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(投稿:by 僻地の産科医)
そしてその解剖図です。
他にも色々やっちゃってます ↓
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1111/29/news103.html
それはさておき、半田市立半田病院というのは、
電子カルテを導入している病院です。
ちょっと前に報じられたニュースですが、
実は前々からこういうことはあるんじゃないかと気にしていた
電子カルテで起こりうるケースの一つだったのでビックリしました。
というよりも、もっと、なんていうか、
もっともっと前々から起きてても不思議ではないし、
全国どこでも潜在的に起きているだろうパターンの
事故だからです。
昔、電子カルテが導入される前には、
病理の検査結果というものは当然、
紙のレポートで帰ってきていました。
紙のレポートである以上、
変な(要するに悪性ではないかどうか)結果か、
整理して紙カルテに張る前にチェックする必要があり、
どの病院でもこういったことが行われていたわけです。
しかし、電子カルテが普及してから、
結果は紙ではなくなり直接コンピューターに
取り込まれるシステムになりました。
「悪性・境界悪性であった場合にどのように通知するか?」
など、きちんと討議された電カル病院は少ないだろうと思います。
私の勤めた数々の病院でも、
悪性の場合に連絡がある病院は少なかったからです。
電子カルテって、患者さんが来ないと開かないものなんですよね。
(あるいは何か想定していた場合、自分でチェックしないと
開こうにもID番号がわからなくてどうしようもない)
そして電子カルテって、検査の結果のチェックがしていないものが、
バーっと並んで出てくるわけではないので、
(紙カルテなら張ってあって目につく)
自分から「病理・結果」みたいなボタンを開かないと
病理の結果が見られないわけです。
手術後、患者さんが病院に来ないケースもたまにあります。
すると永遠に、その病理結果は見られることがない。
良性のものだと思っていた場合には、
傷の方に気をとられて
「その後順調ですか~???」
などと会話している間に病理結果を確認忘れることもあるわけです。
これは、システムの問題が絡んでいると思います。
がん検査結果、主治医見逃す…遺族に3千万賠償
読売新聞 2011/11/29
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111129-OYT1T01000.htm?from=main5
愛知県半田市の市立半田病院は、検査結果の見落としでがん治療が遅れるミスがあり、死亡した患者の遺族に慰謝料など計3000万円を支払って和解すると29日、発表した。
同病院によると、死亡したのは半田市内の60歳代の男性患者。2009年3月に胆石摘出などの手術を同病院で受けた際、病理検査で胆のうがんが判明し、検査結果は文書で主治医に報告されたが、主治医は見落とした。10年12月、男性は左下腹部の痛みを訴えて再来院。コンピューター断層撮影法(CT)検査とカルテのチェックで、胆のうがんの転移と、検査結果が男性側に伝わっていなかったことが判明。病院は男性と家族に謝罪したうえ、治療を始めたが、男性は今年6月、がんで死亡した。
主治医は別の病院に勤務中で、半田病院の調査に、「当時のことはよく覚えていない」と答えたという。同病院は「検査直後からがん治療を始めていれば、最善の手当てが出来た可能性があった」としており、医師が病理検査の結果を患者に説明後、説明内容を電子カルテに記録するなどの再発防止策を講じた。中根藤七院長は「基本的ミスで、亡くなった患者や家族に大変申し訳ない」と謝罪した。
ををを。
私の左手がデビューしたざます。
サイバーショット携帯なんですけど、画面表示を大きくすると荒いですねえ。。。。。
投稿情報: patapon | 2011年12 月 2日 (金) 21:31
せっかくなので正中切開像を
全国展開してみました!!!!
ネタをありがとうございます!!!
っていうか、面白いですね!これ。
投稿情報: 僻地の産科医 | 2011年12 月 2日 (金) 23:48