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(投稿:by 白熊もどき)
今回、白熊もどき先生に投稿をお願いしました!
診断書に関して非常に怒っておられます。
わたしもあの制度、なんなんだ~とよくおもいます。ではどうぞ..。*♡
『病気がない!』なんて診断書は書けません!
狩猟の資格を取りたい方がこんな診断書を持ってきました。
「上記のものは、統合失調症、そううつ病(そう病及びうつ病を含む)、てんかん(発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害がもたらされないもの及び発作が睡眠中に限り再発するものを除く。)、自己の行為の是非を判別し、またはその判別に従って行動する能力を失わせ、または著しく低下させる症状を呈する病気、麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者、自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、または著しく低い者、ではないものと診断します。」
なんでしょうか、この文章??切れ目がないのですが・・・。日本語として非常にわかりにくいです。しかもこのようなことを診断できる医者がいますでしょうか???
統合失調症(昔の分裂病)もそううつ病も外来にはじめてきた患者さんに100%この疾患がないと診断することは不可能だと思います。
てんかんも、発作が無いときは普通の人なので、てんかんじゃないと100%診断することは出来ないと思います。ましてや未来の発作のことに関してはどんな医者でも100%、「発作が再発するおそれがないもの、発作が再発しても意識障害がもたらされないもの及び発作が睡眠中に限り再発する」と診断出来ないです。
麻薬、大麻、あへん又は覚せい剤の中毒者なんて、話聞いても、皆やってないっていうだけですよね。
普通だと思っていた人間が猟奇的殺人を起こしたりする昨今、「自己の行為の是非を判別し、又はその判別に従って行動する能力がなく、または著しく低い者」なんて診断できません。
こんなに診断できないものを、法律で診断させようというのはおかしいのではないかとあまりに腹がたったので、担当の 愛知県 自然環境課 野生生物グループのSさんという方に問い合わせをしました。
回答は「国家試験をうけて受かっている、専門家の医師なのだから、どういう風に診断するかは自分で判断してください。診断できないなら断って下さって結構ですよ。診断してくれる医師のところにその人が探していけばいいことです。こちらはその診断書をお渡しするだけです。」との事。
病気があるという診断書は容易にかけるが、その疾患がないと証明することは非常に難しいと思います。医者だから何もかも診断できるわけではありません。話を聞くだけでいいというなら(実際外来に来たらそうせざる得ません)、県の職員が聞いたって同じ事ではないでしょうか。自費である診断書で検査を沢山すると、診断書を持ってきた方の負担になるのみです。診断書の診断ガイドラインもなく、医師への責任転嫁を法律で行っているだけのような気がします。
県の回答に納得が出来なかったため、関係省庁の環境省に問い合わせをすることにしました。 実は4年前の法律改定のときの意見募集のときに同様の意見が出ているのですが、無視されてしまっています。
意見を提出させていただいて、1ヶ月たちますが、環境省からはなんの返答もありません。
「今は・・・・・・ではないものと診断します。」 ではダメですかね。
実際に来たら書いてしまいそうです。
気をつけないと。
防衛医療、防衛医療っと。
投稿情報: うろうろドクター | 2007年8 月24日 (金) 14:22
すごい診断書の需要が、実際にあるわけですね。健康診断の一種でしょうが、「現状では異常を認めない」程度では済まないのでしょうか。
投稿情報: 志村建世 | 2007年8 月24日 (金) 14:53
医師免許を取得する時には「医師の診断書」が必要でしたよね.その診断書は同じような文面ではなかったでしょうか.
そして我々は先輩医師にその診断書を書いてもらいましたし,後輩の診断書は我々が書いたと思います.ただ,身近にいる人間に対して書くのと一見さんに書くのでは訳が違いますよね...
投稿情報: Level3 | 2007年8 月24日 (金) 15:29
> 診断書の診断ガイドラインもなく、医師への責任転嫁を法律で行っているだけのような気がします。
厳密にいうと、「法律」が医師へ責任転嫁しているわけではありません。
怒りを向けるべき対象は、国会ではなく、行政、お役所です。
鳥獣保護法40条の建て付けは、「欠格事由(薬物中毒等)に該当する者に対しては免許を与えない」というものです。
法律の規定を素直に解釈する限り、本来は、欠格事由を行政側が立証できない限り、免許を与えなくてはいけない建前ということです。
そして、法律を受けた施行規則において定められているのは、以下のとおり。
第48条第2項
前項の免許申請書には、次に掲げる資料を添えなければならない。
2. 申請者が(略)法第40条第2号から第4号までに該当するかどうかについての医師の診断書
「該当するかどうか」です。
該当するとの所見がない以上、「該当するという所見はない」で十分です。
「悪魔の証明」の診断を下す義務などどこにもありません。
そんな「悪魔の診断書」は、「慣例だから別にかまわない」という医師の方にお任せしておけばよいと思います。
そのおかしさ、理不尽さに気づいた方は、頑としてして拒絶していただくのがベストです。
「~の所見はない」という診断書しか書きません、という医師が多数派になる日がくれば、運用が改まる日が来るかも知れません。
何にせよ、運用を改めさせる運動をすべき立場にいるのは、医師ではなく、狩猟免許をとりたい人たちでしょう。
投稿情報: fuka_fuka | 2007年8 月24日 (金) 15:40
書いてもらってこいと言われた方には罪がないのに、わが身を防衛するには断るしかないですね。
書いて貰わなきゃいけない人がかわいそうだけど・・・。
実は仕方がないと思ったので一通書いたんですけど、そのことについてもSさんに「診断できないなら、書かなきゃいいのに、何で書いたんですか?先生の責任で書かれたんですよね?」と言われたんです(; ;)。
もって来た人をたらいまわしにするのはって思ってしまった自分が悪かった・・・。
もう二度と書かないって決めました。
診断書は一言一句気をつけなくっちゃ。
投稿情報: 白熊もどき | 2007年8 月24日 (金) 16:18
白熊もどきさま:
> 「診断できないなら、書かなきゃいいのに、何で書いたんですか?先生の責任で書かれたんですよね?」
うおーS殺したいw
でも、私がいちばん腹が立つのは、S氏のような制度趣旨が理解できる役人ではなく、
「いや、でも、『ではないものと診断する』っていう診断書じゃないとダメってことになってるんです」
としか言えない窓口のひとです。
たしかに可哀想なのは板挟みに遭うことになる申請者の方なんですけどね。。。
投稿情報: fuka_fuka | 2007年8 月24日 (金) 18:21
理屈はおっしゃるとおり。
でも、今まで多くの医師が慣例として書いてきてしまっているので、
前例踏襲主義のお役人には、なぜ書けないのか理解できないと思います。
個々が気をつけるしかないと思いますが・・・。
投稿情報: y-gami | 2007年8 月24日 (金) 19:02
そういえば、出生届の医師記入ページには「この母の出産した子の数」という欄がありますよね。本人への問診でウソつかれたら、医者はどうやって証明するんでしょうか?初産ならまだしも、経産婦で以前に何人生んだか診断する方法ってあるのでしょうか?
