(関連目次)→政治に声を届けよう! 医師のモチベーションの問題
(投稿:by 僻地の産科医)
先日の
「二階発言」撤回! 足立信也議員大健闘です(>▽<) ..。*♡
足立信也議員 11月13日 参議院 厚生労働委員会質疑応答(上)
の続編です(>▽<)!!!!
元ネタ映像を見たい方、こちらですo(^-^)o ..。*♡
【参考ブログ】
驚愕! 二階俊博経産相のママが女子医専卒の医師だった件
天漢日乗 2008-11-15
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2008/11/post-78bf.html
二階俊博経済産業大臣、閣議後記者会見(2008.11.11)
保健師のまとめブログ
http://phn.ti-da.net/e2423053.html
【関連ニュース】
「医師のモラル」発言を撤回し謝罪―二階経産相
キャリアブレイン 2008年11月14日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19162.html
救急医療機関で妊婦の受け入れができない事例が相次いでいることに関し、二階俊博経済産業相が「医者のモラルの問題」などと発言したとされる問題で、二階経産相は発言を撤回し、「わたしの発言が医療に携わる皆様に誤解を与えたことをお詫び申し上げる」と謝罪の意向を示したことが分かった。11月13日の参議院厚生労働委員会に出席した同省の近藤賢二商務情報政策局長が明らかにした。
【関連記事】
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妊婦死亡問題めぐり議論―民主
二階経産相は11月10日、舛添要一厚生労働相と会談した際、「政治の立場で申し上げるなら、何よりも医者のモラルの問題だと思います。忙しいだの、人が足りないだの言うのは言い訳に過ぎない」と発言したとされる。同委員会で質問に立った民主党の足立信也議員は、この発言に医療関係者から数多くの抗議文が届いていることを明らかにした上で、同委員会を欠席した二階経産相に代わり出席した近藤氏に、「政治の立場として」や「医師のモラルの問題」が意図することは何かと尋ねた。
近藤氏が代読した文書の中で二階氏は、発言が「今回のような悲しい出来事を二度と起こしてはならず、そのために厚生労働、経済産業省を挙げて、ITを活用して情報システムを構築し、導入を促進させたい。その際、医師の方も忙しくて大変なのは理解できるが、専門的立場から全面的に協力をしてもらいたい」という趣旨だったと説明し、「今回の発言が医療関係の皆さんに不愉快な思いをさせたとすれば、お詫び申し上げる」とした。
また、「政治の立場として」との発言に対しては、「経済産業相としての立場に加え、長く政治にかかわってきた一政治家として今回のような悲しい出来事を二度と起こしてはならず、そのために政府を挙げて、できる限りのことを行うべきだという強い気持ちで、政治の立場と申し上げた」と釈明した。
足立氏は「医師のモラルの問題」についても説明を求めたが、この時点で明確な回答が得られず、午後の委員会で説明と、発言を撤回する意思の有無について返答するよう求めた。
午後の委員会の冒頭、近藤氏は二階経産相の「私の発言が医療に携わる皆様に誤解を与えたことをお詫び申し上げ、発言を撤回いたします」とする文書を代読した。
また、同委員会でこの問題について感想を求められた舛添厚労相は、一言一句を正確には記憶していないとする一方、「少なくともそういうことをおっしゃるのは、ちょっと言いすぎだと今、思う」とした。
足立議員の質問
〇足立議員
えーそれでは、その後確認をする意味でもう一度言いますが、私がお聞きたいのは「医者のモラル」とはどういうことか、それが原因で今回の事例が起きたという風に答えているわけですね。モラルはどうかということと、ま、これから大臣にもお聞きしますけれど、この発言を撤回する意思があるかどうかと、その点を是非押さえておきたいと思います。
午前中の質疑の中でやっぱり関係者の奮起を促したかったという目的があるわけですね。これはいったいどういうことか?
