそう間違っていなかった、ということでしょう。
軽症の方を受けいれてもらおうと、ウソを報告されると、困ります。
また逆に重傷の方について受け入れてもらう為にウソで軽症のように報告されている場合もとても困ります。
救急隊員の力量で決まる?受入施設選定
もしあなたが急患になった時
オーマイニュースインターナショナル 2007-05-19
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070519/11267
奥会津の医療現場/福島
2007年5月20日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news003.htm
県会津保健福祉事務所は、病院や医師が少ない奥会津地方で働く医師の日記などを掲載したウェブサイト「奥会津のへき地医療」を開設した。医学を学ぶ学生に「へき地医療」ならではの魅力にも触れてもらい、医師確保に役立てるのが狙い。
紹介しているのは、県立宮下病院(三島町)、金山町国保診療所、昭和村国保診療所、只見町国保朝日診療所の4医療機関の医師たち。それぞれの戸惑いや悩み、喜びを、定期的に更新される日記や動画によるインタビューを通じ知ることができる。
昭和村国保診療所の藤森永二郎所長は、日記に「診療所のドアを開けて入ってくる患者さんの様子で、体調のわかることが多くなった」とつづり、毎朝、散歩し、人々とおしゃべりしていることも記している。
同事務所は「美談や苦労一辺倒では語れないへき地医療の日常や、医師や看護師らスタッフの飾らない思いを伝えたい」と話している。アドレスは、http://www.pref.fukushima.jp/aizuhofuku/hekichi/index.html
医師不足 増やすことも選択肢に
信濃毎日新聞 2007年5月20日(日)
http://www.shinmai.co.jp/news/20070520/KT070518ETI090007000022.htm
担当科の医師が1人で60日連続勤務した。
医療が高度化して診療時間は増えているのに、医師の数が増えない。
女性医師が働きやすい職場は少なく、このままではさらに医師不足が進む。
いずれも、病院に勤務する医師の生の声だ。日本医労連が全国の病院勤務医の労働実態についてまとめた調査から、負担の重さが浮かび上がってくる。
長野県内では医師79人が回答を寄せた。時間外労働では、過労死認定基準の「月80時間」を超えた医師は24・6%もいた。1カ月に休んだ日は1日もない医師が15・2%。平均は3・7日だった。
県内でも医師がいなくなって診療科目を減らしたり、診療日数を減らす病院が相次いでいる。医師の数が多く1人の負担が軽い都市部の病院に移ったり、開業医に転じる医師が多くなるのも無理はない。
政府与党は18日、医師不足に関する協議会を開いた。6月上旬にも対策をまとめ、参院選公約の「目玉」にする意向でいる。命に関わる重要な課題を、小手先の論議で終わらせてはいけない。いま、抜本的な対策を打ち出さないと地方の医療崩壊はますます進む。
厚生労働省は中核病院への医師の重点配置、出産時の事故に対する無過失補償制度創設などの対策を打ち出しているものの、思わしい成果は上がっていない。今後の論議の重要なポイントは、医師はどれだけ必要なのか、ということだ。
厚労省は、医師不足は都市部や一定の診療科目に集中する「偏在」が問題だとしている。一部の大学で医学部定員の増員を認めたが、あくまでも暫定措置である。昨年まとめた需給見通しでも、年々医師は増えており長期的には需要と供給のバランスが取れるとしている。
しかし現場からは、医療の高度専門化で患者や家族への説明に時間がかかる、治療以外の事務仕事や研修の負担が大きい、といった声がある。妊娠や子育てで休む女性医師への対応も考えなければならない。医療訴訟が増え、丁寧な診療が求められている時代には、より多くの医師が必要になる。
日本はOECD(経済協力開発機構)の加盟国の中でも、人口当たりの医師数が最低クラスだ。このままではいけない。
厚労省は医療費を抑えるために、医師の増員には慎重だ。医療へのニーズが変わりつつある中、無駄を見直し、医療費の配分をあらためて検討したい。医師の増員も選択肢の1つになる。
出生率 全国で下位8番 サンデーリポート/埼玉
2007年5月20日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news001.htm
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