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(投稿:by 僻地の産科医)
をっ!!!!(@▽@;)!!!
ついにでました!!!
大手新聞社からの記事!!!
もともとこの発表は2010年の新生児学会で出された、
順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科の発表が
もとになっているのですが、
東京ディズニーリゾートからの妊婦救急搬送 「マタ旅」は妊婦とその家族を不幸にする第一歩→2007〜2009年の3年間で順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科で飛び込み出産1例、命に関わる常位胎盤早期剥離1例、子宮外妊娠1例、流産が18例、入院加療が必要な切迫流産が1例・切迫早産1例
天漢日乗 2011-01-10
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2011/01/post-ab0e.html
【あわせてどうぞo(^-^)o!】
妊娠中の旅行 大丈夫?
宋美玄のママライフ実況中継 2012年3月21日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=56272
で話題になり、ここまで取り上げられるに至ったというわけでしょうか?
新生児学会の抄録の後、産経新聞からの記事をご紹介します。
PO-298
東京近郊の巨大テーマパークからの
産科緊急症例についての検討
The investigation of the maternal transport
from the huge theme park on the outslcirts of Tokyo
順天堂大学医学部附属浦安病院産婦人科
今野秀洋 田嶋敦 祖川侑子 丸山真由子
野島美知夫 吉田幸洋
日本周産期・新生児医学会雑誌 2010年6月号 p507
【目的】
今回我々は,レジャー旅行中の妊婦における産科救急搬送の実態の把握とその問題点を明らかにし,また実際の対応について調査することを目的とした。
【対象】
2007年1月1日から2009年12月31日までの期間,レジャー施設およびその周辺施設より当院産科に緊急受診した症例を検討した.
【結果】
受診患者数は,2007年は41人,2008年は23人,2009年は22人で,総数86人であった.年齢は19~45歳(中央値30歳),妊娠歴は0~5回(中央値1回),分娩歴は0~4回(中央値1回)であった.来院週数は4週~40週および産褥期で,12週までが40人(46.5%),12週~21週が22人(25.6%),22週~36週が22人(25.6%),37週以降が1人(12%),産褥期が1人であった.診断は,切迫流産が一・番多く,40人(46.5%),流産が18人(20.9%),切迫早産およびその疑いが11人(12.8%)と続いた.また,このうち入院を要したのは7人(8.1%)で,流産が2人,切迫流産が1人,切迫早産が1人,陣痛発来が1入,子宮外妊娠が1人,常位胎盤早期剥離が1人であった.
【結語】
過去3年間に総数86人と多くの方々が受診していた.
そのうち,おおよそ半数近くが軽症例であったが,子宮外妊娠や常位胎盤早期剥離といった重症例も存在していることがわかった.今回は施設内の妊婦への対応を調査して併せて報告する.
「マタニティー旅」十分注意を 日程に余裕持たせ、無理はしない
産経新聞 2012.3.21
(1)http://sankei.jp.msn.com/life/news/120321/trd12032107450002-n1.htm
(2)http://sankei.jp.msn.com/life/news/120321/trd12032107450002-n2.htm
(3)http://sankei.jp.msn.com/life/news/120321/trd12032107450002-n3.htm
妊娠中のストレス解消や夫婦の思い出づくりに人気のマタニティー旅行、いわゆる「マタ旅」。だが、旅行中に状態が急変するリスクは心得ておきたいもの。専門医は「日程に余裕を持たせ、決して無理はしないで」と呼び掛けている。(戸谷真美)
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年間平均30人超
国内有数のテーマパーク、東京ディズニーリゾート(TDR)には国内外から年間約2500万人が訪れる。近くにある順天堂大学医学部付属浦安病院(千葉県浦安市)と社会保険船橋中央病院周産期母子医療センター(船橋市)の医師らは「東京近郊にある巨大テーマパークからの産科緊急受診に対する検討」と題した研究で、警鐘を鳴らしている。
それによると、平成19~22年の4年間で、TDRと周辺のホテルなどから運び込まれた旅行中の妊婦は計129人。19、22年は40人以上の緊急受診があり、平均するとほぼ週に1度のハイペースだ。年齢は19~45歳と幅広く、出産経験のある経産婦が約6割。時期は妊娠12週未満が53人と4割を占め、22~36週が39人(30%)で続く。37週以降も2人いた。
診断は、妊娠21週までの切迫流産が61人(47%)と最も多く、次いで切迫早産およびその疑いが26人(20%)。入院が必要だったのは20人で、早産などで新生児集中治療室(NICU)での新生児の管理が必要だったケースは6例あった。中には、妊娠中に胎盤が剥がれてしまう常位胎盤剥離などの重症例や妊娠23週での早産もあった。
順天堂大医学部付属浦安病院の産婦人科医で、同学部准教授の田嶋敦さんは「受け入れる際、その妊婦さんのデータが全くない場合があった」。母子手帳がないケースや出産予定日しか分からないこともあり、胎児の生育状況や妊娠中毒症といったトラブルの有無など、必要な情報を得られにくいケースが目立った。
主治医に相談を
マタ旅は、バリアフリーや日程に配慮したプランを宿泊施設や旅行会社が打ち出し、有名人がブログで報告するなどしたことで数年前から一般的になった。田嶋さんは「気を使い過ぎてストレスになってしまうのもよくない。旅行でリフレッシュするのが一概に悪いとはいえない」と話す。心掛けとして、旅行に行く際は
▽主治医に相談
▽母子手帳や保険証を必ず携帯
▽日程にゆとりを持たせ、無理をしない
-などが必要だ。研究チームのアンケートでは、主治医の了解を得たという人は半数以下にとどまり、中には夜通し車に揺られて来た人もいたという。
全国的な産科医の減少やNICU不足の中、すぐに診療が受けられないことや、その地域の医療負担増も考えられる。田嶋さんは「妊娠は病気ではないが、安定期という言葉も医学的な定義はない。『何が起こるか分からない』ということは心に留めておいてほしい」と話している。
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アトラクションで注意呼びかけ
TDRを運営するオリエンタルランド(千葉県浦安市)では、一部のアトラクションで、妊娠中の利用を制限している。看板や自動アナウンスのほか、スタッフが声で注意を呼び掛けている。ウェブサイトでマタニティープランを提案している近畿日本ツーリスト(東京都千代田区)も産科医のアドバイスやトラブル対処法などを明示。「利用される方の不安を解消し、妊婦の方にも十分な配慮のある施設を紹介している」という。
マタ旅の旅行先として海外も人気だ。しかし、一般的な海外旅行保険には妊娠・出産にかかわる診療がカバーされない商品が多いので注意が必要。
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