例えばですよ、関東大震災が起きたらチャンスだって言った兵庫県の知事ですね、どういうことを言っているかというと、先ほどの柏原病院のフォーラムのところでですね、43人いた医師が20人に減って、もうその20人は大変な苦労をされている。そこでフォーラムの中で「もっと情熱に燃えた医師が」という要望をしているんですね。こういうことを言っている。
やっぱりね、政治家の一言って非常に重いんですよ。それが医療を崩壊させているって面もあるんです。ということ、特に今回はねこのことをまず申しあげたい。それで午後確認したい、そのように思います。
で、この点、そばで聞いておられた舛添大臣、こういう発言をされてですね、即座に否定、あるいは、このことについてその後協議されたことはあるのですか。どういう感想をもたれたのですか。
〇舛添大臣
私は議員ご承知の通りなんとかこの医療崩壊といわれている状況を打開していきたいということで、先ほどありました福島県立大野病院の件につきましても、それから兵庫県の柏原病院にも、深く関わっておりますので、実態をやはりきちんと見たときに、私は今正確にどういう言葉を仰ったかということを今議員がテレビのニュースからおとりになりましたので、そういうことについてはやはりきちんと現場をきちんと掌握していただきたいと思っております。
〇足立議員
今言われていますが、その時はそれほど問題の発言だという認識はなかったということなんですか?その時は気付かなかったと?
〇舛添大臣
私自身は、ITの先端技術、私がお話したのは消防署を見にいっても、我々が携帯電話で使っているような非常にデジタルのすすんだ技術がまだない、こういうところから改める非常に技術の話をずっとしておりました。そういう中で、一言一句正確には記憶はしておりませんけれど、すくなくともそういうことを仰るのは私はちょっと言いすぎだと、今思いますね。
〇足立議員
まぁその時は気がつかなかったという認識で、あとは更に新たなコメントなり届いた後に。これはやはり大臣ですからね。せっかく、まぁこれから言いますけれども、我々民主党の主張、それから超党派議員連盟の申入れ等、これ厚生労働大臣、経済担当大臣、財務大臣に談判しました。で。これはもう医師不足なんだと。これはなんとかしなければいけない。それからもちろん舛添大臣の熱意もあってね、今年1982年以来続いていた閣議決定を覆したわけじゃないですか。
その内閣の一員である大臣がですよ?これはもう内閣の閣内不一致ですよ。この意図があるということはね。この点を午後に更に伺いたいとそのように思います。
で、先ほど政治の立場で申しあげればというのは政治家としての立場だと先ほど審議官仰いましたよね。
やっぱりそういう風に考える方がいるということなので、これに引続いて、時間の関係で次に訊きたいことはですね、「診療行為に関連した死亡にかかわる死因究明等の在り方に関する検討会」この件ですね。もう16回を数えています。1年半以上やっているんでしょうか。これ極めて異常な検討会になっているような気がします。
第二次試案に対する強烈な批判の中でですね、去年の12月に自民党で「医療安全調査会設置法案」という概要を作った。そしてこの一月には法案の原案が出来ていた。でも3月に第三次試案を出した。4月に大綱案を出した。で、5月に「医療安全調査会設置法案」の改正案ももう作られている。
で、これをみて私どもも、あのこれ一年以上続いているパブコメなんですね。無期限パブコメ。こんなこと今までありますか?で、膨大な反対意見が出ている。もう私ども民主党も業を煮やして法案の構想試案というのを出したわけです。私のHPからいつでも見られるようになっている。これに対して1万人のインターネットアンケートで圧倒的に民主党案ということで約3倍の支持を得られているわけです。
しかしね、この検討会で修正をしていこうとかですね、民主党案について聞いて取り入れていこうじゃないかというような発言は一切ないですね。極めて異常な検討会だと思うんです。そこでですね、政治家の立場ということでそのままきているんですけれど、ここに「医療紛争の処理のあり方検討会」自民党のですね座長であられる大村副大臣がいらっしゃるので、この「医療安全調査会設置法案」私が入手しているのは5月の時点の改正案ですが、この案が最良の案だと、これから地方で検討会オープンにやって行くようですけれど、これが最良の案だという認識でいらっしゃるのですか?先ほどのアンケート結果も踏まえて。(36:27)
〇大村厚生労働副大臣
