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(投稿:by 僻地の産科医)
春ですね(>▽<)!!!
春の季語・「派遣打ち切り」
ssd's Diary 2012/3/9
http://ssd.dyndns.info/Diary/?p=10219
対馬には槍兵だよね
ssd's Diary 2012/3/8
http://ssd.dyndns.info/Diary/?p=10206
さて、それとは関係なく、
なかなかいい記事だと思います!
ぜひぜひ読んでください(>▽<)!!!
〈中絶を考える〉
北陸中日新聞 2012年2月14日・3月7日
上)消えない傷痕 軽い〝愛情〟重い十字架
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120307144744650
年間約21万件-。2010年度の人工妊娠中絶の件数だ。近年は減少傾向にあるものの、1年間で生まれる新生児がおよそ110万人だから、この数字がいかに多いか分かる。海外で選挙の争点になるのとは対照的に、日本では積極的に語られない中絶問題。全2回のうち初回は、経験者の声を交え、問題の核心を探った。
避妊具なしで「大丈夫」 奔放な夫、産む勇気奪う
「とんでもないことをした。赤ちゃんの死産届を見た瞬間、自分がしたことの代償の大きさを突きつけられたんです」
名古屋市のパート、知子さん(39)=仮名=は21歳の時、妊娠5カ月になる子を中絶した。胎児が育った妊娠中期での中絶。人工的に陣痛を起こしてお産の形で体外に出した。役所に出す死産届を病院から受け取った時のショックは、今もはっきり胸に刻まれている。「年月がたっても消えることはありません」。言葉を絞り出すように、涙ながらに語る。
相手は成人式で再会した中学の同級生。友達関係から発展し、軽い流れの中で1回だけセックスした。コンドームは着けなかったが、「(膣(ちつ)の)中に(精液を)出してないから大丈夫」だと思っていた。
半月後、生理が来なかった。会社のトイレで妊娠検査薬を試した結果は「陽性」。血の気が引いた。彼は「産めばいいじゃん」「結婚してもいい」と言ってくれたが、その言葉は軽く響いた。彼は知子さんより友人と遊びに行くことを優先し、飲みすぎて仕事を休むこともしばしばだったから。そんな態度に不信感が募っていた。
それでも、最初は産むつもりだった。両親は反対したが、「私はこの子と幸せになる」と言い張った。だが、現実は甘くない。親は最後まで「産みなさい」とは言ってくれず、自分の中で産み育てていく勇気がしぼんでいった。中絶を決めたのは、周囲の反対を押し切って彼と結婚し、新居の契約も済ませた後。「俺、自由になりたいんだよね」という一言が決定的だった。
中絶した後、病院で隣から聞こえてきた生まれたばかりの赤ちゃんの泣き声を聞き、涙が止まらなかった。
なぜ、あの時にきちんと避妊をしなかったのか。その後、2度の結婚を経て今は2人の子どもに恵まれている知子さんだが、罪の意識が消えることはない。「軽い気持ちのセックスの先に何があるのか。結末の重さを考えていなかった」
低年齢化、リピーターも 自分を責めてうつ発症
中絶件数は年々減っているものの、依然として20万件を超えている。厚生労働省によると、2010年度は全国で21万2665件。石川、富山両県でもそれぞれ1649件、1570件に上った。全国的には15歳未満の件数が増加しており、若年層で特に深刻さを増している。
国内では母体保護法の下、妊娠22週未満などの一定条件で中絶を受けることができるが、大半は妊娠初期(12週未満)で実施されている。費用は10万~15万円ほど。富山市の女性クリニック「We!TOYAMA」院長の種部恭子医師(47)は「(中絶で来院する患者のうち)産むつもりがないのに、避妊をしないで繰り返す人も3割程度いる。『妊娠したら堕(お)ろせばいい』という感覚」と話し、意識の低さに危機感を募らせている。
来院する人の中には、経口避妊薬「ピル」の使用を勧めても続けない人や、相手の男性や家族と十分に話し合いをせず手術を受けようとする人も。クリスマスや正月などイベントの多い年末年始を経て、2月ごろに中絶件数が増える傾向もあるようだ。
種部医師によれば、吸引や鉗子(かんし)で胎児を取り除く初期の中絶手術は1日で終わり、子宮の損傷や感染症のリスクはあるものの、体への影響はほとんどないという。だが、それ以降の中期では分娩(ぶんべん)の形で体外に出さなければならず、女性の負担はより大きい。
身体的なダメージだけでなく、自らを責めるあまり、うつになるなど心に傷を負う人も少なくない。種部医師は「1回のセックスでも妊娠する時はする。中絶は最後の手段であることを意識してほしい」と訴える。
