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(投稿:by 僻地の産科医)
キャリアブレインからですo(^-^)o..。*♡
私も過労で過労鬱を宣告され、
イキナリの診断書を持たされて
病気欠席したことがあります。
その時には何がなんだかという状況でしたが、
その後の闘病は長く続き、薬を全く飲まなくなって2年かかって
ようやく穏やかな日々が訪れようとしてはいますが、
結局のところ、産婦人科では「当直」がありますので、
なかなか行ったり戻ったり。
季節と状況の変動ですっかり忘れていたり、
治ったりの繰り返しではあります。
医師が「うつ病」になる前に
「医師のメンタルヘルス」
(上)http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36057/page/1.html
(下)http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36058.html
■「医師のメンタルヘルス」
警察庁の調べによると、2010年の医療・保健従事者の自殺者数は374人。そのうち「うつ病」と特定されたのは約3割(117人)で、原因・動機でトップだ。医師のうつ病では、自身がSOSを発信する勇気を持ち、専門家に相談することが大切だが、「医師は自分がうつ病になっても隠したがるため、治療開始が遅れる」(ある心療内科医)。同僚の医師が「うつ病?」と感じたら、どう対応したらいいのか。うつ病を経験した医師にも話を聞いた。
(君塚靖)
「医療機関のトップは、その職場で多くの医師が、うつ病を発症しているならば、過重労働などを無理強いしている職場環境を改善し、特定の人だけが発症しているならば、個人のメンタルな部分に配慮しなければならない」――。
うつ病相談などを行っているNPO法人マインドフルネス総合研究所(埼玉県蓮田市)の大田健次郎理事長は、こう指摘する。同総研には、うつ病の医師も訪ねて来る。大田氏は、「医師は立場上、自分が患者を治す立場なので、『助けて』とは言いにくいのだろう」として、医師のうつ病の治療には、病院などの組織的なサポートや周囲の理解が不可欠だと強調する。大田氏は、心理療法に関する講習会のために、全国を回っているが、最近は、激しく落ち込んだり、怒ったりする「非定型うつ病」が増えてきていると分析する。
■医師が心を病む原因
メンタルヘルスに詳しい、石岡第一病院(茨城県石岡市)内科の舘有紀医師は、「医師が心を病む原因」(=表)を3つに大別し、精神的に追い込まれていく過程を、以下のように解説する。
「医者になる人の多くが使命感を抱いている。自分の親が医者に助けられたりした記憶があれば、自分も人を助ける医者になろうという動機づけがある。しかし、医者になり激務が続くと余裕がなくなる。良い医者でいたいと思っているのに患者とトラブルを起こし、イライラを繰り返す。そして少しずつ精神的に追い詰められていく。理想を追い求めていればいるほど、ある日、『こんな気持ちで医者になったのだろうか』と思い、そのギャップに耐えられなくなる」。
■自分のための医療を止める
「自分のための医療を止めてみては」――。
舘氏は、こんな提案をする。医師は知らず知らずに『患者のための医療』でなく、
『自分のための医療』をしているという。それをいったん止めてみてはどうかというのだ。そうすることで、バーンアウト(仕事などに没頭してきた人が意欲を失う現象)を避けることができると強調する。
「最初は患者の病気の不安を取り除き、患者のための医療をしていたのに、だんだんと自信がつき、自分の評価が高まってくると、自分の評判を落とさないための医療に変わってきてしまう。それが『自分のための医療』。自分のための医療をしようと医者になったわけではないのに、いつしか自分の評価を求めるために、患者に優しい言葉を掛けている、演技する自分がそこにいる」と話す。
これは舘氏自身の体験に基づいている。「患者のための医療をしていたと思っていたある日、自分は良い医者でありたい。そして、そう思われるように振舞っていることに気がついて、愕然としたことがあった」と語る。
この体験は、舘氏が医師になり、約10年が経った頃だった。舘氏は、「自分が病気をして、休職をしたことがきっかけで、突っ走って来た自分を振り返ることができた」と、当時を述懐する。
舘氏はバーンアウトの原因に、「能力の限界を超えた状態が長く続く場合」を挙げている。それに対しては、自分に限界を設定することが有効だと話す。「自分自身の限界を知ること。自分の能力だけでなく、体力の限界もある。患者に対する温かさや心遣いも、自分に余裕が無くなると、とたんに消えてしまう、という事実を認識するのも大切だ」
