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(投稿:by 僻地の産科医)
今日のクローズアップ現代!!!
テーマは
「卵子は"老化"する」
↓ 見逃した方はオンデマンドでどうぞo(^-^)o..。*♪
産みたいのに産めない ~卵子老化の衝撃~
http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail.cgi?content_id=3158
クロ現スタッフブログからどうぞ。
「卵子は"老化"する」 あなたはご存じでしたか?
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あなたはご存じでしたか? 「卵子が"老化"する」ことを。
「そんなの常識でしょ!知らなかったの?」
「えっ、卵子は老化するの?はじめて知った」
・・・どちらでしょうか?
知っている人にとっては当たり前のことでも、
知らなかった人にとっては、衝撃的。
「卵子は老化する。35歳を超えると妊娠が難しくなる」
・・・という医師の言葉に、
不妊クリニックのセミナーに集まった夫婦たちが衝撃を受ける事態が
よく起きているそうです。
ということで、
2月14日(火)はこのテーマにクローズアップします。
プレビュー(試写)をのぞいてきました。
取材VTRによると、
不妊治療・検査を行ったことのある夫婦は、6組に1組。
女性の社会進出で、晩婚化が進んでいます。
35歳を過ぎて不妊治療を行い、
そこで「卵子の老化」を知る人が増えているとのこと。
「卵子」の元になる細胞は、産まれたときから体の中にあるそうです。
毎日作られる「精子」とちがい、新しく作られることはないそうです。
年齢を重ねるほどに、「卵子」も歳をとり(老化し)、
減り続けるということです。
いまはアラフォーでも外見は20代のような美しいひとが多いですが、
"内面では"きっちり歳をとっている・・・。
その事実を突きつけられた気がしました。
取材では、
「若いうちに卵子を凍結しておく」という事例、
卵子を若返らせる研究の最前線、
「卵子の老化」の知識を広めようという模索、
・・・など、さまざまな現場を追っています。
取材に協力いただいた女性たちの思いがとても切実で、
緊張感いっぱいのプレビューでした。
ゲストは、
日本にただひとりの
「産婦人科の"女性"教授」。
名古屋市立大学大学院医学研究科・
産科婦人科学の杉浦真弓教授です。
教授のホームページには・・・
「女性には、哺乳類の一種として妊娠適齢期があります。
いくつになっても妊娠可能と誤解して、
貴重な時間を失ってしまっている女性は少なくありません。
わが国の女性たちは良く働き、よく遊んで40歳を迎えます。
40歳になると妊娠しにくくなりますよ、と誰も教えてくれません」
・・・と書かれています。
少子化が進む中で、
社会として、不妊の問題をどう考えていけばいいのか?
男性にも、ぜひ見ていただきたい内容です。
みなさん、ぜひ番組をご覧いただき、ご意見をお寄せください。
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という訳で、ぜひともみていただきたいと思いますo(^-^)o..。*☆
久々に杉浦先生のコラムもまとめてしまいましょう。
ちょうど前回が不妊の記事で好評だったようです。
【関係ないけれどおススメニュース】
単身女性32%が「貧困」 20~64歳、国立研究所分析
共同通信 2012年2月8日
http://www.47news.jp/47topics/e/225432.php
増加する高齢者虐待 加害者の半数近くは息子
産経新聞 2012.2.10
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120210/crm12021000240000-n1.htm
インフルエンザの検査は不正確
アピタルブログ 2012/02/13
https://aspara.asahi.com/blog/ishin/entry/QBbG6VE6wM?utm
妊婦さん困りごとは? 愛知県が妊娠届け出書にアンケート
中日新聞 2012年2月8日
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120208163946507
西洋フキ、肝臓に悪影響の疑い 厚労省が販売中止指導へ
朝日新聞 2012年2月9日
http://www.asahi.com/health/news/TKY201202080832.html
製パン大手「神戸屋」社員の過労死を認定 東京高裁
朝日新聞 2012年1月31日
http://www.asahi.com/national/update/0131/TKY201201310485.html
【相双地域の医療再生】双葉郡救急拠点を"喪失"
他の機関代行困難 相双地域の医療再生
福島民報 2012年2月6日
http://www.minpo.jp/pub/topics/jishin2011/2012/02/post_3177.html
仮設被災者の9%に血栓 一般の4~5倍 宮城・石巻
朝日新聞 2012年2月6日
http://www.asahi.com/health/news/TKY201202050302.html
家事なんて、できて当たり前? (これおススメです!)
