(関連目次)→妊娠したら気をつけること 目次 産科一般
(投稿:by 僻地の産科医)
みひょん先生です(>▽<)!!!!
彼女は私の仲良しで、
来年の日本産婦人科学会初日「若手シンポ」実行委員でもあります!
4月3日金曜日の夕方、是非聴きにいらっしゃってくださいませませ ..。*♡
ところで幻の第12条目というのもあります。
それは・・・。
「産婦人科女医は漢(おとこ)である!」というもの。
産婦人科勤務は大変キツいものです。
そこで男性と同等に仕事している女医は、
みなさまが想像されるほど優しくはなく、
産婦人科医としてはプロフェッショナル、
冷たい目を持ち合わせているということ。
「女医」に幻想を抱かれ、会いもしないうちから、
希望される方々の集中に困っている
私たちの叫びはエントリーされなかったけれど、
「男性医師の方がよっぽど女性にやさしいこともあるんですよ!」
頭の片隅においていただけると光栄です ..。*♡
妊娠のリスク知ってほしい
―現役産婦人科医が11か条の心得―
キャリアブレイン 2008年11月17日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19185.html
相次ぐ妊婦の救急医療機関への受け入れ困難の問題を受け、川崎医科大附属病院(岡山県倉敷市)産婦人科医長の宋美玄さんが、思春期以降の男女に妊娠・出産に伴うリスクを理解してもらおうと、妊娠についての心構えなどを示した「妊娠の心得11か条」をつくり、自らのブログで公開している。宋さんは「お産は一般的に『安心、安全』というイメージがあるが、実際は死を伴うこともあるリスクあるもの。産婦人科に来る女性は既に妊娠している段階なので、早い時期から妊娠・出産に対する意識と正しい知識を持ってもらいたい」と話している。(熊田梨恵)
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10月下旬、東京都内で脳出血を起こした妊婦が8つの救急医療機関に受け入れを断られ、最終的に搬送された都立墨東病院(墨田区)で死亡した。その報道ぶりについて宋さんは、「亡くなったのは脳出血という病気が理由なのに、まるで搬送に時間がかかったことだけがいけなかったといわれているようだった」と振り返る。妊婦は通常では死ぬことはなく、死亡するとしたら医療側に必ず何らかの落ち度があるということが前提となっているかのような報道に、疑問を感じたという。「実際は米国でも脳出血を起こした妊婦の3分の2が死亡するか、重篤な後遺症を残すといわれている。妊婦さんやご家族にも妊娠・出産にはそもそもリスクがあるということを認識してもらいたいと思い、報道を見た後すぐにこの心得をつくった」。
「妊娠の心得11か条」は、▽セックスをしたら妊娠します▽「この男の子供を産むためなら死んでもいい!」と思うような男の子供しか妊娠してはいけません▽妊娠しただけでは喜ばない。安易に他人に言わない▽神様から授かったら、それがどんな赤ちゃんでも、あなたの赤ちゃんです―など11項目。宋さんが普段仕事をしながら、女性にしっかりと意識してほしいと思っていたことが盛り込まれている。妊娠・出産に伴う母体死亡のリスクのほか、生まれてくる子どもに障害がある可能性があること、出生後に元気であるかどうかを完全に評価できる検査はないことなど、こうしたことを踏まえた上で責任を持って妊娠すべきなどとする心構えについて、思春期の男女にも分かりやすい言葉でまとめられている。また、赤ちゃんが二分脊椎症にならないよう、子どもが欲しいと思っている人には日ごろから葉酸のサプリメントを摂取するよう呼び掛けたり、脳性まひの赤ちゃんの9割は分娩前から原因があることなどを紹介したりしている。さらに、「一つとして同じ妊娠・出産はない」として、「きれいな施設だから」など安易な理由でお産する場を選ばないでほしいと、“お産は安全”という考え方に警鐘を鳴らしている。
また、この心得には、医療者と患者の懸け橋になってほしいという期待も込められている。「産婦人科医や助産師が足りない現状があるからこそ、一人ひとりに正しい認識を持ってほしい。患者さんのことを思って医療をしない医師はいない。悲しい結果になったとしても、きちんとリスクを理解していれば、医療者を責めるということにはならないのでは」。
大阪府に住む大学生の江尻美代子さん(21)は心得を読んで、「妊娠した人が毎年60人も死んでいることや、正常に生まれるかどうかが完全には分からないということにはびっくりした。『葉酸』という名前も初めて聞いた。まだ子どもを産むということがぴんとこないし、妊娠や生理については友達同士で何となく話すぐらいで、学校の性教育を聞いていても恥ずかしいだけで終わっていて、あまり覚えていない。お医者さんの方からこうしたことをちゃんと教えてもらえるとうれしいし、子どもを産むことは結構覚悟が必要なんだと思った」と話した。
