今日も医師不足のニュースを中心に、それに伴う現場の努力と破綻をお伝えしていきますo(^-^)o
さて、昨日松本病院と中信松本病院の統合ニュースをお伝えしましたが、
今日は北海道と愛知からそれぞれ経営母体の違う病院合併の模索を。
それから重要なのは、医療機関の倒産ニュースでしょうか?
医師がいなくなれば、赤字額が相乗的に増えることは江別や舞鶴でも示されていましたが
亀岡でも同様のようです。
そして重点化にオープンシステム、民間医局による非常勤医活用への動き。
あと割り箸事件が注目です。『救命の可能性』はないと私はおもうのですが。。。
職業柄とはいえ、検事もあまりにも無茶をおっしゃいます!
あとあれこれ。適当に拾っていってください。
お産SOS、読売岩手の医療ルネッサンスも力投中。
お産SOSの中のこの言葉は光ります。
医療トラブルで寄せられる相談のうち、「半分は患者側の思い込み」
まずは相手の話に耳を傾ける。
医療者にとっては基本でしょうけれど、
患者側にも必要な態度だと思うのです。ではどうぞ!
病院統合:美唄の市立、労災2病院 厚労省と本格協議へ--来年4月めど /北海道
毎日新聞 2007年6月12日
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/hokkaido/shakai/news/20070612ddlk01100090000c.html
美唄市の桜井道夫市長は11日記者会見し、経営が悪化している「市立美唄病院」(209床)と「美唄労災病院」(300床)が、来年4月をめどに統合されることを明らかにした。市が労災病院の建物を引き継ぎ、新病院として運営する。市町村の公立病院と労災病院が統合されるのは、全国で初めてという。近く、厚生労働省と本格的な協議に入る。
市によると、市立病院は医師不足や医療制度改正などの影響で年々経営が悪化。06年度決算は累積赤字が20億2800万円に達する見込みとなっている。このため、市内にあるもう一つの総合病院である労災病院と統合し、地域医療を確保しようと今年1月から、労災病院を運営する独立行政法人「労働者健康福祉機構」と協議を続けてきた。
その結果、今月6日(1)両病院を来年4月を目途に統合(2)新病院は労災病院の施設を利用して市が運営する(3)労災病院が行っている「せきつい損傷医療」を引き継ぐ--などの内容の「中間とりまとめ」がまとまった。桜井市長は「同機構と連携して医師の確保に努めるとともに、地域医療とせきつい損傷医療の存続を図りたい」と話した。
市立病院は現在7科で常勤医が10人、労災病院は17科で常勤医は22人。新病院の診療科目、ベッド数は今後協議する。桜井市長は「現在の労災病院の規模を保ちたい」と語った。
公・民2病院が統合検討 医師不足対策 愛知・東海市で協議会設立/愛知
中日新聞 2007年6月13日
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2007061302023645.html
全国的に医師不足で病院経営が圧迫される中、愛知県東海市と医療法人「東海産業医療団」が、それぞれ経営する東海市民病院(百九十九床)と中央病院(同市、三百五床)の統合を視野に入れた協議会の設立に合意したことが十二日分かった。厚生労働省などによると公立病院と民間病院の統合は珍しいという。
関係者によると、同医療団が両病院の再編・統合を含む連携を模索する協議を市に申し入れ、市が受諾した。協議会は七月をめどに設置。市と医療団、医療団に出資する新日鉄がメンバーになる予定。県と市の医師会や県、大学医局などにもアドバイザー的な立場でかかわってもらう。順調なら来春にも新病院が発足する可能性がある。
常勤医師数は、東海市民病院がピークの二十五人から現在は二十人に、中央病院は二十八人が十六人に減少している。こうした医師不足の影響で、中央病院は整形外科が休診。産婦人科、消化器科、小児科、耳鼻科は入院受け入れをやめた。
東海市民病院も産婦人科が診療対象を正常分娩(ぶんべん)に絞り、呼吸器科は秋から入院を取りやめて、外来の受け入れ日を減らす予定。医師の当直態勢も逼迫(ひっぱく)し、夜間寝ずに翌日の外来をこなす過重労働が問題化している。しかも、一方で累積赤字は約四十七億円に膨らんでいる。
市は、今回の動きと並行して隣の同県知多市民病院(三百床)との連携も模索していくという。
亀岡市立病院 赤字2・5倍 医師辞職 入院患者の受け入れ停止響く/京都
京都新聞 2006年6月12日
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007061200123&genre=A2&area=K40
