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(投稿:by 僻地の産科医)
医療崩壊について、医療財源関連の議論があったようですo(^-^)o!!
ちょっとは反映されるといいのですが・・・。
日医常任理事と政権ブレーンが舌戦 2200億円削減 「医療崩壊の主因」対「論理の三段跳び」
Risfax【2009年3月16日】
日本医師会が13日に開いた医療政策シンポジウムで、医療財源を巡る激しいやり取りがあった。日医は、社会保障費の自然増を毎年2200億円ペースで削減する政府方針が、地域医療崩壊の主因と捉え撤回を求めた。これに対し、国の医療政策の中枢にいる吉川洋東大教授は「2200億円削減が地域医療の崩壊を招いたと確信していると言うが、証明が不十分」と反論。「診療報酬の平均的な引き上げで物事が片付くというのは、相当乱暴な三段跳びだ」と痛烈に批判した。「まったく理解できない。狐につままれた思いだ」とも嘆いた。
吉川教授は必要な医療サービスの将来推計、社会保障の機能強化、安定財源の確保などを昨年11月に提言した政府の社会保障国民会議座長。ほかに、経済財政諮問会議の民間議員も務める政権のブレーンで、医療政策にも大きな影響力を持つ。診療報酬全体の引き上げを求める日医の主張に吉川教授は「特定ビタミンが不足した患者に対し、医師が食費を増やせと言っているようなものだ」と断じた。
日医の中川俊男常任理事は、討論の「司会役」を務めながらも診療報酬を「平均的に上げろとは言っていない。コストに見合った点数をつけるべきと言っている」と対抗。一方で、「医療機関の健全経営は、質の高い安全な医療の前提条件。われわれに不足しているのは、特定のビタミンではなく『主食』だ」とやり返した。さらに、国民医療費が上がること自体には理解を示す吉川教授に対し、中川常任理事は「民間、私的医療費でやっていけというのでは、われわれも国民も納得できない」と質した。これには吉川教授が「誤解だ。民間医療費を増やせとは言っていない。公的な医療給付も当然増えるが、そのときには負担も考えるべきというのが国民会議の議論だった」と振り返り、「個人的には消費税が本命だと思う」と付け加えた。
両者が反論に反論を重ね、舌戦は続いた。
吉川教授は「診療報酬の中身の問題が重要。幸い医師会の先生方が改革に熱心なのだから、10年度改定の診療報酬見直しにはプロの立場からリードされることを期待する」と“皮肉”たっぷりにエールを送ると、中川常任理事も譲らず「しつこいようだが、日医は2200億円の撤回と来年4月改定での診療報酬の大幅引き上げを求めて全力で活動していく」と宣言、司会の立場を利用して、討論を締めくくった。
政権ブレーン・吉川教授 「私が決めるなら」、保険免責制を導入
Risfax【2009年3月16日】
経済財政諮問会議の民間議員などを務める吉川洋東大教授は13日、日本医師会の医療政策シンポジウムで、医療保険のあり方について持論を展開した。「大きなリスクを支え合う」のが保険のそもそもの趣旨との理解から、自己負担限度額を超えた部分をカバーする「高額療養費制度」が、制度の柱との認識を示した。吉川教授は小さなリスクに当たる「3割の窓口負担」について、「私がもし制度を決めるなら、免責制を入れて、高額療養費の充実に使う」と述べた。たとえば500円、1000円といった一定額を決めて、その額までは患者が全額自己負担する「保険免責制」は、これまで諮問会議などで議論されたことがあるものの反対論が根強く、具体化には至っていない。吉川教授は、高額療養費制度の充実について「毎月上限の約8万円にぶつかり、年間約96万円負担している慢性疾患患者らに対し、負担率を徐々に小さくし年間の負担を抑える」方法があることを例示した。
一方で、財務省主計局の太田充主計官(厚生労働係担当)は、社会保障費の増大に関連して、他の支出を削って財源を回すことを疑問視。「ほかの支出で切れる部分は少なくなってきている。無理なら次のことを考えざるを得ない」と述べ、負担増以外に選択肢がないことを強調した。
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