(関連目次)→ADRと第三者機関 目次 各学会の反応
(投稿:by 僻地の産科医)
衆議院での国会中継の様子を文字起こししてみました!
かなりいいことをおっしゃっています。岡本先生は
現在も外来をやっておられる内科の先生です。
耳で聞き取って書いたものですので、
できばえはいまひとつかと思いますが、
「ご遺族がこられた場合には、やはり警察は捜査せざるを得ない」
という言質がとられているだけでも十分にこの質問の
意味があったのではないかと思われます。
こちらの国会発言は、
メディファックスの記事にも取上げられており、
遺族求めれば捜査せざるを得ず 警察庁・米田刑事局長
MEDIFAX 2008年04月07日(月)5380号
警察庁の米田壯刑事局長は4日の衆院厚生労働委員会で、厚労省が3日に公表した診療行為に関連した死因究明制度創設に向けた第3次試案について、「現在、検討されている医療安全調査委員会(仮称)の枠組みでは、刑法上の業務上過失はそのままだ」と述べ、患者や遺族からの訴えがあれば捜査せざるを得ないとの考えを示した。その上で、岡本充功氏(民主)の「調査が迅速に進まない場合、遺族の早く解決してほしいという願いがあれば、警察は捜査に乗り出さざるを得ないと考えているのか」との質問に対しては、「その通りだ」と答弁した。ただ、米田刑事局長は「死因究明制度の創設で期待されているのは、委員会で十分な調査が行われ、遺族の『処罰感情』といったものが解消され、わざわざ刑事手続きに持っていくことで紛争解決するケースが少なくなるということだと考えている」とも述べ、「結果の重大性」に着目したものではないとする第3次試案の内容については肯定的な認識を示した。
と伝えられております。ではどうぞ ..。*♡
平成20年 4月 4日 厚生労働委員会
岡本みつのり議員(民主党) 質問
(前半は戦没者の父母等への話・石綿被害者の話などで略)
18:30頃より
(岡本)
昨日発表されました第三次試案が発表されました。で、この内容についてすこし確認をしたいと思います。まずそもそもこの案に関しての質問がいくつかありますので医政局長にお伺いを立てたいと思います。
まず、中央に設置する委員会はどの省庁の元に置くのか。厚生労働省もしくはそれ以外として考えられるところは、どこがあるのか、はっきりお答えください。
(医政局長)
委員会の置き場所についてでございますが、実は意見が分かれておりまして、医療行政において責任のある行政機関である厚生労働省であるという考えがある一方で、医師や看護師等の行政処分を行う権限が厚生労働大臣にありますので、医療事故に関する調査権限と、医師等に対する行政処分権限を分離すべきとの考えから、たとえば今、意見としてでているのは内閣府に置くのはどうであろうかというような意見もあると承知いたしております。このため委員会をどの省庁のもとに設置するのか、これは広く意見を聞いた上で、さらに検討を進めていきたいと考えています。
(岡本)
報道によると調査対象となる対象は年間約2000件くらいではないかといわれておりますが、実際の医療安全調査委員会委員の構成の人数、それからそのバランス、こういったものはどのように考えられているのでしょうか。また調査チームとして何チームくらい予定されているのかお答えいただきたい。
(医政局長)
委員会の構成でございますけれど、中央の委員会、地方の委員会、そしてその下の調査チームとそれぞれ同じようなバランスになるかと思うのですが、これは今やっているモデル事業のメンバーの構成と大体似通ったものとして、たとえば医療の専門医である解剖の担当医(病理・法医)それから臨床評価を行う医師(←ここが一番多いと思うのですけれど)、さらに法律関係者やそのほかの有識者としてたとえば医療を受ける立場を代表する人と、こういった組み合わせのバランスになっております。人数についてですが、中央の委員会、地方の委員会、審議会のシステムに関する指針にもありますので、一定の制限等はありますが、先ほどの2000件という推定からすると延べにすれば2000人は超えてしまいます。もちろん、全部別々ではないのですけれど、それでもやはりある程度の人数の確保が必要となります。この件については現在つめているところです。
(岡本)
ここ、肝なんですよね。何チームくらい作って、何チーム動くのかでスピード感がかわってくる。だがここがでてこないんですね。
えー実は警察庁も法務省もこちらへお越しいただいておりますが、気になっているところがあるんですね。
結局ですね、この調査が進まなければですね、場合によっては行列ができてしまうと。調査の究明に行列ができてしまう。
で、遺族から警察なり検察にですね、なんとかしてくれといわれる。
調査委員会があるからそちらへどうぞといっても、行列ができてしまっている。
そういった場合には、警察・検察動かざるを得ないとそういう認識でよろしいのでしょうか?
