(関連文献→) 妊産婦死亡 目次 妊娠経過中の脳出血 目次
これを読んで、医療者以外に理解しろ、というには結構難解な論文だと思います。
ただざっと目を通していただいて、ふむふむo(^-^)o..。*♡
と理解していただけるとありがたいです。
表2を見てください。
頭蓋内出血ってのは英語で発表された論文でも結構母体が亡くなるんだ、
お子さんも亡くなってるな~っておもいましたです!
あと年齢、若いですよね。脳出血って結構こわいですね!
あとは表3かな。妊婦さんの頭蓋内出血って結構いろんな理由がありますね。
ふむふむ。この例はすべて亡くなっている症例ですね。
奈良県の事件があってから、結構、妊産婦死亡における
脳出血は注目されている分野だと思います。
かなり亡くなっているな、というのがいろいろな論文に目を通しての感想です。ではどうぞ!
子癇と脳血管障害
日高敦夫
(産婦人科治療 vol.90 No5 2005/5 p923-930)
■はじめに
本邦における妊産婦死亡は,厚生省心身障害研究(平成6年~9年)「妊産婦死亡の防止に関する研究」によると,妊産婦約240万人中(1991年~1992年)230例の死亡(9.4/10万の死亡率)が認められた.うち,産科出血による死亡(3.69/10万)が最も多く,つぎに,頭蓋内出血(1.15/10万)に起因しその半数は,妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)との関連がみられる.ついで,妊娠高血圧症候群のなかでも頭蓋内出血以外の原因による死亡(O.74/10万)の順に母体死亡が報告された.なお,頭蓋内出血は全妊産婦死亡の12%に相当し,そして頭蓋内出血以外の原因にて死亡した妊娠高血圧症候群は8%を占めた.諸外国においても同様,子癇発作や脳血管障害による母体死亡は,画像などによる診断技術の進歩にもかかわらず,なお改善されず,全母体死亡の12%を占めている.また,1997年米国の母体死亡の23%は高血圧症に関連する報告をみる.このように頭蓋内出血のなかには妊娠高血圧症に関連する症例もみられ,しかもこれらは子癇発作と診断されることが多い.したがって,母体死亡の防止策には高血圧に対する管理はもとより,子癇発症と脳血管障害の病態把握のうえ,より的確な診断とすみやかな対応が求められる.
妊婦脳血障害の病態と分類
1.脳血管障害の病態
1)脳虚血
脳血流量の低下によるグルコースや酸素の不足.その誘因として,thrombis ,embolism, そして,decreased systemic perfusionがある。また,ischemiaは一時的な障害(TIA)と永久的脳障害としてのinfarctionに分類される.
2)脳出血
脳出血には,
①くも膜下出血(脳表面に出血し,また脳脊髄液に侵入),多くは動脈瘤,AVMなどから生じる.
②脳内出血(脳内の小血管から出血し脳表面へ侵出),多くは高血圧,時にAVMなどから生じる.
若い女性の脳卒中発症頻度(子癇を含む)は妊娠により非妊時に比し1.5倍の発症をみる.妊産婦10万人に対し4.4~67人の割合で,母体死亡率はその9%~38%を占め,生存しても神経学的後遺症が40%~63%の高率に認められる.そして,脳卒中のうち,高血圧性脳症と頭蓋内出血は最も死亡率が高い5-10)(表1,2).しかも,これらは子癇発作と関連することが多い6〕.したがって,妊娠中の脳はatypicalな子癇として診断されやすい
1)脳梗塞 Cerebral thrombosis
脳動・静脈両血管にみられるが,とくにcerebral veneous thrombosisは過凝固状態,感染,脱水などの過粘度などに関連し5)11)mulitifocalに脳乏血や塞栓を招き,頭蓄内圧を亢進させる11).本疾患による母体死亡はほかの二つのstrokeに比し少なく,pregnant relative riskも低い7〕(表1.2).発症時期も産褥期に多い8)(表2).なお,preeclampsiaはcerebral vemous thrombosisのリスクを高めないといわれている12).
症状は,矢状静脈洞やその静脈血管の血栓形成により,頭痛や痙攣が80%にみられ,同時に運動障害が起こりやすい.ほかに,発熱,乳頭浮腫,視力障害などをともなう.一方,血圧は必ずしも高血圧を示さない(表2)診断はMRI, MRA, CTなどにより,鑑別診断は子癇(初期病態では子癇との鑑別が困難である),spaceo㏄upying lesions(脳腫瘍など)や髄膜炎などを考える.