北里大医学部の海野信也産科婦人科教授も、「医療サービスが自動的に提供される福祉や権利のように思われている風潮があるが、実際はそうではない。例えば、病院で出産した場合は赤ちゃんが脳出血を起こさないよう、もともと足りていないビタミンKを補うなど、トータルで母子をケアする体制を整えている。しかし、自宅出産を望んだ場合はこうした体制は取れないし、そこまでのリスクを考えた上で選択することが必要になってくる。妊娠や出産は、自分で自分と家族の運命をつくるということ。自分たちのセクシャルライフを含めて、もう一度女性である意味を考えてほしい」と注意を喚起している。
宋さんは、「大人になると本当にいろいろなことがある。妊娠・出産を他人事と思わないで、自主的に考えていってほしい。そのためにこの心得を使ってもらえれば」と話しており、自らも地域で学生に教育するなどの活動に取り組んでいきたいとしている。
【妊娠の心得11か条】
1.セックスをしたら妊娠します。
この世に100パーセント避妊する方法は、セックスをしない以外にありません。(ピルですら100%ではありません。でも、もちろん避妊することは望まぬ妊娠を大幅に減らすことが出来るので、妊娠したくない人は必ず避妊しましょう!!)
日頃セックスをしているなら、常に妊娠の可能性を考えましょう。
そして、子供が欲しいと思っているなら、赤ちゃんの神経系の病気(二分脊椎など)を防ぐために葉酸のサプリメントを飲みましょう。(1日0.4mg)
2.「この男の子供を産むためなら死んでもいい!」と思うような男の子供しか妊娠してはいけません。
妊娠出産は何が起こるかわかりません。妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)、妊娠糖尿病など、妊娠にまつわる病気になるかもしれません。また、お産も体にとっては大きな負担となります。
毎年、約60人の妊婦が出産で死亡しています。あなたが生きて出産を終える保証はどこにもありません。
妊娠をするにはそれなりの覚悟が必要ですよ!
(妊娠はよく考えて、覚悟を持って! というたとえであって、シングルマザーなどの選択を否定するものではありません。)
3.妊娠しただけでは喜ばない。安易に他人に言わない。
妊娠が非常に初期に診断されるようになってから、妊娠初期の流産が15%以上と非常に多いことが分かりました。
最低でも妊娠4ヶ月に入るまでは手放しで喜んではいけません。職場で仕事を軽くしてもらいたいと上司にお願いするなど、重要な時だけ人に言いましょう。
出来ることは赤ちゃんを信じてあげることだけ。
また、運悪く15%に入っても、あなたのせいじゃありません。不必要に自分を責めないでくださいね。
4.神様から授かったら、それがどんな赤ちゃんでも、あなたの赤ちゃんです。
この世に完全に正常な人間なんていません。重いものから軽いものまでいろんな障害を持って生まれてくる赤ちゃんもたくさんいます。
妊娠中に診断できる異常はごく一部。中には幼児になってから分かる異常もあります。
誰しも自分の赤ちゃんが正常だという保証のもと、出産することなんて出来ません。
親になるということは、どんな赤ちゃんが生まれても自分の子供として受け入れることです。
5.産む、産まないは自分たち夫婦で決めましょう。
とはいえ、妊娠中に赤ちゃんの異常や、もしかしたら異常があるかもしれないというサインがあると主治医に告げられるかもしれません。
それが中期(妊娠21週まで)であれば、望んだ妊娠であっても異常の程度によっては中絶という選択肢が出て来る場合もありますが、あくまでも夫婦二人でよく話し合って決めましょう。価値観や考え方は人それぞれ。大事なことは責任を持って自分たちで決めましょう。(大事なことを責任を持って決められる大人になってから妊娠しましょう。)
また、このことについては妊娠前から二人で話し合っておくべきです。
6.かかりつけ医をもちましょう。
当然ですが、ちゃんと妊婦健診を受けましょう。
きちんと初期に超音波で予定日を決めること、HIV、B型肝炎、血液型、梅毒などの初期検査を受けることは、妊娠中に管理方針を決めるのに後々重要であったり、あなたの赤ちゃんを守ったりするために必要です。また妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)の早期発見には欠かせません。
