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(投稿:by 僻地の産科医)
お隣の国の韓国も、少子化対策に四苦八苦しているようですが(※1)
日本も同様です。
子育てしにくい一番の原因は、やっぱり男女ともに長時間労働
というのが背景にあるのではないかと思うのです。
専業主婦がお母さんの場合でも、
やっぱりお父さんがどれだけ
育児に関心を持てるかということ、大事ですよね?
仕事でいっぱいいっぱいのお父さん(&お母さん)は、
なかなか育児に関心をもつ余裕がもてません。。。
育休男性わずか3人 県内331社3年余りで/岡山
岡山労働局調べ 「職場に迷惑」雰囲気原因か
読売新聞 2009年02月15日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/okayama/news/20090214-OYT8T00929.htm
2005年4月~08年7月に、県内企業の育児休業の取得状況を岡山労働局が調査し、会社に勤めながら出産し育児休業を取った女性は9割を超えたが、配偶者が出産した男性で取得したのは331社中、3人にとどまっていることが分かった。同局は男性の取得率は1%未満とみており「企業のイメージアップなど、メリットをPRし男性の取得率向上を目指したい」としている。
育児・介護休業法では、子どもが1歳になるまでは育児休業を取得できる。休業期間中の給付金の支給なども定められている。
同局が08年7月に従業員50人以上の1364社にアンケートし、331社が回答。05年4月から759人が出産し、うち育児休業制度を利用した女性は695人(91・6%)と全国平均(92・4%)とほぼ同じだった。これに対し、配偶者が出産した男性の利用者は3社で各1人だった。回答した会社のうち94・9%が育児休業制度を会社の規定として導入しているが、男性の制度利用が少ないことについて、同局は「育児休業は女性が取得するものというイメージが強い。職場のムードも男性の取得率に影響しているのでは」としている。
育児のための時短や企業内託児施設の設置など、仕事と育児を両立できるよう支援する各種制度の導入を進める際、会社側は▽代わりの人材がいない(57・1%)▽職場で周りの人の業務量が増える(54・4%)▽費用がかかる(13%)――ことなどを懸念している。
一方、従業員はこうした制度を利用する際、その4割が「賃金の保障・補償がない」と感じていると、会社側が推定している。従業員は、ほかに▽自分がいないと仕事が回らない(28・1%)▽利用をためらわせるような雰囲気がある(19%)▽取得すると戻る場所がなくなる(11・5%)――とも考えているようだ。
一方、両立支援の制度を整備することで、会社側は7割強が「効果があった」とし、▽従業員の定着率を高めた▽企業の社会的責任を果たせた(ともに39・6%)▽従業員の勤労意欲や帰属意識を高めた(33・5%)――を挙げている。同局は「こうした効果を強調するほか、会社や制度の利用者には国からの補償制度があることなどをPRし、両立支援の雰囲気づくりを進めたい」としている。
女性の43%「夫の子育て不十分」
愛知県が少子化意識調査
中日新聞 2009年2月14日
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2009021490114552.html
夫の子育てに不満を持っている女性は、もっと子どもを持ちたいと考えていても出産を控える傾向にあることが、県が実施した少子化に関する意識調査で分かった。
県内の20歳から49歳までの男女3千人に、少子化や子育てに関する意識を尋ね、独身者344人を含む1456人から回答を得た(回答率49%)。調査結果によると、理想的な子どもの数は2・57人。子どもの数は1・22人、今後予定している子どもは0・95人だった。
結婚している人に、自分と配偶者の子育てについて聞いたところ、男性の39%が自分は「不十分」と答える一方、妻の子育てに関しては89%が「十分」と回答。女性は84%が自分を「十分」とする一方で、夫に対しては43%が「不十分」と感じていた。
また、理想の子どもの数よりも、実際の子どもや今後産む予定の子どもの数を少なく答えた女性の50%は、夫の子育てに「不十分」と回答。一方で、理想通りの子どもの数を産んでいる女性で、夫の子育てに不満と答えたのは38%にとどまり、6割近くが夫の子育てに満足していた。
男性が子育てに十分かかわれない理由としては、男女ともに7-8割が「仕事が忙しすぎる」と答えたが、妻には「(子育てよりも)趣味や個人的な楽しみを大切にしている」(39%)、「子育ては女性がするものと考えている」(31%)との回答も多く、夫に厳しい視線を向けている様子がうかがえる。調査結果は、2009年度中に策定する県少子化対策推進基本計画に反映させる。
