(関連目次)→本日のニュース・おすすめブログ..。*♡ 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
本日の医療ニュースです。
特に明るい話題もなし(>▽<)!!!
原因調査などと言っていますが、詰め腹を誰に切らせるのか、
責任者探しにしか見えませんね。
墨東の状況は、片田舎にも2年前から聞こえてきていたのですからo(^-^)o ..。*♡
清水厚生病院、産科休診さらりとカミングアウトです!
立ち位置に水を差す
ssd's Diary 2008年10月23日
http://ssd.dyndns.info/Diary/?p=2466
岡目八目涙目
ssd’s Diary 2008年10月24日
http://ssd.dyndns.info/Diary/?p=2470
スジの悪い医者
ssd's Diary 2008年10月22日
http://ssd.dyndns.info/Diary/?p=2453
「産科医開業最大1億円助成」 応募ゼロ 富士市困惑/静岡
読売新聞 2008年10月23日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shizuoka/news/20081023-OYT8T00045.htm
医師確保のため、富士市は今年7月、市立中央病院(富士市高島町)に勤務後、市内で開業する産科医師に最大1億円を助成する条例を施行したが、3か月以上たっても具体的な問い合わせが1件も寄せられていない。全国的な産科医不足の前に、窮余の策も空振りに終わりそうだ。
「市産婦人科医療施設整備助成金支給条例」は、市内で新たに産科医院を開業する場合、土地や建物、医療機器など開業費用の半分を助成するという内容。同病院への勤務経験が2年以上で7000万円、3年以上で8000万円など勤務年数に応じ助成限度額を1億円まで増やす。同病院に勤務せず開業する場合も5000万円を上限に助成する。
「全国で産科医が足りないのに金で集めるのか」と批判もあったが、市は「この条例でリクルートに走り回りたい」となりふり構わぬ姿勢を見せていた。しかし、10月になっても産科医から具体的な問い合わせがなく、市民や他の自治体などから制度の問い合わせが9件あっただけだ。
市保健医療課の中村増美課長は「この条件で集まらないとは。医師不足がこれほど深刻だとは思わなかった。どうしたら医師が来てくれるのか」と頭を抱える。ある医師は「開業を目指す産科医は数自体が少ないので、お金で解決する問題ではない」と苦言を呈している。同市立中央病院では、現在勤務する産婦人科医師4人全員を、派遣元の大学病院が今年度限りで引き揚げる意向を示している。
清水厚生病院、産科休診へ 3月末「空白域に回す」/静岡
静岡新聞 2008年10月24日
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20081024000000000015.htm
清水厚生病院(静岡市清水区庵原町)に医師を派遣している浜松医科大が来年3月末で産婦人科医師の派遣を中止する方針を同病院に伝えていたことが23日までに分かった。清水区内では産婦人科医のある総合病院は市立清水病院の1カ所だけになり、地域の産科医療への影響を懸念する声も上がっている。
清水厚生病院の産婦人科医は4人で、最近は年間600―700件の出産がある。浜松医大から派遣中止の連絡が入ったのは今月初旬。中田恒院長は「派遣の継続を求めているが、残念ながら休診になる可能性が大きい」と受け止めている。同病院は「利用者に迷惑をかけたくない」と産婦人科閉鎖予定の告知をホームページに出し、地元の病院や医師会に受け入れ協力の要請も始めている。
住民の不安に対して、浜松医大産婦人科の金山尚裕教授は、医師4人のうち1人が来年3月、正常分娩で年間300―400件扱える医院を同病院の近くに開業すると説明する。ほかの3人については新たな派遣先を具体的に検討している最中で、「県内には産科医がいなくて、困っている地域もある。全体のバランスを考えて集約化を図っているので、そちらに回したい」と理解を求める。
清水厚生病院の産婦人科休止の影響について市立清水病院の重野幸次院長は「うちか県立総合病院(静岡市葵区)に来る利用者が増えるだろう」と予想する。同病院の産婦人科医は慶応大の5人。「受け入れには協力するが、問題は異常分娩への対応で、産婦人科医の増員を要望していく。ともかく現状では医師の絶対数が足りず、こういう事態が生じるのも仕方がない」と話す。
清水厚生病院 JA静岡厚生連が経営する病院。開設は昭和9年。現在は内科、小児科、脳神経外科など14科体制で、公床数は約360床。常勤医師は26人、看護師は常勤・非常勤合わせて186人。産婦人科には平成3年から浜松医大が医師を派遣している。JA静岡厚生連の医療機関は、ほかに遠州病院、静岡厚生病院、リハビリテーション中伊豆温泉病院がある。
医師再配置住民理解が鍵
県内でまた、地域医療の中核を担う都市部の拠点病院の産科が閉鎖される見通しとなった。今年に入って9月から藤枝市立総合病院が産科を休止し、富士市立中央病院の産科医全員が派遣元大学の意向で来年3月で引き揚げる方針となっている。清水厚生病院からの産科医の引き揚げは、医師の絶対数が足りない中でどう配置し直し、住民の理解を得ていけるかの問題提起となりそうだ。
清水厚生病院の産科休止は、産科医不足の危機的状況に拍車がかかっている現状を浮き彫りにした。同病院は藤枝や富士とは異なり、地域唯一の拠点病院ではないものの、県中部の産科救急受け入れ医療機関に指定され、リスクの高い分娩に対応している。
藤枝や富士は医師確保に奔走しているが、現段階では後任のめどはたっていない。近隣の病院や開業医との連携も模索するが、産科医そのものが足りず、新生児を扱う小児科医も不足していて、受け皿に限界があるのが実情だ。清水の産科医療が縮小すると、隣接する富士と相まってお産空白域が広がる恐れもある。
全国では病院ごと診療機能の集約化に着手した地域も出てきた。今後、浜松医大が産科医をどう配置するか注目される。
札幌の産科救急体制を検証
札幌テレビ 2008年10月23日
http://www.stv.ne.jp/news/item/20081023191239/
東京都で、出産間近の女性が7つの病院に受入れを拒否され、死亡する痛ましい出来事がありました。札幌市で、もし同じような事が起きても大丈夫なのか、検証しました。
今月、東京都内で脳内出血を起こした妊婦が7か所の病院で受け入れを拒否され、死亡しました。大病院が集まる東京でも妊婦の受入れ拒否が起きたことに衝撃が広がっています。札幌市で同じことが起きても大丈夫なのでしょうか?