(警察庁米田刑事局長)
現在検討されていますこの委員会の、枠組みの中では、刑法上の業務上過失はそのままでございます。で、警察は警察捜査をする義務がございます。従いまして、その患者さんあるいは御遺族の方からの訴えがあれば、それは私どもとしては操作せざるを得ない。
ただこの仕組みで期待されておりますのは、委員会で十分な調査が行われ、遺族の方々の処罰感情とかそういったものも解消されて、わざわざ刑事手続きにもってくることが少なくなるということが期待されているとは考えたいです。
(岡本)
そういう意味でいいますとね、これが迅速に進まない場合には、改めて確認させていただきますけれど、ここが肝なんですが、迅速に進まない場合には遺族の早く解決をしてくれという提案があれば、当然警察は捜査に乗り出さざるを得ないという理解でよろしいのか。YesかNoかでお答えください。
(米田警察局長)
おっしゃる通りでございます。
(岡本)
そういうことでありまして、非常に危惧されるところであります。
したがって外口医政局長、この人数のどういう人をメンバーにするか、ここまさに肝なんでありまして、迅速にどうやって処理ができるか。もっといえば、行列ができるようなことがないように、今の年金ではありませんが、遅々として進まないという話であれば、調査委員会そのものが崩壊という認識を持っていただきたい!
二つ目のポイントですが、調査委員会で調査した結果ですね、悪質なケースだと判断するのは一体どういうことなのかと問いたいと思います。標準的な治療から著しく逸脱した医療って言いますけれど、これ標準的な医療から著しく逸脱した医療って言うのはですね、全国画一的に決めるのはなかなか難しいと思うんですよ。
これね。どういうものを標準的な医療と決めるのか。これ、どのように決められるおつもりですか。
(医政局長)
標準的な医療と申し上げますと、診療ガイドラインとかもあるわけですけれど、実際にはそれより幅広い概念で、これは医療関係者の中の幅広いディスカッションによってケースバイケースで決められることだと思います。たとえばどういうものが逸脱しているかというと、抗癌剤を週に一回うつところを毎日うってしまった、それで患者さんが亡くなってしまったとか、こういった例はあきらかに逸脱した例だと思っております。
(岡本)
それで警察に通知をされるということになりますか?
だとするんだとするならですね、これはシステムの問題を問うんだといっておきながら、結果の重大性を問うていると考えざるを得ないわけです。それがもし、死亡例にならなければ、これは死亡例に限るわけですから、毎日うってしまって途中で「あ、しまった!」ときづいてですね、3日目4日目に気づいて命取りとりとめた場合には事件にはならないけれど、死亡したら事件という判断になるわけですね?