日本医師会の「勤務医の健康支援に関するプロジェクト委員会」は、医療現場の環境を改善するために、全国規模の研修会を実施している。この研修会では、病院職員の健康管理に責任を持つ産業医や、産業医の資格を持つ病院管理者が参加し、現場医師の事例をもとに、改善点などについて議論している。
■「部下の退職、膨大な業務でうつ病に」
A医師(泌尿器科、男性48歳 既婚、子ども3人)
管理職。年百数十件に及ぶ手術は自ら執刀し、それ以外の手術にも立ち会い、指導していた。毎月2000枚程度のレセプトチェックも一人で行っていた。2年前から同科で、退職や病欠による人員不足が深刻化。忙しい中でも通っていた趣味の囲碁教室にも行かなくなった。休職する前の半年間の残業時間は、月平均100時間に上り、緊急呼出待機(オンコール)時間も100時間前後だった。不眠や首の痛みを訴え、休職。1か月後に復職、周囲はうつ病だろうと推測しているが、薬物治療をしているかどうかは不明。
同プロジェクト委員会は2009年、医師を対象にしたアンケート(=グラフ)を実施した。その中の「自分の体調を他医師に相談するかどうか」の質問に対して、男性の方が相談しない傾向があることが明らかになった。また、相談しない理由として、以下のいずれかを挙げた。
「同僚に知られたくない」
「自分が弱いと思われたくない」
「勤務評定につながる恐れ」
同プロジェクト委員会の委員長を務める聖路加国際病院(東京都中央区)精神腫瘍科の保坂隆医師は、たとえ医師がうつ症状を見せても、周囲の同僚医師などが受診援助することは、現実的には難しいと話す。
「同僚の医師に元気がなかったら、何日も当直が続いているな、とか、最近、受け持ちの患者が亡くなったな、という気遣いは見せても、『心療内科に行ってみたらどうだ』とは言わない。大きなお世話だし、病院には、そんな風土はないと思う」。
保坂氏は、うつ症状を見せる医師に対して、産業医の役割が重要になってくると強調する。労働安全衛生法13条は、常時50人以上の労働者を使用する全ての事業所に対し、産業医を選任することを義務付けている。しかし、保坂氏は現在、病院の産業医は十分に機能しておらず、それが、医師のうつ病の早期治療の障害になっていると指摘する。
「病院で、ここの産業医は誰か、と聞いてもピンとこないだろう。産業医がいても外科や内科の医師で、メンタルヘルスが専門でなかったりする。病院の産業医は多くの場合、内科や外科の偉い人で、診療部長などだったりする。すると、うつの医師は勤務評定に影響すると考えて、メンタルの相談をしにくかったりする」。
■メンタル専門の「外付けの産業医」システム
そこで保坂氏は『外付けの産業医システム』を提案する。保坂氏は現在、ある病院で、そのシステムを試験的に実践している。病院外にメンタル専門の医師とのホットラインを設置し、うつなどの症状を感じたら、電話やメールで相談できるシステムだ。
保坂氏は、この取り組みに手ごたえを感じている。このシステムは、稼働してほぼ1年が経過したが、その病院の医師の3.5%からメール相談があった。この利用率が高いか低いかは、まだ判断できないというが、保坂氏は、相談があるのは、相談の窓口の産業医が、病院内の医師ではないからだと推測している。今後はっきりとした効果が出れば、他の病院でも導入しようという動きが出て来るだろうと期待している。
■『うつ病』になっても、へこたれちゃだめです」
医師の「うつ病」について取材を続けていたら、自身も二度、「うつ病」になり、それを乗り越えてきた医師に話を聞くことができた。
著書『うつ病を体験した精神科医の処方せん』(大月書店)を記した沖縄協同病院(沖縄県那覇市)心療内科の蟻塚亮二医師は、昼夜を問わず医療現場で働く全ての医師に向けて、こんなメッセージをくれた。
なまじ、医者だから、自分が病気であることを認めたくないだとか、病気であることを知られたくないとか、そういう気持ちがあります。それを乗り越えて、同僚なり、メンタル専門の医者に相談して、早く治療を開始することです。大事なのは、他人にSOSを出す能力があるかということです。うつ病になっても、へこたれちゃだめです。
うつ病の治療は基本的に休息すること。働きながら治療することは難しいと思っています。仕事を減らすのが難しく、大きな病院に勤めていたのなら、小さなクリニックに移ってみてはどうでしょう。わたしは弘前から、沖縄に行きましたが、思い切って場所や環境を変えても良いと思います。
元の自分でなく、新しい自分になると考えた方が良いでしょう。うつ病から、治ることは元の自分に戻ることだと考える人もいますが、元に戻ったら、また病気になってしまいます。
「生きる軌道を変える」という言葉を使っています。以前よりも楽な生き方をしようと考えて、少し違う自分になろうとした方が良いです。「A」が駄目だったら「B」、それが駄目だったら「C」にするとか、価値観を豊かにね。(談)(君塚靖)
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