(関連目次)→新型インフルエンザについても集めてみましたo(^-^)o
(投稿:by 僻地の産科医)
神戸と大阪が頑張っています。
関西地区の先生からの情報メールをいただきました。
> 発熱、呼吸器症状、簡易検査A型陽性ばかりでは
> ないことに注意ください。
とのことでした。
アメリカではまた死亡例が出たようです!!!6例目。
メキシコ症例以外で、
報道情報から読取れる死亡情報は以下になります。
(報道情報なので、
他にもっとよいソースがあれば教えてくださいo(^-^)o)
【アメリカ死亡例】
30代女性 肺疾患
30代男性 (合併症についての記載はフォローできず)
男性30歳 心臓に基礎疾患
妊婦33歳 喘息合併(以前論文でご紹介しました)
重篤な先天奇形あり 1歳
【コスタリカ死亡例】
糖尿病合併の53歳男性
【カナダ死亡例】
30代の女性、しかし基礎疾患が別にあった人
今回の臨床背景は新聞記事からは良くわかりませんが、
高校の教頭先生のようです。
55歳男性で通風です。
ただ生徒の大半は、軽症例で入院は必要ないそうですが。
(この論文には学校名は出ていませんから、同一の学校かはわかりません。
でも、一般的な傾向はつかめると思います!
44例中3例のみが悪化(2名後に回復)1人入院(一晩)のようです)
http://www.cdc.gov/mmwr/pdf/wk/mm5817.pdf
【新型インフル】重体の副校長が死亡 NYで初の死者
産経新聞 2009.5.18
http://sankei.jp.msn.com/world/america/090518/amr0905181010005-n1.htm
【ニューヨーク=松尾理也】新型インフルエンザのため休校となったニューヨーク市クイーンズ区の中学校の感染者の1人で、重体となっていた副校長(55)が17日、死亡した。米国の新型インフルエンザによる死者は6人目、ニューヨーク州では初めて。
ニューヨーク市では先月下旬、同じクイーンズ区の高校でメキシコ帰りの生徒が持ち込んだとみられる新型インフルエンザで、集団感染が起きた。しばらく拡大はおさまっていたものの、先週になって患者が急増し、副校長が勤務していた中学校を含む6校が新たに休校に追い込まれている。感染は拡大を続けており、ニューヨーク市当局は17日、クイーンズ区の5校を新たに18日から休校とすると発表した。AP通信によると、これまでのニューヨーク市での新型インフルエンザの感染者で、今回死亡した副校長以外に重症の患者はいない。
米・NYで初の新型インフル死者 持病も
日テレNEWS24 2009/5/18
http://www.ntv.co.jp/news/135598.html
アメリカ・ニューヨークで17日、新型インフルエンザ感染による死者が初めて確認された死亡したのは、クイーンズ地区にある中学校の教頭の男性(55)。男性には痛風の持病があり、合併症も死因の一つとみられている。クイーンズ地区には、アメリカで初めて集団感染が確認された高校があり、現在も11校が閉鎖されている。
神戸市の病院は応援態勢で診察
日テレNEWS24 2009/5/18
http://www.ntv.co.jp/news/135597.html
入院は重症患者だけに=感染者急増で対応変更-神戸市
時事通信 2009年5月18日
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009051800383
神戸市は18日、新型インフルエンザの感染者について、重症の患者だけを入院の対象とし、症状の軽い人を自宅療養とする対応を開始した。感染者数の急増に伴い、病床や医師の数が不足しているため、国の定めた「まん延期」の措置を前倒しした形だ。
自宅療養する患者には、外出しないよう強く要請。また、現在入院している患者も、医師が軽症と判断すれば、退院できるようにした。同市の桜井誠一保健福祉局長が指定医療機関に通知した。
市によると、発熱相談センターへの問い合わせは、開設から17日午後5時までに3930件。発熱外来の受診は18日までに230件に達したが、病床数は54しかなく、十分に対応できなくなっているという。
新型インフル対策、全国一律の対応にならず-感染研・岡部氏
キャリアブレイン 2009年5月18日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/22053.html
新型インフルエンザ感染者の国内発生を受け、国立感染症研究所の岡部信彦・感染症情報センター長は5月17日に記者会見し、政府の新型インフルエンザ対策本部が16日に示した「『基本的対処方針』の実施」を例に、今後の医療体制などについて説明した。
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「『基本的対処方針』の実施」によると、今回の新型インフルエンザでは、多くの患者が軽症で回復している一方、糖尿病など基礎疾患のある人を中心に、重症化する傾向や死亡例も報告されているとし、今後は感染拡大を防ぐほか、重症化しやすい人への対応を強化するとされている。