京都府亀岡市立病院(同市篠町)の2006年度収支が、約1億2560万円の赤字になることが12日、分かった。年度途中に常勤の整形外科医が相次いで辞職し、同科の入院患者の新規受け入れを止めたことなどが収益悪化につながったといい、赤字額は前年度の2・5倍近くに上った。この日開かれた6月定例市議会の一般質問(会派代表質問)で、並河昭数・病院事業管理者が06年度決算見込みを明らかにした。 同病院によると、整形外科には2人の常勤医師がいたが、昨年9月と12月に相次いで退職。外来患者については、非常勤の医師が診察したが、入院が必要な患者は「病院の診療に責任を持つ常勤医師がいなくなった以上、受け入れは控えざるを得ない」(同病院管理部)として、今年5月に常勤医師1人が着任するまで、新規の入院患者受け入れを取りやめた。 整形外科の新規入院を控えたことで、昨年12月以降の病床利用率は60%台に低迷。開院3年目に入り、市の一般会計からの繰入金が減ったこともあるが、入院患者の減少が赤字拡大の大きな要因になったという。 04年6月に開院した同病院の単年度赤字額は、初年度が3969万円、05年度は5029万円になり、3年目で1億円を超えた。同病院管理部は「直近の実績では、病床利用率は8割を超しており、昨年度の赤字拡大は特別の要因があったからだと考えている。医師不足はどこも深刻だが、安定的に配置してもらえるよう、引き続き府や府立医大にお願いしていく」としている。
医療機関の倒産急増 診療報酬引き下げで収入減
asahi.com 2007年06月12日
http://www.asahi.com/health/news/TKY200706120330.html
医療機関の倒産が急増している。信用調査会社の帝国データバンクのまとめによると、法的整理による倒産件数は今年1~5月で全国で28件に上り、01年以降で最悪のペース。06年度の診療報酬引き下げによる収入減が大きな要因で、同社は「小規模の医療機関を中心に年後半はさらに増えそうだ」とみている。 医療機関の倒産件数の推移 今年の28件のうち、民事再生法が8件、破産が20件。負債額5億円未満が15件と約半数を占める一方、30億円以上の倒産件数(5件)は過去6年間の合計件数にすでに並んだ。事業規模の大きい医療機関は民事再生法、診療所や歯科医院など規模の小さいところは破産を選択する傾向が強くなっているという。
帝国データが全国の医療機関(病院、診療所、歯科医院)による民事再生法や破産手続きの申請など法的整理件数を調べたところ、02~06年はほぼ横ばいだったが、今年は例年の倍近いペースで増加。01年以降で最も多かった04年(32件)を超える勢いだ。
主な倒産原因については、診療報酬の減少による「販売不振」が7件、「設備投資の失敗」が8件と多く、「放漫経営」が3件だった。
産婦人科医重点化病院 王子総合など追加 計8カ所 道、来月にも素案
北海道新聞 07/06/13
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/life/31858_all.html
道は十二日、産婦人科医を重点配置する「総合周産期母子医療センター」の機能を果たす病院を道内八カ所と定め、七月中にもまとめる集約化計画素案に盛り込む方針を固めた。三月にまとめた骨子では六病院だったが、医療圏域の広さを考慮し、名寄市立総合病院と苫小牧市の王子総合病院を新たに加えた。 素案では、冬季に車で百二十分以内に出産できる病院がほかにない地域の病院は、医師や機能を集約化しない方針も打ち出す。この方針に基づき、市立根室病院と浦河赤十字病院を「地域周産期母子医療センター」と位置づけ、将来的に産婦人科医がいて出産ができる体制を整備する考え。 「総合周産期母子医療センター」は産婦人科医五人以上と新生児担当医を配置。母体・胎児集中治療管理室や新生児集中治療管理室を備え、高度な専門医療を担う。名寄と苫小牧以外の六病院は、市立札幌病院、函館中央病院、旭川厚生病院、釧路赤十字病院、帯広厚生病院、北見赤十字病院。
陸前高田市議会 県病院問題で市長答弁「循環器疾患は気仙沼へ」/岩手
東海新報 2007年6月13日
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws2610
陸前高田市議会六月定例会は休会明けの十二日、通告に基づく一般質問を行った。大坪涼子(日本共産党)米澤政敏(無会派)千田勝治(新志会)菅原悟(同)の四議員が登壇し、市政課題をめぐって当局と論戦を展開。昨年度から今年度にかけ、県立大船渡病院の循環器科医師が天から.天になったことに伴い、中里長門市長は緊急措置として「循環器系の疾患で救急搬送する場合は、県立高田病院での初期治療後、気仙沼市立病院へ搬送できるよう話を進めている」と答えた。
県立病院の医師確保問題を取り上げたのは大坪議員。「気仙医療圏の基幹病院である大船渡病院の医療体制が縮小されている中、救命救急に対応するには近隣の医療機関との連携が求められる」とし、市の対応を質した。
