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(投稿:by 僻地の産科医)
読売も攻めるねぇ・・・と記事を読んで思いました。
だってさ。
「胎児の異常」での中絶は法的に認められていない(>_<)!!
だからあの~。
中絶は胎児の異常では現行法では出来ないんだってば!
本当にうっとおしい。
妊娠においてリスクゼロはありえない!!!
現実との乖離を突きつけて、何か勝ち誇った気でいるのだろうか?
それにしても、遺伝子カウンセリングを受けられるような、
博識な施設は都会にしか存在しません。
加えて、忙しい病院ではこれは無理な話です。
迷っている人の話を聞いているだけで、
ドンドンと積み重なっていくカルテの山!
羊水検査そのものは難しい技術ではありません。
だけれど、羊水検査でわかるものの説明くらいは、
もともとすべき検査ではあります。
ましてやこの記事のケースでは「長子;自閉症」
自閉症が染色体検査でわかるなんて話は、
私、不勉強で寡聞にして、
申し訳ないんですが聞いたこともないんですが?
ちょっといい加減すぎる話じゃないかなぁ?
あんまりにもでっち上げくさくないか?
なんて臨床家としては疑ってしまうのがホンネです。
あと、これひどいです。。。
乳児を遺棄、燃やした疑い 福井県警、父娘を逮捕
47News 2012/01/20
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012001001355.html
福井県警は20日、乳児を出産後に遺棄したとして、死体遺棄の疑いで、福井市大宮、量販店パート宮永桃子容疑者(23)を、乳児の遺体を燃やしたとして、死体損壊の疑いで、桃子容疑者の父親で繊維会社役員の喜弘容疑者(51)を逮捕した。容疑を認めている。
桃子容疑者の逮捕容疑は、2010年11月ごろ、自室で乳児を出産後、遺体を隠し遺棄した疑い。喜弘容疑者は11年12月下旬ごろ、桃子容疑者から「赤ちゃんを産んで自室に置いてある」などと打ち明けられ、福井市内の公園で遺体を燃やした疑い。県警によると、桃子容疑者は独身で、喜弘容疑者と母親、きょうだいの6人家族。
【皆様へ感心しないおススメニュース】
公判前、裁判員に取材=読売新聞、記事を掲載―奈良
朝日新聞 2012年1月19日
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201201190045.html
遺伝カウンセリング(2)羊水検査 結果に悩む
読売新聞 2012年1月17日
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53075
「助けてくださいっ」
関東地方のA子さん(41)は第2子が妊娠15週だった昨年4月、目を真っ赤にして慶応大病院(東京・信濃町)に電話した。A子さんはその少し前、別の医療機関で羊水検査を受けた。羊水を採取して赤ちゃんに染色体異常があるかを調べる検査だ。A子さんは、もし第2子に障害があったら出産をあきらめようと考えていた。
理由があった。長男は自閉症で、3歳になった今も言葉がうまく出てこない。これまで通りの愛情と時間を注ぎたいが、第2子に障害があったらそれができるのか――。検査は、悩んだ末の結論だった。
人工妊娠中絶について定めた母体保護法は、中絶を容認する条件に「胎児の異常」は認めていない。「母体の健康を害する恐れがある」との条件を拡大解釈しているのが実情だ。
A子さんは検査の結果に戸惑った。「一部の遺伝子に異常はあるが、健康への影響はわからない」という不可解なものだったからだ。かかりつけの産科医に電話したが、「そんな相談をされても困る」の一点張りだった。
「どうすればいいのか」。A子さんは途方に暮れた。
遺伝性の病気について詳しい説明をしてくれる慶大病院をインターネットで見つけたのはその頃のことだ。夫(41)と連れだって慶応大臨床遺伝学センター教授の小崎健次郎さんを訪ねた。
実は、出産を巡って夫婦で意見に違いがあった。検査で障害が見つかれば中絶しようと考えるA子さん。どんなことがあっても出産をあきらめるべきでない、という夫。カウンセリングで小崎さんは、あえて中絶すべきかどうかには触れず、遺伝性の病気の特徴などを説明。夫婦で判断してもらうことにした。同時に医療機関に羊水の再検査を依頼した。遺伝子の異常を精密に調べるためだ。その結果、小崎さんは、赤ちゃんが強い発達の遅れを伴う病気になる確率が5%あることを確認。A子さん夫妻に告げた。
中絶ができなくなる期日も目前に迫っていた。それでもA子さんは迷い続けていた。しかし4回目のカウンセリングで、それまで物静かだった夫が涙声で切り出した。
「たった5%の確率で絶対あきらめたくない」。2人は妊娠継続を決めた。
A子さんは昨年9月、無事に元気な女児を出産。うれしくて涙がこみ上げた。
「実は9割方中絶するつもりでした」とA子さん。「夫と思いを共有できたのは遺伝カウンセリングのおかげ。感謝の思いでいっぱいです」
読売の記事、ほんとに何が言いたいのか全くわかりませんね。
<<現実との乖離を突きつけて、何か勝ち誇った気でいるのだろうか?
管理人様の評価が秀逸と思います。
投稿情報: あぽ | 2012年1 月21日 (土) 11:46