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(投稿:by 僻地の産科医)
妊婦184人、脳血管障害に 06年 厚労省研究班調査 10人が死亡
北海道新聞 2008年11月14日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/129009_all.html
妊娠や出産に関連し脳血管障害を起こした妊婦は、二〇〇六年に少なくとも百八十四人おり、このうち十人が死亡していたことが厚生労働省の研究班(主任研究者・池田智明国立循環器病センター周産期治療部長)の調査で明らかになった。
妊婦は胎児に酸素や栄養を送るため血液量増などで血管の負担が拡大、脳血管障害のリスクが高まるとされる。東京都内で十月、脳出血の女性が八病院に受け入れを断られ、死亡した事例などが明らかになっているが、国内の詳しい実態調査は初めて。 調査は総合病院や周産期母子医療センターなど千五百八十二施設が対象。道内六十六施設を含む千百七施設が回答した。
百八十四人の病名の内訳は、子癇(しかん)(高血圧などを伴う妊娠中毒症の一種)や高血圧性脳症八十二人(死亡二人)、脳出血三十九人(同七人)、脳梗塞(こうそく)二十五人(同なし)、くも膜下出血十八人(同なし)、脳静脈洞血栓症五人(同一人)など。 死亡患者が多かった脳出血は診断までの時間が三時間以内なら死亡率が8%だったのに対し、三時間を超すと36%に上がった。また脳出血患者の72%は発症時に産婦人科を受診しているが、最終的な治療は85%が脳神経外科で受けていた。
同研究班は「脳血管障害は頭痛やけいれん、意識障害などの初期症状に注意する必要がある。産科と脳外科の連携強化も急ぐべきだ」と指摘している。
妊婦、脳障害で年10人死亡 厚労省調査、1万人に1―2人発症
中日新聞 2008年11月16日
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008111602000051.html
妊娠、出産に関連して脳出血などの脳血管障害を起こした女性は、2006年の1年間で少なくとも184人おり、うち10人が死亡したことが、厚生労働省研究班(主任研究者・池田智明国立循環器病センター周産期科部長)の全国調査で分かった。妊産婦の脳血管障害に関し、国内の発生実態が明らかになったのは初めて。出産は年間約100万件あるため、1万人に1-2人が発症する計算だ。
脳出血の場合、発症から診断までが3時間を超えると死亡率が上昇することも判明。研究班は「産科と脳神経外科の連携の重要性が明らかになった」と話している。
調査は全国の1582施設が対象。回答した1107施設(回答率70%)のうち115施設で、06年に妊産婦184人が何らかの脳血管障害を起こしていた。
症状の内訳は、脳出血39人、くも膜下出血18人、脳梗塞(こうそく)25人など。このうち脳出血の死亡率は、3時間以内に診断された場合は8%だったのに対し、それを超えた場合は36%だった。
ただ、寝たきりになるなど重度障害の割合は3時間以内に診断された人の方が多く15人(60%)。3時間以上の人は1人(7%)で「早く診断されたからといって必ず後遺症が軽くなるというわけではない」と、池田部長。
脳出血を起こした妊婦の約半数は、脳出血との関連が指摘される妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)や何らかの血管異常がみられたが、残りは原因が分からなかった。また脳出血やくも膜下出血を起こした妊婦の80%余りが最終的には脳神経外科で治療を受けたものの、多くは最初に産婦人科を受診していた。
研究班は06年に奈良県で脳出血を起こした妊婦が次々と受け入れを断られ、出産後に死亡した問題を受け実態を調査。2年後の今年10月には、リスクが高い妊娠に24時間態勢で対応する施設として東京都の「総合周産期母子医療センター」に指定されている都立墨東病院からも受け入れを一時断られた妊婦が脳出血で死亡する問題が起きている。
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