(札幌市保健福祉局・飯田晃部長)「リスクの高い妊婦を必ず受け入れ先を確保して市立病院など大きな病院で連携体制をとっています」
札幌市では、生命にかかわる重症の妊婦を受け入れることができる3次救急の病院が6か所あります。この中から、午後7時までに受け入れ可能な病院を確保するといいます。
(札幌市保健福祉局・飯田晃部長)「どこの病院が受け入れるかすぐわかりますので救急隊が病院を探す時間を短縮できる」
これに対し、札幌市産婦人科医会は東京のようなケースは札幌でも起こりえると指摘します。
(札幌市産婦人科医会・遠藤一行会長)「対応可能だったが、別な患者が来れば対応できなくなる。瞬時に変わってしまう」
刻々と状況が変化する救急の場合いつでも受け入れ可能な体制が必要だといいます。
(札幌市産婦人科医会・遠藤一行会長)「市立病院などで必ず空きベッドを確保する、いつ入ってきてもいいように空けておく」
医師不足の問題が解決されない限り産婦人科の救急体制は綱渡りの状態が続いています。
都内の周産期医療センター 綱渡り救命体制
東京新聞 2008年10月24日
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008102490070752.html
妊娠九カ月の東京都内の女性(36)が、相次いで病院に受け入れを断られ、脳内出血で死亡した問題は、二十四時間態勢の「周産期母子医療センター」制度が十分に機能していない実態を浮き彫りにした。慢性的な医師不足や集中治療室(ICU)の満床に加え、当直を挟んで四十八時間勤務という過酷労働の医師もいる。センターに指定されている各病院では「現場の医師の負担が重過ぎる」と訴えている。
同センターは一九九六年、緊急や重症の妊産婦と新生児を救うために制度化され、全国でスタートした。都内には新生児集中治療室(NICU)と母体集中治療室を備えた総合センターが九施設、NICUだけの地域センターは十三施設ある。今回、女性の受け入れを拒否した八病院のうち、どちらかに指定されている病院は、当初拒否した都立墨東病院など六つあった。
女性が脳内出血を起こした今月四日夜、順天堂医院には当直医が二人いたが、それぞれお産に対応。産科だけでなく、婦人科のベッドも満床だったため、「受け入れ不能」と回答した。病院関係者は「年間八百件以上のお産を扱い、分娩(ぶんべん)室、陣痛室にも妊産婦を入れて何とか対応している。慢性的な医師不足が元凶だ」と訴える。
日赤医療センターも「六床ある母体集中治療室が満床で、当直医三人は他の妊婦の搬送に対応していた」と説明。担当者は「NICUは常時いっぱい。産科ベッドが空いていても、NICUが満床だと、周産期医療では受け入れられないことになっている」と言う。
東京慈恵会医科大病院は「産科は当直の常勤医が二人いて受け入れは可能だったが、九つのNICUのベッドに空きがなかった」(広報課)。担当者は「できるだけのことをしたい気持ちはあるが万全な体制が整っていない中で適切な処置ができるかという不安もある」と話す。やはり十二床あるNICUが満床で断ったのは日大板橋病院。常勤医三人がセンターの当直を行い、足りなければ自宅待機の医師を呼び出す体制になっているものの、担当者は「新生児の容体が良くなっても、受け入れ先の病院が見つからない。長期間いる新生児が多くなり、空いても次の子が入るので満床が続いてしまう」と打ち明けた。
◆要請なかった病院でも…状況同じ、不安の声
妊婦の受け入れ要請を拒否した八病院以外の周産期母子医療センターでも、医師不足や新生児集中治療室(NICU)の慢性的な満床などで、特に当直時間帯の受け入れには慎重な意見が多かった。
愛育病院は「常勤医は十一人いるが、お産件数は昨年が千八百件超。医師が十分足りているとはいえない」と説明。今春から同じ港区内の東京都済生会中央病院がお産の取り扱いを休止。産科医が逮捕され、無罪となった福島県立大野病院事件の影響もあって、「この一-二年ほど、開業医も産科を休止するところが相次ぎ、妊産婦が集中している」といい、NICUは常に満床状態という。
杏林大病院の岩下光利教授は「多摩地区では都内のお産の30%以上が行われるが、センターは杏林しかなくパンク状態。医師の四十八時間勤務もあり、過労死も出かねない。医師は一・五倍から二倍は欲しい」。昭和大病院の大槻克文産婦人科医局長も「センターの医師は十二人だが、大いに不足している。集中治療室も産科ベッドも週の半分以上は満床」と訴える。
東邦大医療センター大森病院では三、四人の医師が当直に当たるが、担当者は「全員が熟練した医師とは限らず、研修医もいる。医療ミスをすると訴訟になる現状で、研修医がハイリスクな患者に対応できるのかという問題もある」と話す。
妊婦の脳血管障害184人、10人が死亡 06年
朝日新聞 2008年10月24日
http://www.asahi.com/health/news/TKY200810230343.html
お産に関連して脳血管障害を起こした妊産婦が06年に少なくとも184人いて、このうち10人が死亡したことが、厚生労働省研究班(主任研究者=池田智明・国立循環器病センター周産期科部長)の初の全国調査でわかった。脳出血では診断までに3時間を超えると死亡率が上昇。産科だけではこうした患者を救えず、脳神経外科との連携が課題として浮かび上がった。
奈良県で06年8月に妊婦が19病院に搬送を断られ、脳出血で死亡したため、研究班は、全国1107カ所の病院で06年1~12月、妊娠中か産後1年以内に脳血管障害を起こしたケースを調べた。 184人の内訳は脳出血39人、くも膜下出血18人、脳梗塞(こうそく)25人など。妊娠中のけいれん、高血圧で嘔吐(おうと)や意識障害が起きる高血圧性脳症は82人いた。死亡の10人のうち7人は脳出血だった。
脳出血の39人がコンピューター断層撮影(CT)による検査を受けて診断が出るまでの時間をみると、3時間以内に診断を受けた人で死亡したのは8%なのに対し、3時間以上では36%に達した。ただ、重い後遺症が残った人は3時間以内では7割にのぼり、3~24時間がかかった場合の5割よりも高かった。研究班は「診断までの時間が短ければ予後が保たれるわけでもない」とみている。
脳出血の26%に妊娠高血圧症候群が認められた。妊娠高血圧症候群の妊婦で、頭痛やけいれん、意識障害などの症状が出たら、脳血管障害を疑って搬送するなどの対処も求められるという。
脳血管障害が起きる妊産婦は1万人に1人程度。妊娠中は胎児に血液をめぐらすために血液量が増えるなどして血管への負担が大きくなり、普通の人よりリスクが高まるとされる。 池田さんは「妊産婦にはすべて産科で対応するという認識を改めなければいけない」と指摘。「総合周産期母子医療センターの指定要件として、脳神経外科との連携態勢を義務づけることなども検討すべきだ」と話している。
本県は産科医が連携して受け入れる体制/新潟
読売新聞 2008年10月24日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20081023-OYT8T00899.htm
東京都内の妊婦が七つの医療機関から受け入れを断られて出産後に死亡した問題は、お産を巡る医師不足、連携不備を浮き彫りにした。県内の医療関係者らは、同様の事例は県内では起きないとみるが、産婦人科医が厳しい勤務環境の中にあることに変わりはない。
今回の問題は、緊急対応が必要な妊婦を受け入れる周産期母子医療センターが相次いで受け入れを断ったことにある。県健康対策課によると、妊婦の受け入れを最初に断った都立墨東病院と同様の「総合周産期母子医療センター」は、県内に新潟市民(常勤の産婦人科医6人)と長岡赤十字(同6人)の2か所あり、産婦人科医が原則24時間体制で待機している。
比較的高度な医療に当たる「地域周産期母子医療センター」は、県立新発田(同3人)、県立中央(同3人)、済生会新潟第二(同6人)、長岡中央綜合(同4人)の4か所で、新大病院が協力病院として一部患者を受け入れている。同課によると、県内で妊婦が救急搬送中に、この7医療機関から受け入れを断られたのは昨年1年間で81件あったが、妊婦が死亡したり、死産したりするケースはなく、長時間受け入れ先が見つからなかった例もほとんどなかったという。
一方で、県内の産婦人科医の数は1998年の185人から2006年に150人に減少し、人口10万人あたりの医師数は全国平均(7・9)を下回る6・2。
新潟市民病院の新田幸寿副院長は、「新潟では受け入れられる機関が少なく、『自分たちがやるしかない』という意識があり、ほかに搬送先がなければ医師を呼び出してでも受け入れる。今回のようなケースは起きない」と話す。新潟大学医学部産科婦人科学教室の田中憲一教授は、今回の問題を「都市部の東京は(医師数も病院も)多いので、患者に対する無関心もあったのでは」とした上で、「新潟は、医師同士が知り合いで、連携が取れずに受け入れ手が見つからないケースはないはず。医師が少ない中で全員が協力して何とか維持している」と話した。
総合センター核に連携 「受け入れ拒否、基本的にない」/長野
