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(投稿:by 僻地の産科医)
HPでこんな記事を見つけましたo(^-^)o ..。*♡
に続いて二度目ですね!
文藝春秋社
代表取締役社長 上野 徹 殿
平成21年1月22日号の記事に対する申入文
http://www.ncvc.go.jp:80/20090127_oshirase.html
日本を代表する品格と知性に富む出版社として世論に大きな影響を与えておられる文藝春秋社様が、平成21年1月22日号週刊文春の記事(140頁-142頁)において、海外渡航移植に関する当センターの対応について書かれた記事に関し、事実と大きく異なる箇所があることから、以下の通り、記事の修正等を申し入れます。
心臓移植手術を待機する間に病状が進行するため、1日も早い治療を求めて海外で臓器提供を待つ道がございます。わが国では、「臓器の移植に関する法律」が平成9年に制定されましたので、国内移植、国外移植いずれの場合も移植実施医療機関は、心臓移植適応の判断と治療を該当診療科の限られた医師が単独に実施することがないように仕組みが作られています。国立循環器病センターは、患者を紹介いただいた医療機関を支援する立場で渡航移植に協力して参りました。
貴社は情報源を括弧書きで書いておられましたので、確認可能な該当者に問い合わせしました所、そのような取材はなかったとのことです。また、文中に大臣が圧力をかけたとありますが、歴代大臣が私どもにそのようなことをされた事実は一切ございません。したがって、表題にあるような、コネや政治力が介入したという事実が何を根拠とするものであるのか、理解することはできません。
海外渡航移植は、わが国と受け入れ先の米国、ドイツの国民の善意と多職種にわたる医療関係者の懸命の努力によって成り立っています。この記事は、尊い命の受け渡しによって成り立つ医療を冒涜すると共に、移植を待機しておられる患者と家族の皆様に移植医療に対する疑念を増大させ、さらには、日夜重症患者の治療に携わる医師、看護師をはじめとする医療従事者の名誉を大きく傷つけました。
同記事の一刻も早い訂正を要請します。
平成21年1月23日
国立循環器病センター
以下の記事が文春の当該記事です!
結構、酷いこと書いていますね。
関係ないけれど、下記のような参考記事もあります。
【参考記事】
日本人の臓器移植は「日本で」 突きつけられた現実
J-CASTニュース 2009年1月30日
http://
人命より「コネ」が優先される
国立循環器病センターの「心臓移植」
(平成21年1月22日号 週刊文春の記事 140頁-142頁)
「私たちはあの日以来、本当のことを知りたいと何度も医師に訴えました。しかし、今日まで何の説明もないままです。これではとても病院のことを信用することはできません」
十八歳で悲劇に見舞われた、山口克彦さん(仮名)の両親はこう国立循環器センター(以下、国循)ヘの不備感を訴える.
小誌は昨年の十二月二十五日号で「国立病院のおぞましい『人像実験』」という記事を掲載した.山ロさんに悪夢が訪れたのは、一昨年の春、国循で米承認の補助人工心臓「エバハート」の埋め込み手術を受けた後だった。二週間後、容態が急変し意識不明の状態に陥ってしまう。医療事故の可能性も疑われたが、国循側は両親に容態急変の理由を説明しなかったぱかりか、臨床データーを集める試験研究l治験を継続する.治験は山口さんが亡くなる昨春まで一年あまりも続けられたのである。まさに人間の尊厳を無視した人体実験が行われていたのではないか、と小誌は追及したのだ.
国循側は小誌記事に対して「事実経過についての誤解を招く恐れのある記述が幾箇所もある」とHP上に反論文を掲載している。だが、その反論は『医療安全推進委員会事例検討会で医療事故ではないと判断されました」「治験審査委員会では、(中略)機器の不具合によるものはないという結論」などと内部委員会の“結論”だけを述べるもので、具体性に欠けるものぱかりだ。
しかも国循側は記者会見で「患者さんの心臓の問題」「医療事故ではない」などと説明を行なっておきながら、両親にはいまだに医療事故の有無はおろか、急変時の具体的な説明すら行なっていないのである.
さらに実験が治験同意書に添え書さした「この文書に記された内容を理解(納得)する事は出来ません。ですが、生命維持する為には、治験に参加するほかないでしょ?」という文章については、「家族が気持ちを書いたもので、署名をしているから同意だと理解している」と説明を行なったのだ.しかし法曹関係者からは「意識のない患者への治験継続自体ありえない」と断じられている。彼らの説明は詭弁でしかない.