2)頭蓋内出血 Non-traumatic hemorrhagic stroke
血管の異常(動脈瘤,AVM)や高血圧に起因し,破裂と出血をともなう時にみられる.ほかにBerry aneurysms 桑実状動脈瘤は動脈硬化の血管病変をもつ妊婦に起こりやすく,しばしばpolycystic kidneyやマルファン症候群のごとき結合組織障害と合併しやすい13.14).とくにsubarachinoidal hemorrhageは妊娠により増加するが,その背景に妊娠の進行にともなった循環動態や内分泌的変化などが動脈瘤や血管奇形の破裂リスク因子となり,そのうえ,子癇などの高血圧が頭蓋内出血のunderling diseaseとして作動するものと考察されている15).しかし,コンセンサスは得られていない.また,頭蓋内出血が陣痛や分娩にともなう循環動態の変化により惹起される根拠も乏しく,したがって帝王切開分娩は産科的適応に準じて行われる13.14).ところで,妊産婦血圧管理が必ずしも十分に行われた確証はないが,妊娠時正常血圧例が陣痛や分娩を契機として,重症高血圧をともなって痙攣・昏睡状態が発症し,子癇,あるいは脳卒中にて母体死亡が認められる(表3-a).つまり,陣痛や分娩にともなう循環動態の変動が頭蓋内出血や子癇発作のリスク因子に関わらないとは断言できない.
症状は,突然急激な今までに経験したことのない頭痛,意識障害に始まり,痙攣あるいは昏睡comaをともなう.前駆的な少量の出血は一過性の頭痛“warning leak"2)を呈す.症状は出血量や場所によるが,Nuchal rigidityは一般的で頭蓋内出血を疑う.なお,高血圧がこうした急激なeventに先行することもあるが,頭蓋内出血そのものが頭蓋内圧をを高め,同時に代償しようとする血管性の高血圧を招く.したがって,出血後の高血圧は既存する高血圧の診断を不明瞭にする.つまり,妊娠高血圧腎症(preeclampsia)がみられない時は,AVMや動脈瘤は出血するまで正常血圧を呈しており,出血後は急に上昇し持続する.しかし,出血後の血圧はさまざまで,大量出血による血圧低下,あるいは頭蓋内圧亢進による高血圧などを呈す8).
診断は,Cerebral venous thrombosisと同様,すみやかにCT-scanを行う必要がある.Hemorrhagic strokeも子癇と誤診されやすく14〕,その背景に致命的な子癇では少なくとも40%に脳実質内の出血をともなうといわれている'3)
3)高血圧性脳症 Hypertensive encephalopathy
二つの病態が考えられる.
①高血圧に反応する脳血管収縮,その結果,乏血,浮腫が起こる.
②脳血管の強いられた拡張16},つまり高血圧が脳循環自動詞節に関わる脳細動脈血管の能力を凌駕する時,結果として過度な血管拡張が起こり,血液が血管外へ漏出し,脳浮腫が生じる16}.
最近の画像診断では後者の病態がより明らかにされてきた16-18).とくにposterior cerebral circulationが最も犯され,血管拡張が認められる.正常な状態では,脳循環自動調節は脳血流を詞節し,血圧の急激な変化に対する防御機構として働く.この調節機構は,多くはMAPが60~150mmHgの間で行われるが,自動調節機構の上限は人により異なる17.18〕.そして,この反応性は血管壁圧の変化後数秒で始まり,15-30秒以内で完成する18).いずれにせよ,それを凌駕する急激で著しい血圧上昇は高血圧脳症へと導き,通常SBP250mmHg以上,DBP150mmHg以上でよくみられる19).また,急激な血圧上昇は(たとえ,その血圧レベルが慢性高血圧症例ではよく耐え得るレベルであっても)脳症の発症をともないやすい.
症状は,急激な頭痛,悪心,嘔吐,眼症状,脳局所所見,知力障害などを呈す.そして,調節機構の破綻,血管壁の障害などが発作後のさらなる血圧上昇を招くことがある、したがって,この悪循環と低酸素脳症を回避すべく,発作に対しすみやかな対応が求められる27).