読売新聞 2008年10月24日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20081023-OYT8T00811.htm
東京都内で脳出血を起こした出産間近の妊婦(36)が、病院から受け入れを拒否され、出産後に死亡した問題では、「総合周産期母子医療センター」が機能していなかった。県内では、「総合センター」を中核に、計19病院で連携をとる態勢が組まれており、医療関係者は「妊産婦の緊急搬送の受け入れ拒否は起こりえない」と話している。県内では2000年9月に、県立こども病院(安曇野市豊科)が、最重症の妊産婦や新生児の救命にあたる「総合センター」に指定された。病床数は163床で、スタッフは産科医6人、新生児を専門に診る小児科医8人、研修医4人。当直は、産科医1人、小児科医2人、麻酔科医1人に加え、医師2人が15分以内にかけつけられる態勢だ。
こども病院が年間に扱う約200件の分娩(ぶんべん)のうち、約130件は、他の医療機関からの緊急搬送。中村友彦センター長は「基本的に患者の受け入れを拒否することはない」と話す。
周産期救急には、母体救急、胎児救急、新生児救急の3分野があり、こども病院が担当するのは、胎児救急と新生児救急。今回のように、母親が脳出血を起こすなど、母体への治療が必要な場合は、信州大病院(松本市)に搬送する。
また、県内5地域に、それぞれ「地域周産期母子医療センター」が置かれており、比較的高度な治療を担当している。非常に危険な場合は、こども病院に搬送することになっており、2時間以内での搬送が可能という。そのほか、帝王切開の必要な異常分娩に対応出来る13の「高度周産期医療機関」が「地域センター」に準ずる形で設置されており、計19病院で、正常分娩を扱う一般の病院や診療所からの緊急搬送を受け入れている。事情があって緊急搬送を受け入れられない時は、責任をもって別の受け入れ先を探すことを申し合わせている。「病院が横のつながりを持って、リスクを分散させることが大切」(中村センター長)という。一方、危険な状態だった母子の容体が安定した場合は、こども病院から他の18病院に転院してもらうことになっている。
ただ、県内でも、産科医の絶対数の不足や、分娩を扱う医療機関の減少などの問題は深刻だ。県健康づくり支援課は「現時点では各医療機関の連携がうまく機能していると思うが、今後、お産を取り巻く環境が変わる中で、今のシステムを維持していけるかが課題だ」としている。
鹿県内公的病院アンケート 8割が「医師不足」
南日本新聞 2008年10月24日
http://www.373news.com/modules/pickup/topic.php?topicid=1&storyid=13370
鹿児島県内の公的医療機関27施設のうち、約8割の21施設で医師不足が問題となっていることが分かった。施設側が考える不足医師数の累計は100人に上り、医師不足のため休診・縮小した診療科は、27施設の診療科合計250の2割弱となる45診療科だった。南日本新聞社が23日までに実施したアンケートで、県内の医師不足の深刻な状況が明らかになった。
アンケートは、県内にある国立、県立、医師会立、市町村立、その他の公的医療機関を対象に実施。医師派遣元で教育機関の鹿児島大学は除いた。計33施設のうち、27施設から回答があり、9月末に取りまとめた。
27施設の常勤医の合計は502人、非常勤医は293人だった。計795人中、大学派遣医は404人となっている。
「運営上必要と考えるラインまでの不足医師数」で最も多かったのは「3人から5人」で10施設。「6人-10人」が3施設、「10人以上」も2施設あった。「2人以下」は6施設。「不足医師数なし」は4施設、2施設が無回答だった。
診療科への影響をみると小児科、耳鼻咽喉科、神経内科、整形外科が5施設で休診・縮小となった。呼吸器科、消化器科、放射線科は3施設、産科・婦人科、麻酔科、外科、眼科、循環器科が2施設で休診・縮小となっている。
医師不足の経営(収支)への影響については、17施設が「影響がある」と答え、6施設は「影響はあるがまだ少ない」としている。
鹿児島県公的病院会の田辺元会長(阿久根市民病院長)は、国や自治体に対し、医師増員や医学生の地域枠拡大、地域での研修を義務化する臨床研修制度見直しなどの早急な実施を求めた上で、「住民の方々にも地域医療の窮状を理解いただき、夜間の安易な受診を控えるなど、医師の業務負担軽減に協力していただきたい」と話している。
妊婦たらい回し死亡問題 舛添厚労相「緊急時に医師が連絡を取れる態勢作りを」
FNN 2008/10/23
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00142822.html
脳内出血を起こした出産間近の女性が、7つの医療機関から受け入れを断られ、死亡した問題で、舛添厚生労働相は23日朝、FNNの取材に対して、医師の連携不足を指摘し、再発防止のため、緊急時に医師が連絡を取れる態勢づくりをしていきたいと述べた。
舛添厚労相は午前8時ごろ、「本当にお悔やみを申し上げるしかないんで。お医者さん間のネットワーク、それの連携をちょっと強めないと、要するに箱(周産期医療センター)だけではだめだという感じですね。こういうことが二度と起こらないように、態勢の整備をきちんとやっていきたい」と述べた。
今回の問題は、出産間近だった36歳の女性が10月4日、脳内出血を起こし、都立墨東病院など、7つの医療機関から次々と受け入れを断られ、1時間以上あとに墨東病院に運ばれ、帝王切開で出産し、3日後に死亡したもの。
舛添厚労相は、周産期医療センターを設置するだけではなく、地域の医師会にも協力を求めて、さまざまなケースに対応できるよう、連携を強化することが必要だとの考えを示した。
妊婦死亡で厚労省が拒否病院聴取 24日から
MSN産経ニュース 2008年10月23日
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081023/crm0810232241058-n1.htm
救急未収金1億7718万円 県調査 36病院が「継続困難」/埼玉
読売新聞 2008年10月24日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20081023-OYT8T00850.htm
県内の救急医療機関で、患者の不払いによる2007年度の救急医療未収金が1億7718万5000円にのぼることが、県のアンケート調査で分かった。医師不足で夜間当直が1人しかいない医療機関が6割を占め、2割は救急継続が難しくなると答えるなど、救急医療が崩壊しつつある現状が裏付けられた格好だ。調査は4月、県内の救急病院・診療所など196か所を対象に郵送で実施。175か所が回答した。
救急医療に関する未収金があると答えたのは123か所。6821件で1件平均2万5976円だった。医療費を支払わない患者の多くは「現金の持ち合わせがない」などと主張。健康保険証や身分証明書も提示しないため、後日、医療費を請求したくとも住所が分からず、出来ないという。
平日夜間の当直態勢は、医師1人としたのが103病院(59・2%)、2人が43病院(24・7%)、3人以上は28病院(16・1%)だった。休日夜間もほぼ同様。不足していると考える医師数(複数回答)の総計は、内科が最も多い126人、小児科が112人、整形外科は72人だった。
県内の救急医療機関は195か所で、03年の223と比べ、大きく減少。さらに、36病院が「救急病院の継続は近い将来難しくなる」と答えた。救急態勢を維持するために必要なこと(複数回答)として、
〈1〉診療報酬の見直し(80・0%)
〈2〉看護師、技師等の確保(72・6%)
――などが上位に挙がった。
一方、産科救急の28病院を対象とした調査で、07年度に未収金があるとしたのは17病院で計59件、1132万円だった。うち10件は公的医療保険未加入や保険料未払いのケースだった。
福島の医師無罪で「第三者機関」に望む 松本惇
毎日新聞 2008年10月24日
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20081024k0000m070171000c.html
福島県大熊町の県立大野病院で起きた帝王切開手術中の医療死亡事故を巡り、逮捕・起訴された執刀医の加藤克彦医師(41)の無罪判決が確定した。「医師の裁量に捜査機関が介入している」として全国の医療関係者が猛反発した異例の事件だが、取材を通じて感じたのは、病院側が当初から遺族や医療現場に不信感を与えない事故対応をしていれば、無理な立件を招かなかったかもしれないということだ。医師の責任だけを司法の場で追及しても医療事故の原因究明には限界がある。厚生労働省が設置を進めている医療過誤検証のための第三者機関には教訓を生かしてほしいと願う。県警が捜査に着手したきっかけは、事故から約3カ月後の05年3月、県設置の医療事故調査委員会が発表した報告書だった。報告書は、癒着胎盤の無理な剥離(はくり)▽対応する医師の不足▽輸血対応の遅れを事故の要因とし、実質的に加藤医師の過失を認めた。