http://www.city.suzuka.mie.jp/life/benri/2401_1.html
投稿情報: clonidine | 2007年8 月24日 (金) 21:15
clonidine先生!
もうそれはそれで、幸せに生きていっていただくんですo(^-^)o ..。*♡
投稿情報: 僻地の産科医 | 2007年8 月24日 (金) 21:57
まあ、昔医者になった人は誰もが「麻薬中毒ではない」と診断書を人生の先輩であるところの医者に書いてもらったんではないかと思いますが、違うかな?
それはそれとして、学校検診の不整脈とか脚ブロックの管理区分も困るでしょうなぁ。
エコーやろうが運動負荷しようがホルターしようが体表面マッピングしようがTWAとろうがQTdispersionとろうがカテやろうが、突然死しないとは限らないからねぇ…
投稿情報: anonymous | 2007年8 月25日 (土) 00:33
問診でしかわからないことは、平素"とのこと"って書き添える
投稿情報: お弟子 | 2007年8 月25日 (土) 01:53
自分も10年ほど前、バイト先の外来でこの診断書に遭遇したことがあります。炭坑の町で治安が悪く、診断書を書く勇気はとてもありませんでした。断る勇気もなかったので、その方と雑談をしながら
"初めてお会いした貴方が麻薬中毒者でないなんて保証は、私にはできないでしょう"
という部分で納得させ、うまいこと丸め込んで帰してしまいました。
投稿情報: こんた | 2007年8 月25日 (土) 10:44
狩猟免許の診断書ですが、私も時々書きます。ただし、「・・・ではないものと診断します。」の後に小さく「(ただし問診の範囲内において)」と加筆します。これで役所にダメだと言われたら、当方に連絡するようにと申請者に申しそえますが、未だに連絡はありません。理容師・美容師関係も同様です。
一方、看護師免許申請の診断書は、たとえば、「明らかな精神疾患はない」などと文面が改善されています。これなら堂々と書けますね。診察時に”明らかな”所見が無ければよいのですから。
投稿情報: 元ライダー | 2007年8 月25日 (土) 10:52
確かに、昔からある診断書なんで、多くの先生方が書かれているんですよね。
実際に医師免許をもらうときに私も書いてもらっているし・・・。
でもやっぱり、普段診ている患者さんや知人ならまだ書けるのですが、一見さんでは・・・。
これだけ、恐ろしく医療訴訟がを起こされたり、診断書を書いた医師の責任を追及されたりするのを見ていると、何か問題が起こったときには訴訟されたり、問題を追及されるのではないかと不安になります。
診断書に一文を付け加えるのはいい手ですね。
やっぱり自分で自分の身を守っていかなくてはいけないなと思います。
投稿情報: 白熊もどき | 2007年8 月25日 (土) 21:02
元ライダー先生のやり方がいちばん合理的(窓口でモメて突っ返されにくい)かもしれないですねー
お弟子先生の「とのこと(である)」。弁護士も報告書なんかで多用します。
とにかく「私はここまでしか聞いてませんよっ」 「この結論は、聞いたことが正しければという前提が必ずつきますよっ」という線引きを明確にするのは、とても大事というか、イロハのイかロくらいです。
投稿情報: fuka_fuka | 2007年8 月25日 (土) 22:10
国語教師的にものすごい原則論言っちゃうと、ないことを証明するって無理ですもんね。
ついでにいえばこの診断書は一文が長すぎ。主語と述語が離れすぎているし「または」でつなぐのは2回くらいまで。私の授業なら即書き直しですw
投稿情報: キンキン@ダイコク堂 | 2007年8 月26日 (日) 01:03
古い古い投稿にコメントですが、
佐世保の猟銃事件を見るとこの診断書の意味が重要になってくるなって思います。
本当に行政が医師へ責任転嫁しているだけではないでしょうか。
こういう事件を防ぐためにも
この診断書を見直していく必要性があるんではないでしょうか。
投稿情報: 白熊もどき | 2007年12 月16日 (日) 20:41