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(投稿:by 僻地の産科医)
新生児突然死について、
いろいろ新聞記事を見かけます。
今月の日本産婦人科医会の今月の記者会見報をみると、
(また今度、上げますね)トラブル事例のうち、
新生児としては乳幼児突然死症候群が多いとありました。
(日産婦医会報 H23.11.11号 p4)
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乳幼児突然死症候群(SIDS)は、「それまでの健康状態および
既往歴からその死亡が予測できず、しかも死亡状況調査および
解剖検査によってもその原因が同定されない、原則として1歳
未満の児に突然の死をもたらした症候群」と定義されている。
平成21~22年に13例の新生児が産科入院中に突然死しており、
新生児管理についてその問題点を提示した。
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「無理な授乳指示で脳障害」国立病院機構提訴へ
読売新聞 2011年11月26日
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20111126-OYS1T00188.htm
長女(9か月)に重い脳障害が起きたのは、出産直後に病院側の指示で母乳育児などを無理に続けさせられたためだとして、神奈川県の両親らが九州医療センター(福岡市)を運営する独立行政法人・国立病院機構(東京都)を相手取り、約2億3000万円の損害賠償を求める訴訟を26日、福岡地裁に起こす。同病院を巡っては5月、出産後の経過措置に問題があり、別の女児が植物状態になったとして同様の訴訟が起こされている。
訴状によると、里帰りしていた母親(40)は2月14日、同病院で女児を出産した。出産時に異常はなかった。その後、病院側は直接授乳を指示。しかし母乳が十分出ず、長女もほとんど吸わなかった。約12時間後、心肺が停止していることが判明。呼吸は戻ったものの、低酸素性脳症により意識不明の寝たきり状態になっている。
同病院は、出産直後の母乳育児や母子同室、新生児を母親の素肌の胸に抱かせるカンガルーケアを推奨している。母親らは、病院側は母乳が出にくい母親に新生児を長時間預けたままにし、経過観察を十分行わず、人工栄養も与えなかったと主張。その結果、低血糖、低体温症に陥り、脳に届く酸素が少なくなり障害を引き起こしたと訴えている。
カンガルーケアで呼吸停止 名大病院の新生児
産経新聞 2011.10.26
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111026/crm11102621160029-n1.htm
名古屋大病院(名古屋市)は26日、出産直後の母親が新生児を抱っこする「カンガルーケア」の最中、分娩を担当した助産師が不適切な抱き方を見逃し、新生児の呼吸が一時停止する医療事故が平成21年8月にあったと公表した。現在は外見上、後遺症とみられる症状はないといい、名大病院は引き続き経過を観察するとしている。
病院によると、本来は母親の左胸に新生児の顔を置かなければいけないが、あごと左肩の間に首をひねった状態で新生児の顔が押しつけられ、呼吸困難な状態になっていた。
カンガルーケアを始めて約15分後には不適切な抱き方になっていたとみられるが、助産師が見逃したまま他の分娩を手伝うために母親のそばを離れた。
カンガルーケア時に発生した医療事故について
名古屋大学附属病院 平成23年10月26日
http://www.med.nagoya-u.ac.jp/hospital/dbps_data/_material_/nu_hospital/_res/sinryoukanogosyoukai/sinryousienbumon/iryounoshitsuanzenkanribu/img/20111026kouhyou.pdf.pdf
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