加藤医師を大野病院に派遣した県立医科大産科婦人科学講座の佐藤章教授は内容に違和感を覚えたが、説明に訪れた県側から「(遺族への賠償に備えるための)保険金が下りるようにするためにこうしてほしい」と説得されたといい、佐藤教授は「刑事事件になるとは思わなかった」と悔やむ。加藤医師も報告書に納得できず病院の事務長に抗議したが、同様の理由で説得されたという。
加藤医師の無罪を訴えて支援した上(かみ)昌広・東大医科学研究所特任准教授は「最近は現場の意見を聞かず管理職が形式的に報告書を公開して、病院の評価を上げようとする姿勢が目立つ」と指摘する。結果的に、報告書が過失を断じたため、県警は立件の必要性に迫られることになった。
半面、亡くなった女性の遺族は常に「蚊帳の外」に置かれ続けた。
事故直後の病院の対応から遺族は不信感を募らせることになる。女性の父渡辺好男さん(58)は、病院側に「手術スタッフの話を聞かせてほしい」と再三頼んだが、「時間がない」と拒否されたという。
県事故調も、遺族に対し「逐一報告する」と伝えながら、実際は中間報告もなく、公表数日前に遺族を病院に呼び出して報告書を読み上げただけだった。渡辺さんは「専門的なことが分からないのに、一方的な報告だった」と批判。遺族が原因究明を司法に期待したのは必然だった。
公判では、大野病院の助産師が手術前、病院の医療体制が小規模なことを理由に、加藤医師に患者の転院を進言していたことや、女性が出産直後に長女の手をつかみ「ちっちゃい手だね」と話したことなどが初めて明らかになった。裁判がなければ、遺族は知ることはできなかった。とはいえ、刑事裁判は「予見可能性」や「因果関係」など罪の適用の可否が争点になってしまい、地域医療の現状や手術体制など、背景にある本質的な問題にまで踏み込めなかった。
例を挙げれば、大野病院で唯一の産婦人科常勤医だった加藤医師は、勤務していた1年10カ月間に約350件もの分娩(ぶんべん)を扱うなど「24時間オンコール状態」(弁護側)だった。しかし公判では、その過酷な勤務体制について弁護側が少し触れた程度。輸血体制でも、使わなければ無駄になるため多くの血液を準備できない現状が証言されたが、議論は深まらなかった。
判決後の会見で「僕みたいな立場の人をつくらないでほしい」と話した加藤医師は今月、県内の別の病院に産婦人科医として復帰した。一方、渡辺さんは、遺族の立場で厚労省に要望書を提出したり、シンポジウムに参加するなど安全な医療の実現を訴えている。厚労省が進めている医療の専門家を中心とした第三者機関「医療安全調査委員会」への注文は、「まずは患者・遺族ありき」の立場を明確にしてほしいということだ。委員会の傍聴を可能にし、意見聴取の機会を頻繁に設ける必要がある。それを前提にして患者側と病院側の双方が納得できる制度にすることだ。
2025年には「消費税率4%上げ必要」
TBS News 2008年10月24日
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3977687.html
急速な高齢化が進む中、医療や介護の「あるべき姿」を実現した場合、2025年には消費税の4%アップに加え、医療・介護の保険料も大幅なアップが必要という試算を政府が明らかにしました。
これは政府が社会保障国民会議のサービス保障分科会に示したものです。
それによりますと、医療と介護の分野で「医師や介護職員の増員」、「救急医療を充実して入院期間を短縮する」、「特別養護老人ホームの増設」など、「あるべき姿」を実現した場合、現在41兆円の医療費と介護費は2025年には、91兆円から93兆円になるということです。これを賄うためには、消費税の4%の引き上げが必要で、その上、介護保険料は現在の1.8倍に、医療保険料は1.2倍にする必要があるということです。
医療・介護サービスについて「あるべき姿」の政府の試算は初めてで、消費税率の引き上げ論議に影響を与えそうです。
県立須坂病院:2人の産科医、来月から勤務 /長野
毎日新聞 2008/10/23
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20081023ddlk20040017000c.html
医療隔てる県境の壁 岡山・井笠地方、生活実態とずれ
中国新聞 2008年10月23日
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200810230340.html
▽救急搬送や医師不足
広島県と接する笠岡市や井原市で県境をまたいだ医療課題が浮上している。「福山市への救急搬送を円滑に」「連携し医師不足を補いたい」。住民ニーズを知る消防や市は、県境にこだわらない「生活医療圏」づくりを期待するが、調整を担う県の動きは鈍い。そんな街を知事選の選挙カーが名前を連呼し走った。二十代の母親は「命を守る工夫を聞きたい」とつぶやく。
笠岡市西部の主婦(55)は二年前の五月、自宅で夫=当時(54)=の顔から血の気が引いたのに気づき一一九番した。救急隊員から搬送先希望を尋ねられ、健診を受けていた福山市内の病院を告げた。
「受け入れ不可との返事です」。夫は結局、笠岡市内の病院に運ばれ約三十時間後に腎不全で亡くなった。笠岡地区消防本部は「かかりつけ医と分かれば受け入れを強く要請する。重篤に見えなければ通常は管内搬送になる」と説明。主婦は「私も動転していた。希望通りなら助かったかもと今も思う」と目を潤ませた。
◇
二〇〇七年の管内の救急搬送三千百五十三件のうち、福山市へは百七十八件(5・6%)。倉敷市の五百二十八件(16・7%)の三分の一だった。「市民ニーズは逆。生活圏が一体化し交通事情も良い福山への希望が実現しにくい面がある」(警防課)という。
福山市の救急当番病院名が県境を越えては提供されないなど障壁があり、同本部は六月、笠岡医師会(百二十一人)などに改善への協力要請をした。福山市保健所は「患者増による救急病院の疲弊もあり、情報提供は控えた。両県を交える協議があれば改善に向け加わる」と言う。
◇
井原市は医師不足にも悩む。市民病院は小児科常勤医師が二人減の一人になり、〇三年秋から小児夜間救急に対応できていない。市内唯一だった同病院の産科も医師退職で〇六年八月、分娩を休止。井原医師会(四十一人)の会員は四年間で三人(6・8%)減った。
市は昨年十一月、地域医療充実へ協議会を設置。県が定めた県南西部医療圏(笠岡・井原・浅口・倉敷・総社市、里庄・矢掛・早島町)の医師約千七百人の八割、約千四百人が倉敷市内という偏在ぶりを明らかにした。協議の席上、滝本豊文市長が市民の出産の七割が福山市内との数字を挙げ「倉敷より福山が近い地域性の考慮を」と県境で線を引く既存の医療圏にこだわらない対応を県に求める一幕もあった。
▽県、広島との連携進まず
救急対応や医師不足の課題―。解決への提言もある。今年二月、福山市民病院の浮田実院長は井原市議会地域医療特別委で同病院の入院患者の約二割が井原市民と明かし、住民の生活実態に沿う「生活医療圏」づくりが大切との考えを示した。これらも受け県は広島県に呼び掛け同月末、医療対策担当者の意見交換会を岡山県庁で初めて開き、定期開催を申し合わせた。二回目の会合はしかし、予定の五月を過ぎても開かれないままだ。
広島県健康福祉局は「救急搬送はルールを定めたい。開催を打診している」。岡山県保健福祉部は「幹部の人事異動もあり、話はしていない。予定も入っていない」とする。県境地域の救急・医療関係者が意見交換会の発展と県の調整力に寄せる期待は大きい。それは有権者の思いでもある。
地方分権へ緊急提言まとめる/横浜で3首長懇
神奈川新聞 2008/10/23
http://www.kanaloco.jp/localnews/entry/entryxiiioct0810620/
大田市立病院:救急医療守ろう 市長らが街頭キャンペーン /島根
毎日新聞 2008/10/23
http://mainichi.jp/area/shimane/news/20081023ddlk32040552000c.html
救急出動件数:減った出動、市民も協力 和歌山市、前年同期比1067件減 /和歌山
毎日新聞 2008/10/23
http://mainichi.jp/area/wakayama/news/20081023ddlk30040398000c.html
紋別市、1次救急の医師を募集中~年収2400万円で計6人
北海民友新聞 2008/10/23
http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/081023_3.htm
紋別市は、市立の夜間休日救急医療機関を来年4月に開設する予定だが、この医療機関で働く医師6人を募集している。「親戚、知人、友人などでお知り合いの方がいましたら、紹介をお願いします」と紋別市ホームページでも広く呼びかけている。
この医療機関は夜間土日の初期救急医療体制確保をめざすもの。開設者は紋別市(公立)で、診療科目は内科と外科。外来数は1日平均10人程度の見込み。医療設備はエコー、レントゲン、心電図ほかを配備する予定。施設所在地は未定となっている。