市内の救急患者は大半が県立大船渡病院の救命救急センターに搬送されているが、同病院の循環器科医師が減っていることから、中里市長は「心臓疾患などの患者は高田病院で初期治療し、気仙沼市立病院へ搬送できるよう関係者と協議を進めている」と答えた。
また、「休日診療については、気仙二市一町が費用を負担し、気仙医師会や気仙歯科医師会に協力してもらっている」とし、救命救急センター医師の負担を軽減するためにも「今後は夜間診療も気仙医師会の先生方にお願いできればありがたいと思っている」との考えを示した。(後略)
地方勤務2年で研修費県、来年度から新制度/大分
2007年6月13日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/oita/news003.htm
治療費未払い者には断固たる措置を
オーマイニュースインターナショナル 2007年6月13日
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070610/11970
益田医師会病院がスタッフ向け保育所建設へ/島根
山陰中央新報 '07/06/13
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=406991006
総合メディカル、非常勤医師向け求人サイト開設(07/06/13)
日経ネット九州版 2007年6月13日
http://www.nikkei.co.jp/kyushu/news/20070613000000378.html
産科オープンシステム 松沢さん(津)利用し初出産/三重
中日新聞 2007年6月13日
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20070613/CK2007061302023589.html
子どもの急病相談が好評
公明新聞 2007年6月12日
http://www.komei.or.jp/news/2007/0612/9016.html
看護師受験35歳まで 県立病院
琉球新報 2007年6月12日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-24562-storytopic-1.html
医師確保対策を確実に
公明新聞:2007年6月12日
http://www.komei.or.jp/news/2007/0612/9011.html
研修医の地方“誘導”など具体策 国は具体的支援を 緊急対策には公明党の主張が随所に盛り込まれたが、その実現に向けては課題も多い。特に、緊急・当面の対策として、医師の派遣について規制を緩和、国立病院機構の病院(国立病院=146病院)や規模の大きな民間病院を中心に派遣機能を持たせ、国が都道府県からの求めに応じて自治体病院などに医師を派遣するとしたことについては、派遣元に想定される国立病院自体で医師が不足しているなど、実施は容易ではない。“掛け声”だけに終わらせないための国の覚悟と、実現に向けた具体的な支援が問われることになろう。 中期的な対策では過酷な勤務から“立ち去り型サボタージュ”が広がる病院勤務医に交代勤務などを徹底し、過重労働の解消をめざす。また医師、看護師、助産師、医療補助者らの業務分担を見直して診療報酬上の評価を行い、医師の仕事や事務量を軽減する。新卒医師の3割を占める女性医師のために、院内保育所の整備など職場環境を改善し、離職した女性医師の復職も支援、促進する。 このほか、 医師不足対策では、へき地を中心に医療が崩壊しかねない地域への医師派遣が緊急対応として急がれるが、それだけで医師不足が解消されるわけではない。その意味で、緊急医師確保対策に、新医師臨床研修制度の導入で様変わりした、主に地方への医師派遣システム立て直しに向けた取り組みを提言していることが注目される。 2004年度から始まった医師の卒後臨床研修制度は、それまで主に出身大学の医局が担ってきた臨床研修や医師派遣に大きな変化をもたらし、研修医の多くが大都市の一般病院で研修を受けるようになった。その影響を受けて医師が不足するようになった大学が、派遣先から医師を呼び戻した結果、医師派遣を受けていた地方の公立病院などで医師不足を深刻化させている現状がある。 そこで緊急対策では、都市部の病院への研修医集中の是正に取り組む。具体的には都市部の病院の研修医の定員を見直して集中を是正するとともに、大学病院も含め、研修定員の配分に応じて医師派遣への協力を要請することなどが想定されている。 医師数は「十分」か
まとめられた医師確保対策を確実に進めることで、誰もが安心して医療を受けられる体制づくりが加速することを期待したい。政府・与党は先月(5月)末、地方を中心に深刻さを増す医師不足や偏在に関する「医師確保対策に関する政府・与党協議会」を首相官邸で開き、与党がまとめた「緊急医師確保対策」を了承した。政府の「骨太の方針」に盛り込み、2008年度予算に反映させる。
(1)都市部に集中する研修医を地方に誘導するため、定員の在り方を見直す