地元の病院に帰ってくれ
実は、国循の倫理観の欠如は治験問題だけに止まらない。治験責任者でもある中谷武嗣・臓器移植部部長のもと、他にも患者の命を軽んじ続ける行為が続いているのである.
かつて国循に入院していた元患者の田中健三さん(仮名)はこう訴える.
「私は国立循環器病センタlから受けた仕打ちを今でも忘れることができません.彼らは患者の命をいちぱんとは考えていないのです」
田中さんが国循に入院したのは数年前.拡張型心筋症で心臓移植が必要だと診断されていた.
しかし国内での心臓移植はドナー数が少ないため非常に厳しい環境下にある.
「臓器蓼櫃ファクトブック2007」(日本移植学会広報委員会編)によると、九七年十月から始まった国内心臓移植は、○七年六月現在で延ぺ四十五例。年間でも三~十例程度しか行なわれていない.一方で移植候補として登録されている患者は二百七十九人(0七年五月三十一日現在)にも上る.うち九十四人が待機中に亡くなっている.
国循は国立病院として、日本の心臓移植医療の中心施設と位置づけられている.国内に七箇所認定されている心臓移植実施施設のなかで最も多くの移植を手がける。しかし、それでも年間の移植数はわずか数個。多くの患者がいつ現れるかわからないドナーを何年も待つ日々強いられているのだ。
「私には家庭もあり、死ぬわけにもいきませんし何年間も国内移植を待つこともできませんでした.それで病院側に海外渡航移植の希望を伝えたところ、担当医から『梅外に行くなら協力はできない』と言われたのです」(同前)
国循は患者に対して、表向きは『厚生労働省直轄の組織として国内移植を推進する立場にあり、海外渡航移植には手をかさない」と説明を続けていた.
田中さんは病床にいながら、自らの受け入れ先を探すことになった。ところが担当医はさらに冷酷な言葉を投げかけてきたという.
『海外に行くなら地元の病院に帰ってくれ。国循から(渡航移植のために)関西空港に行かせることはできない」
昏時の無念の思いを田中さんが振り返る.
「私は病院を追い出されたのです。心臓病の患者にとって長距離の移動は身体に応えます・やっぱり移動の列事のなかで心不全を起こしてしまい…。血圧が五〇くらいまで下がって、もう少しで死ぬところでした.アメリカの病院でも『こんな状態になって、なぜもっと早くこなかった』と言われましたL
重症患者に対して『地元へ帰れ」というのは、彼らの命を危険に晒す行為でもあった。
運命を分けるコネと政治力
「協力はしてもらえなくても、せめて国循から関西空港に行かせてもらいたかった。私の命よりも、国循の面子のほうが大事だったのでしょうか.そのときの悔しさは、いまでも忘れることがでせません」(同前)
ルールで定められているなら諦めもつくかもしれない。だがじつは、国循の説明にはダブルスタンダードが存在していた.国循の元スタッフが打ち明ける.
「じつは海外渡航移植への協力は人によって違うのです。断られる人もいれば、国循の全面協力のうえ渡航できる人もいる.それを判断するのは中谷部長です。院内で移植対象者判定会議なども開かれるが、彼がGOを出せぱ渡航できる.だがその判断は医学的なものではなく、コネや政治力のある患者さんである場合がほとんどです』
その実例もある。
大手金属加工メーカーの『YKK」創業者一族であるAさん(51)の場合は国循の協力のもと渡航できたケースだったという.Aさんの夫はこう証言をする.
「妻の場合もはじめは中谷先生に『渡航移植するなら協力はできません』と言われました。まさか医者に断られるとは思っていなかったので『人命をなんやと考えているんや』と驚かされました.でも諦めるつもりはなかった。移植ができれば『どこが悪かったの』というくらい劇的に回復するのです.私は可能性があ
るならぱ、何を利用しても海外に行かせようという気持ちでいました」
奏の命を救うために手を尽くしたい、と動いた夫の気持ちは家族としては当然のものだったはずだ。
『それで知人から心臓外科医の権威のかたに相談してもらった.そのかたは国循に影響カのある先生でした。だから、まぁ中谷先生は渡航を認めてくれたのではないでしょうか」(同前)
動いたのは前国循総長だったという.0七年末、Aさんは国循の協力のもと米UCLAに渡航し、心臓移植手術を受けることができた.夫は「謝礼という意味ではありませんが、(国順の)研究施設にいくらか寄付をしました」と語る。
田中さんとAさん、彼らを分けたものは国循への“コネ”としか思えない.
