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(投稿:by 僻地の産科医)
こちらも医会報から。
どうも抗議文を送ったようですね..。*♡
ま、ひどい所もあるし。。。実際。
分娩場所はきちんと選びましょう。
「助産所における嘱託医の
包括指示による医療行為」について(抗議)
日産婦医会報 No.734 平成23年8月1日p3
第73回定時総会において、助産師の医療行為について反対の決議をし、6月29日、厚生労働省大谷泰夫医政局長に以下の文面の抗議声明を提出した。主旨は、「開業助産師が嘱託医の包括指示のもとに局所麻酔を使用し、さらに会陰縫合を施行するということについて、なし崩し的な医療行為が開業助産所で日常業務としてなされていることは分娩の医療安全の面からも断じて看過することはできない。また、助産院による分娩に関して、妊婦に無用の混乱を与えないように厚労省医政局長の協力依頼に基づき、会員に嘱託医と嘱託医療機関の嘱託をお願いしている。しかし、この我々産婦人科医の姿勢を無視して、会陰裂傷縫合の研修会等を継続するのであれば、医会としては、断固とした立場で関係諸団体と交渉をすることになる」というものである。
日産婦医会発第107号
平成23年6月29日
厚生労働省医政局長
大谷泰夫殿
公益社団法人日本産婦人科医会
会長寺尾俊彦
「助産所における嘱託医の包括指示による医療行為」について(抗議)
日頃より本会の事業に対しご指導とご理解を賜り厚く御礼申し上げます。
日本産婦人科医会は、開業助産師が嘱託医の包括指示のもとに局所麻酔薬を使用し、さらに会陰切開、会陰縫合などの医療行為を行うことについて、明確に反対する。このような医療行為が開業助産所により日常業務としてなされることは、医療の安全の面から見ても断じて看過することはできない。
保健師助産師看護師法第37条には、保健師、助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師の指示があった場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、又は、医薬品について指示をし、その他医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるところの行為をしてはならないと、明確に医療行為を禁止している。また、厚生労働省医政局長通知(平成19年3月30日)「分娩における医師、助産師、看護師の役割分担と連携等について」においても、医師は助産行為を含む医業を業務とするものであり、母子の健康と安全に責任を負う役割を担っており、その業務の遂行に当たっては、助産師及び看護師等の密接な協力を得られるように医療体制の整備に努めなければならない。助産師は助産行為を業務とするものであり、正常分娩の助産と母子の健康を総合的に守る役割を担っている。そのため、出産には予期せぬ危険が内在することから、日常的に医師と十分な連携を取ることができるよう配慮する必要がある。日本産婦人科医会は、医政局長通知に従って、役割分担を行い、分娩の安全と安心に心がけてきたところである。
医療法第19条と医療法施行規則第15条には、嘱託医と嘱託医療機関の確保の規定がある。助産所は、「嘱託医師については産科又は産婦人科を担当する医師を嘱託医師とすること、及び嘱託医師による対応が困難な場合のため、病院又は診療所(医療嘱託機関)を確保すること」という条文が記載されている。日本産婦人科医会は、医政局長通知(平成19年12月5日)「分娩を取り扱う助産所の嘱託医師及び嘱託する病院または診療所の確保について」に基づいて、妊婦等に無用の混乱を与えないように、会員にその協力をお願いしているところである。
しかし、日本産婦人科医会の姿勢と協力を無視して、開業助産師が嘱託医の包括指示のもとに医療行為である局所麻酔薬を使用し、会陰切開を施行すること、さらに医療行為である会陰裂傷縫合の研修会等を継続するのであれば、日本産婦人科医会としては早急に会員に通知を出し、母子の健康と安全に責任を負うことができない嘱託医契約についての見直しと、助産師養成のための教育で、医療行為にかかわる部分、医療行為の教育に関する部分の協力を辞することも念頭において、対応する所存である。
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