夫への愛情、出産1年後には低下
毎日新聞 2009年2月16日
http://mainichi.jp/life/love/news/20090216k0000e040084000c.html?link_id=TT003
妊娠中は妻の7割が夫への愛情を実感しているのに、出産や育児を経験した1年後には4割に減少していることが、ベネッセ次世代育成研究所(東京)の調査で分かった。夫が忙しすぎて家庭を顧みないと妻の愛情が低下し、育児をきっかけに夫婦の間に溝ができかねない現状がデータで裏付けられた。初めて子供を持った全国の20~50代夫婦401組を、妊娠後期から1年間追跡調査した。
妊娠中は71%の妻が夫への愛情を実感していたが、1年後には42%に減少した。夫への愛情を維持していた妻の7割以上は「家族と過ごす時間を作っている」「私の家事をよくねぎらってくれる」と回答した。これに対し、愛情が低下した妻が同じ回答をした率は3割にとどまり、夫の家庭生活への関与や関心の度合いが、妻の愛情を左右していることをうかがわせた。一方、妻の愛情が低下した夫の4人に1人が子どもがぐずったときに「ほとんど何もしていない」と答えた。また長時間勤務の目安とされる1日11時間以上働く夫は、11時間未満の夫に比べ、毎日おむつ替えや寝かしつけをする人の割合は半分で、「子育てに自信がない」と回答する割合も高かった。
調査にかかわった大日向(おおひなた)雅美・恵泉女学園大教授(発達心理学)は「夫が子育てにかかわれるかどうかは、就労時間が分かれ目となっている。男性が育児に参加できるよう、企業の支援体制づくりが急務だ」と話す。
夫への愛情、約3割の妻が出産1年後に低下
子育て参加が愛情維持のカギ
マイコミジャーナル 2009年2月17日
http://journal.mycom.co.jp/news/2009/02/17/054/
ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク・ベネッセ次世代育成研究所はこのほど、「第1回 妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査(妊娠期~0歳児期)」を実施し、結果の速報版を発表した。
同調査は2006年度から2010年度にかけて、妊娠期から子どもが2歳になるまでの4年間を1年ごとに、夫婦それぞれへのアンケートを積み重ねていくスタイルを採用している。今回の速報版は、妊娠期から子どもが0歳児後半になった時点までのアンケートを分析したもの。フォローアップ調査に同意した夫婦401組を対象に行われた。速報によると、この期間に夫婦の愛情関係は低下していくものの、夫が子育てに多く関わっている夫婦ほど妻から夫への愛情も保たれていることが窺える。
「配偶者を本当に愛していると実感する」との問いには、妊娠期の妻の71.3%が「あてはまる」と回答したのに対し、0歳児期の妻では約30ポイントも低い41.6%の結果に。一方、妊娠期の夫は73.6%が、0歳児期の夫は61.8%が「あてはまる」と回答。夫から妻への愛情は余り変わらないのに対し、妻から夫への愛情は妊娠期から0歳児期にかけて大きく減少することが多いようだ。
次に、配偶者は家族と一緒に過ごす時間を努力して作っているかと聞くと、夫への愛情が保たれている妻の場合は、80.5%が「あてはまる」と回答。反対に愛情が保たれていない妻では30.3%にとどまった。また、配偶者は自分の仕事や家事、育児をよくねぎらってくれるかと聞いたところ、愛情が保たれている妻の72.1%が「あてはまる」と回答したのに対し、愛情が保たれていない妻では25.8%と3割にも満たなかった。
さらに、夫の子どもへのかかわり方を聞いたところ、「子どもと遊ぶ」の項目では、妻からの愛情が保たれている0歳児夫の場合60.4%が「ほとんど毎日する」と回答。一方、妻からの愛情が保たれていない夫は49.2%と10ポイント以上も低かった。このほか、「子どもがぐずったとき落ち着かせる」「子どもと話すことを喜んでいる」などいずれの質問においても、妻からの愛情が保たれている夫の方がポイントが高い傾向になっている。
「僕、なんか違うことを言いました?」
遙 洋子
日経ビジネス オンライン 2009年2月14日
(1)http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20090212/185855/
(2)http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20090212/185855/?P=2&ST=manage
