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(投稿:by 僻地の産科医)
すこしは勤務医の負担軽減に動き出しているようです。
女性医師のワークシェアリングは必要だと私も思っております。
県予算~勤務医の環境改善へ手当補助、事務軽減など/山口
読売新聞 2009年3月13日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news/20090312-OYT8T01118.htm
社会問題化している医師不足。県はこれまでの確保対策に加え、離職防止を図るため、病院勤務医の過酷な環境改善へ向けた様々な事業を行う。新年度当初予算案には、今年度の2・4倍に当たる2億7845万円の事業費を計上。二井知事も「地域医療を確保する上で、重要な課題。積極的に取り組む」と意欲を見せる。
書類の作成量増加、患者への十分な説明……。勤務医の仕事量はここ最近、大きく膨れあがったと言われる。日本医師会総合政策研究機構が昨年7月に行った調査では、よりよい医療実践のための改革(複数回答可)として、医師の70%が「診療報酬の増額・給与の見直し」、67%が「医療行為以外の業務の軽減」を挙げた。こうした現状を踏まえ、県は給与面での待遇改善を目指し、救急勤務医や産科医らに手当を支給する医療機関への補助を開始。医師が診察に専念できるよう、書類記載などを代わりに行う医師事務作業補助者(医療クラーク)の設置促進にも取り組む。
また、女性医師が働きやすい環境作りも推進する。出産や育児中の相談に応じる専用窓口を県医師会に委託し、開設。子育てとの両立に向け、短時間の勤務医を正規に雇う病院などを支援する。県は一連の事業を医師就業環境整備総合対策と銘打ち、1億6672万円を充てた。一方、医師確保対策強化事業は新年度も継続。今年度に始めた、県外の医師らを県職員として採用して公的病院などに派遣するドクタープール事業での実績はまだない。県地域医療推進室は「採用に向けた調整は進んでいる。他の事業でも一定の成果は出始めており、地道に取り組んでいく」と話している。
「女性医師にワークシェアを」、国大協が提言
日本経済新聞 2009年3月13日
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20090313AT1G0901Z13032009.html
国立大学協会は国立大病院で女性医師の比率が高まっているのに、出産などで職場を離れる間の医師不足への対応は遅れているとして、ワークシェアリング(仕事の分かち合い)の仕組みづくりなどに積極的に取り組むよう各大学に求める提言をまとめた。「女性医師の離職防止や復職支援を怠ると、医師不足がさらに深刻化する」と警鐘を鳴らしている。
提言は大学卒業直後は90%を超えている女性医師の就業率について、結婚や出産を機に35歳前後でいったん76%程度まで低下すると指摘。中堅医師として最も活躍が期待されている時期に育児と仕事の両立を迫られ、休職中に手術技術などのブランクが生じる懸念もあるとした。
女性医離職対策を強化 道議会で知事が方針 ワークシェア図る
北海道新聞 2009年3月14日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/152766_all.html
高橋はるみ知事は十三日の道議会一般質問で、子育てなどを理由に離職してしまう女性医師への支援策を強化する方針を明らかにした。具体的には、道内病院に長時間勤務を解消するワークシェアリングや短時間正規雇用の拡大を働きかけていく。自民党・道民会議の加藤唯勝氏(名寄市)への答弁。
女性医師の割合は近年、全国的に上昇しているが、長時間勤務と子育ての両立ができずに離職を余儀なくされる医師も多く、医師不足に拍車がかかることが懸念されている。そうした状況を踏まえ、知事は答弁で、北海道医師会と連携し、勤務環境に対する女性医師の要望を把握する調査結果を四月末までにまとめる考えを表明した。 高橋知事は「調査結果を踏まえ、多様な働き方が可能となる環境づくりを進める」と述べた。
ママさん麻酔科医復帰めざす…長崎大プロジェクト
読売新聞 2009年3月13日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news/20090313-OYT8T00141.htm
出産や育児で休職したママさん麻酔科医を対象に研修を行い、復職を支援する長崎大付属病院のプロジェクトで、3人の女性医師が新年度から、新たな一歩を踏み出す。研修の一環として1年程度、同大病院を離れて県内の病院で働き、子育てと両立しながら本格的な現場復帰を目指す。2007年5月から、研修を受けている小形寛奈さん(31)ら。
プロジェクトは06年度にスタートし、女性医師復職に向けた取り組みとして初めて国の補助事業に指定された。休職1~15年の7人が参加。ブランクの期間やキャリアに応じて半年~2年間、基礎から段階的に知識や技術を取り戻すなどレベルアップを図っており、すでに2人は職場復帰を果たした。3人はさらに多くの症例の経験を積むため、初めて院外での研修を行う。
小形さんは、6歳の双子の姉妹と4歳の男の子のママ。姉妹を育てながら同大病院に勤めたが、長男出産を機に休職した。3年のブランクに「戻れる自信はなかった」が、2年間の研修期間があると知り、「もう一度育ててもらえるかな」と応募した。現在の勤務は週3日。午前9時~午後5時で当直はない。手術室で患者に麻酔を施して血圧などをチェックしたり、指導医とやり取りして翌日の手術の準備をしたりする。平日の休みは家事に充て、やんちゃ盛りの3人が幼稚園にいる間に、買い物や掃除を済ませる。時には子どもらが大好きなギョーザを一緒に包む。6月から諫早市の健康保険諫早総合病院に週3日通う。「病院ごとにやり方が違うので不安もある」と語るが、「子育ても手を抜かずに頑張りたい。子どもが大きくなったら、いつかフルタイムに」と意気込んでいる。
同大病院によると、全国の24~34歳の麻酔科医のうち約4割は女性。出産や育児で離職が進めば医療体制の崩壊にもつながりかねない。麻酔科は入院患者を受け持たないため、時間外呼び出しがない勤務形態も可能で、“眠れる人材”の再登板が望まれている。同大病院麻酔科の前川拓治医局長(39)は「半年でも現場を離れると、感覚は鈍る。経験や休職年数に応じたプログラムにしている」と説明。「時間制限はあっても、手術の多い日中に働いてくれるママさん医師は重要なマンパワー」と期待を寄せている。
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