(関連目次)→新型インフルエンザについても集めてみましたo(^-^)o
(投稿:by 僻地の産科医)
お久しぶりですo(^-^)o ..。*♡
秋ですね。
ということで、インフルエンザについて気になったニュースを。
そろそろどこの機関でも
季節性インフルエンザワクチン接種が始まりそう。
例年に比べて8割程度の供給とのことですが、
季節性インフルエンザワクチン接種で新型感染率が上がる?
なんて話題もありますけれど。
(最終的な報告は待ってみないとわからないのですけれども!)
ところで新型インフルワクチンはどうなっているんでしょう~。
妊婦さんの話題は重要度が高いので。
上にあげておきます!
TOPICS from EUROPE
〜新型インフルエンザ〜
ウイルス感染した妊婦には直ちに抗ウイルス療法を
Medical Tribune 2009年9月24日(VOL.42 NO.39) p.07
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/article/view/perpage/1/order/1/page/0/id/M42390071/year/2009
〔ロンドン〕米疾病管理センター(CDC)生殖医療部門のDenise J. Jamieson博士らは「妊婦では新型インフルエンザによる合併症リスクが高まる可能性がある。さらに,米国の研究では,妊婦の入院率は一般人口に比べてきわめて高いことが示された。今回のA/H1N1ウイルスに感染した妊婦には直ちに抗ウイルス療法を開始すべきで,健康な妊婦は速やかにワクチン接種を受けるべきである」とLancet(2009; 374: 451-458)に発表した。
一般人口の4倍超の入院率
CDCは妊婦のA/H1N1ウイルス感染に関する初期の報告を受けて,米国における妊婦の発症例と死亡例に関する追加情報の系統的な収集を開始。臨床検査によりA/H1N1ウイルス感染が確認された急性呼吸器疾患を確定例,季節性インフルエンザウイルスが陰性で臨床検査によりA型インフルエンザウイルス感染が確認された急性熱性呼吸器疾患を疑い例と定義した。入院率と発症率は2007年の国勢調査のデータを用いて計算した。
今年4月15日〜5月18日に,新型インフルエンザウイルスのパンデミックによる妊婦の確定例または疑い例として13の州から34例がCDCに報告され,11例(32%)が入院した。妊婦の推定入院率(妊婦10万例当たり0.32例)は一般人口(有リスク人口10万例当たり0.076例)の4倍を超えていた。ただし,Jamieson博士らは「医師が妊婦を入院させる確率は同じ症状の一般人口に比べて高い可能性があることから,この差に大きく影響している可能性がある」と述べている。4月15日〜6月16日に6例の妊婦死亡例がCDCに報告され,その全例が肺炎を発症し,人工呼吸が必要な急性呼吸窮迫症候群を続発していた。
今回の研究で解析された女性の年齢と人種はさまざまであった。5例が18歳未満,17例が18〜29歳,11例が30〜39歳で,1例は40歳を超えていた。9例が非ヒスパニック系白人,2例が非ヒスパニック系アフリカ系米国人,15例がヒスパニック系,1例がアジア系,1例が米国先住民/アラスカ原住民で,6例は不明だった。その他の特徴も多様で,4例が過去7日間にメキシコへの渡航歴あり,27例がなし,3例が不明であった。妊娠週数もさまざまで,3例が0〜13週,19例が14〜28週,9例が29週を超えており,3例が不明であった。
死亡例は治療開始に遅れ
Jamieson博士らは「妊婦を入院させるか否かの判断は複雑で,重症度以外にも考慮すべきことがあるが,米国でのインフルエンザ関連死亡の多く(10%超)を妊婦が占めることが懸念される。1918年と57年のインフルエンザ大流行時には,非妊娠人口に比べ妊婦の死亡率が高かったと考えられる。57年には,アジア型インフルエンザによりミネソタ州の妊娠可能年齢の女性のうち死亡した50%が妊婦だった」と述べている。
さらに「CDCは妊婦に対して,インフルエンザを発症したら,直ちに抗ウイルス薬を使用開始するよう推奨している。発症後48時間以内に使用すると最大の効果が期待できる。しかし,われわれの研究では,多くの妊婦がインフルエンザ様疾患の発症時にいずれの抗ウイルス薬による治療も受けていなかった。さらに,死亡例のうち,発症後48時間以内に治療を受けた患者は皆無だった」と付け加えている。
妊婦の接種率低い現状に懸念
Jamieson博士らは「A/H1N1ウイルスの大流行が妊婦に及ぼす影響を考慮すれば,抗ウイルス薬による治療の効果が胎児へのリスクを上回る可能性が高い。しかし,この研究ではA/H1N1ウイルスの大流行が胎児に及ぼしうる影響についてはほとんどわからなかった」と述べている。さらに「米国のガイドラインは妊婦に対するワクチン接種の優先度を高く設定している。しかし,今のところ季節性インフルエンザのワクチン接種を受ける妊婦がほとんどいないのが懸念材料だ」と指摘。「この研究知見は,A/H1N1ウイルスなどの新型病原体のいずれにおいても,妊婦に対して公衆衛生計画を通知するうえで非常に重要だ。妊婦はA/H1N1ウイルス感染による重症度や合併症リスクが高いことから,医療従事者は抗インフルエンザ薬による治療を速やかに開始すべきことを,認識しなければならない」と結論付けている。