昨年の十二月にも、一人の患者が国循から“強制転院”を余儀なくされている。
山本和明さん(49=仮名)は、拡張型心筋症を患い昨年六月に国循に入院した。彼は国内移植適応は困難だと診断され、国循での海外渡航移植に一縷の望みを託していたという。しかし、国循側の対応は冷酷なものだった。彼らほ山本さんに次のように説明した.
「会議の結果、今後のサポートについては、当院は国内での心臓移植を推進する立場であり渡航移植に対しての支援は困難との判断に至りました」
地元病院に送り返された山本さんは深い絶望のなか今こう語っているという。
「患者は弱者だから引き下がるしかないでしょう.信頼して命を託したのに裏切られた……。他の病院に入院していれぱもっと長生きができたのでしょうが」
だが、一方で渡航を実現させようとしている患者もいた。同じ時期に入院していたBさんは来月にも、国循の協力のもと渡航移植を行なう予定である.二人を隔てたものは、“政治カ”だったといわれている.
「彼は現職大臣にお願いをしたことで渡航移植が可能になったと聞いています」(厚労省関係者)
これまで国循は十人を超える患者を海外に送っててきているという。協力を受けることができた患者は、国循の医師団が公用バスポートを用いて正規の出張として随伴する.その裏で失意のなか病院を追われ、死を覚悟しなければいけない患者もいるのである。
移植待機患者の不条理
国順は患者の命を差別している――.少なくとも多くの入院患者たちはそう思っている。元入院患者はこうため息をつく。
「心臓移植は拡張型心筋症などで医者に手立てがないとされた患者にとって唯一の治療法です。しかし国循のなかでは国内移植で待機している患者さんが、移植を受けることなく毎年のように亡くなっている。みな恐怖を身近に感じながら入院しているのです。
そのなかで悪者にとって海外渡航移植は生きる望みです。しかし現実に渡航できる人と、断られる人がいて、その情報は患者の耳に入ってきます。行けない患者は生きる望みを断たれたような気持ちになる」
海外渡航には数千方~数億円という巨額な資金が必要とされ、そのハードル自体が高いものである.そして渡航には医療スタッフの通行が不可欠であり、前腕の協カなくしては実現不可能なものなのだ。だが、仮に資金面のハードルをクリアしても、さらに「コネ」や「政治カ」が要求されるのだとすれぱ、患者にとってはあまりにも過酷で不条理な現実である.
『心臓病の患者にとって国循は設備も技術も揃った“最後の砦”です.だが、頑張っているスタッフがいる一方で、患者の命を軽んじるような対応が一部で横行してしまっている.昨年の夏にも、移植待機患者にとっていちぽん重要なステータス(移植緊急度)を、患者が個室から大部屋に移動したという理由だけで、中谷部長が下げてしまい病院内で大騒ぎになりました」(前出・元スタッフ)
なぜ患者に待遇の違いが生じるのか。自宅前で中谷部長を直撃した.が、中谷部長は無言のまま車に乗り込み走り去った。国循庶務課は「病院として回答はしない」と取材を拒否。
友池仁幅院長は小誌取材に対してこう答えた.
「うちは海外渡航移植を希望する患者には協力しています。協カを断わるということはないと思いますよ」
彼の言葉が本心ならぱ、山本さんをはじめ多くの患者に明るい希望が差し込むことだろう。前出・Aさんの夫はこう訴える.『移植ができた人と、待ち続ける人では本当に天国と地獄です。妻だけが特別ではなく、これからの人にも渡航移植のチャンスが増えることを本当に切に願っています.国循には少なくとも患者の足を引っ張るようなことはしてほしくない」十二月十九日、舛添要一厚生労働大臣は山ロさんの治検問題について、「まず国立循環器病センターでの調査を間って対応を考える』と発言した。これは当初、遺族サイドに説明されていた厚生労働省内に第三者委員会を設置するという方針から大きく後退したものだった。
「両親の訴えを真摯に受け止めるなら、決して国循まかせの調査でいいわけがない.国民の生命と安全を守るという気概があるのか、舛添大臣の見識が問われます」(厚労省担当記者)
このまま患者の命が軽視され統けることを決して許してはならない。
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