募集する医師は内科、外科とも3人。役職は「医員」となる。年齢は不問。年収(税込)は2400万円。診療業務委託契約とし、退職金や赴任旅費はない。
勤務時間は平日が午後5時~翌朝9時、土曜日が午後0時~翌朝9時、日曜日が午前9時~翌朝9時の3つのシフトがあり、週40時間の交代制勤務となる。住宅については市内賃貸住宅を借上げて提供する。
問い合わせは紋別市保健センター内、健康推進課保健予防係(電話24-3355)まで。
連携強化へ救助訓練 県立多治見病院と市消防本部
中日新聞 2008年10月23日
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20081023/CK2008102302000021.html
厚木市立病院 苦肉の策 未収金回収業務を民間委託へ
タウンニュース 2008年10月23日
http://www.townnews.co.jp/020area_page/02_fri/02_atsu/2008_4/10_24/atsu_top1.html
豊川市民病院 民間手法で安定経営へ/愛知
読売新聞 2008年10月23日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/aichi/news/20081023-OYT8T00078.htm
こども病院移転問う 署名が法定数超える
TVQ九州放送 2008年10月23日
http://www.tvq.co.jp/news/news.php?did=3906
こども病院の人工島移転の賛否を問うため市民グループが提出した署名が法定数を超えました。
来月はじめにも本請求が行われます。
市内7区の選挙管理委員会には、区内で確定した署名数が張り出されました。
有効署名数は、30545人分で、法定数の22490を大きく上回りました。
署名簿は24日から1週間各区役所で閲覧可能で市民グループは11月はじめにも条例制定の本請求をする予定です。
本請求を受けた後、吉田市長は20日以内に議会を召集して条例案を提出し、来月中には市議会で議決されます。
付属病院に統合へ 岩手医大循環器医療センター
岩手日報 2008年10月23日
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20081023_1
市消防の定員回復 1年4カ月ぶり 体制維持なお課題
北海道新聞 2008年10月23日
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/yuubari/124897.html
夕張市消防本部・消防署で二十二日、江別市の消防学校を修了した新人三人が勤務に入り、財政再建計画が始まった昨年度、相次ぐ退職で定員の下限(三十八人)を割り込んで以来、一年四カ月ぶりに三十八人体制を回復した。今後さらに二人採用し四十人体制を目指すが、待遇悪化の中、体制維持は綱渡りの状態だ。
同計画では適正定員を四十三人、最低限必要な下限定員を三十八人と定めている。
昨年度当初は三十八人体制だったが、同計画で年収が四割削減されたことなどから、昨年六月以降、九人が退職。段階的に補充採用したが、最も少ないときには三十二人体制にまで落ち込み、時間外勤務が激増した。 今回、下限定員は回復したが、病気や資格取得講習で欠員が出る度に勤務状況の悪化は避けられない状況。
また、救急救命士は、救急車二台を二十四時間運用するのにぎりぎりの六人だけで、同消防本部は「待遇改善がないと体制維持は厳しい」と訴える。 新たに採用する二人の採用条件は、一九七三年四月二日以降に生まれた男女。履歴書などを十一月十四日までに同本部に送る。 詳しくは同本部(電)0123・53・4121へ。
医療、子育て支援拡充で自公合意 きょう首相に申し入れ
東京新聞 2008年10月23日
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2008102302000119.html
妊婦死亡問題めぐり議論―民主
キャリアブレイン 2008年10月23日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/18806.html
民主党の厚生労働部門会議が10月23日に開かれ、東京都内で妊娠中に脳内出血を起こした女性が7医療機関から受け入れを断られた後に死亡したとされる問題で、厚生労働省と消防庁からヒアリングを行った。
【関連記事】
後期医療、「天引きで負担増」と批判―民主党
自民国対の事前チェック、厚労省分は2件
「国保を都道府県ごとに再編」で民主が追及
「知る権利の侵害だ」-民主が自民党国対を批判
高齢者医療制度の見直しについて議論―民主
会議では、まず厚労省、消防庁の担当者らが問題の経緯について説明。消防庁の担当者は「今回は消防で病院選定にはかかわっていなかったが、同じようなことは消防が選定した場合でも起こり得るので、非常に深刻な事態だと考えている」と述べた。
同党の山田正彦衆院議員は、都内の「周産期母子医療センター」間を結ぶ専用端末で受け入れが可能と表示されていた3病院がいずれも受け入れを拒否したとの一部報道について、「なぜこういうことがあり得るのか」と追及。これに対し、厚労省の担当者は「まだ正確な事実は確認していないため、早急に確認したい」と前置きした上で、「想定されることとしてタイムラグがあるので、受け入れ可能の表示が出ていても、その病院で担当医師が他の治療に従事していたなどの可能性が考えられる」などと答えた。
蓮舫参院議員は、受け入れを要請したかかりつけ医と搬送先の都立墨東病院の間で、頭痛の症状を伝えたかについて認識に食い違いがあるとの一部報道に触れ、「救急医療」と「周産期医療」の連携に言及。「妊婦」と「脳内の問題」とでは、受け入れを要請するのに大きな違いがあると指摘して、今回のケースでの連携の様子などについて質問したが、厚労省の担当者は「東京都に確認中」と答えるにとどまった。
園田康博衆院議員は、総合周産期母子医療センターである墨東病院が今年7月1日から、土日の当直体制が1人だったことを問題視。複数の医師の勤務が望ましいとされている同センターに関する規定に触れ、複数の体制でない場合の対応などについて質問した。
これに対し厚労省の担当者は、「複数の方が望ましいが、やむを得ない事情で1人体制の時期が生じたとしても、直ちに総合周産期医療センターとして駄目だという考え方はしない」と答えながらも、「1人の当直体制が恒常的に続くことをやむを得ないと考えているわけではない」と強調した。
「2200億円削減は限界」 <自民・政調、総選挙へ街頭演説例>
Japan Medicine mail 2008/10/23
次期衆院選に向けて、社会保障費の自然増2200億円削減問題は「そろそろ限界に来ているのではないか」との考えを盛り込んだ資料を自民党政務調査会が準備していることが22日、分かった。「2200億円問題」をめぐっては、来年度予算の概算要求基準に向けた議論の過程で自民・厚生労働部会が撤回を求めていたほか、麻生太郎首相も2010年度予算で2200億円削減を凍結する意向を日本医師連盟幹部に示したとされている。自民党は財政再建路線を堅持しながらも、社会保障費のこれ以上の削減は難しいとの認識を全国の有権者に伝えていく方針だ。
産科補償制度加入をハイリスク加算要件に <厚労省が提案も結論見送り>
Japan Medicine mail 2008/10/23
厚生労働省は22日の中医協総会(会長=遠藤久夫・学習院大教授)で、産科医療補償制度の加入率向上に向けて「ハイリスク妊娠管理加算」と「ハイリスク分娩管理加算」の施設基準に同制度への加入を加えることを提案した。これに対し、委員からは民間保険商品を活用した同制度への加入状況を診療報酬の算定要件とする妥当性などに否定的な意見が相次ぎ、結論を見送った。
DPCの評価議論が本格化 <中医協・基本問題小委>
Japan Medicine mail 2008/10/23
中医協・診療報酬基本問題小委員会は22日、DPC制度の運用見直しに向けた本格的な議論に入った。この日は厚生労働省が、DPCの影響による平均在院日数短縮などに関するデータを示し、DPC制度の評価に関する議論を進めた。委員からは医療の効率化に対して一定の評価があった反面、医療従事者への負担などの検証を求める意見も出た。
厚労省 DPCで再入院率上昇、がん化学療法の影響大
Risfax【2008年10月23日】
厚生労働省は22日の中央社会保険医療協議会・診療報酬基本問題小委員会で、DPC対象病院で再入院率が増加している原因について、「がんの化学療法の拡大に伴う影響を考慮すべき」とする評価結果を報告した。同一病名での「計画的再入院」が増加傾向にあり、とりわけ化学療法・放射線療法の割合が大きいと指摘。「再入院」を医療の質の低下と見る向きもあるなか、否定するデータを示した。
