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(投稿:by 僻地の産科医)
医師確保の“つなぎ役”で成果―緊急医師派遣システム
キャリアブレイン 2008年12月27日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19898.html
全国的な医師不足の深刻化を受けて昨年7月、医師が足りない医療機関に対する緊急的な救済措置として、国は「緊急臨時的医師派遣システム」をスタートさせた。医師確保が困難な病院からの依頼で、各都道府県が国に医師派遣を要請。厚生労働省での検討や調整を経て、対象病院に医師が派遣される仕組みだ。派遣期間は原則6か月以内と短いが、医師確保の“つなぎ役”として成果を上げている。
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医師派遣先の要件は、▽2次医療圏内の中核病院で、代替する医療機関がないこと▽大学などへの依頼でも医師が確保できないこと▽過去6か月以内に医師数の減少が確実、または休診の可能性がある診療科(すでに休診も含む)を持っていること―の主に3点。
同システムでは、病院から依頼を受けた都道府県が、それぞれの「医療対策協議会」で派遣の是非などを協議した後、国に派遣を要請。さらに厚労省の「地域医療支援中央会議」が、派遣の必要性や優先順位などを検討した上で実施を決める。派遣されるのは全国の大規模病院で働く医師のほか、退職医師や開業医なども含まれる。
■「本当に助かっている」―青森・鯵々沢町立中央病院
同システムでは、これまで計3回の派遣を実施。合わせて約60人の医師が、北海道や青森県など6道県の医療機関に派遣された。診療科では、内科や循環器科が多かった。
今年7月に始まった第3回派遣では、青森県の鯵々沢町立中央病院が対象となった。同病院は70床を持つ地域の中核病院で、へき地医療拠点病院にも指定されているが、今年1月に常勤内科医が一人減少。弘前大に派遣の要請を行ったものの、代替医師が確保できなかったことから、県に同システムでの医師派遣を要請した。現在、日本赤十字社の内科医が週替わりで派遣され、12月末まで診療を行っている。
病院側は、「短期間でも常勤医の負担が減り、その分を入院患者の対応に回すことができる。本当に助かっている」と同システムの効果を説明。その上で、「実際に現場を見ることで、へき地医療の現状を理解してもらえる。それを今後の医療につなげてほしい」と訴えている。
■派遣医師を公募するドクターバンク―「医師派遣.JP」
厚労省の委託を受けて、派遣医師の公募から登録、研修、調整までを行うのが、社団法人「地域医療振興協会」だ。同協会の運営しているホームページ「医師派遣.JP」では、同システムの派遣医師を公募するドクターバンクの役割の一部を担っている。
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同協会公益事業担当の杉田義博理事は、「全国規模の医療団体に入っていない若手医師やシニアの方々で、地域医療への貢献を強く望んでいる先生をサポートしている」と話し、同ホームページが果たしている役割を強調。「将来地域で働くことを考えている方も、ぜひ気軽に登録して新たな世界に飛び込んでほしい」と、医師の登録を求めている。
派遣登録については、「医師派遣.JP」(http://www.ishihaken.jp/)へ。
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