政府の「新型インフルエンザ対策行動計画」に基づく対応は、16日に「第一段階」(国内未発生期)から「第二段階」(国内発生早期)に引き上げられた。この段階での最大の目標として、軽症・重症を問わずすべて検査し、感染が強く疑われる例では措置入院を行って、感染拡大を防止するとされているが、多くの軽症例が発生する「第三段階」(まん延期)では、病院における治療は重症例のみに集中すべきとされているほか、一般の医療機関も含めて治療に対応するとされている。
岡部センター長は、今後地域ごとに発生状況が違ってくると指摘。その上で、「ある地域でばらばらと患者が発生する状況では、隔離入院は意味がなくなるが、まだ一人も感染者が出ていない地域で、同じく隔離入院をやめてしまうのは、その地域の予防対策にならない」とし、その場合、軽くても重くても入院措置を取る必要があるため、全国一律の対応にはならないと説明した。
抗インフルエンザ治療薬の使用については、「第二段階」では、治療以外にもタミフルなどを濃厚接触者やウイルスに暴露した疑いのある医療従事者、初動対応者などを対象に、予防投与を行うとされている。一方、「第三段階」に移行した場合は、治療を優先するため予防投与は基本的に行わないが、家族などに感染で重症化しやすい人が含まれる場合などは、例外的に予防投与があり得るとされている。
岡部センター長は、「治療薬がなくなった時、国民の不安感は強くなる」と強調。薬を有効に使うためにも、症状の出ている人から優先的に使うと述べた。
また、感染者がどの段階でウイルスを人にうつす心配がなくなるのかについて岡部センター長は、遺伝子を見るPCR検査では、感染力が消えても遺伝子が残るために陽性反応が出るとし、回復したかどうかは判断しにくいと説明した。ただ、「経験的に、熱を中心にした症状が出て2日くらいたてば、ほとんどの場合、感染力がなくなる。ある程度症状が消失していれば、常識的に考えてうつらないだろう」と述べた。
今後のサーベイランスについては、「感染が広がってくれば、症状のみが疑いのきっかけになる。サーベイランスも一つ一つ丁寧に行うわけにはいかなくなる」と述べた。検疫については、「水際対策は時間を稼げたのではないか」と評価しながらも、「既に国内で発生した以上、縮小に入るのではないか」と述べた。
国内でどのくらい発生が続くかについては、現段階で一概には言えないが、5月の発生ということから常識的に考えると、ある程度静まっていく可能性があるとしながらも、「この状況で収まるというのは楽観的な見方」とし、「秋にかけてわれわれは準備をしていく必要がある」と述べた。
妊娠中期の妊婦です。アメリカでの妊婦感染における症例記事、大変参考になりました。
この件で質問なのですが、アメリカで調査した感染した妊婦の調査できた13名中、入院3名以外の10名は、入院なしで、比較的軽症=タミフルなどの投与無しで完治し、妊娠継続しているという事でしょうか?
また、季節性インフルでも妊婦はハイリスク対象ですが、厚生省が症状は季節性インフルと同等と発表した=季節性インフルと同じくらいの妊婦へのハイリスクと考えればよいのでしょうか?
テレビは、妊婦が感染したら全てが重篤になるように報道しているので、不安で食欲が落ちて、余計免疫が落ちそうです。苦笑
検診時に担当産科医が、「普通のインフルにかかっても普通に産む人たくさんいるから」と言ってました。アメリカでタミフルを飲まなかった妊婦が死亡した事で、注視されているのでしょうか。(でもこの妊婦さんも喘息疾患があったのですよね?)
長文すみません。
投稿情報: もり | 2009年5 月19日 (火) 09:34
アメリカの妊産婦の指針では、いまのところタミフル投与をすべきとの意見です。
ですから、13人は症状の早いうちに見つかっていて、この指針の出る前でなければ、恐らくタミフルの投与は受けているものと考えられますが、詳細については私も目の皿のようにして情報を探しているのですが、なにしろ普通の臨床業務をやりながらですので、思う存分時間が割ける状態でもなく、昨日の睡眠だってぶつ切りでほとんど取れていない状況ですので、「わかりません」としかお答えのしようがありません。
少なくとも一例は亡くなってしまったので、(しかもアメリカ症例の内かなり早い時期ですし)48時間以内というのはすごくしつこくどの論文を見ても書いてあります。
近い将来、私も妊婦さんのインフルエンザ患者さんを診察するでしょうが、その時には使わせていただきますし、患者さんの家族にいらっしゃるなら、なんの症状も出ていなくても「飲んでください」とお薬をお渡しします。(すくなくとも当院に薬のあるうちは。)
情報が足りませんし、死亡妊婦さんの喘息はかなり軽度だったようです。
あまり妊婦さんは安心しないほうがいいと思います。というのは過去の豚インフルエンザでも、妊婦さんはかなり亡くなっているという報告があるからです。
(テレビがそのように危険性を伝えてくれるのはありがたいことです)
投稿情報: 僻地の産科医 | 2009年5 月19日 (火) 13:03