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(投稿:by 葉明)
ようこそのお運び、厚く御礼申し上げます。
カナダの医療でもう一つ評判がいいのは、家庭医制度でしょう。
私が医師免許をとったばかりの頃は総合診療科というのが、
丁度流行りだした頃で、イギリスやカナダの家庭医の話も
よくなされていました。
(日本でいうところの総合診療科は、カナダの家庭医よりは
ずっとレベルが高いような気がするんですけどね。)
もともと英語が苦手だし、留学する予定も野望(?)も当然皆無で、
ましてやカナダ人と結婚するなんて思ってもみなかったその当時は、
「ふーん、イギリスやカナダには家庭医がいるのかー。
とりあえず、どんな病気でも家庭医に行くのかー。
自分が何科に行ったら分かんない普通の人には便利なシステムかもね。」
くらいに思っておりました。
昔からヘタレ加減は人一倍でございます。
ただ、たぶん、日本に住む一般の人にとっても、
家庭医制というのは、その程度の認識でしょう。
日本でも「かかりつけ医」を持つことが推奨されているけど、
イギリスやカナダのこの当時(?)の家庭医の
イメージが強いのではないかと思います。
では、カナダに住む人たち(含むワタクシ)にとって、 家庭医とはどんな存在なのでしょう。 これもカナダといえど、州によってたぶん違うのだと思いますが、 家庭医を持っていない人というのも、人口の40%くらいはいて、 日本では信じにくいことかもしれませんが、 それも、かなり高頻度で断られると思っておいた方がよいです。 家庭医探し、実は、私は、2回やる羽目になりました。 2回目は、12月に不妊治療から帰って来てからです。 最初の時とは違ってオンタリオ州にはこんなもの さて、家庭医が見つかったからといって、 最初に入った予約は1月14日。 ICSIでやっと妊娠したし、拡張胚盤胞を2つ戻したので、 これも、日本なら主治医が体調不良で診療キャンセルって 代わりに入った予約が1月末でしたが、 家庭医にかかるだけで、このアクセスの悪さ。 産婦人科医の紹介は、本来なら、家庭医が行います。 私の場合も、本来は、1月8日に家庭医に受診した時に、 と、 そのようにして、 まあ、それでも11週とちょっとなわけですが、先方としても、 というわけで、家庭医制度、私にとってはあまりメリットを もっとシニカルな見方をすれば、家庭医は、専門医へのアクセスを制限するためのみに存在しているとも言えるでしょう。 日本でのかかりつけ医や総合診療科と、カナダ(オンタリオ州)の家庭医は似ているようで全く異なると思うのですが、どんなもんでしょう?
オンタリオ州では病気になると、まず行くところは家庭医です。
眼が悪くなっても、不整脈がでても、どうやら糖尿病っぽくても、
関節が痛くなっても、とにかく家庭医にかかります。
逆に言えば、眼科に行きたくても、耳鼻科に行きたくても、
精神科に行きたくても、家庭医を受診しないかぎり紹介してもらえません。
そういう人達が、専門医を紹介してもらいたい場合には、
家庭医探しからはじめます。
カナダでは家庭医は患者を断ることができます。
ですから日本では、かかりつけ医のことを気に入らなければ、
気に入る医師が見つかるまで、医者探しをすればいいのですが、
カナダでは、とにかく誰でもいいから患者をとってくれる家庭医を
探すのが最優先で、その医師の腕がいいかは二の次ですし、
相性がいいかはどうかなんて考えもしません。
だって、その先生を断ったら、次が見つかる保証なんてないもの。
1回目はカナダに来たばかりの時で、8年ほど前です。
その時は、電話帳片手に片っ端から電話をかけ、
患者を受け付けてくれる家庭医を探しました。
20人くらいに電話して、受け付けてくれた最初の人にお願いし、
そのままずっと半年前まで、その先生が私の家庭医でした。
妊娠が分かっていたので、すぐに産婦人科医を探したかったのですが、
にゃんと! 私のかかりつけ家庭医が辞めちゃってて
(ちなみに、こういうときは、ハガキ1枚来ませんし、
紹介状なんてもらえないし、私の今までのデータだって貰えません)
家庭医探しからやったのです。ああ、面倒くさかった。
ができており、すぐにさくっと、患者をとっている医師を探すことが
できました。とはいっても、オタワ市に患者をとっている医師は3人しか
いなくて、結局、全員に電話をかける羽目にはなりましたが。
それでも1時間くらいで、1人確保できたのは、大変ありがたかったです。
家庭医にすぐにかかれると思ったら大間違いです。
私が家庭医を確保したのは12月21日ですが、
クリスマス休暇中は患者は診ないということで、
妊娠8週までに一度、超音波検査をしてもらいたい、と切々と訴えたところ、
どうやらキャンセルがあったらしく、
1月2日(!)に一旦は予約を早めてもらえたのですが、
それが、当日に「主治医体調不良」のためまさかのドタキャン。
あり得ないと思うのですが、まあ、そのようにできるところが、
もしかしたらカナダの好いところなのかもしれません。(自分を説得中)
一生懸命、もしキャンセルあったら代わりに入れてくれと
懇願して、1月8日の予約をゲットしたわけです。
すごいでしょ?
しかも、私の場合、単に、家庭医という存在を確保したいだけ。
というか、後述しますが、産婦人科医は別ルートですでに確保していたので、
取りあえず、その産婦人科医に対して「産後は、帰る先がある」
「不良妊婦ではない」と思ってもらうためだけに
家庭医を確保したかったんですけどね。
産婦人科医も紹介してもらうのが王道なのですが、
家庭医への受診を待った末に、
予約が何ヶ月も先ということになったら困る!!!
思ったので、本当はやっちゃいけないことなんですが、
半年前までカナダで不妊治療で受診していた先生のところに
電話をかけ、
「家庭医が辞めちゃってて、手元に日本からの主治医の手紙があるんだけど、
それを読むと遅くとも8週までには産婦人科医に一度診てもらえと書いてある、
なんとかならないでしょうか?」と泣きをいれたのですね。
「カナダだったら16週までは産科医に会わないんだけどなぁ」
と、ブツブツいわれながらも、2月5日の予約を確保したというわけです。
ものすごく頑張ってくれたのだと思うし、とりあえず、
胎児は無事だったので、ヨシでしょう。
感じられません。カナダに住んでいるカナダ人は
「こんなもの」だと思っているのか殆ど不満はないようですが、
家庭医は治療をしてくれるところというより、
「治療がいるかどうか判断してくれるところ」という存在のようです。
はじめまして。
>家庭医は、専門医へのアクセスを制限するためのみに
日本の30年前は、現実開業医の紹介書がなければ「おいそれと専門医にかかれるものでは」なかったです。(そういう当時の国民意識)
府立病院耳鼻科にかかるにも、日本は予約制度がなかったために「長くまたさせる&検査が多くなるから値段が高い」のが常で、それも、開業医の紹介書か、コネがなければ無理な世の中でした。(たまたま耳鼻科部長が祖父の喉頭がんの主治医で、数年にわたって付き合いがあったので、飛込みが出来た)
日本の変化を語るには、S63の医療法改正による駆け込み病院開設により、「病院と開業医の垣根がなくなった」ことと、日本独特の「満州軍医(日本人)の開業医のレベルの低さ」を語らなければいけませんが、詳細は長くなるので辞めときます)
投稿情報: Cun | 2008年4 月18日 (金) 15:17