わが国における開発助産婦活動の安全性に関する研究
http://www.niph.go.jp/wadai/mhlw/1999/h1107003.pdf#search=
ういさまからいただきました..。*♡ ありがとうございます。
科研費研究です。 H11年9月の調査で、調査対象は平成10年から11年です。地域で開業助産院または自宅分娩介助という形で分娩取扱いをおこなっている478名への調査。 回収数は357(回収率74.7%)とあります。 妊産婦死亡率は1例あるだけで数字の変わってくるものですから、回答していない例で数字が大幅に変わってくる可能性はありますね。これをもって安全性が確保されたとはいえないと思いますけれどね!しかしそこそこのスタディではあるでしょう。 この回答結果をみると、随分結論的にはどうかな~という点が多いのですが(笑)。 しかし前向きに問題点は検討しているように思われます。 しかし、開業助産院、えらくみなさんお歳を召されていますね。それが私の感想です。 (有床助産所開業者は、70 歳をピークに山形をなしており、無床助産所開業者は30、40 歳代と70 最大をピークとするM字型を呈し、年齢構成の違いが認められた。) しかし、なぜこういった分娩取扱い、搬送などの結果について報告制にしないのでしょうか。疑問です。 入院分娩が204 件の助産所にて9,389 件、出張分娩が154 件の助産所にて909 件の合計10,298 件とありますね。 ↓下記の記載には、ちょっと憤りを覚えます。 ま、感想はそれくらいにしておきます。 厚生科学研究費補助金(子ども家庭総合研究事業)研究報告書 わが国における開発助産婦活動の安全性に関する研究 分担研究者 岡本 喜代子 (社)日本助産婦会 事務局長 研究要旨(略) B.研究方法 平成11 年9 月に、(社)日本助産婦会会員のうち、現在、地域において分娩を扱っている有床助産所開業者(従事者を除く)と無床助産所開設者を全国各支部の助産所部会長の確認のもとに、該当する478 名を対象に郵送質問紙調査を実施した。調査内容は、嘱託医などの緊急時の支援体制、各地の母児緊急搬送システムの実態、年間搬送事例、母児の搬送基準に対する意識についてであった。(略) C.研究結果 1)回収率回収数は357(回収率74.7%)であった。今回は、平成10 年から11 年に分娩取扱件数のあったものを有効回答とし、347 を分析対象とした。 2)対象者の背景(表1)有床助産所開業者は233 件、無床助産所開業者は96 件であった。対象者の平均年齢は全体では61.1±15.6 歳、有床助産所開業者は63.5±14.1 歳、無床開業助産所開業者は55.0±17.4 歳であった。
年齢分布を見ると、有床助産所開業者は、70 歳をピークに山形をなしており、無床助産所開業者は30、40 歳代と70 最大をピークとするM字型を呈し、年齢構成の違いが認められた。有床助産所助産婦の申請ベッド数の分布はL字分布をなし、中央値は2 床であった。今回の対象者の取り扱い分娩件数は、入院分娩が204 件の助産所にて9,389 件、出張分娩が154 件の助産所にて909 件の合計10,298 件であった。
3)基準意識転院・搬送を「する」「大抵する」を「搬送する群」とし、「しない」「ほとんどしない」を「搬送しない群」とし、搬送する、搬送しないの状態が一様分布で、その両者の出現に差がないとする期無仮説を立てて検定した。その結果、表2に示すように搬送しない群が搬送する群を有意に上回ったのは、「18 歳以上20 歳未満の妊娠」の場合であった。また2群間に有意な差がなかったのは、「破水後24 時間」「分娩開始から48 時間」「17 歳以下の初産婦」「35 歳以上40 歳未満の初産婦」「分娩第3 期が30 分」「身長が150cm 以下の初産婦」「出血量が500ml 以上1000ml 未満」の7 項目であった。以上の8 項目以外の49 項目の妊産婦と新生児の状態時には、開業助産婦は転院・搬送を行う判断があることに有意な差があった。 「する」「大抵する」「時々する」「ほとんどしない」「しない」の順に1~5 点とし、各項目ごとに集計し平均値を算出した場合、平均値が2.0 以上(「大抵する」以上)の26 項目中新生児に関する項目が11 項目含まれている。これは新生児に関する全18 項目の61.1%を占め、妊産婦の項目の割合の38.5%に比べて占める割合が高く、新生児搬送に対しては慎重であったと考えられる。また、各項目を教育体制が大きく変化した昭和23 年を境にその前か後に教育を受けた年齢で69 歳以下と70歳以上に分けて分析した。その結果、平均値の差が69 歳以下の助産婦より70 歳以上の助産婦が搬送に対する意識が有意に高かった項目は、「複殿位単胎」「単殿位単胎」「足位単胎」「35 週の産婦」「35週の前期破水」「羊水過少」であった。各会員ごとに集計し平均値を算出しすると、1.0から4.63 と搬送に対する意識の幅は大きかったが、地域別、業務形態別には有意差は認められなかった。
4)年間の全搬送事例 表3に示すように、1 年間の搬送・転院全数(流産・切迫流産を含む)は722 件で、妊娠中275 件、分娩中(分娩後2 時間まで)300 件、新生児99 件、産褥期4 件であった。そのうち緊急搬送例は妊娠中1 件、分娩中80 件、新生児23 件の合計104 件で、分娩中、新生児期の搬送のうち26.7、23.2%が緊急性を要する事例であった。
助産婦が緊急時のことを考え、万全を期しているのにも関わらずこのような事態が生じているのが現状である。
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