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(投稿:by 僻地の産科医)
広島県医師会速報(第2014号) 2008年(平成20年)6月15日(8)
厚生労働省の死因究明制度
第三次試案に反対しましょう
新たな死因究明制度については、昨年10月、厚生労働省から第二次試案が出され、それ以降さまざまな議論を経て現在に至っていることは、広島県医師会速報で会員の先生方にお知らせしている通りである。
さらに、平成20年3月に出された第三次試案に対して、日本医師会や日本外科学会などは賛意を表明しているが、広島県医師会は日本麻酔科学会などと同様に不支持を表明している。そして、6月3日昇の広島県医師会常任理事会において、この第三次試案に関する問題点を周知するための告知文(案)が承認された。
厚生労働省の死因究明制度第三次試案に反対しましょう
広島県医師会常任理事会
いま、厚生労働省が進めているいわゆる死因究明制度(医療安全調査委員会(仮称))第三次試案はいまだ制度設計が不完全で、内部矛盾が試案に包含されています。これらの問題点が解消されるまでは法制化を許してはなりません。不備な法律を運用でカバーするのはリスクが大きすぎますし、いったん成立した法律を改正することの困難性は医師法第21条で立証済みです。
問題点①:医療事故原因究明と個人責任追及の2つを同時に求めることには
無理がある
問題点②:委員会へ報告しても警察の介入を阻止することができず、またそ
の委員会報告書は刑事処分への「権威ある鑑定書」として使われ、
民事訴訟の増加にもつながる恐れがある
問題点③:試案のシステムはマンパワー、かかるであろうコストの面に具体
的に全く触れておらず、実現性の危惧だけでなく、委員会機能を維
持し、効果を想定通りに発揮出るかどうか大きな懸念がある
問題点④:医療は本来、医療者側の自主的な基準の上で実施されるべきであ
るが、厚生労働省が所管官庁となれば、現在以上に厚生労働省に権
力が集中することになるため、医療の自主性を担保する上でリスク
がある
http://www.hiroshima.med.or.jp/kenisikai/sokuhou/2008/0615/2014_008.pdf
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