保険局医療課の宇都宮啓企画官は、たとえば肺がんの場合、診療ガイドラインが推奨する抗がん剤併用療法では、シスプラチンは3週間以上、カルボプラチンは4週間以上の投与間隔が必要なことから「治療の標準化が進んだことによる再入院も数多くある」と解説した。また、このほか、DPCに限らず、急性期医療の平均在院日数は、諸外国を含めて減少傾向と説明。日本病院会が実施した、DPC対象病院のアンケートでも「医療の質が低下したと考える割合は低く、後発品の使用が促進されている」と付け加えた。
これに対し、日本医師会の竹嶋康弘副会長は「厚労省は医療の質低下はないと言うが、DPCが患者、医療提供者、国民にどういいのかわからない」などと反論。診療側委員7人が提出した連名の文書のなかでは、急性期病院の診療報酬上の評価は「DPCと出来高払いの2本柱」と主張しつつ「一定のルールの下、自主的にDPCを辞退できる仕組みが必要」と訴えた。
遠藤久夫委員長(学習院大学経済学部教授)は、DPCの評価について「医療の効率化、透明化に一定の効果は認められたが、医療の標準化、質の向上へは、より総合的な視点から検証・分析が必要だ」と議論を総括した。
保険局・佐藤医療課長 病院代表の西澤氏にブチ切れ、怒り心頭
Risfax【2008年10月23日】
22日の中央社会保険医療協議会終了後、厚生労働省保険局の佐藤敏信医療課長が、病院代表の西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)に、怒りを爆発させる場面があった。厚労省は、リスクの高い分娩を扱う医療機関などへの診療報酬の加算の要件に、09年1月に導入する、民間保険を活用した産科医療補償制度への加入をプラスすることを提案した。しかし、西澤委員が「民間保険への加入を、公的医療保険制度のなかで加算の要件とするのはいかがか」と述べ、反対の口火を切った。中医協では、結果的に他にも慎重意見が相次いだため「継続審議」になった。
西澤委員の発言に対し佐藤課長は「なぜあんな発言になるのか理解できない」と声を荒げて、憤りをあらわにした。医療課の関係者も「部下にもあんなに怒ることはない」と驚くほどだった。そもそも社会保障審議会医療部会、医療保険部会の議論のなかで、医療提供側から制度加入に「診療報酬上の評価」を求める意見が出ていたにもかかわらず、これを翻す発言が飛び出したことに、堪忍袋の緒が切れたようだ。
三師会 レセプトオンライン請求、いまさら完全義務化に反対
Risfax【2008年10月23日】
日本医師会、日本薬剤師会、日本歯科医師会の三師会は22日、診療報酬明細書(レセプト)のオンライン請求が11年度から完全義務化されることについて、共同声明を出して「撤廃」を訴えた。日医は、完全義務化により医科では8.6%の医療機関が「廃院するしかない」としたデータを提示。三師会として、完全義務化の撤廃と、オンライン請求を医療機関の自主性に委ねるよう求めた。日医の中川俊男常任理事は「まずは完全義務化の撤廃で手挙げ方式にすることをめざすが、失敗に終わったときは代行入力を可能にするなど他の方法を考えたい」と話した。この時期に共同声明を出した理由は「予算編成が間近だから」と答えた。
10月22日の中医協
キャリアブレイン 2008年10月23日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/18798.html
厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会(中医協、会長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は10月22日、総会(第135回)と診療報酬基本問題小委員会(第124回)を開催した。総会では、来年1月から開始する「産科医療補償制度」の加入を促進するための診療報酬上の対応(ハイリスク妊娠管理加算・同分娩管理加算の施設基準見直し)について議論したが、意見がまとまらず継続審議となった。基本問題小委員会では、「これまでのDPCの評価」をテーマに議論し、医療の標準化や質向上などが今後の課題であるとの認識で一致した。(新井裕充)
【関連記事】
医療機器103件の保険適用を承認―中医協
臨床検査3件の保険適用を承認―中医協
「献血グロベニン-I-ニチヤク」を出来高算定に
ハイリスク妊娠加算の要件見直し、継続審議に
DPC導入、医療効率化などで効果―基本小委
総会の議題は、▽医療機器の保険適用 ▽臨床検査の保険適用 ▽DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応 ▽産科医療補償制度創設に係る診療報酬上の対応 ▽医療経済実態調査の実施 ▽その他―の6点。
「医療機器の保険適用」では、3テスラのMRI装置「MAGNETOM ベリオ」(シーメンス旭メディテック)など、医科と歯科合わせて103件の医療機器の保険適用を承認した。
※ 詳しくは、【医療機器103件の保険適用を承認―中医協】をご覧ください。
「臨床検査の保険適用」では、乳がんを主な対象とする新たな測定項目「サイトケラチン(CK)19mRNA」(シスメックス)など3件の保険適用を承認した。
※ 詳しくは、【臨床検査3件の保険適用を承認―中医協】をご覧ください。
「DPCにおける高額な新規の医薬品等への対応」では、「天疱瘡(ステロイド剤の効果不十分な場合)」の効能が追加された医薬品「献血グロベニン-I-ニチヤク」を、DPCの包括算定から外し、出来高算定とすることを了承した。対象となる診断群分類は、「MDC108 皮膚・皮下組織の疾患」。
※ 詳しくは、【「献血グロベニン-I-ニチヤク」を出来高算定に】をご覧ください。
「産科医療補償制度創設に係る診療報酬上の対応」では、来年1月から開始する「産科医療補償制度」の加入を促進するための診療報酬上の対応について議論。厚労省は、「ハイリスク妊娠管理加算」と「ハイリスク分娩管理加算」の施設基準に、同制度と同一の補償制度の実施を追加することを提案したが、診療側と支払側の双方から反対意見が出たため、継続審議となった。
診療側の西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)は「制度自体には賛成」としながらも、「民間医療保険への加入が公的医療保険の加算の要件になるのは、診療報酬の在り方としておかしい」と繰り返した。一連の会議終了後、保険局の佐藤敏信医療課長が西澤委員に対して激高する一幕もあった。
同制度の開始に伴う「出産育児一時金」の引き上げを承認した9月12日の「社会保障審議会医療保険部会」では、藤原淳委員(日本医師会常任理事)が同制度への加入促進策として、「診療報酬の要件を加えるなど、もう少し強い対応を検討しているか」と質問していた。このため、佐藤課長は「委員から診療報酬上の対応を求める声があったから提案した。もし反対するなら、その時に言ってほしい。今ごろになってひっくり返すのはどうか」と反論した。
※ 詳しくは、【ハイリスク妊娠加算の要件見直し、継続審議に】をご覧ください。
「医療経済実態調査の実施」では、2010年度診療報酬改定の基礎資料にするために実施する「医療経済実態調査」について、厚労省が示したスケジュール案を了承した。09年6月を「調査月」として、8-9月に調査票を集計・分析し、速報値を10月下旬の「調査実施小委員会」と「中医協総会」に報告する予定。
日医は、「6月単月の調査」であること、調査対象が少ないことなどをあらためて指摘した上で、「決算ベースでの把握」などの「改善案」を示した。
「その他」では、老人保健施設(老健施設)での医療サービスに関する資料が厚労省から示された。9月24日の前回総会で、委員から「老健施設内の医師が対応した場合と、外部の医師が対応した場合を整理してほしい」との要望が出たことを受けたもの。
■診療報酬基本問題小委員会(小委、委員長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)
前回の小委(7月16日開催)に引き続き、今後のDPCの在り方について意見交換した。厚労省は前回、▽これまでのDPCの評価 ▽DPCの適用がふさわしい病院 ▽新たな機能評価係数の設定 ▽調整係数の廃止―の4つの検討項目を示している。今回は、「これまでのDPCの評価」がテーマになった。意見交換に先立ち厚労省は、「DPCの評価」に関する資料を提示し、▽平均在院日数 ▽再入院率 ▽転帰(治癒・軽快) ▽DPC対象病院での診療状況―について説明した。厚労省は、「平均在院日数が短縮し、病院間のばらつきも縮小」「再入院率の上昇は、がんの化学療法が大きな要因」「治癒が減少して軽快が増加しているのは、急性期病院の医療の在り方の変化が原因」「DPCの導入で医療の質は低下していない」などの考えを示した。
厚労省はまた、「DPCに係る(特定)共同指導の実施状況および制度運用の改善」について説明。06年度に指導した医療機関は23施設で、前年度から7施設増加しているものの、指導したDPC対象病院は11施設で、前年度から5施設減少している。厚労省は、「指導の結果、DPCに関する診療報酬請求の疑義により、監査に移行した医療機関はなかった」と報告した。続いて、診療側は7人全員の連名で「DPCに関する方向性について」と題する意見書を遠藤会長あてに提出。診療側は、▽急性期病院の診療報酬は、DPCと出来高払いが2本柱 ▽急性期病院のコストを適切に反映 ▽DPCと出来高払いの適切な評価 ▽一定のルールの下での自主的なDPCの辞退―の4点を要望した。
