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(投稿:by 僻地の産科医)
インフルエンザはもうこりごりです~(;;)。。。
2009年にパンデミックが宣言され、
去年から季節性インフルに分類されたH1N1 swine flu ですが、
今回の私はどうもそれっぽいです。
なぜかとゆーと、
「筋肉痛・ぶしぶしの痛み(関節痛)・発熱」に加えて、
「下痢・咽頭痛・乾いた咳」などの症状。。。
あまり今までの季節性ではみない症状だからです。
だからと言うわけじゃないけれどキツカッタ。
ついでなので、インフルエンザ文献デス。
【おススメブログo(^-^)o..。*♡】
インフルエンザのハイリスク者って誰のこと?
朝日新聞 2012/01/26
https://aspara.asahi.com/blog/border/entry/80GfOVjwgZ
子どもの命を守るためにワクチンを~小児科医からのメッセージ
アピタルブログ 2011/05/16
https://aspara.asahi.com/blog/ninpusan/entry/sYl8OBFDmO
訪問医が教える医療知識
インフルエンザ
苛原 実
(ケアマネジャーvol.13 no.11 p72-73)
タミフルを希望した男性
中年男性が関節痛を訴え来院したのは昨年の冬。身体もつらそうで、顔も赤く、熱を測ると38.5℃です。もしやと思い、インフルエンザの迅速検査をするとA型陽性。会社を休むこと、マスクをつけること、市販薬は飲まないこと等を話した上で、本人の強い希望からタミフルを処方しました。薬がよく効いて、2日後には熱も下がり、3日後から仕事に出たそうですが、これがよくなかったよう。彼が感染源となり職場でインフルエンザが流行、かえって仕事が停滞したとのこと。インフルエンザは熱が下がっても排菌していることがあり、すぐには職場復帰できません。
●高齢者には重大な呼吸器感染症
寒い冬になると、インフルエンザのシーズンです。インフルエンザは高齢者にとっては最も注意を要する呼吸器感染症です。
インフルエンザも風邪もウイルスが原因で起こる呼吸器感染症です。しかし微熱で咳や疲が主症状の風邪と異なり、インフルエンザでは38℃以上の高熱や関節、筋肉の痛みなど全身症状が起こります。また、インフルエンザは流行性の疾患で、通常寒い季節である12月から翌年の4月頃にかけて流行します。インフルエンザウイルスは寒くて乾燥した環境を好むからです。学校などで流行すると学級閉鎖をしますが、インフルエンザは感染力が強く、飛沫感染をするので、感染者との接触を避けるためにこのような処置をとるのです。
インフルエンザウイルスはA型、B型、 C型の3種類に分けられます。A型はさらに抗原性の違いからいくつかの亜型に分けられます。A香港型やAソ置型などの呼び方はこの亜型のことです。A型は歴史的に大流行を起こしており、大正時代に「スペイン風邪」といって世界的に大流行したことがあります。2009年に多くの国で流行して、わが国でも大騒ぎとなった新型インフルエンザもA型であり、H1N1という亜型でした。成田空港などでの厳しい検疫の様子など、記憶に残っているでしょう。B型も流行しますが、 C型は主として小児に感染するだけで流行はしません。
潜伏期間は通常1~2日ですが、最大で7日までのこともあります。また、感染した人がウイルスの新たな感染源となるのは、発症の前日から、症状が軽快しておよそ2日後までです。症状が軽快したからといって、すぐに仕事や学校に行くことは控えてください。
インフルエンザの診断は、咽頭や鼻腔の拭い液を使い15分程で簡単に行えます。A型とB型の区別もつきますが、発症直後はウイルス量が少ないため陰性となることも。したがって、典型的な症状がある場合やその方の周囲で流行している場合は、検査で陰性でもインフルエンザと診断することがあります。
体力のある成人の場合には、水分を十分とり安静に寝ていれば2~3日で治りますが、高齢者では抗インフルエンザ薬を使うことがあります。発熱には座薬は使わず、体を冷やすクーリングで対応します。熱が上がってあまりつらいときにカロナールを使うぐらいでしょう。座薬や解熱剤はインフルエンザ脳炎やライ症候群を併発する危険があるのです。市販の風邪薬でも起きることがあるので、自分勝手な治療はやめた方がいいでしょう。
●重症化を防ぐ予防注射
予防注射は最も効果のある予防法です。インフルエンザにかかっても重症化を防ぐので、高齢の方はぜひ受けてください。注射後2週後くらいから効果が出て、約5ケ月ほど持続するので11月から12月中旬ぐらいまでには受けておくといいでしょう。成人の場合は1回接種で2回接種との効果は変わりません。卵アレルギーのある方やてんかん発作を起こしたことのある方は医師と相談後に接種してください。人の集まるデイサービスに行くような高齢者は、予防注射は必須です。
インフルエンザでは時として39℃台の高熱が悩ますが、子供や高齢者では座薬の使用は禁忌です。発熱自体は体の免疫力を上げて、熱に弱いインフルエンザウイルスと闘っているわけですから、あまりつらくなければ無理に熱を下げない方がいいのです。熱を下げることで、かえってウイルスが生き残り、治りを遅らせることもあります。
わが国のタミフルの使用量は世界で突出しており、2007年には全世界の7割近くを使いました。全世界の人口の5%の国が7割を使うというのは大変異常なことです。虚弱な高齢者や子供を除いては、ほとんどのインフルエンザは体を休めていれば数日で治ります。また、タミフルも感染後の早い時期に使わないと効果があまり出ません。最近ではタミフルに耐性のあるインフルエンザも出てきているようで、乱用は慎みたいものです。
予防注射以外の感染予防としては、免疫力を保つためにバランスの良い食事と睡眠をしっかり取ること。人ごみに出るときは手袋やマスクをつけましょう。また、外出から戻ったらうがいと手洗いは忘れずに。室内では換気をこまめに行って、部屋の湿度を保つように保湿器などを使うといいでしょう。飛沫感染の確率を減らすことができます。
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