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(投稿:by 僻地の産科医)
昨日もビジョン会議があったみたいですo(^-^)o ..。*♡
あれ結構おもしろいみたいで、
M3もロハスもけっこう傍聴にいっていらっしゃいます。
(またチェックしてみてくださいo(^-^)o!!)
産科医ももっと増えれば、労働条件がよくなるのに。
だんだん労働条件が悪くなって、
私もついに脱落しかけです。
って愚痴っても仕方ないですね!
医者増やして待遇よくしてくださ~い(>_<)!!!!!
仲間を増やしてくれれば文句ないから!!!!
誰か助けて!!!
医師不足への処方せん◆Vol.5
「へき地に行きなさい」と言われたら、どうしますか?
緊急インタビュー・舛添厚労大臣
「医学部定員増」が必要なわけ
聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080529_2.html
厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン」が終盤を迎えた。焦点は、医師不足をどう解消するか。議論の過程では、「医師の偏在の解消策」で十分だとする声も挙がったが、「医学部定員増も重要」と、舛添要一厚生労働大臣はあくまで主張する。舛添氏にその考えを聞いた。(2008年5月29日にインタビュー)
「ビジョンなく、当面の対策を実施したら、かえって状況は悪化する」と指摘する、舛添要一・厚生労働大臣。
――医師の偏在の解消だけではなく、医学部定員増が必要と考える理由は。
診療科による医師の偏在がある、つまり小児科、外科、産婦人科などが敬遠される現状があります。では、こうした診療科に医師を再配置することができるのでしょうか。強制的に実施するのは、職業選択の自由に反します。
医学部に入る時点から診療科を決めるのなら「強制」も可能でしょうが、18歳の時点で、それを選択してもらうのは酷な話です。
次に地域の偏在ですが、家族と同居したい、教育のことを考えて都市部にいたいと考える人を、へき地に強制的に行かせることができますか。これは住居選択の自由に反します。
少なくてもこの世の中において、強制で何かを行うことは不可能です。強制でやらないなら、インセンティブを付けるというやり方です。例えば、へき地勤務したら、早く教授になれるとか。ただそれは、医師に来てほしいと考える地域が厚遇するなどの形で実施すべきことです。 つまり、国、中央省庁が「お前、そこに行け」などと言うことは不可能なのです。
さらに言えば、開業医と勤務医の偏在の問題ですが、開業医に勤務医に戻ってもらうことは可能ですか。ですから、強制的に何かをやることは不可能であり、規制の強化は決していいことではないと思うのです。
したがって、医師全体の数を増やして、きちんと教育・研修をやることが重要なのです。それを通じて、「あの外科の先生、さすがだ。俺も先生のような外科医になりたい」と思うから外科を志望するようになるわけです。若い人には理想や希望があるわけですから、その希望を尊重できる教育・研修システムを作ることが先決です。
人数が増え、母数が多くなって、ゆとりがあって始めて選択肢が広がり、自由な選択が可能になるわけです。例えば、100人と200人の場合を比較した場合、200人の方が、産婦人科や小児科を選択する医師数はおのずから増えるでしょう。さらに、一般の方が週40時間働いている一方、医師が週80時間勤務しているのだったら、週40時間にするだけで、今の2倍の医師数が必要です。
――ソネット・エムスリーが会員を対象に実施した調査では、「医師の偏在の解消だけではなく、医学部定員増も行うべき」の方が多く約55%でしたが、「医師の偏在の解消のみで十分」も約45%という結果でした。
調査は、勤務医と開業医の両方が入っているのですよね。「偏在の解消だけで十分」という方に、「あなたは、へき地に行きますか」とお聞きしたい。あるいは「厚生労働大臣の命により、あなたを産科医にします」と言われたら、どうしますか。自分のやりたいことがやるのが重要であり、強制はできません。
――医学部の定員を増やしても、一人前の医師になるには時間がかかります。
長期的な構造改革を行い、10年後の姿を提示することが必要です。「今が大変で最悪だけれども、今後はよくなる。10年後はこうなる」という展望を提示する必要があります。
小手先の緊急対策ばかりでは、「俺もあんな形で、どこかに飛ばされるんだな」と、一層医師不足を招きます。「今でも大変だと言われているのに、もっと過酷になる」と思われたら、もう医師のなり手がいなくなります。今は緊急措置として一部医師の派遣などを実施していますが、10年後の姿を示さないともちません。
医師不足対策は、何も医学部定員増だけではありません。コメディカルなどとのスキルミックスや医療機関の集約化なども並行して実施していきます。つまり「(対策の達成度は)今がゼロで、10年後が100」ではなく、1年後は5、2年後は10などと、段階的に増えていくわけです。 短期的なことばかり言ってもダメで、子供たちが夢を見て、医師を目指す環境を作り出すことが必要です。これが長期ビジョンの力です。付け焼刃の対応では、もうできないことが分かったのが、ここ数年のことなのではないでしょうか。大構造改革が必要です。
――これまでは、付け焼刃の対応を繰り返してきたと。
付け焼刃的にやってきたから、ますます医師が離れてしまったのではないでしょうか。夢や希望がないと立ち行きません。
――では、今回の「安心と希望の医療確保ビジョン」は、当面の対策と長期的な対策の二本立てでまとめるということですか。
確かに当座の対策は重要ですが、ビジョンがないところで緊急対策を実施したら、かえって逆効果です。関係者の中にも、そこを分かっていない人がいる。いつ歯止めをかけ、長期ビジョンを打ち出すかが重要です。
政治の現場は、選挙に勝てるかどうかが重要で、今日よくなるか、明日よくなるか、つまり目先のことに走りがちです。しかし、誰かが長期的なことを考えないと、無理に無理を重ねて続けていくのは、もはや限界でしょう。政治家同士で話すと、すぐ目の前のことになる。当座の対策、それはやります。医師の再配置もやらないというわけではありません。しかし、誰がどんな手段でやるのか、偏在の解消は簡単ではありません。
昭和20年代の戦後の日本は、「あの米国みたいになるんだ、豊かになるんだ」という目標があった。では、10年後の日本の姿、社会保障の姿が今、あるでしょうか。全くないのが問題であり、だからこそビジョンが必要です。
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