医院からご指摘のありました医療安全委員会の、三次試案の大綱案をですね、公表いたしまして、今厚生労働省におきまして検討会において、いまさまざまなご意見を頂いているというところでございます。で、これにつきましてはですね、今議員が言われたのと私どもちょっと認識が違っておりまして、要はこの検討会、厚労省における検討会とあわせまして私ども自民党の方で「医療紛争のあり方検討会」をやっておりまして、ま、2年以上ずっとやってまいりました。議論を積み重ねてきて今回やっと第三次試案、そして大綱案、となったわけです。
これはですね、もうすでにご案内のとおりでございますけれども、医療事故における死亡につきまして医療関係者を中心に、原因の調査ですとか臨床の経過を分析・評価、とにかく医療関係者を中心にして、何が原因だったのかということを、事実関係を調べてという枠組みを作るべきだということでございます。そしてなんでこういうことをやろうかということでございますが、これは釈迦に説法ではございますが、医療関係いろんな紛争とか事故が起きる、その時に、いきなり警察ですとか司法当局関係者が医療現場に入ってくると医療の萎縮を招くのではないか?ということからですね、公的な調査委員会・調査機関を作って、何が事実であったのかを調べて、そのことによって、ただちに警察・司法当局が医療の現場に入っていかない、そのためにですねこういった制度が必要だと、ある意味日本の司法制度が安定した場合にですね、こういった形の枠組みをつくって行くということでなければなかなか難しいのではないかということで、ご提案させていただいているところでございます。
で、現実にですね、いろんな関係の団体のみなさまの医療関係団体、そしてまた法曹関係者等のご意見たくさんいただいておりますけれど、そして厚労省でもこの検討会でたくさんいただいていますけれど、私どもの認識では医療関係団体でも多くの団体では賛成していただいていると認識を致しております。ただいろんなご意見さまざまありますから、それを頂いて更にまた内容を詰めていきたいと思っております。したがって試案・大綱案という形ではありますが、法案に近い形までは仕上がっておりますけれども、なんとか我々としては作りたいと思っておりますので、これを更にご意見いただいて十分議論していいものにしていきたいとそういうふうに思っております。
〇足立議員
要約しますとですね、意見を聞く機会は設けたいが、やっぱり今ある設置法案が最良の案だと考えているんだろうなと私なりに要約させていただきました。で、先ほどのモラルの件なんですけれどね、これあの「大村私案」というのを出されましたよね。わたくしの案で私案ですね。救急医療に関して。まぁこれはね、個人的な。
それでね。医療行為についても刑法211条の業務上過失致死傷罪、これを真正面から議論するべきだというのが我々の提案で、これを試案に出しているわけですが、救命救急についてのみ情状によって刑を免ずるという思想、やっぱりこれは「医療事故には必ず誰かに責任がある。」そういう考えが立脚している考えだと私は思いますよ。それがやっぱり根本にあるんだろう。私はやっぱりそう考えます。
で、これからですね、一般公開の形で地域説明会を開催するという風に言われております。皮切りが九州ですか?それから東海・北陸・近畿・東北と。まぁずっと予定になっているようですが、かつてのタウンミーティングのような何も修正もしないアリバイ作りのためだけのような説明会にはしないようにと、ぜひともそのように申しあげておきたいと。で、誤解があるからここで言わせていただきたいんですが、我々はですね、この国はやっぱり死者に対する尊厳というのが足りないと思っています。それは死因をしっかり究明することと、同じ事を繰り返さないということなんですね。例えば一酸化炭素中毒事件、パロマのありましたね。これは死因究明をしっかりやっていれば次の発生は防げたはずです。それから中毒や殺人のこともあります。千葉県のある市の死亡診断はですね、首つり(縊死)以外は全部急性心不全とそういうふうになっているわけですね。だから我々は、これはしっかり死因を究明しなきゃいけないんだと、それが死者に対する尊厳なんだという感覚で「死因究明法」まず提案したんですよ。ま、衆議院の方で継続審議になっています。それがあるから、医療行為に関することに関してまた別の考え方が出来るんだと、だから医師法21条を整合性を持たせた明文化をするんだという考え方なわけですよ。いろいろ死因究明に関して問題があるのに、この医療行為の部分だけ取り上げてそれをやろうとするから、こういう大混乱一年半以上かけてですよ、反対意見がずっと続いている中で何も変えていかないというような方向性が見えてくる。アリバイ作りに過ぎないような感じになっている。そこがやっぱり問題なんだということを申しあげたい。
で、大臣、会議を待たせてあるって言って退席されても結構ですが、副大臣ですよ。大村さんね。で更にモラルについて伺いたいのですが、産科補償制度です。1月からスタートしようとしているね、産科補償制度です。これ資料に用意してあります。2枚目になりますけどね。