意見交換では、委員から「医療の効率化」「透明性」「標準化」「質向上」「医療経営への影響」など、さまざまな観点から意見が出された。議論を終えて遠藤委員長は、「DPCの導入により、医療の効率化、透明化については一定の効果が認められたと考えられるが、医療の標準化や質向上など、より総合的な視点からの検証、分析が今後必要であるというまとめでよろしいか」と提案し、了承された。
※ 詳しくは、【DPC導入、医療効率化などで効果―基本小委】をご覧ください。
予定の終了時間を40分以上オーバーしたため、この日に予定していた「診療報酬改定結果検証部会」は11月5日に延期になった。
25年度の医療・介護費用試算、07年度の1・5倍
読売新聞 2008年10月23日
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20081023-OYT1T00619.htm?from=navr
消費税率4%引き上げ必要 社会保障国民会議が試算
47NEWS 2008年10月23日
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008102301000854.html
政府の社会保障国民会議は23日の医療・介護・福祉分科会で、高齢化がピークを迎える2025年時点の医療・介護費用は現在の41兆円から大幅に増加し、91兆-94兆円となるとの試算を公表した。自己負担を除く財源は保険料収入が41兆-42兆円で、公費が39兆-40兆円。公費のうち14兆-15兆円は新たな財源措置が必要で、消費税で賄うと税率を4%引き上げなければならない。これに加え、試算では示されていないが、医療や介護の保険料率引き上げも避けられない。
医療・介護サービスを充実させる「改革シナリオ」に基づく試算。救急や手術など集中的な治療が必要な急性期医療に医師や看護師らを手厚く配置し、ヘルパーら介護職員を現在の約117万人から2倍以上に増やすなど費用が膨らむ前提で初めて計算した。将来の給付と負担の姿を国民に示し、消費税を含め社会保障の在り方をめぐる議論を促す狙い。政府、与党の具体的な取り組みも求められる。
新たに必要となる保険料収入は12兆-13兆円。内閣官房によると、中小企業の従業員らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の医療保険料が現在の8・2%から1・2倍の10%程度にアップ、65歳以上の介護保険料は全国平均で月額4090円から2倍程度の約8000円に上がるという。
肝疾患で60病院が医療連携、死亡率半減へ 兵庫県
神戸新聞 2008年10月23日
http://www.kobe-np.co.jp/news/kurashi/0001535097.shtml
肝がん死亡率が全国平均を大きく上回る兵庫県はこのほど、肝疾患対策の「専門医療機関」と「協力医療機関」に計六十病院を指定し、県内の医療連携体制を構築した。地元のかかりつけ医から全県の連携拠点病院の間をつなぎ、切れ目ない医療を提供。県内に約十六万人いるとされる無症状の肝炎ウイルス感染者を手厚くケアするとともに、肝炎発症者への治療を体系的に進め、死亡率の半減を目指す。
肝がんによる県内の死者数は二〇〇六年に千八百五十七人で、都道府県で四番目の多さ。人口十万人当たりの肝がんによる死亡率も、全国平均の二六・七人に対し、兵庫は三三・七人(十四位)に上る。肝がんの原因の九割以上が、B型やC型などの慢性肝炎からの移行という。県は、無症状のウイルス感染者をより多く把握し、慢性肝炎から肝硬変、肝がんと移行していく患者に、医療機関が連携して治療に当たることが必要と判断。県内を県民局で分けた十圏域ごとに一-五病院の計二十一病院を「専門医療機関」とし、それを補完する「協力医療機関」には計三十九病院を指定した。これに全県的な治療拠点である兵庫医科大病院を加えた六十一病院で、肝疾患対策の“医療機関ピラミッド”を完成させた。
また、無料の肝炎ウイルス検査を受けるように呼びかけ、感染者には県が作成した「肝炎手帳」を配布。慢性肝炎患者には、「専門」や「協力」などの医療機関で、肝炎ウイルスを除去するインターフェロン治療を積極的に導入し、肝がんへの移行を予防する。肝硬変や肝がんの患者には、兵庫医科大病院を中心に、県内に十三ある「がん診療連携拠点病院」での治療を進める。インターフェロン治療は、今年から自己負担を月額一万-五万円に抑える助成制度ができており、現在は約千三百人が受けているが、県は年間約五千七百人に拡大することを目指す。専門・協力医療機関は県のホームページでも確認できる。
抗がん剤副作用死亡 病院側、1200万円で和解/愛媛
読売新聞 2008年10月23日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ehime/news/20081023-OYT8T00083.htm
松山 女性遺族に過失認め謝罪
松山市富久町の松山西病院に入院していた女性(当時72歳)が昨年10月に抗がん剤「塩酸イリノテカン」の副作用で死亡したのは、病院側が適切な投薬方法を守らなかったためとして、夫が、病院を運営する医療法人「嘉仁会」に約1700万円の損害賠償を求めた訴訟があり、地裁で22日、病院側が過失を認めて遺族側に約1200万円を支払うことで和解した。この薬では副作用によるとみられる死亡者が相次いだため、1997年、国が製薬会社に対して「緊急安全性情報」を出すよう指示している。
訴状などによると、原告側は、水のような下痢をしている時は使ってはならないとされているこの薬を病院が投与し続けたため女性が死亡し、病院側に注意義務違反があったと主張。これに対し、病院側は「下痢の時でも投与が許される場合がある」などと反論してきたが、和解条項には「(病院側が)投薬治療に関して過失があったことを認め、謝罪する」との文言が盛り込まれた。体調不良などから和解に応じたという夫は「病院からは、副作用の危険性についての説明もなかった。二度と被害者を出さないよう、すべての病院関係者はきちんと対策を取ってほしい」と話している。
良性腫瘍を「悪性」と摘出 県病院の過失認め和解勧告
佐賀新聞 2008年10月23日
http://www.saga-s.co.jp/view.php?pageId=1036&mode=0&classId=0&blockId=1082660&newsMode=article
佐賀県内の女性が「県立病院好生館(佐賀市)で良性の腫瘍(しゅよう)を悪性と判断され、手術で右の腎臓を摘出された」と、県に約2300万円の損害賠償を求めた訴訟で、佐賀地裁(神山隆一裁判長)が「インフォームドコンセント(説明と同意)が不十分だった」などと県の過失を認め、県に和解金1000万円を支払う内容の和解を勧告していたことが23日、分かった。
訴状によると、女性は2001年5月、交通事故で同病院に運ばれた際の検査で右腎細胞がんの疑いが指摘され、CT検査などを経て、7月に右腎の摘出手術を受けた。その後の病理検査で悪性ではなかったことが判明。女性はショックで精神的フォローが必要になったといい、県に後遺症慰謝料や逸失利益などの賠償を求め、04年2月に佐賀地裁に提訴した。女性側は「医師から『腫瘍は悪性』と告知された」と訴えたが、県側は「疑いがあることは告げたが、断定はしていない」と反論していた。 和解勧告は「インフォームドコンセントが十分でなかった」と病院側の過失を認め、ほかの検査で悪性か良性か判断できる可能性が大きかったことも言及した。女性側は和解を受け入れる方針だが、県は「検討中」としている。
「右腎臓摘出は過失」 佐賀地裁 県に1000万円、和解勧告
西日本新聞 2008年10月23日
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/55209
隠岐の島診療所 薬取り違え、一時意識障害 90代女性 町が慰謝料、示談
読売新聞 2008年10月23日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/shimane/news/20081022-OYT8T00602.htm
隠岐の島町の国民健康保険五箇診療所(本多弘所長)で5月、町内の90歳代の女性患者に2種類の劇薬を取り違えて処方したため、女性患者が一時、意識もうろうとなる事故を起こしていたことがわかった。診療所と同町は女性と家族に謝罪し、町が慰謝料や医療費など計84万円を支払うことで今月3日、示談が成立した。
同診療所によると、心不全の治療で同診療所に通っていた女性患者に5月29日、本来の心臓病治療薬「ラニラピッド」ではなく、血糖値を下げる薬「ダオニール」を誤って処方。翌日から服用を始めた女性は6月4日の朝食後、低血糖により意識がもうろうとなり、公立隠岐病院に入院。転院先の松江赤十字病院で処方薬の取り違えが発覚する23日まで服用していた。女性は28日に退院し、後遺症はないという。