(2)出産事故に備えた補償制度の早期実現、医療中に死亡した患者の死因究明制度(医療事故調査会)の構築
(3)医学部の定員増を臨時的に認め、地元定着率が高い「地域枠」を拡充――などを盛り込んでいる。
医師不足に関連して、主に小児科、産科で、分散している医師を一カ所に集め、良質な医療を受けられる体制を確保する取り組みも進められている。とはいえ、今回の対策も含めこれらはいずれも緊急的な対応であり、長期的に医師は不足しないとする国の判断は変わらない。本当にそうか、当面の対策を進めながらも慎重に見極める必要があるのではないか。
医療機関数「ワースト1」に上田知事反論/埼玉
産経新聞 2007/06/13
http://www.sankei.co.jp/chiho/saitama/070613/stm070613000.htm
11日夜に行われた上田清司氏の「業績評価・マニフェスト検証大会」で、佐々木信夫中央大教授が「埼玉は医療機関の県民当たりの数がワースト1だ」と指摘したことに対し、上田氏は12日の知事定例会見で「10キロ四方での医師数で埼玉は全国で6番目に医師が多い」などと反論した。 県医療政策課によると、県の人口10万人当たりの医師数は129.4人(平成16年12月)で、全国最下位。病院病床数も17年10月で46位。しかし国は最近、面積100平方キロ当たりの医師数を都道府県の比較指標としており、県は242人で全国平均(67.9人)を大きく上回り、6位だという。上田知事は「医療で決定的に何かが不足しているわけではない。講評者は相対的な指標を知らない」と批判した。
トイレ出産の女子生徒を殺人容疑で逮捕、男児は便器で水死
2007年6月12日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070612ic24.htm
新潟県長岡市の県立高校内のトイレで、同校3年の女子生徒(18)が男児を出産し、男児が死亡した事件で、長岡署は12日、女子生徒を殺人の疑いで逮捕した。 調べによると、女子生徒は今月5日午後5時ごろ、校内の女子トイレの個室で、洋式の便器の水の中に男児を産み落とし、水死させた疑い。司法解剖などの結果、男児は生きて産まれた後、便器内の水を飲むなどして窒息死したことが分かり、同署は、死亡する可能性を認識しながら便器内に産み落とした行為が「未必の故意」に当たると判断。殺人容疑での立件に踏み切った。 女子生徒は「トイレで産んでしまったが、処置に困った」と話しているという。女子生徒は出産直後、トイレから携帯電話で友人に連絡。駆けつけた友人と教諭が一緒に男児を病院へ運んだが、男児は間もなく死亡が確認された。
無線気付かず救急出動遅れ=音量小さく、男性死亡-大津
時事通信 2007年6月12日
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007061200353
検察「救命できた」 割りばし事故の控訴審
東京新聞 2007年6月12日
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007061201000579.html
東京都杉並区で1999年、割りばしがのどに刺さった保育園児杉野隼三ちゃん=当時(4)=が杏林大病院(東京都三鷹市)で治療後に死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われ、1審判決で無罪を言い渡された当時の担当医根本英樹被告(39)の控訴審初公判が12日、東京高裁(阿部文洋裁判長)であった。 昨年3月の東京地裁判決が、割りばしが頭の中まで達していることを想定せず、十分な診察や検査をしなかった過失を認めた一方で「気付いても救えた可能性は極めて低かった」と、死亡との因果関係を否定したことに対し、検察側は「正しい判断を前提に適切な措置をすれば救命できた」と主張、禁固1年の刑を求めた。 弁護側は1審と同様に「割りばしが頭の中に到達したと想定することは不可能だった」と無罪を主張した。
入院3日で200万円!海外を楽しむ前の保険選び
日経ビジネスオンライン 2007年6月12日
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/ca/08/
