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(投稿:by 僻地の産科医)
個人的に注目しているサイトがありますo(^-^)o..。*♡
「医療訴訟専門」弁護士事務所で働いていらっしゃる弁護士先生のサイトです。
マチ弁日記おばさん弁護士の独り言
http://machiben-nikki.at.webry.info/
というより、あまりにもちょっぴり不勉強にすぎるものですから、
みなさんの顰蹙をかってしまい、いろいろ書込まれていたり、
大阪高判平成17年9月13日(徳島脳性麻痺訴訟)
http://www.geocities.co.jp/Milano/1115/hanketsu.html
の患者側弁護士さんをやっていらっしゃったりする方なのですけれど、
(これまた産科医には「これで一億!?」ってひどい判決ですが)
弁護士さんという職業は、雇用主の言い分を体現する職業ですので
この方がわるいんじゃないんですけれど、うごご~(>_<)!!!!
とか思ってたら、もうブログ主さまはでてこなくなり、
みんなであれこれ議論していたら、かなりおもしろいコメント欄になってきています。
(今みても日記は改変されていて、当初の問題はわかりにくいとおもいます)
というわけで。コメント欄から。
元内科医先生のひとりごと!!!
もう個人的にめっちゃ共感です。どうぞ..。*♡
かなり素晴らしい帰着点に辿り着いているように思われます。
突然 マチ弁日記おばさん弁護士の独り言
http://machiben-nikki.at.webry.info/200708/article_1.html#comment
お時間ある方はもうちょっと上の方から読んでみてください。
300くらいコメントあります。
先にもコメントが付いていますが「被害者救済策」という言葉そのものに問題があるのではないでしょうか?そもそも医師に治療してもらうのは「病気」に罹患しているからです.病気によっては放置すると「死亡」するものも沢山あるわけです.医師に掛かれば「運がよければ治癒するのであり,生存できる」のです.そもそもがマイナスポイントから始まっているのですから,「治って当然,治らなかったら被害である」という発想が間違っているのではないですか? ■棒先生 level 3様が非常に良いコメントをしてくださいましたが、 保険の話は非常に参考になります。 例えば、 飛行機事故の場合はいわゆる義務のない営みであり、 火災や自然災害の場合は、「加害者」がいない。従って「被害者」が保険に入る。 医療の場合は、「疾病」という自業自得か災害か他害かは別にしてそれを背負ったものに対して、「応召義務」で介入した場合の帰結。 だから脆弱な保険しかできない。 ある専門家の受け売りですが、 いわゆる「被害者救済型」判決という言葉の定義に違いがあるのかもしれませんが、 例えば羊水塞栓が良い例ですが、 しかし、 「その患者様が死に至るのに、少なくとも明らかな過失」はないけれども、 「こんなかわいそうな人がいるのだから」 と裁判官が思い、7000万円払えという。 そういう場合に私達は皮肉を込めて、 「被害者救済型判決」 勿論民事裁判にはその意味合いがあるという考え方もあるかもしれませんが、 ■元内科医先生 現在の国家政策は医療費削減です。なので、現在の医師の過酷な労働条件はそのままで、また医師の診療・手技に対する病院への診療報酬は減ることはあれ上昇することはないと思われます。私は、「どんどん訴訟すればいいのではないか」と思うのですが、 するとどうなるか。 