私も検討会のメンバーかなり親しい方がいらっしゃるので、内容について訊いたわけですけれども、制度設計は検討会でやられたわけですね。その制度設定を行う際の議論でもですね、これいま大変な問題になっているのは余剰金をどうするかって話なんですよ。余剰金が発生すれば、それは救済金の引上げや、当初案では救済の対象とならないような脳性麻痺のこどもは通常の分娩の子になっていますからね、この対象を広げるとか、救済枠の拡大ですね、こういうことを議論されていたわけです。されていたんだけれども、極めて不十分な救済金額や限定で救済対象という風になってきた。その原因は一体どこにあるんだと。その資料がこれですね、平成18年11月29日の自由民主党の政務調査会、医療紛争処理のあり方検討会の中で、先ほどの検討会を作る枠組みの中でですね、システムを作る検討会のメンバーの意見ですよ?この枠組みの中で私たちは考えざるを得なかった。だから極めて不十分なものしか出来なかったと私は聞いている。
で、この2枚目、制度の運営主体、日本医師会との連携の下、組織を設置する。4番、医療機関や助産所が組織を通じてほかの保険会社に保険料を支払う。つまり民間保険ということですね。
で、補償の対象はですね、通常の妊娠分娩に関わらず脳性麻痺となった場合にすると限定されているわけですよ。そして次のページにいきますが過失が認められた場合には医師の賠償責任保険などに求償するとこういう枠組みの中で、検討会で検討してもらったと。そういうことなんですよね。
これでですね、今何が問題になっているか。
まず一人当たり3千万円になるわけですけれども、年間障害となる一級二級、約500人から800人といわれているわけですよね。それに対して分娩は100万こえるわけですから3万円なつけると300億になる。しかし一人当たり3千万円の保証ということになると、500人と仮定した場合は150億余剰金が出る。それがすべて保険会社がそのままもって行くという事態の問題。それからその後、民事訴訟で損害賠償となった場合、補償金額は保険会社にそのまま払って、残りが訴えた側に入るそういう仕組み。更に原因分析の第三者委員会が重大な過失ありとした場合は補償金は返還。そういう風になっているんですね。で、無過失補償制度、これはまぁ産科補償制度となっていますが、海外でスウェーデン、デンマーク、ニュージーランド、フランス、ありますけれど、国営あるいは公共企業体がすべて運営している。
で、まずですね、公的保険とする選択肢はあったのか。この点について聞きたいと思います。海外はすべて公的である。(46:28)
〇外口医政局長
産科医療保障制度でございますけれど、この創設に当たりましては、脳性麻痺が一定の確率で不可避的に生じるものでありますから、保険の仕組みが馴染むものである一方で、患者さんの救済や紛争の早期解決に資するものとして、早急な立ち上げを図る必要があることからノウハウを有する民間の損害保険会社を活用する制度として創設することとしたものでございます。
〇足立議員
早急にといいますが、しかしね、公的医療で国民皆保険のこの国にあって、不幸な結果が訪れた方、あるいは障害を持った方に対する補償制度というのに民間保険だと。しかもそこには保険料と補償の間に相当の差額があるだろうと言うことに今なっているわけですよ。私はやっぱりね国民皆保険、公的医療保険を守るためにはこれは公的であるべきだ。それは海外に倣ってもいいのではないか、そのように思っています。ここがまず問題だろうと。で、先ほどちょっと委員長にお聞きしたいのですが、午後やるケースで私は質疑する時間はあるんでしょうか?
〇委員長
いまのところそれは考えておりませんが。休憩後にその件に関しては各理事に協議していただきます。
〇足立議員
それではちょっと時間を残しておきたいと思いますので、午前中といいますか、ここでの質疑は一旦終わりたいと思います。
〇委員長
午後1時30分に再会することとし、休憩に移りたいと思います。
朝のNHKで2FのIT技術が紹介されました。救急車内の映像をWEBカメラで携帯に伝送するのと、各種モニターの画像を携帯に伝送して、情報量を増やすというものらしいです。都会で、走って10分もすればフル装備の病院に辿りつけるならば、不要な技術かもしれません。でも、遠距離をトリアージして、搬送するかどうか決めるならば、利点もあるかもしれません。携帯を持つ医者に、人件費を出さないとだめだろうと思いました。
そのうち,妊婦さんのNSTモニターの伝送なんて、当たり前になるんでしょうね。
で、簡単に作れるシステムをバカ高い値段で落札させるんだろうと思いました。
投稿情報: 麻酔科医 | 2008年11 月17日 (月) 13:16