インフルエンザ患者が10歳代前半で再度急増
全体の4割占める
感染研・岡部氏「本格的流行の入り口に立っている」
小島 領平
MTpro 2009年9月30日
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0909/090994.html
秋を迎え,本格的な流行が予想されている新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)。多くの学校で夏休みが明けた9月1日前後から同20日の間に10歳代前半の患者が再び急増していることが,国立感染症研究所感染症情報センターの調査で明らかになった。第38週(9月14〜20日)に限定すると,10〜14歳が全体の4割を占めているという。報告に当たった同センター長の岡部信彦氏は,現在の状況を「本格的流行の入り口に立っている」と表現。同センター主任研究官の安井良則氏は,他の年齢層に急拡大することに懸念を示した。
専門家の懸念が的中
同センターによると,第38週のインフルエンザ定点当たり報告数は全国平均で4.95。流行の指標となる1.0を大きく上回っており,例年の季節性インフルエンザの流行に当てはめると,12月前半に匹敵する報告数だ。この状況について,安井氏は「異常なことが起きているのは間違いない」と述べた。なお,第28週(7月6〜12日)以降,報告数に占める新型インフルエンザの割合は98.2%となっている。
第34週(8月17〜23日)時点の各年齢層を見てみると,10〜14歳は全体の16%程度にとどまっており,5〜9歳(約21%)を下回っていた。しかし,多くの学校で夏休みが明けた第36週(8月31日〜9月6日)に5〜9歳とほぼ並び(約25%),第37週(9月7〜13日)には大きく逆転。第38週は5〜9歳が25%だったのに対し,10〜14歳は40%を超えている(図)。感染研をはじめとした多くの専門家が授業再開によって再び10歳代前半での感染拡大を懸念していたが,それが的中した形だ。
第38週における都道府県別の報告数は,沖縄県が最も多い12.52を記録。しかし,同県の報告数は減少している。一方で深刻なのは大都市圏だ。前週から大きく上昇して全国平均(4.95)を超えたのは,北海道(8.21),宮城県(7.07),埼玉県(6.83),千葉県(7.31),東京都(10.24),神奈川県(7.09),愛知県(5.81),大阪府(9.21),兵庫県(7.15),福岡県(6.99),長崎県(5.99)だった。全国の推定医療機関受診者数は約27万人/週となっている。
過去のインフルエンザパンデミックでは,まず偏った年齢群・地域で流行し,他の年齢群・地域に拡大するという段階を踏んでいる。そのため,現在の状況は流行の初期段階であり,「大流行の入り口に立っている状態」(岡部氏),「8月の段階では“くすぶり”だったが,本格的な流行の兆しが出ていると言える」(安井氏)という。また,安井氏は「季節性インフルエンザの推定医療機関受診者数は,ピーク時に150万〜200万人/週。現在の27万人/週はまだまだ多いとは言えない」とし,今後のさらなる感染拡大に警鐘を鳴らした。
日本の新型インフルエンザによる入院患者数が1,000人超える
MTpro 2009年9月29日
坂口 恵
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/0909/090987.html
厚生労働省(厚労省)は本日(9月28日),新型インフルエンザ(A/H1N1pdm)による入院患者数の概況と内訳を発表した。9月22日までに入院した患者は累計1,107人となった。
入院は5~9歳で,死亡は60~79歳で最多
9月16~22日の1週間に入院した患者数は152人で,8月上旬以降同じレベルを保っている。
今回は累計患者の詳細な内訳が示されており,基礎疾患別で最も入院数の多かった慢性呼吸疾患患者のうち,5~9歳の子供が116人と最も多く,全入院患者数のほとんどを占めている。また,糖尿病などの代謝性疾患を有する患者や腎機能障害を有する人では60~79歳と40~59歳の入院が多かった。
急性脳症ならびに人工呼吸器を利用した人の数は,5~9歳でそれぞれ15,14人と全年齢を通じて最も多く見られた。一方,死亡者の年齢別内訳を見ると,入院の多かった5~9歳では死亡者が1人だったのに対し,60~79歳の高齢者は8人と全死亡者17人のおよそ半数にのぼった。
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