実際訴訟リスクの高い現場で勤労する医師は裕福でも何でもないので、そんな金銭的負担には耐えられませんので退職者が続出するでしょう。技術の伝承は途絶えます(既に)。 患者さんのフリーアクセスが堅持された下での医師の労働条件はひどいものですから、肉体的負担も耐えがたくなります。 するとどうなるか。 防衛的な医療に勤しむことになるのですが、防衛医療って時間がかかるのね。説明して説明してカルテに書いて陰性所見を漏らさず書いて書いて検査して検査して同意を得られなければ確認して記録して時には録音して。 するとどうなるか。 医療費は上がります。診療報酬も上がります。そうしないと医師の加入する医療裁判保険の加入料がまかなえなくなるからです。保険会社が最もウマー。でも患者さんの金銭的負担は劇的に上がるでしょう。医師自体は労働条件がどうなるかはわかりませんが、裁判に費やす時間が増えるのは間違いないでしょう。医師はこれまで以上に医療訴訟に積極的に介入して自分の名誉を守るようにがんばらないといけません。 私は患者さんが訴訟を起こすのは制限できないと思います。今の医療政策の下でその要求に対応できるような余力が医師にはないので、みんな病院からいなくなります。しかし、そういう現実がおこってもなお、患者さんの要求はそれはそれで正当なのです。「被害者がだれでも裁判できるし、その結果を意識した濃厚?な医療を医療者が提供する」という非常に高いクオリティーの医療を受けたい、というのが今の日本の国民の欲求なのです。それを制限することはできません。人間の欲求に制限をかけることなど出来ません。 ただ、質の高い医療は非常に高価なものであると言う自覚が足りないだけです。それもじき強制的に理解させられる時がじきに訪れます。 あくまで皆さんが望んだことであり、皆さんが望んだことであり、皆さんが望んだことなのです。 一般の方は、恐らく要は医師集団の「自浄作用」を求めているのでしょう。懲戒制度がないとだめだって感じで。日弁連に懲戒制度は確かにあり、その処分もHPで閲覧できます。それがあるから偉いのだ、と弁護士の中には居丈高になる方もいます。そこまでいわれるほど素晴らしいものなのでしょうか…。弁護士の懲戒制度と医師の懲戒制度って違う気もしますけど。 で、 被害者救済はどうするか。 私は今のままでも仕方ないと思います。医師にもっと時間が出来れば、きっと医学的にも妥当な判断がなされる仕組みを作ることができると思いますが、もうちょっと時間が必要です。その前に、医師は医師の労働条件を確保することが必要です。それが確立されて初めて、司法の問題にも本腰をいれて取り組むことが出来ると思います。労働条件の確保に向けて、医師はもっとがんばりましょう(私も含めて)。 ■Level3先生 >で、被害者救済はどうするか。 「救済措置」については本来は,医療を受けようとする人間が「保険」の入っておき,その保険によって救済されるようにする,というのが妥当かなと個人的には考えています. すくなくとも今の医療訴訟の賠償金の算定はあまりにも現実離れしていると思います.「病気になっている人間」というマイナスポイントを基準に考えていないからです.これは現在の医療訴訟が続くとしても是非とも改善すべきポイントであると思います.例えば瀕死の人間を救命できなくても,賠償金はほとんどゼロということです.
■Level3先生
先にも書いたと思いますが,医師だって人間でありいくら医学が発展したからといってできることなど限られています.過大な期待をすること自体に誤りがあると考えるべきです.
「被害」というなら「病気になったこと」が被害(天災?一部は自己責任?)ですね.