もしあなたにお金がなくても、自治体が発行する母子手帳には最低限の妊婦健診を受けるためのチケットがついていますし、分娩費用も援助してくれる制度があります。
また、産科医不足からお産を出来る場所が限られています。妊娠が分かったら、病院などに早めに問い合わせてお産をする場所を確保しましょう。里帰りしようなどと思っていても、受け入れてくれる場所がないかもしれません。
7.赤ちゃんは全ての運命をあなたに預けていることを忘れないで。
赤ちゃんは栄養や酸素など、生きて成長するために必要なものを全てあなたに依存しています。お母さんが煙草やお酒など赤ちゃんにとって毒となるものを摂取すると、胎盤を通して赤ちゃんに移行します。
体型を気にして、妊娠中にダイエットをするなどはもってのほか。(妊娠前に標準的な体重だった人は9~12キロ体重を増やさなくてはいけません。)
煙草が我慢できないような人は、お母さんになる資格はありません。
また、「出産したら遊べなくなるから」と旅行をするのもいいですが、何かあっても後悔しない程度に。旅先で何かあってもすぐに診てくれるところがあるかは最低確認を。
おなかの赤ちゃんのために時には自己犠牲を払うことも覚悟の上、妊娠しましょう。
8.赤ちゃんが完全に元気であるか分かる方法はありません。
胎児心拍のモニターや超音波など、赤ちゃんが元気であるか評価する検査はありますが、どれも完全ではありません。
予定日を目前にお腹の中で突然死をしてしまう赤ちゃんもいます。もし動きが少ないと思ったら病院へ。
無事に産まれるまでお母さんも赤ちゃんも安心できないのが妊娠なのです。毎年5000人以上の赤ちゃんがお産の間際や生まれてすぐに死亡しています。
また、脳性麻痺になる赤ちゃんがいますが、その90%は分娩前にすでに原因があり、分娩を機に脳性麻痺になる赤ちゃんはわずか10%であることも知っておきましょう。
9.出産は出来うる限り安全な場所でしましょう。
妊娠経過にどれだけ異常がなくとも、出産の時に赤ちゃんやお母さんが急変することは誰にでもありえます。
専門家が考える安全な場所とは、緊急時に、高次の医療機関(産科医と新生児医と麻酔医が揃っていて、帝王切開や未熟児医療ができる体制)か、そこへすぐ搬送できるくらいの近さの産院です。
部屋がきれいだから、ご飯がおいしいから、好きな姿勢で産めるから、上の子を立ち会わせたいから・・
そんな理由で緊急時の安全性が劣る産院を選ぶのはおすすめしません。
もちろん、納得の上でなら構いませんけれども。
お産をなめてはいけませんよ。
(残念ながら現在産科医不足のため、妊婦さん全員が安全性の高い病院を選ぶとパンクしてしまいます。だから、リスクの低い妊婦さんには高次の医療機関ではなく開業の産婦人科を選んでもらわないといけない場合も多いです。でも、最低でも産婦人科医立会いの下でお産しましょう。)
10.下から産んでも、お腹から産んでも、あなたはお母さん。
人によっては骨盤位(逆子)などの理由ではじめから帝王切開をしないといけない人もいます。また、陣痛が来て頑張っても、下から産まれなくて帝王切開をしないといけない人もいます。
どんな出産になっても、あなたが身を削って赤ちゃんを産んだことには変わりありません。
帝王切開で産むと子供の性格が悪くなるとか、親子の愛情が無くなるとかいう悪意に満ちた色々な妄説に惑わされないで。
あなたと赤ちゃんにとって一番安全な方法でお産をしましょう。
11.妊娠・出産は一つとして同じものはありません。
妊娠・出産を経験すると、自分が何でも知ってる気になってしまう人がいます。年配のご婦人で「私のときはこうだったわよ」のように先輩面をする人もよくいますよね・・
でも、一つとして同じ妊娠・出産はありません。
同じ人が次にまた妊娠しても、同じようになるとは限りません。
自分の経験を別の人や別の妊娠にあてはめないようにしましょう。
なんか恥ずかしいですわ~
妊娠の11か条についてのご意見はこちらまでお願いします。
投稿情報: LUPO | 2008年11 月18日 (火) 13:55
胎児適応の中絶のことを産婦人科医がおおっぴらに言っちゃいかんでしょう~
投稿情報: tototo | 2008年11 月18日 (火) 15:24
「産婦人科女医は漢(おとこ)である!」には爆笑しました。
お疲れさまです。
投稿情報: うろうろドクター | 2008年11 月18日 (火) 18:03
2.に出てくる、「男の子供」は、
男児と取られかねない。
何かいい表現はないか。
5.で夫婦という言葉を使っているということは、
シングルマザー奨励でもないようですから、
2.は父親でもよくないか。
投稿情報: アメマ | 2008年12 月 6日 (土) 08:50