4)子癇 Eclampsia
子癇発作は全分娩のO.2%~0.5%からO.05%~O,8%とかなりの幅で報告されているが、概して先進諸国では低い傾向にある29).多胎妊娠では1.5%.母体死亡率は0-13%,児死亡は10~28%を示す.しかし,入院管理やMgS04の投与により近年減少傾向にある.そして,子癇発症時期は分娩前70~75%,分娩時,あるいは娩出後早期において25~30%の発症をみる.本邦においても同様な傾向を認める.妊娠高血圧症候群と子癇発症との関連は,発作予防手段を講じなかった1,559例の高血圧妊婦において,preeclampsiaからは4.3%,また加重型preeclampsiaでも2.1%に発症し,preeclampsiaに慢性高血圧症や妊娠高血圧症に比し高い子癇発症頻度をみる.
日本妊娠中毒症学会での重症ケースカード調査では
①純粋型妊娠中毒症の子癇発症頻度は,『P型の2.7%,h型の2.O%,hp型の1,7%,Hp型のq.6%にみられ,混合型でも,少数例の検討ではあるが,H型の2.3%,h型の2.8%にみられた.このように,子癇は重・軽いずれの高血圧症にも発症し,
②早・遅発いずれの発症時期においても子癇や網膜病変発症は同様な発症率を示した.
③血圧重度と合併症発症頻度との関係は,子癇,HELLP,胎盤早期剥離,網膜病変の発症は血圧の重度,とくに拡張期圧とに関連性がうかがわれた.
1)臨床所見
一般に,Eclampsiaはpreeclampsiaの症例が痙攣やcomaをともなう時に診断され,多くは初産婦に発症しやすい.そして,痙撃発作前には,約80%に腱反射尤進や頭痛,ならぴに不穏状態を訴え,時にtachysystolicな子宮収縮を呈し,50%弱に視覚障害。そして20%に上腹部痛を訴える.また,50%に重症蛋白尿や全身浮腫をともなう.その他multisystem disorderとしての肝・腎機能障害や血小板減少などをともなうことがある。一方血圧に関しては,SBP120~230(168±23mmHg)/DBP80-130(108±14mmHg)となりかなりの幅を呈し,およそ30%は軽症高血圧領域を示す.このような事実が最近の国際学会での妊娠高血圧における重・軽症分類が削除された背景にある.しかし,妊娠血圧症候群の母体死亡誘因は,頭蓋内出血を始めMOFや肺水腫,さらには早剥による出血などが多く,とくに重症高血圧や子癇発症と関連している(表3・a,b).したがって.薬物投与や管理上こうした分類の臨床的意義を無視できず,本邦ではこの重軽症分類が採択された.
ii)脳所見
脳浮腫,focal ischemic necrosis,そして頭蓋内出血など,高血圧性脳症と同様な所見がみられる.なお,こう高血圧性脳症でみられる乳頭浮腫,網膜出血は子癇やpreeclmpsiaでは稀である.
ところで.この両者は可逆性のposterior leukoencephalopathy syndroeとして知られている・後頭葉での脳浮腫がみられやすいが,その発症機序は明らかではなく,おそらく前方では交感神経支配が防御的作用―血管収縮による―を果たす一方・椎骨脳底動脈血管ではこの交感神経支配が比較的乏しく,急激な血圧上昇が椎骨脳底動脈への還流圧を高め後頭葉の浮腫を招くものと考えられる.
iii)脳循環弾態
子癇発作の脳血流量は,Preeclampsiaに比し増加し,しかもMAPがほとんどの症例で150mmHg以下であるにもかかわらず,脳血流とMAPが正の相関を持つ.このように正常な脳自動調節の上限を超える重症高血圧に至らなくても,生じる脳血流の増加は血管内皮恒常性維持機構の障害結果と考察される.最近のドプラー検査でも網膜血管を除いて,血管攣縮よりも血流増加が認められる.