じゃあ、やっぱりシステムシステムといいながら、やっぱり結果の重大性を問うているんじゃないかと、ここの標準的な医療がはっきりしない、私はこの問題も指摘しておきたいと思っているんです。
で、加えてですね、もうすこし警察からお話を伺いたいのですが。
この調査では関係者からの調査を強制はできないようでありますが、この調査結果を裁判時の調書とすることが可能なのか不可能なのか、可能であると考えてよろしいでしょうか。
(三浦大臣しんぼう?審議官)
おたずねの医療安全審議会調査時に作成されました資料につきまして、証拠能力を制限するという方向での議論は行われていませんが、いずれにいたしましてもどういう資料でも、裁判上の証拠能力が認められるかということにつきましては、個別具体的なケースによって判断されるものと考えております。
(岡本)
これもうひとつ確認したいです。
医師法の21条は今回一部訂正されても残るわけですね。
そうしますとですね、管理者の判断によって届出をしなかった医療機関が、場合によって遺族から告訴された場合で、医師法21条に基づいて本来は警察に届け出なければならなかった異常死体だと考えられたものについて警察が捜査に乗り出す可能性を排除していないと私は考えるのですが、それについても確認を求めたいと思います。
(医政局長)
第三次試案では医療死亡事故については医療機関の判断により医療安全調査委員会に届出を行った場合には、警察に届けなくてもいいように医師法21条を改正するように提案しております。
ご指摘のような場合につきましては、現在関係省庁の間で調整を行っているところでございます。
(刑事局長)
できた中での制度仕組みから検討される事項だとおもっております。
(岡本)
いや、医師法21条は(改正されても)残るわけですよね?
だから調査委員会の届出がなされなかった場合に、医師法21条に引っかかる可能性があるのかないのか、その点だけお答えいただきたい。
(刑事局長)
今おっしゃった枠組みではあり得ると思います。
(岡本)
じゃあ、結局医師法21条を改正はするんでしょうが、これに基づく捜査は病院にやってくるということです。
最後に確認をしておきたい。これからのスケジュールですね。
新聞の中では最終案と書いてある新聞もあるようでありますが、よもやこれが最終案だと私は思っておりません。ここからもちろんパブリックコメント等をし、広く意見を聞いて、まだまだ検討する項目がたくさん残っている。したがって今後のスケジュールはどのように考えているのか。今国会の会期中にはとても無理じゃないか。
とてもじゃないけれど、まとめられないんじゃないかと思っているんですが、今後のスケジュールを教えてください。
(医政局長)
第三次試案につきましては、現段階の見解を明確化したものでございます。この試案を元に広く御議論いただきまして、国民の皆様におおむね御理解がいただけましたなら組織面等の検討も加えたうえで可能であれば今国会中の法案提出も目指したい。
(岡本)
とてもじゃないが、今国会中には終わらないと思いますが、きちんと広く意見を聞いてね!それをお願いして質問を終わりたいと思います。
お疲れさまです。勝手に拾って、自分でも再度聞き直して(細かい表現を除いて、見事な手打ちです)ブログに上げさせていただきました。
現状では、厚生労働省が暴走せずにもっとしっかり検討することが必要なわけですから、質・量とも適度な質問だったのではないかと思います。岡本議員GJ!
投稿情報: hirakata | 2008年4 月 8日 (火) 13:11
文字起こしお疲れさまでした。
何故かトラックバック出来ませんでしたので、
文章にて失礼します。m(__)m
投稿情報: うろうろドクター | 2008年4 月 8日 (火) 14:04
こんな制度ですかね?
レスキュー・消防
救命救急活動が不首尾に終わった場合はすべて警察に申告する義務がある
反省カンファレンスが義務付けされ、なぜ救命救急活動が不成功になったかの報告が求められる。そのカンファレンス内容は後に刑事あるいは民事訴訟の際の証拠として用いられる。
遺族あるいは救難者から警察に申し出があった場合は、警察は救命救急活動の内容が適切であったかどうかを捜査する。
その際、超人的技術があれば救出可能であったとされる場合は、その技術がなかったものはすべて訴追される。
警察
犯人逮捕が不首尾に終わった際は、なぜ検察庁に申告する義務がある
反省カンファレンスが義務化され、なぜ自分が犯人を逮捕できなかったかの報告が義務付けされる。カンファレンス内容は後ほど検察庁や犯罪被害者が担当警察官を告発する際の証拠として用いられる。
被害者から検察庁に申し出があった場合は、検察庁は警官の操作内容を調査する。
その際、ドラマに出てくる刑事のような超人的捜査能力があれば犯人逮捕が可能であったと考えられる場合は、逮捕できなかった警官はすべて訴追される。
投稿情報: さわかみ | 2008年4 月 8日 (火) 23:03