(関連目次)→医療施設体系のあり方に関する検討会
今、結構マイブームなのが日本医事新報ですo(^-^)o ..。*♡
って言われても困るとおもいますけれど、結構おもしろいです。
とくにニュース部分。
この問題についてはあまりフォローしていなかったのですが、今日の新聞記事にありましたね!厚労省のこの議論をベースに日本医師会が調査したのでしょう。
開業医さん、頑張っているような気がします。地域によるのかな。
(今日のニュース)
地域医師会9割で救急医療 急患センターや当番医
中国新聞 2007年8月3日 記事 キャッシュ
ではどうぞ。
ちなみにこの問題についての厚労省の資料はこちらです。
医療施設体系のあり方に関する検討会
◎医療施設のあり方検討会
「かかりつけ医の時間外は相談機能を期待」
厚労省が「議論の整理案」を提示
(日本医事新報 No.4340 (2007年6月30日) p10-11)
厚生労働省は21日、地域医療を担う医療施設の体系について議論する「医療施設体系のあり方に関する検討会」に、「これまでの議論を踏まえた整理(案)」と題するぺーパーを提示した。かかりつけ医師の時間外の役割について「相談に応じ、適切なアドバイスを行う機能が期待される」と記述している。
この検討会は昨年7月に設置。一昨年12月に社会保障審議会医療部会がまとめた「意見」で積み残しになっていた、
① 地域医療支援病院 ② 特定機能病院
③ 医療連携体制・かかりつけ医、医師確保との関係
④ 専門医 ⑤人員配置基準
について検討してきた。
同省は初会合で、平成19年の夏に中間的整理を行い、議論の結果を次期医療法改正や診療報酬改定に反映する意向を示していた。これを踏まえ同省は、各検討項目で意見が集約されなくても、当初の予定通り、一年間の議論をまとめて医療部会に報告する考え。そのため整理案(下記に抜粋)では、両論併記の記述も多くなっている。
かかりつけ医に救急対応は難しい
整理案のうち、③の「医療連携体制・かかりつけ医、医師確保との関係」では、かかりつけ医の役割について、「一定の時間までは携帯電話で連絡がとれる体制の確保や開業医のグループ対応を進める必要がある」と記述。
しかし「救急対応・診療まで求めることは難しく、時間外の役割としては、相談に応じ、適切なアドバイスを行う機能が期待される」とするに留め、厚労省が4月に発表した『医療政策の現状と今後の課題』よりも表現を和らげている。
また、「総合的な診療を担う医師の医学的・社会的位置づけを明確化することが必要」と指摘しているが、この表現について内田健夫委員(日医)は、「厚労省が進めようとしている“総合医”を想起させない記述にすべき」と要望した。
専門医の必要数に賛否
④の専門医については、「学会主導による迅速で自律的な取り組みが期待されるとの指摘がある」としつつ、「一方、必要数を踏まえた養成が必要との指摘があり、引き続き議論する必要がある」と意見を併記。しかし専門医の必要数について武谷雄二委員(東大)は、「この議論は、医療供給の差別化の問題を避けられない。個人的には医療の公平性を損なうので歓迎しない」と述べた。
人員配置基準の存続は両論併記
このほか、①の地域医療支援病院については、「概ね二次医療圏に一つという発想を改め、地域の実情に応じて整備を図るよう考え直すべきとの指摘があり、対応していく必要がある」などと記述。
②の特定機能病院については「一般的な医療への対応は縮小すべきとの指摘がある一方、一定の外来機能は必要との指摘があり検討が必要」などとした。
⑤の人員配置基準については、「質の担保は診療報酬で評価されているため廃止すべきとの指摘がある一方で、医療機能の情報提供が進んでいない現状では廃止は困難との指摘がある」としている。
検討会は次回の会合で議論の整理をまとめる。
これまでの議論を踏まえた整理案(抜粋)
6月21日 医療施設体系のあり方に関する検討会
3 医療連携体制・かかりつけ医、医師碓保との関係について
(医療連協体制の中でのプライマリケア及びそれを支える医師の位置づけ・役割)
○かかりつけ医については、身近な地域で日常的な医療を受けたり、健康の相談等ができる医師として、国民にわかりやすくその普及・定着を図る必要があるとされているが、その機能・役割について、もう少し明確にする必要がある。