大阪を出て、遠方に講演に行くと面白い光景に出会える。
私の講演内容は女性の生き方支援が多い。主婦役割等で自分を縛らないで済む生き方だ。縛って費やした人生は取り返しがつかないことを終末になって気づく。真面目な女性ほど役割に自ら進んで自ら進んで縛られがちだ。キャリアウーマンが出産を機に家に入ってしまうのは、社会環境の不備もさることながら、役割意識が退職へと背中を押すことも忘れてはならない。
講演後、講演を主催した企業の男性上司と女性社員たちと私とで宴席があった。そこでの会話・・・。
「女性が仕事を辞めるのも、自由で好きな生き方じゃないのですか」と男性上司。
女性たちは押し黙った。
男性上司は、女性は好んで仕事を辞める、と理解しているようだった。職種にもよるが、少なくとも、高いモチベーションで獲得したキャリアを放棄する場合には、私の知る限りではそれは“仕方なく”のほうが多い。
このコラムのタイトルでもある“男の勘違い”ここに見っけと、私は興味深く観察した。女性たちの沈黙は、「どう言っても通じないだろうな」という諦念といえばいいだろうか。こうやって“女のすれ違い”が誕生する。
また、その男性上司は「男だって介護をやっている。子育てがそうだ。おむつを替えたりするから子育ても介護だ」。
これには女性社員たちのブーイングがはっきり出た。
「子育ては成長が見えて楽しいけど、介護はいつ終わるか分からない辛い行為で、同じではない」とひとりの女性が主張した。
女性にとって「子育て」と「介護」の違いは常識だ。それが男性上司には同義語として存在する“男の勘違い”。
また、その男性上司は言った。
「なぜそう100%完璧な男を望むのですか。男は70でもいいじゃないですか。足らない30を女性が補ってくれれば」
女性たちは今度は相手にしなかった。これは「男は子供なのだから」という理屈と同じで、言われたほうはその男性の世話を余儀なくされるという、よく聞くロジックだ。
私は「70でいいじゃありませんか。完璧な男性など求めてませんよ」と言ってみたが、男性上司は憮然としていた。
私自身はというと、男性に期待も要求もせず生きるシングルという生き方を選んでいる以上、男性が完璧でなくても全く大丈夫なのだ。そして「男性よ完璧なれ」などと、ひとことたりとも講演で主張していない。介護負担等を女性ひとりが背負わないように、という主張が、どうやら男性の心中を波立たせるらしい。ここで、男性にとっては70の、足らない30に介護・家事・育児が入るという彼らの計算式が浮かび上がる。
「俺は働いている(70)」のだから、「介護・家事・育児(30)はやってくれたっていい」じゃないか、「なんで完璧な男(70+30=100)を求めるのか」、という比率と計算式に、また“男の勘違い・女のすれ違い”が見える。 それらの労働が30ですむくらいなら、女性たちはそもそもキャリアを捨てはしないのだ。
再度申し上げるが、これらの男性上司と女性社員との会話は、私の講演を聞いてもらった直後のことだ。それを思うと、無力感と同時に、“男の勘違い・女のすれ違い”はほぼ、永遠なのだと腹をくくれて面白い。「結婚か仕事か」で仕事を選び、「育児か仕事か」も乗り切った女性が、今度は「介護か仕事か」で挫折する未来が予測できる高齢化社会。
介護をひとりで背負わず、やりたいことが出来る人生を・・・・という提言は、「男だって介護をしている。男を助けてくれてもいいじゃないか。そもそも好きで仕事を辞めているんでしょ」という勘違いでもって、女たちを押し黙らせた。
帰り際、「僕、なんか違うことを言いました?」という男性上司の問いかけに、私は「いいえ、一般の声を反映したご意見だと思いました」と返事した。本当にそう思うからだ。 男性はちょっとホッとした表情で帰って行った。ここにきて“すれ違い”は私も共犯者ということになる。
思い込みから解放されるのは難しい。それは自分の過去を振り返っても、努力や決意の強さ程度のことでは叶わないほど強固なものだった。それを1回の講演を聞いたくらいで解放されると願うほうに無理がある。
「僕、なんか違うこと言いました?」という感性のほうにこそ私は期待したい。 女性に嫌われたいと願う男性上司はいないはずだ。女性部下に好かれたいと思ってさえくれれば、そこに歩み寄りがあると信じたい。
(※1)
【社説】「家族親和企業」から少子化対策求めよう/韓国
中央日報 2009年2月14日
http://s04.megalodon.jp/2009-0215-1638-47/japanese.joins.com/article/article.php?aid=111331&servcode=100§code=110
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