まず間違いなく、過失は運営側が問われます。
だからいわゆる「加害者」が保険に入って賠償する。
「被害者」が加害者を求めた際、必ずそこには責任をなすりつけることが可能な者がいるものの、必ずしもその人の責任ではない。
不明瞭な前提、
だから医師賠償保険は脆弱。
責任の帰着が少なくとも医学的にははっきりすることはあっても、
昨今の裁判を見る限りは不明瞭。
この点もかんがえてみてください。
この場合現在の医学では救命不可能とされています。
と呼びます。
払わされた医療従事者からしたらたまったものではないのです。
支払いを命じられた損害賠償請求の総額が増大することは避けられないのではないでしょうか。確かに昨年の医療訴訟の数は減少しているようなのですが、今後弁護士増員の時代に入り、到底楽観視はできません。
するとどうなるか。
医療訴訟(民事のみ)に対する保険に医師が加入していることが多い筈ですが、その保険が破綻しかねませんので、保険加入料は高騰するもしくは支払い渋りが数多く発生することも考えられます。
するとどうなるか。
患者さんはフリーに原則どの病院にも受診できますので、またそれを制限することは国民の不満を掻き立てるのでそのまま据え置かれるでしょう。
民事訴訟における裁判官自身の判断に医学的・学術的基盤がないので、過失の線引きが場当たり的な傾向があると思われるのですが、それは放置されますと、「何でも敗訴しそうだな」という空気が医師の判断を支配し精神的負担を増大します。
するとどうなるか。
金銭的・肉体的・精神的負担に耐えられなくなった医師は医師であることを辞めます。実際私もそうです(キャー)。「前線で働く医師」であることを辞めるのです。
するとどうなるか。
特に急性期を扱う病院はどんどんつぶれるでしょう。一部のメガ病院だけ残るかもしれません。医師は奴隷ではありませんし、侍医でもありません。主治医制には法的根拠はないのに24時間呼び出しに善意で応えています。それは無理なのです。元々無理であった状態に、訴訟の圧力がチョッとかかるだけで、もう最後の一線が切れて雪崩を打つように医療が崩壊します。というかもうしています。
例えば受任した案件の処理をあまりに放置するとか、代理人として機能しないとか、詐欺行為を働くとか、弁護士の世界における懲戒処分に相当する、医師のよろしくない医療行為って何なのでしょう?システムエラーの犠牲者もそれに相当するの?だれでもその被害者になりえるのに懲戒するのは妥当なの?一般的なケアレスミスがそれに相当するの?
でも、形だけでも懲戒制度を持っておくことは大切だと思います。対外的にも申し訳が立ちます。
今のままの裁判の仕組みでいいのか?
旅行する時にはみなさん?「旅行保険」に入られますよね.基本的に医療を受給する方が「保険の費用を負担すること」自体おかしなことではないでしょうか.(ちょっと言い過ぎのところもあるかもしれませんが...)
取り上げていただきありがとうございます。恐縮です。
当該記載はどんどん集まるコメントにやがて埋没していくのでしょうし、ブログ自体が削除される可能性も大きくあります。先生が折角挙げられた参考URLも一緒に削除されるのは勿体なさすぎますが。
ただ、なんとなく全体の流れがいまいちスッキリしないまま愚痴繰り返し状態になりそうな予感がありました。
医療系ブログではないため、医師以外の方の注目度が高い状態にあるスレと思われましたので、その人たちに対する印象がこんなもんではいけない、と思い持論を書いてみました。
いつもお疲れ様です。
投稿情報: 元内科医 | 2007年8 月23日 (木) 20:24
先生こそ、お疲れさまです(>▽<)!!!!
あんなコメント欄がよくぞここまで、というほどにいい議論になっていて驚きました。日々の違和感が、あの場に結晶化されているように感じました。本当にお疲れさまでした。
ブログ自体の成行きはどうなるかわかりませんけれど、あたたかく見守りたいとおもいます!
日々頑張っていきましょうね。
できるところだけ。(頑張りすぎないように!)
本当にありがとうございます!
投稿情報: 僻地の産科医 | 2007年8 月23日 (木) 21:09
http://blog.m3.com/OEM/20070826/1
「門家としての医師の判断は一種の聖域である。それは高度の専門的な熟練をもつひとだけにできる特殊性をもっている。しかも、土木作業や建築工事の安全性とかと比べると「敢えて危険に挑戦する」という性格を医療上の措置はもっている。手術をすれば、それなりの危険が発生するが、しかし、メリットの方が結果としては大きくなるだろうという予測のもとに医学的措置はとられる。この判断を聖域として保護しないなら、医師は、患者は死んでも構わないからとあきらめて、無難な措置を選ぶだろう。それでは患者にとっては不利益である。」
引用でした
投稿情報: 輻輳 | 2007年8 月31日 (金) 23:39