驚きの医療費! 入院3日間で200万円 ―― これは米国で盲腸手術をし、3日間入院しただけの費用の総額だ。 海外旅行は、今や国内旅行より割安なものがあり手軽になったが、そこはやはり異国である。日本とは違うところも多々ある。その一つが医療費のシステム。 まず高額な医療費で有名なニューヨークを例に取ってみる。入院した場合は室料だけで1日2000~3000ドル(1ドル120円として日本円で24万~36万円)、専門医で受診すると200~500ドル(同2万4000~6万円)かかるところもあるという。また医療費の請求額や請求明細書が間違っていることもしばしば見受けられる。 特に高額な費用を請求されるものにストレッチャー(担架)を使った日本への帰国費用が挙げられる。ニューヨークから定期便を利用して、医師と看護婦1人ずつ付き添ってもらっての帰国の場合、800万円以上かかるといわれている。 経済発展の著しいインドではどうだろうか。この国は周辺国より医療水準が高いという。だがそれは都市部の近代的な私立病院の場合のことであって、国公立病院では人口過剰や財政的な面から充分な医療サービスが受けられないのが現状のようだ。 都市部には邦人が利用できる近代的な私立病院やクリニックがあり、欧米で研修した優秀な医師が勤務している。ただ医師以外の医療スタッフのレベルが低く、重症な疾患の場合や手術の場合には感染症などの合併症のリスクが考えられるという。 インドで、医療に問題があったために近隣の先進国や日本に緊急搬送されるケースも少なくないという。先ほどニューヨークからのストレッチャー代に触れたが、海外の場合、それほどの重病人でなくても緊急搬送される場合もあることを認識しておいた方がよいようだ。
お産SOS 第9部/リスクと向き合う(3)限界/対話深める 解決策探る
河北新報 2007/06/12
http://blog.kahoku.co.jp/osansos/2007/06/post_57.html
勝訴の瞬間、息子の顔が浮かんだ。「お金をもらっても、あの子の障害は治らない」。素直には喜べなかった。 国は今年から、「無過失補償制度」の検討に入った。病院側の過失の有無にかかわらず、出産時に重い脳性まひになった子どもに数千万円を支給する。両親は「わたしたちのような親は助かると思う」と期待を寄せる。 判決や和解の後も、わだかまりは消えない訴訟。補完する仕組みとして注目されているのが、第三者を介して医師と患者が対話を進める「医療版ADR(裁判外紛争解決手続き)」だ。関東の一部の病院や医師会が、既に取り入れている。 【写真説明】脳性まひなどで障害がある子どもらを支援するため、全国の医療機関に設置された「おぎゃー献金」の募金箱。児童福祉施設の運営などに役立てられる=仙台市青葉区の東北大病院
青森県の20代の女性は2003年8月、地元の病院で長男を産んだ。泣き声は聞こえなかった。脳性まひだった。
出産後、病院の対応に疑問を抱いた。説明を求めても、担当医に会えたのは一度だけ。言葉はあいまいで、胎児心拍数など分娩(ぶんべん)中の記録は一部がなかった。不信感が募り、翌年提訴した。
今も寝たきりの状態が続く。「長生きしてほしい。でも、この子を置いて死にたくない」
一審は両親の訴えをほぼ認め、今春、病院側に賠償金の支払いを命じた。直後に病院は控訴した。「あと何年かかるのだろう」。先の見えない裁判に、疲れを感じる。
産科医療訴訟の中で、新生児の脳性まひをめぐる争いは多い。過失の立証責任は患者側が負う。審理は長期に及びがちで、経済的な負担も重い。
制度には産科医不足対策の側面もある。家族は裁判で勝たなくても補償を受けられる。若手医師らが産婦人科を敬遠する理由の1つ、訴訟を抑える効果を見込む。
「医師の正直な気持ちを知りたくて、訴訟を起こした。お金だけで片付けようとするなら、減らないのでは」。05年に仙台市の産婦人科医院を訴え、係争中の30代の両親は懐疑的にみる。
02年5月、産院から搬送された病院で、長女は仮死状態で生まれた。脳性まひだった。「モニターで異常に気付きながら、放置した。もっと早く転院や帝王切開を決断していれば、こんな結果にはならなかった」
医師からも疑問の声は出ている。医療訴訟で鑑定人を数多く務める産婦人科医の我妻堯さん(77)=東京=は「先天性か、出産の経過で起きたか、脳性まひの判断は難しい。それを考慮しないで導入しても、訴訟は減らない」と問題点を挙げる。
勝ち負けを争う裁判と違い、患者側が望む原因究明や再発防止に重点を置く。仙台市の弁護士小野寺信一さん(59)は「患者が訴訟で勝っても金銭が得られるだけ。謝罪すらない。ADRなら、気持ちに沿った解決策を探れる」と説明する。
医療トラブルで寄せられる相談のうち、「半分は患者側の思い込み」と小野寺さん。医師が「説明した」と思っても、難解で伝わらない例が少なくない。「対立を深め、患者との関係を崩壊させる訴訟は、医師にとっても救いにならない」
限界が見える訴訟に代わり、医師と患者の溝を埋める枠組みが求められている。
医療ルネサンス3回目「供給異変」/岩手
2007年6月13日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news006.htm
