(関連目次)→産科医療の現実 目次 地方医療の崩壊 実例報告
(投稿:by 僻地の産科医)
本日午前中に、
舛添大臣が閣議後の記者会見を行われ、
愛育病院のことについて言及しておられます。
(右はイメージ写真)
【愛育病院】
Q 愛育病院の件について受け止めを。
A これはわたしが厚生労働大臣で、両方、医師不足の問題と、労働者の権利を守ることをやっている。36協定というのがある。労働基準法に基づいて、休日や当直の協定があるので、やっぱり病院のほうも経営者というのはちゃんと管理者が知った上できちんと協定を結んで頂けば違法にならないことができる。
まずそこから始まって、これは医療の現場が不足しているから違反をやるということを続けていけば、決して良くならない。
やはり医師も生身の体でやっている。こんなに過酷ですよ、これは労基法に違反してますよ、従って是正してください。
一生懸命いろんな手を使って医師不足に対応してきた。まさに側面射撃。そういう面からもこういう問題を解決しないといけない。たまたま厚生大臣と労働大臣1人でやってるので、過酷な勤務医の状況を改善する。そこは医師不足だから、そんなこと言われてもじゃない。みんな困った状況で頑張っているんだから、医師不足にも対応する。しかし現場で医師をやめなければいけないくらい、疲弊している勤務医を助けないといけない。いい方向へ向かっている第一歩で、そこから先はそれぞれの病院と東京都が話をして、私たちもいろんな面でお支えするし、例えば弾力運用を考えてくれ、というのは、聞く耳も持たないわけではない。あらゆる企業にたいして36協定どうするか指導をしている。
いつもわたしが言っているように労働法制を社会に定着させる必要がある。36協定わかんないじゃだめ。働く人の権利を守ることを社会の礎にするような社会にしないといけない。そういうことを含めて全力をあげて勤務医の待遇をよくする、職場環境をよくする、医師不足に対応する。総合的にやるための一歩。前向きにとらえていただきたい。
当直医非常勤だけの日も 5月から、愛育病院
読売新聞 2009年03月27日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20090327-OYT8T00159.htm?from=navr
重症妊産婦や新生児の緊急治療にあたる「総合周産期母子医療センター」に指定されている愛育病院(港区)は26日、これまで常勤医が必ず勤務していた夜間の当直業務について、5月からは非常勤の医師だけの日が生じると発表した。都は「要件を満たしている」としており、同病院は今後も、総合周産期センターとして継続する見通し。
発表によると、同病院は今月17日、三田労働基準監督署から、医師の当直について、「宿直」ではなく、「残業」として扱うよう、是正勧告を受けた。勧告に従うと、残業時間に上限があるため、常勤医が当直できない日が出るという。同病院は、秋篠宮妃紀子さまが、悠仁さまを出産されるなど、設備の整った専門病院として知られる。
平成15年4月21日雇児発第0421001号
周産期医療対策整備事業の実施について
http://www.jsog.or.jp/kaiin/html/infomation/info_20oct2003_1.html
【参考ブログ】
愛育病院の続報
新小児科医のつぶやき 2009-03-27
http://
愛育病院の常勤医師数
駄犬日誌 2009-03-27
http://
違法な指導は文章でもらいましょう
駄犬日誌 2009-03-26
http://
傍観者のポエム
ssd’s Diary 2009-03-27
http://
愛育病院、周産期医療センター返上を撤回 都の言い分はバリバリの労基法違反→「返上撤回」は条件付き@院長記者会見
天漢日乗 2009-03-26
http://
いつも拝見させていただいています
過重労働からはじまり、うつ病を発症し、現在休職中の産婦人科医です
愛育病院院長の、「違法といわれると、モチベーションが下がる」発言に、憤りを通り越して、がっかりしていました
これじゃあ、ますます、産婦人科医のなり手がなくなるじゃん!
と思ってました
あたりまえですが、厚労大臣が「36協定わかないじゃだめ」「働く人の権利を守ることを社会の礎にするような社会にしないといけない」と言っているのに、安心しました
はてさて、どんな方向にすすんでいくのでしょうか?
投稿情報: 秋は夕暮れ | 2009年3 月27日 (金) 17:40
こんにちは。初めまして。
過重労働からはじまり、うつ病を発症し、休職して復職した子持ち女医の産婦人科医ですo(^-^)o ..。*♡
私自身もそういう経歴をもちますので、
かなり労働問題に関しては過敏な所があります。
舛添大臣がこういう発言を下さること、とてもありがたく思っていますし、今回の決断も舛添大臣でなければなされなかったかもしれないと思っています。
東京都でさえいくつかしかない(9でしたっけ?)周産期センターのうちの、一番、労働問題がマシそうな2件を選んで通達を出している所からして、すでに引かない決心が垣間見えます。
(他をやれば、病院全体が崩壊するからです。返上くらいなら、病院崩壊にまでは至りません。地域医療の崩壊はある程度覚悟でしょう。)
東京都の認識は甘いとしか言いようがありませんし、4月20日までには愛育も結論を出さねばなりません。
それまでに東京都から「文書で」医報労働通達を受けられるとは思えず、もしもそんな通達を出すならば東京都も同様に罪に問われかねませんし。
いずれ片がつくでしょう。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2009年3 月27日 (金) 17:49