2種類の薬は、いずれも白い小判型の錠剤で、診療所の薬棚から看護師が薬を取り出す際に取り違えた上、女性が服用する複数種類の薬を服用日ごとに仕分ける際、薬の名前が書かれた包装から錠剤を取り出したため、ミスに誰も気付かなかったという。同診療所は、処方薬を看護師と事務職員が二重にチェックするよう改めるなどして、再発を防止するとしている。本多所長は「死亡や植物状態になる危険性もあった事故であり、患者さんや家族に大変申し訳なかった」と話している。
伊賀の点滴死亡:谷本整形の診療自粛要請解除 院長「再開は全く白紙」 /三重
毎日新聞 2008年10月23日
http://mainichi.jp/area/mie/news/20081023ddlk24040321000c.html
◇「被害者への謝罪が先」
伊賀市の診療所「谷本整形」の院内感染問題で、県伊賀保健所は22日、診療所への立ち入り検査を行い、診療所が提出していた再発防止策が「確実に実行できると認識した」として、診療自粛要請を解除した。しかし、検査終了後、谷本広道院長は報道陣に対し、「今のところ診療再開は考えておらず、全くの白紙」と話した。診療自粛要請は問題発覚の6月10日に出され、診療所はそれを受け、現在休診中。
谷本整形は今月15日までに、院内感染の原因分析と再発防止策をまとめた業務改善報告書を県に提出。伊賀保健所が17日、再発防止策が実行できるかを確認するために立ち入り検査を実施した。しかし、「職員への改善策の周知が不十分」として再検査することになった。
この日は、保健所職員ら6人が診療所の職員に対し、再発防止策の理解度や具体的な手順などを約3時間かけて確認した。終了後、伊賀保健所の中山治所長は、「診療を再開しても差し支えないと判断したが、今年度内にもう一度立ち入り検査を実施する。谷本院長には、被害者の心情に十分配慮すること、事前に再開を報告するよう伝えた」と話した。
検査後、診療所前に現れた谷本院長は、「今のところは被害に遭われた方への謝罪が先。誠に申し訳ない」と改めて陳謝。院内感染の原因については、「私自身が点滴作り置きを認識していなかった。誰も指示をしていないと思う」と従来の説明を繰り返した。
◇「もう思い出したくない」--犠牲者の夫、県の対応も批判
谷本整形で点滴を受けた後に死亡した市川満智子さん(当時73歳)の夫、篤さん(78)がこの日朝、毎日新聞の取材に応じ、「私が何を言おうと(県の診療自粛要請解除で)、診療は再開されるでしょう。もう思い出したくない」と声を落とした。
満智子さんは6月9日に点滴を受け帰宅。翌10日に亡くなっているのを、篤さんが見つけた。「(満智子さんは)拳を握り、苦しそうな表情で死んでいた。(点滴作り置きのような)えらいことをしてると分かったら行かせなかったのに」
篤さんは、谷本整形の点滴を受けて最初の入院患者が出た後の、県の対応も批判する。「最初に患者が出たときに、県は他に点滴を受けた人を調べて、安否を確認すべきだった。(満智子さんは)点滴を受けた日の晩には体調が悪くなっていた。県から連絡を受けていれば、病院に連れていくこともできた。ほかの人は皆助かっているのに、気付いてやれなかった……」と泣き崩れた。
福岡県警、身元誤り遺体引き渡し 火葬後に「本人」発見
朝日新聞 2008年10月23日
http://www.asahi.com/national/update/1023/SEB200810220002.html
赤ちゃんポスト:保護者からの連絡、熊本市へ報告忘れる--慈恵病院 /熊本
毎日新聞 2008年10月23日
http://mainichi.jp/life/edu/child/news/20081023ddlk43040487000c.html
流産しにくい受精卵を選別 画像で検査、出産率2倍に
47NEWS 2008年10月23日
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008102301000080.html
体外受精卵が発育する様子を画像で観察し、流産しにくい受精卵を選び出す検査法を、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の若山照彦チームリーダー、山縣一夫研究員らが開発し、マウスの出産率を通常の2倍近くに上げることに成功した。
流産は受精卵の核の中にある染色体に異常があると起こりやすいとされるが、受精卵を傷つけずに異常の有無を正確に調べるのは難しかった。
チームは、一時的に染色体にくっついて蛍光を発するタンパク質のもとになる物質をマウスの体外受精卵に注入し、特殊な顕微鏡で受精卵が細胞分裂する様子を撮影。すると、染色体の一部が核の外側に取り残されるなどの異常を、よく見分けることができた。蛍光タンパク質は数日で消失するため、生まれる子への影響はないという。検査後の受精卵をマウスの子宮に移植し出産率を調べると、異常があった受精卵はほぼすべて流産したが、正常な受精卵は65%が出産に至った。一方、検査せずに子宮に移植した受精卵の出産率は36%にとどまった。
羽田、成田で救難訓練 治療の優先度判断で収容も
47NEWS 2008年10月23日
http://www.47news.jp/CN/200810/CN2008102301000664.html
シートベルトで死亡率2割/郡山の医師分析
福島放送 2008年10月23日
http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=200810231
郡山市の太田西ノ内病院救命救急センターの篠原一彰所長(45)=前東北救急医学会長=は、12年半にわたる交通事故負傷者の分析結果をまとめた。シートベルト着用者の死亡率は非着用者の5分の1で重傷率も低かった。シートベルトが命を守る力の大きさが救急医療の現場からも裏付けられた。23日午後6時半から郡山ビューホテルで開く公開講演会「シートベルトやエアバッグは本当に有効か?」でこれらの内容を解説する。
インフルエンザは薬物治療が可能に
ITpro 2008年10月23日
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20080818/312846/?ST=management
新型インフルの防疫準備急げ 広島県庁で訓練会議
中国新聞 2008年10月23日
http://www.chugoku-np.co.jp/Health/An200810230338.html
【公開講座のお知らせ】
市民と共に考える公開講座「産科医療の未来を語る」
日時:平成20年11月5日(水)15時―17時
場所:シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル
新館1階ダイアモンド(第8会場)
http://www.sheratontokyobay.co.jp/access/
(〒279-0031 千葉県浦安市舞浜1-9 TEL 047-355-5555)
参加費:無料(多くの方の参加をお願いします)
主催:産科医療協議会
司会:松田義雄(東京女子医大産婦人科教授)、
久保隆彦(国立成育医療センター産科医長)
予定演者:海野信也(北里大学産婦人科教授)、
中井章人(日本医科大学産婦人科教授)、
西原里香(長良医療センター産科女性医師)、
宮嵜雅則(母子保健課長:国会がなければ参加)
国会議員は交渉中
参加者:産科医療の未来を危惧する方どなたでも
(一般の妊婦さん、周産期医療従事者、マスコミ関係者など)
刑事事件で逮捕となった大野病院事件、看護師内診問題で査察を受けた堀病院事件、どちらも無罪あるいは控訴見送りとなったが、これらの事件が産科医療に与えた影響は大きく、お産が大好きでこの道に入ってきた産婦人科医が分娩から撤退し、若手医師も産科から離れている。その結果、一次、二次、三次いずれの周産期施設のマンパワーは低下し、残された産科医に過大な負担が加重され、分娩可能施設の激減、お産難民、妊婦(胎児)たらいまわしなどの大きな社会問題をもたらしている。
これまでは、「産科医療の崩壊」などの悲観的な切り口のシンポジウム、公開討論会は数多く開催されてきたが、「安全なお産」を一番望んでいる国民、妊婦さんたちは悲観的な実態や産科医の愚痴ではなく、産科医療を再建する具体的な取り組みが聞きたいのではなかろうか?
そこで、我々は産科医療の将来に向けた具体的なプロジェクト(「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化検討内容、日本産婦人科医会調査資料から見えてくる改善策、産科医療最前線で働く女性医師の結婚・育児・仕事の両立策、助産師・看護師・医師との協調策等)を提示したい。また、妊婦さんからは要望を含め、参加者による幅広い議論を行う。医療を提供する側・受ける側の垣根を越えて産科の明日を議論する、これが本公開講座の目的である。
行政、一般妊婦、マスコミの方々の参加と貴重な意見を頂ければ幸いである。
「産科医療に明るい未来がきっとある」を信じて
<国立成育医療センター産科医長 久保隆彦>
コメント