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(投稿:by 僻地の産科医)
厚生労働省からのお知らせです。
ついでに女性セブンから!!!
福島県の妊婦さんはみなさん、心配だと思いますが、セシウムをはじめとする大気中の放射性物質の広がりや、食べ物のことを考えれば福島だけの話ではありません。
「福島県妊産婦の平成23年度県民健康管理調査(妊産婦用調査票)のご案内」
http://www.jsog.or.jp/news/pdf/researchinfoForPWNM.pdf
福島県より県外へ移動された妊産婦様へ 平成23年12月吉日
福島県立医科大学理事長 菊地 臣一
福島県産婦人科医会会長 幡研 一
福島県産科婦人科学会会長 藤森 敬也
拝啓
初冬の候、福島県より遠方に移動された妊産婦の皆様におかれましては、大変な日々を過ごされていることと思います。また、福島県への想いを募らされていることとお察しいたします。
さて、今回の震災に伴い福島県では、県民の長期にわたる健康管理の取り組みの一つとして「妊産婦さんへの調査」を行うことになりました。ご存じのこととは思いますが、福島第一原発の事故以降福島県内外の県民の皆様のご不安は大きく、県内での移動・避難はもちろん、県外まで移動・避難された方も多数いらっしゃるのが現状です。そのため、各自治体や医療機関も妊産婦様の移動状況のすべてを把握できず、十分な母児管理指導などのケアが行えていない状況です。
そこで福島県として、今回の震災以降、ご不安を抱えた妊産婦様に対しまして母児管理指導含めた協力体制と連絡体制を確立したいと考えております。そして、その不安を払拭すると同時に、今回の震災における体調の変化や困難、問題点などの収集をし、妊産婦様に少しでもお役に立てればとの想いから、現時点で健康調査を行うとになりました。
つきましては、今回の震災以降に福島県より県外に移動された妊産婦様におかれましては、下記「県民健康管理センター」にご連絡を頂き その後、その後、妊婦さんにご送付いたします調査票にご回答こいただきたく存じます。
なお、対象妊産婦に関しましては、平成22年8月1日から平成23年7月31日までに、福島県内の地方自治体から母子健康手帳の交付を受けた方、ならびに福島県外の地方自治体から母子健康手帳を交付された方であっても、福島県内に転居または滞在して3月11日以降に福島県内で妊婦健診を受けたり、分娩した方(いわゆる里帰りをした方)を対象といたします。
調査票に対するご記入は妊産婦様ご本人に記入いただきたいのですが、ご不明な点にっきましては下記事務局が相談窓口となります。また、対象となられました妊産婦様におかれましは、下記事務局はじめ、妊産婦様専用の相談窓口の設置が予定されており、これらが相談窓口となりますので、ご安心いただければと存じます。
何卒、この調査にご協力いただけますよう、お願い申し上げます。
県外へ移動された妊産婦様からの連絡先
福島県立医科大学 放射線医学県民健康管理センタ-
電話番号 024-549-5130 (9:00-17:OO)
ホームページ http://www.fmu.ac.jp/Welcome-s.html
福島の産科医に「赤ちゃんに影響ないか」と妊婦の相談殺到
ニュースポストセブン 2011.12.05
http://www.news-postseven.com/archives/20111205_73566.html
福島第一原発事故は多くの福島県民を不安に陥れた。妊婦や小さい子供を持つ親にとってはなおのことだろう。いまのところ、福島で生活を続けた場合、どれだけ被曝するか明確な数字はわかっておらず、専門家の間でも、福島での出産・育児の安全性については意見が分かれている。福島県の妊婦たちは、避難するか、とどまるかを自らで判断するしかないのが現状だ。福島の妊婦たちは、実際どう動いたのだろうか。
日本産科17 件婦人科学会のアンケート調査によれば、震災後3か月間で福島県内の出産件数は前年比マイナス25%、約1000件減少した。つまり、妊婦のうち4人に1人が、県外での出産を選択したとも考えられるのだ。逆にいえば、そんな状況の中でも、妊婦たちの4人に3人は福島にとどまっている。とはいえ決して放射能汚染を楽観視しているわけではない。
いわき市にある村岡産婦人科医院。原発事故以降、月70件ほどあった分娩が月40~50件に減った。それでもなお地元での出産を希望する妊婦のほうが多いが、院長・村岡栄一さん(62)のもとには、「赤ちゃんに影響が出ないでしょうか」という悩み相談が殺到している。
いくら報道で安全といわれても、その不安は拭いきれないのだ。
「産科17 件婦人科学会や放射線学会は『問題なし』という声明を発表しています。妊婦さんにはそれを伝えますが、理解はしても、本当は心配な気持ちでいっぱいでしょう。当医院でもガイガーカウンターを購入して、周辺の線量を調べ、『問題ない数値だから、大丈夫だよ』と伝えています」(村岡さん)
だが、現場の医師が安心だと伝えても、福島での出産・子育てを危険視する声は聞こえてくる。そのたびに、心を暗くする人もいる。
「福島にいるだけで悪いことをしてるのかなって思えてしまう」
とつぶやくのは、福島第一原発から南へ約50km離れたいわき市内の産院で出産した堀越美沙子さん(28)だ。まもなく生後3か月になるひとり息子を抱きしめている。
この息子がお腹にいるころ、3月11日の地震が起こった。当時、妊娠4か月。夫や、同じいわき市内に住む両親、兄夫婦とともに、北西へ40km離れた郡山市の多目的ホールに避難した。
避難所では、寒さやプライベートがない状態に気疲れした。所持金も底をつきそうになったところ、地元・いわき市の放射線量が下がってきていることを知り、4月に自宅に戻った。だが当時は、放射能に脅え、外出さえできない毎日だったという。
「母乳からもセシウムが出たっていう報道を見てすごくショックを受けました。テレビでは『大丈夫』っていってたのに…。あれ以来、“大丈夫”“安心”といわれていることでも信用できなくなりました」(堀越さん)
唯一、頼りにしたのが妊婦仲間の口コミで伝わる、被曝を避けるための情報。お腹の赤ちゃんのことを考え、ご飯もみそ汁も料理はすべてミネラルウオーターで作った。家のなかに放射性物質がはいらないように、洗濯物を狭いアパート内に干す。外の空気を入れるのを避けるため、換気扇を回さずに料理をすると、部屋ににおいが充満して大変だったという。
「私も夫も地元育ち。県外に頼れる親戚はいません。避難所でのつらい経験もあったので、できる限り放射能を避けて、福島で産むしかないのかと…」(堀越さん)
9月に無事出産。放射能への恐怖は当時より薄れているが、それでも外出は控えている。
※女性セブン2011年12月15日号
【参考HP】
福島原発から放出されたセシウム137の日本全国への沈着量及び土壌中濃度の見積もり
東京大学 名古屋大学
http://www.nagoya-u.ac.jp/research/pdf/activities/20111115_hyarc.pdf
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