Preeclampsaの多くは正常妊婦と同じ脳perfusion pressureをみるが,なかには正常な血管内皮恒常性維持機構が消失した結果,動脈圧亢進に対し防御反応としての脳動脈血管攣縮をもって対応する適切な反応ができなくなっている症例も存在する.したがって,軽症preeclampsiaでも子癇発作がみられる背景には,こうした脳動脈血管自動調節機構の変化と.上昇した高血圧の影響を受け,単に慢性高血圧だけの妊婦より脳浮腫が起こりやすい可能性がある.なお,慢性高血圧症では細動脈肥厚が生じ,自動調節機構がすでに右にシフトしている可能性がある7).したがって,慢性高血圧妊婦における脳還流圧の上昇は加重型preeclampsiaの前兆を予測させる.
ⅳ)子癇とほかの脳血管障害との鑑別
両者の鑑別は困難であるが.局所の脳神経異常症状や持続する昏睡(atypical eclampsia)・さらにMgSO4に奏効しない症例は子癇発作以外の病態を推察し,脳画像診断と神経学的検査などすみやかな鑑別診断が求められる.
子癇以外の脳血管障害は妊産婦では稀であるが極めて重篤であり,しかも予測できない合併症である.一方では重症高血圧が必ずしも脳内出血の予測因子とならないことも銘記すべきである.いずれにせよ,現状では診断の遅れや誤診の可能性は回避し難く,また,最近の有効な治療方法を導入しても予後の改善が得られるとも断言できない.
ⅴ)子癇の管理
多くは分娩時の血圧は上昇しやすく,不穏状態や腱反射亢進を呈する状態では痙攣発作が起こりやすい.こうした症例には分娩時,ならびに分娩後少なくとも24時間は厳重な管理(不必要な刺激は控え)とMgS04の投与が行われる.しかし.MgS04は重度の重症高血圧に対する降圧効果は乏しく,拡張期圧が100mmHg以上では,hydralazine (あるいはCa-blocker)などの降圧剤が必要となる.
降圧剤と脳循環との関係は,methyldopaでは脳perfusion pressureへの影響は少なく,nifedipineは増加,labetalolは減少・一方・MgS04は脳潅流圧亢進を低下させる働きがあり,脳潅流圧亢進状態と考えられている子癇発作や急性重症高血圧に対し効果的である.
脳血管障害の臨床
1.発症時期
一般に妊婦における脳血管障害は,妊娠後期から産褥期に発症しやすく,この傾向は子癇発作の時期とも一致している.また,重症高血圧をともない脳血管障害により死亡した多くの例は分娩周辺期にみられた(表3-a).
CTやMRIなどにより診断された脳血管障害(stroke)(24例)の後方視的検討でも発症時期は妊娠後期(71%)が最も多く,次いで,産褥期(25%),そして分娩期(4%)の順に認められた.このように分娩期の脳血管障害や子癇発症の頻度は妊娠時に比し必ずしも多くないが,産褥早期を含めると,全子癇症例の30%前後にみられる.しかも,分娩・産褥早期は妊娠期間に比し短期間であり,発症密度はむしろ高く,ほとんどが入院管理下の環境にある.したがって,この時期での妊産婦死亡防止対策に最善を尽くさねぱならない.まず,分娩時はもちろんのこと,とくに妊娠後期に上昇しやすい血圧のコントロールと,さらに血圧上昇にともなう子癇発症を未然に防ぐ管理体制,つまり腱反射亢進,不穏状態,子宮収縮のirritabilityなどのチェックとMgS04の投与,そして脳卒中鑑別診断の時期を逸することのない脳外科との連携が必要である.
2.各種病態の発症頻度
脳血管障害病態別(24例)では,脳梗塞が最も多く(58%).次いで頭蓋内出血(25%,動脈瘤,AVM.不明など),そして高血圧性脳症(13%)の順にみられる.なお,これらのなか42%は痙攣発作を呈し,はじめはeclampsiaとして診断された(表2).さらに,1991年から2000年までの6文献(表1)144例の子癇を含む脳卒中の検討でも80例が脳梗塞ischemic strokeで,その大半は動脈,あるいは静脈血管の梗塞による.残り64例は頭蓋内出血hemorrhagic strokeで,多い順に頭蓋内出血,くも膜下出血.そしてAVM,子癇,動脈瘤などによる脳出血であるが,これらhemorrhagic stroke症例中には高血圧脳症も含まれている.同様に,本邦においても頭蓋内出血死亡例の46%は重症高血圧を呈した(表3-a).