医大の若き戦力 激減 県内27の県立病院や地域診療センターに所属する医師511人(今年3月末)の半数を供給し、県内の医師供給システムの要となってきた岩手医大。研修制度によって配下の医師が激減した。 「大学に新卒の医師が来なくなった以上、大学病院としての機能を維持するには、各地の病院から派遣医師を引き上げざるをえない」。小川彰医学部長(57)は、地域医療の現場で起きている医師不足の原因をこう説明する。 研修制度は、医師免許を取得した新卒医師に対し、2年間の臨床研修を義務づけた。これまで、新卒医師の多くは医学部卒業後も大学に残り、ベテラン医師のもとで専門知識を学びながら、医療現場でのあらゆる仕事に携わって医局を下支えしてきた。 それが、研修制度によって様変わりした。 医局の医師不足を補うためには、県内各地の病院に派遣している医師を引き上げるほかはなく、これまでの岩手医大を中心とした医師供給システムは機能不全に陥った。 制度導入から4年目となり、2年間の研修を終えた医師たちが岩手医大にも戦力として戻ってきた。06、07年度に約40人ずつが医局に入った。とはいえ、いったん機能不全になったシステムを元に戻すのは難しい。 県立中央病院では、研修医の内定率が04~06年度の募集定員約20人に対して80%~100%を維持する「全国有数の人気」(県医療局)。県医療国保課は「医師の自給自足につながれば」と期待を寄せる。 ◆メモ
医局から“医師の卵”が消えた――。
2004年4月から始まった臨床研修制度。「総合力のある医師を育てる」ことをうたったこの制度が、創設100年余の岩手医科大を揺るがせている。
制度導入前、岩手医大には毎年40人前後の卒業生のほか、学外からも10人程度の新卒医師が入ってきた。しかし、04年度は20人、05年度が16人に激減。しかも、研修医たちは、内科、外科、産婦人科などの診療科を回って研修に専念するため、医局にとっては“戦力外”の存在でしかなくなった。
「地域の実情が分からない国の政策で、瀕死(ひんし)の状態だった地域医療にとどめを刺された」。小川医学部長は、憤りを隠さない。
「専門技術を学ぶなら地方の大学より都会の大学」「一般病院は大学より症例数が多いし、待遇も良い」
若手医師たちは自ら研修先を選ぶようになったことで、研修後の就職先を選ぶ目も、格段にシビアになった。研修医の確保もままならない岩手医大を尻目に、県立病院の中には研修制度を追い風に医師を確保する病院もある。
制度導入以降、県内の医師の定着率は8割を超えた。大学病院を頂点とする医療現場に一石を投じた臨床研修制度。地域医療を再生させるきっかけとなるのか、模索が続く。
臨床研修制度では、新卒医師の研修先は、病院側と研修医が希望を出し、一致した場合に決定とする「マッチング方式」で決まる。06年の岩手医大病院のマッチング率は10%で、05年の36・7%から大きく低下。希望が一致しても辞退するケースも。地方大学病院にとってマッチング率向上と研修医確保が課題となっている。
県内でも中国製健康食品で被害 ステロイド医薬品を検出
長崎新聞 2007年6月12日
http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20070612/04.shtml
コムスン商法(下)介護業界に大打撃
「利用者もスタッフも不幸」
2007年6月12日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/feature/20070612ik05.htm
女性3割「差別感じた」 県内の就職活動調査
神戸新聞 2007年6月12日
http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/kz/0000379201.shtml
男女雇用機会均等法に基づく相談は322件
福島放送 2007年6月12日
http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=2007061218
健康知識 患者も学ぼう
2007年6月13日 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamaguchi/news004.htm
自殺3万人超 原因の究明が防止策の基本だ
2006年6月12日付・読売社説
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070611ig90.htm
はしか:患者数、流行開始以来初めて減少 ピーク越える
毎日新聞 2007年6月12日
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070613k0000m040043000c.html
飲むワクチン:東大医研など開発 コメにコレラ菌遺伝子
毎日新聞 2007年6月12日
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070613k0000m040035000c.html
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