○例えば、以下のような機能・役割が求められるのではないかとの指摘があり、診療情報のlT化、標準化を含めて、かかりつけの医師がその機能を果たすために何が必要かという点と併せ、検討していく必要がある。
(1)複数の領域の基本的な疾病に対応しつつ、患者の病状に応じて、専門医、病院等へ適切につないでいくことができる
(2)診療時間外においても患者の病態に応じて患者又はその家族と連絡がとれるようにする
(3)医療機関の機能分化、連携が進んでいけば、転院等に伴いその都度患者と医師の関係が切れることになるため、患者の立場に立ってつなぎ止める役割を果たす
(4)病院から逆紹介を受けた患者等の術後管理、日常的な保健予防活動、生活管理等を適切に行うことができる
(5)意識の面では、患者の生活を全人的に見ていく
○上記(2)に関し、一定の時間までは携帯電話で連絡がとれる体制の確保や開業医によるグループ対応を進める必要がある。
その際、休日・夜間の連絡体制の確保はともかく、救急対応・診療までかかりつけの医師に求めることは、診療体制の確保等を考えれば難しく、在宅療養支援診療所のように24時間往診できる体制の確保が求められる場合等は別にして、かかりつけの医師の診療時間外の役割としては、特に、相談に応じ、適切なアドバイスを行う機能が期待されるのではないかと考えられる。
○また、上記(4)に関連し、平成20年度より医療保険者に特定健康診査の実施が義務づけられることを踏まえ、開業医が医療保険者との十分な連携の下、特定健康診査の担い手として、更には健診結果に基づく適切な保健指導・治療等の担い手として、重要な役割を果たすことが期待される。
○地域医療を支え、人間全体を診る総合的な診療を担う医師の医学的・社会的位置づけを明確化することが必要である。
領域の問題とレベルの問題を含めた医療連携体制の中での位置づけ・専門性をどう考えるか、プライマリケァ、地域医療の実地研修等を通じ専門医として育成していく観点から関係学会等の取り組みを踏まえた具体的な育成のあり方をどう考えるか、そうした修練を積んでいない医師が開業する段階で、一定の研修プログラムを経るようなシステムを考えてはどうかとの指摘があるがどう考えるか、検討していく必要がある。
また、総合的な診療を担う医師の育成について、大学における医学教育でどう取り組んでいくかが重要な課題である。
○総合的な診療に対応できる医師を育成していくには、例えば、能力を発揮できる勤務場所の普及を図るなど、医師のキャリアパス形成への配慮が欠かせないことに留意すべきである。
4専門医について(専門医のあり方、質の罹保)
○専門医制度を考える際には、領域の問題とレベルの問題とを分けて考えることが必要である。
○専門医に関しては、現在の各学会の取り組みとしての位置づけを踏まえ、その質の確保・レベルの確保という観点から、各学会で統一基準のようなものを設け、第三者的で公正な立場での専門医の認定を行う仕組みを考えていくこと等も含め、学会主導による迅速で自律的な取り組みが期待されるとの指摘がある。
一方で、国民・患者の視点からは、そもそも専門医をどのように位置づけるべきかという観点から、専門医の役割」の明確化、地域的・全国的な必要数を踏まえた養成、更には症例数等技術的な側面の評価が必要ではないかとの指摘があり学会の今後の取り組み状況、専門医に対する国民の意識を踏まえつつ、引き続き、議論していく必要がある。
○各学会による専門医の認定率に差がある現状に関しては、あまり極端な差異については質・レベルの確保という観点から疑義が生じかねないため、学会による改善に向けた取り組みが必要であるとの指摘がある一方で、専門医が扱う領域は、学会によってその広さ、深さに差があることから、必ずしも学会の会員数と専門医のバランスが問題だということにはならないのではないかとの指摘がある。引き続き、議論していく必要がある。
○なお、専門医制度と診療報酬の関係に関し、もっと診療報酬上の評価を行うべきではないかとの指摘があるが、一方で、診療報酬上の評価を行えば、行政の関与が伴うことに留意が必要との指摘があった。
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