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(投稿:by 僻地の産科医)
WHOの勧告(予定)を受けての動きと思われます..。*♡
小児の脳死→臓器移植への道が
再び検討されようとしています!
議論の行く末を見守りたいところです。
子どもの脳死移植、見解見直しへ 小児科学会
47NEWS 2009年2月15日
http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009021501000404.html
日本小児科学会(会長・横田俊平横浜市立大教授)は15日、脳死の子どもからの臓器移植について、実施は時期尚早としていたこれまでの見解を見直す方針を固め、この問題を検討する委員会を発足させたことを明らかにした。現行の臓器移植法では15歳未満は臓器提供者になれず、移植を必要とする子どもたちは海外に渡るのが事実上、唯一の道。
同学会は子どもを虐待した親が臓器提供を承諾し、虐待の証拠が隠されてしまうことを防ぐための対策が進んでいないことや、脳死判定の難しさなどを時期尚早とする理由に挙げてきた。しかし虐待かどうかを見極める医学が進歩し、法律面での協議も進んできたことなどから、議論を進める段階になったとしている。委員会には、小児科医以外に法律の専門家や患者家族らを加えることを検討。年内に結論を出したいとしている。
先進国では、移植に使う臓器を自国の提供者で賄うよう求める動きが強まっており、渡航移植は難しさを増している。一方、臓器売買が問題になっている国での日本の子どもの移植にも批判がある。都内での記者会見で横田会長は「これまでの学会の見解では、移植を必要としている子どもたちに十分な光を当てられない」と述べた。
臓器提供:「小児から」を検討 学会が専門委、年内に結論へ
毎日新聞 2009年2月15日
http://mainichi.jp/select/science/news/20090216ddm002040073000c.html
日本小児科学会(会長、横田俊平横浜市立大教授)は15日、国内で脳死になった子供からの臓器提供・移植を容認するかどうか検討するプロジェクトを発足させると発表した。近く専門の委員会を設置し、今年中には学会としての結論を出したいとしている。
同学会は05年、現行法では認められていない15歳未満の子供からの臓器提供について「脳死を見分ける体制が整っておらず、実施は時期尚早」との見解を示していた。会見した横田会長によると、国内でも子供の脳死を厳密に診断できる医師が出てきたことや、国際移植学会や世界保健機関が臓器移植の「自給自足」を各国に求めている背景から、「検討する時期が来た」と判断した。
来月までに弁護士など医師以外も含めた委員会を設置し、データを集めたり、海外で移植を受けた患者からの聞き取り調査などを進めていく。
15歳未満の臓器提供どうする?小児科学会が検討委発足へ
読売新聞 2009年2月15日
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090215-OYT1T00642.htm?from=navr
日本で臓器移植を受けられず、海外に渡る小児患者が後を絶たないため、日本小児科学会(横田俊平会長)は15日の記者会見で、脳死になった15歳未満の子供からの臓器提供を認めてよいかどうかを検討する委員会を3月にも発足させ、年内に新たな見解を打ち出す方針を明らかにした。
15歳未満の臓器提供は、現在の臓器移植法では認められていない。
同学会は2005年4月、小児に対する脳死判定は難しいうえ、「子供たちに『脳死』を理解させる教育が足りない」「虐待で子供を死なせた親が臓器提供に同意する可能性がある」との理由から、子供からの臓器提供の実施は時期尚早とする見解を発表した。しかし、それから4年が経過し、「医学が進歩して、脳死判定や虐待の有無を見極められる環境が整ってきた」(横田会長)ため、見解の見直しを検討することにした。
検討委員会は、05年の見解をまとめた委員会メンバーを入れ替え、新たに10人前後で構成する。臓器提供に対して賛成、反対の意見をもつ学会員のほか、法律の専門家や、海外で臓器提供した子供の親などに委員として参加してもらう予定という。
子供の臓器移植を行う方向で検討しないと、小児科学会の検討会も意味をなさないと思います。
ここにいたって、するかしないかの検討を賛成派、反対派で議論するのは、30年くらい前なら許されても、すでに海外では行われていて実績もあって、しかも日本の患者を受け入れている状況を考えれば、論点がずれていると思います。
それに、悪いけど、小児科学会の会員の医者に子供の臓器移植のケアができる小児科医がどれだけいるのですか?
日本が躊躇している間に、ケアができる小児科医は育ちませんでした。
成人の臓器移植でもケアのできる内科医は、ほんとうに少ないです
今から、養成ですか?
日本ではなく、子供の臓器移植の多い、アメリカ、ドイツ、カナダ、フランス、イギリス、オーストラリアあたりでトレーニングしないとだめでしょ。
もちろん、日本の医師資格は通用しないから、もう一度、海外の医師資格試験を受験しなければなりません。
あるいは、日本での経歴を認めてもらえるテンポラリーライセンスで臨床留学。
対応が遅すぎます、しかも検討会の目的がずれてます。
投稿情報: 鶴亀松五郎 | 2009年2 月17日 (火) 19:11