ところで,妊婦の非出血性脳卒中の47%,また頭蓋内出血の44%は子癇と関連し,予後不良な脳卒中がもたらされる.こうした報告からも高血圧に痙攣発作やcomaをともなう場合は子癇との鑑別が困難であることを傍証している.
3.高血圧との関連
高血圧との関連では高血圧性脳症が,MAP=177±46㎜mHg (290/180~160/110mmHg)を示し最も高く,次いで脳梗塞の122±28mmHg (180/130~100/60mmHg)そして,頭蓋内出血が98±29mmHg (180/110~70/50mmHg)を呈し,脳梗塞や頭蓋内出血では必ずしも高血圧を示さず血圧の低い症例もみられる(表2).
本邦における脳血管障害(n=28)(筆者による症例の再検討)による母体死亡においても,46%(n=13)は高血圧と関連し(子癇発作との鑑別は不明),頭蓋内出血により母体死亡に至っているが,うち46%(n=6)は妊娠時に重症高血圧や痙攣・昏睡などを呈し,残り54%(n=7)は妊娠時の血圧は正常で,分娩時・産褥早期に初めて重症高血圧や痙攣発作を示した.この妊娠時血圧が正常とされていた症例は,分娩周辺での血圧管理が十分に行われていたのか,あるいは脳卒中後に初めて血圧の上昇を認めたのか,いずれも明らかでない.一方,高血圧を呈さずに死亡した症例(n=15)の脳血管障害は,AVM(1例),モヤモヤ病(2例),動脈瘤(1例),外傷(1例)など,その他多くは不明(10例)である(表3-a).したがって.重症高血圧が必ずしも脳卒中の予知因子とはならない.
4.脳卒中リスク妊娠の分娩様式
リスク妊婦の分娩様式に関するコンセンサスは得られていない.しかし,AVMや動脈瘤の破裂が分娩中に発生する危険性もあり,分娩そのものが脳出血のリスクを高めることから,帝王切開分娩を薦める報告もある(8-discussion).一方.経膣分娩を選ぶ時は,Valsalva maneuverをできるだけ避け,分娩第Ⅱ期の短縮が望ましい.
まとめ
妊娠後期,分娩・産褥期に発症しやすい脳血管障害は必ずしも多くはないが,それに起因した母体死亡は極めて高い.その対策は妊婦血圧管理の徹底,そして腱反射亢進や母体不穏状態などの出現を看過せず、まず子癇発症防止としてMgSO4の投与を行う.しかし,痙攣発作が薬物に奏効せず・しかも持続する際には早急に子癇発作以外の脳血管障害の鑑別が必要となる.
これを読んでいても、子癇と脳血管障害の鑑別はきわめて困難ということですね。違いは硫酸マグネシウムが有効かどうかと神経症状の有無?むずかしい・・・
投稿情報: 山口(産婦人科) | 2007年7 月14日 (土) 12:35
結局、母体死亡の例も、脳出血の有無は後からわかっても、
それが子癇だったのかどうかわからないんですよね。。。。
頭蓋内出血の母体死亡例をみても血圧みんな低いですもん。(表2)
病理は最近は身を守るためにも必須になってきているように感じますが、解剖しても子癇だったかなにか基礎疾患があったのかはわかるのかな!?って気がします。
どちらにしても死亡率が高くて、発症を予見することは不可能で、
児を救命することだってむずかしいのは間違いないのですが・・・。
誰か一人だけでもこの論文ちゃんと理解してくれる人が
読んでくれてよかったo(^-^)o ..。*♡
上げた甲斐がありました!
投稿情報: 僻地の産科医 | 2007年7 月14日 (土) 17:14
<致命的な子癇では少なくとも40%に脳実質内の出血をともなう>
この一文が最もインパクトがありました。日本の脳外科医は全員熟読すべき論文ですね、ありがとうございました。これから先、専門医試験でもっと出題されるべき分野でしょう。
脳外科見習い先生が受験する時には必ず出題されるでしょう。
投稿情報: Taichan | 2007年7 月15日 (日) 05:17
わぁいo(^-^)o ..。*♡ ここにも専門医がひとり!
結構むずかしいんですよね、妊婦さんの痙攣って。
(児が中にいますし)常々厳しいなぁと思っています。
脳出血が注目されたのはいい機会だと思って、
せっかくなので勉強していきたいと思っています。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2007年7 月15日 (日) 09:08