(関連文献→)加齢と妊娠リスク 目次
高齢出産の危険性 今年(2007年)の新生児学会抄録より
ポスターセッションから二つでていましたo(^-^)o 。
P・399当科における高年初産の検討
香川大学医学部周産期学婦人科学
○花岡有為子,柳原敏宏,犬走英介,金西賢治,山城千珠,田中宏和,秦利之
【目的】
近年の女性の杜会進出に伴う晩婚化や不妊治療の進歩により妊産婦の高年齢化が進んでいる.高齢妊娠の増加に伴い,高年初産も増加の傾向にある.今回我々は,当院にて取り扱った分娩時35歳以上の高年初産症例において,妊娠および分娩予後についての検討を行ったので報告する.
【方法】
対象は2002年1月から2006年12月までの5年間に当院で22週以降に分娩となった単胎637症例とした.このうち37週以降で分娩となった正期産の571症例について,分娩時の年齢が35歳未満の群と35歳以上の高年初産群に分けて比較検討した.統計学的検討にはt検定とX2検定を行い,p<0.05で有意差ありとした.
【成績】
637例のうち,分娩時の年齢が35歳未満は573例,35歳以上が64例であった.分娩時週数が37週未満であった早産率はそれぞれ12.5%と10.1%で有意差がなかった.正期産の571症例において35歳未満の群515例と35歳以上の高年初産群56例とで妊婦貧血,入院加療必要な切迫早産,異常分娩(鉗子・吸引分娩,帝王切開),軟産道強靱,分娩停止,胎児ジストレスの有無について比較検討した.このうち妊婦貧血と異常分娩についてはp:O.O051,p=0.Oo1で,高年初産群で有意に高率にみられた.妊娠中の体重増加については両群で有意差はなかった.また,分娩予後に関して35歳未満の群と35歳以上の高年初産群でそれぞれ比較したところ,新生児体重は3010.3±416.5gと3088.4±449.5g(p=0,044)で高年初産群で有意に出生体重が重たかったが,Apgars core1分値は7.6±1.5と7.2士1.7(ク=o.025),UApHは7,254±o.537と7,156±0.933(p:O.008),分娩時出血量は528±402gと695±545g(p=O.016)となり,いずれも高年初産群のほうが成績が悪かった.
【結論】
高年初産における妊娠・分娩には周産期異常の出現が高くなる.今回の検討により明らかとなった高年初産におけるハイリスク事象を十分認識したうえで,妊娠・分娩管理を行ってゆく必要がある.
P-400 当院における高年出産の続計―初産と経産にわけて―
日本大学医学部産婦人科
○永石匡司,渡辺征雄,中島義之,正岡直樹,山本樹生
【目的】
女性の社会進出などによる晩婚化,少子化に伴って高年出産は増加傾向にある.初産年齢の上昇に伴い,経産年齢の上昇でも産科的有害事象の増加が危倶される・今回は当院における35歳以上の高年初産と40歳以上の高年経産について検討した.
【方法】
1987年1月から2000年3月までに分娩した日本人9634例で,初産を35歳で経産を40歳でわけて母体背景,産科合併症,偶発合併症,児の出生時現症,合併症,付属物異常などにつき後方視的に検討した.
【成績】
高年出産の割合は1987年の14.3%から1999年の20.4%まで増加していた.日本人9634例中初産は5925例(61.5%)で,経産は3709例(38.5%)であった.初産で35歳未満は5186例(88.2%),35歳以上は695例(11.8%)であった.このうちSGA児はそれぞれ244例(4.7%),58例(8.4%),早産は566例(11.2%),114例(16.8%)で高年初産に有意に多かった(p<O.001).経産で40歳未満は3581例(97.1%),40歳以上は107例(2.9%)であった.このうちSGA児はそれぞれ193例(5.4%),9例(8.4%),早産は461例(13.1%),21例(19.8%)で高年経産に有意に多かった(p<O.05).高年初産の背景は肥満,常勤職,不妊症治療後が多かった.偶発合併症では心血管系異常,本態性高血圧,甲状腺機能尤進症,その他の甲状腺機能異常,子宮筋腫が多く,産科合併症では妊娠糖尿病,妊娠高血圧症侯群,多胎,前置胎盤,羊水過多が多かった.分娩時異常はnon-reassuring fetal status, 胎位異常,軟産道強靱,CPDが多く,分娩方法は帝王切開が予定,緊急ともに多かった.新生児異常はSGA児,奇形,チアノーゼが多かった.高年経産の背景は前置胎盤や出血多量の既往,骨盤位の既往,偶発合併症ではその他の甲状腺機能異常,子宮筋腫が多く,産科合併症では妊娠高血圧症侯群が多かった.分娩方法は帝王切開が予定,緊急ともに多かった.
【結論】
当院でも高年出産は増加傾向にあり,背景に生活習慣病に類する疾患が多かった.分娩方法は帝王切開が予定,緊急ともに多かった.新生児異常は早産児,SGA児,奇形が多く,実際に新生児管理を要する症例が多かった.
こういうデータをみると、怖くなります。これまで、忙しくて、忙しくて。これから、誰かみつけて、結婚できたら−なんて、子供も欲しいなーとか、思っているので、、。どうしよう。30代も終わりに近づいているんですけどー。
投稿情報: green leaves | 2007年7 月16日 (月) 19:38