次回のLove&Sex(3月上旬)では、中絶経験者への回復支援の現状や男性側の声を紹介しながら、望まない妊娠を防ぐためにどうしたらいいかを考えます。
下) 不平等な“痛み” 女心えぐる男の無理解
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120307154222339
戸惑う男心ネットに
中絶は本来、男女双方にかかわる問題だ。なのに、直接痛みを感じることのない男性側の経験談を耳にする機会は決して多くない。女性の声を中心に取り上げた前編(2月15日付)に続く後編は、自らの経験をインターネット上で発信する1人の男性を取材。中絶に対する意識差という問題の核心に迫った。(奥野斐)
「おなかのこどもに対する想像力の欠如は(中略)『男は分かってない』と言われる姿そのままです」
「それでもまだ、自分のこととなると、それが分かった、と言うことはできません」
大学院生だった25歳の時、付き合っていた女性を中絶させた男性会社員(40)は、「かなしいこと」と題したホームページ(HP)で当時の胸中や経験をつづっている。文中で目立つのは、女性の苦しみを完全には理解できない葛藤と戸惑いだ。
彼女のリードに身を委ねて1度だけ、コンドームを着けないでセックスした。間もなく妊娠が判明。彼女が中絶の意思を固めていると知り、内心ほっとしたのを覚えている。「その時は『ださいことをしてしまった』と感じた程度」。罪悪感は乏しく、ショックもほとんど感じなかった。
手術前後の彼女を1人にしない、病院探しには積極的に付き合う、費用は半額負担する-。できることは何でもやった。今思えば、「彼女をかばわなければならない」という立場に酔っていたのかもしれない。
喪失感ピンとこない
HPを作ったのも罪の意識というより、自分の経験が誰かの役に立てばと思ったから。しかし、掲示板に寄せられた女性たちの書き込みに気付かされた。「あの子に会いたい」。「守ってあげられなかった」。女性がいかに、おなかの子の存在をリアルに感じるものなのか。男の自分には簡単には分からない喪失感を垣間見た。
妊娠の責任は男にもあるのに、中絶の苦しみは女性の方が圧倒的に大きい。「自分にない痛みはどうしても忘れてしまう」。ここに問題の根本があると男性は思う。
少しでもわが身に引き寄せるため、寄り添うために何ができるのか。彼女が語った心身の痛み、掲示板を通じて女性たちが語った体験をずっと覚えておくことが、「中絶という事件」を胸に刻む方法だと思っている。
それぞれの思い
望まない妊娠を防ぐためにはどうしたらいいか。前後編で登場してくれた中絶経験者や医師ら、それぞれの思いを聞いた。
自分の経験伝えたい
◆21歳の時、妊娠5カ月で中絶した知子さん(仮名)=前編で紹介
「セックスするのがかっこいい」というような風潮を無くさないといけない。そのためにも、自分の中絶経験を通して命の大切さを伝えていきたい。
無知な大人増やすな
◆後編で登場した男性会社員
男性としてきちんとした避妊の知識を持ち、実際にセックスの場で生かせるようにしておく。単にセックスや避妊のやり方だけではなく、皆が違う身体、感じ方を持っていることを理解し、向き合えるような性教育を高校で実施する。10代で教えないと、5年後には性に無知な大人が増えてしまう。
家庭での性教育大事
◆中絶した女性の支援に携わる「ライフ・ホープ・ネットワーク」代表で米国出身のシンシアさん
家庭での性教育が大事。米国は小学生ぐらいから親がセックスについて教え、家族で性や恋愛を話題にできる環境が整っている。日本でも話し合える雰囲気づくりが大切。
10代にピル無償配布
◆女性クリニック「We!TOYAMA」(富山市)種部恭子院長=前編で紹介
確実に避妊し、主体的に妊娠する女性が増えるようになるには、経口避妊薬「ピル」の普及が一番。若い女性に多い子宮内膜症の予防にもなる。欧米では10代にピルを無償配布する国もあるので、日本も導入を真剣に考えた方がいいだろう。
“前進”を手助け 名古屋の支援団体
相手の男性に理解されない。家族にも言えない-。そんな妊娠や中絶に悩む女性の心のケアの現状を、「日本では中絶件数が多いのに、相談できる場は少ない」と名古屋市の支援団体「ライフ・ホープ・ネットワーク」のルーブル シンシア代表(49)は指摘する。
同団体は2008年から、中絶後の女性の回復支援を始めた。電話やメール、面談で相談を受け、心の傷を癒やす独自のプログラムを提案。スタッフとのやりとりを通して数カ月かけて気持ちを整理する内容で、これまでに受講した24人が回復したという。
「現実を受け止め、自分の中の悲しみや怒り、不安を解き放して初めて、前に進める」とシンシア代表。“罪の意識”を癒やす支援の必要性を訴えている。
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