辰巳渚の「これでいいのだ」 2012.2.2
http://joblabo.asahi.com/articles/-/54515
産科医もう1人増えたら 里帰り出産再開も
伊那で地域医療シンポ
中日新聞 2012年1月31日
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120201150226101
【おまけ】(enju さまありがとうございます!)
中学の先生が生徒に配った「バレンタインデー」に関する注意書き。 http://pic.twitter.com/s3cN1P10
【杉浦真弓教授のコラム 紙つぶて】
妊娠適齢期
ヒトも一哺乳類 学校はもっと教えて
中日新聞 2012年2月6日
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120209140028255
昨年秋、雑誌『anan』の表紙に、神田うのさんの美しい妊娠ヌードが掲載されました。最近、女性誌に妊娠・出産特集が目立ちます。『平成23年度子ども・子育て白書』(内閣府)によれば、希望子ども数は男女ともに2人以上で、2040年までに女性が生涯に産む子どもの数、合計特殊出生率は1.75まで改善すると予測されています。そんな予測通りにいくのでしょうか?
妊娠を望むカップルの約15%が不妊症です。この頻度は20代前半で6%、40代前半では64%という調査結果が以前、米医学雑誌『サイエンス』に掲載されていました。私が行った調査では、平均25歳の未婚女性は95.5%が結婚を考え、91%が子どもを持ちたいと考えていました。
しかし、「いくつまで自然妊娠が可能か」という選択式質問に、36%の女性が45〜60歳と答えました。平均50歳で迎える閉経時に卵はゼロになるので、50歳以降の妊娠はギネス的。45歳というのはジャガー横田さんの出産報道の影響でしょう。まれな幸運を自分自身も可能と、のんきに考えているようですが、不妊、流産に直面して初めて後悔する女性は少なくありません。
高校の保健体育や家庭科の教科書には“家族計画”と書いてありますが、不妊症の記載はほとんどありません。ヒトも一哺乳類であり、妊娠適齢期があることを、学校はもっと教えてもいいと思います。
産婦人科医の生き方
努力の積み重ねが最高水準維持に
中日新聞 2012年1月30日
http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120130191757466
20年間の不育症研究が少子化対策に貢献したとして、産科医療功労者の厚生労働大臣表彰を受けました。支えてくださった皆さまに心から感謝いたします。先週、授賞式に行ってきましたが、受賞者の多くの方は、地域周産期を支える診療所の先生でした。
以前、10年以上実家近くの産婦人科医院で週末の代務をしていました。ものすごく忙しくて月に1度が限度でした。当時1人で年間1000分娩(ぶんべん)を扱っておられた院長先生は、私が行くときは、つかの間の自由を得て医院から逃げるように遊びに行かれました。
365日、リスクと隣り合わせの分娩が頭から離れないのは、想像を絶する生活です。わが国の周産期医療は世界最高水準を維持していますが、産科・小児科・麻酔科医、助産師らの毎日の努力の積み重ねによるものです。
米国の学会で産婦人科医院3代目の息子さんに会ったとき、大学で素晴らしい研究をしていたため跡を継ぐか心配になり、質問しました。ハートのある父親やスタッフを見て育った彼は、いずれは地域の妊婦さんを守ることをライフワークにするそうです。もうじき生まれる息子についても「産婦人科医になります。選択権はない、僕もそうだったから」と笑っていました。
分娩をやめる施設が増加する昨今ですが、元気のいい産婦人科医もたくさんいます。進路に悩む皆さん、産婦人科医、助産師という生き方はいかがでしょうか。
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