(関連目次)→新型インフルエンザについても集めてみましたo(^-^)o
(投稿:by 僻地の産科医)
外来で妊婦さんに、
「一応、インフルエンザになった場合の話をしておくね」
というお話をします。
37週の人には終わりが見えている(と思われる)妊娠生活ですが、
当然のように予定日が12月の患者さんもいらっしゃるわけです。
「秋になったら早めに
季節性インフルエンザワクチン
予約してうちにいってね」
というお話もします。
(今年は香港風邪初年と同じくらいの猛威を振るう見通し
との専門家の話です。)
タミフルのお話もします。
予防的内服の話もします。
「お薬の害は大丈夫なんですか?」
とよく訊かれます。
無害である、と言い切れるお薬はこの世に存在しません。
しかし今のところ、タミフルに関する有害事象での、
「一般人」と「妊娠中」に差異が出るような
報告はほとんどないそうです。
それに比べ、過去のパンデミックや豚インフルエンザ、
今回の新型、季節性インフルエンザなどで、
・流産例
・初期罹患発熱での奇形発生(脳・神経系)
・早産
・胎児心拍異常
・重症肺炎と死亡
などが報告されています。
だから、最終的に決めるのは妊婦さんですが、
飲むことをお勧めしています、という話をします。
外来では今罹患しているわけではないので、
「もし症状が出たらこの話を思い出してね」
というお話をしていますので、
みなさん納得されて帰っていかれます。
ハイリスクの妊婦にもタミフルが使えなくなる
Dr.rijinのギモン 2009年05月24日
http://blog.livedoor.jp/rijin_md/archives/51225625.html
ちなみに。
新型インフルエンザごときでカリカリするか?
というコメントを頂くことがあります。
(っていうか、見ていただければ分かりますが、
私の新型インフルエンザ資料集めは騒ぎよりすっごく
前から始まってるし、ブログですから。
今まで見に来ていない(と思われる)のに、
話題になったからって
文句だけつけないでほしい。。。とかなり思っています。)
それはともかく、
日本の妊産婦死亡率を考えてみてください。
日本で妊産婦死亡が起こったら、どうなっていますか?
インフルエンザなら仕方がないといってもらえるでしょうか???
精一杯予防の手を尽くす、
危険性を周知するのは当たり前だと思うんですよね。
そもそも通常時だって手が足りてないのに!
危険性は知っておいて頂かないと、
困るのは患者さん、医療者
双方だと思っています(>▽<)!!!
豚インフルエンザ 押谷仁東北大教授「新型インフルエンザではウイルス性肺炎が死因となり、亡くなるのは子どもと20代〜50代の成人という若い世代で、基礎疾患がなくても少数が重症化。日本で死亡例が出るとしたらこれから1カ月後。その時重症者を管理するICUのベッドと人工呼吸器は確実に不足。ウイルス性肺炎でARDS(急性呼吸窮迫症候群)を起こすとほとんど救命できない」@5/20 緊急報告会講演より
天漢日乗 2009-05-26
http://iori3.cocolog-nifty.com/tenkannichijo/2009/05/20501icuards520.html
では、ばみゅ先生より♪
【産科医解体新書】(39)新型インフル、すわ感染か?
MSN産経ニュース 2009年5月26日
(1)http://sankei.jp.msn.com/life/body/090526/bdy0905260806003-n1.htm
(2)http://sankei.jp.msn.com/life/body/090526/bdy0905260806003-n2.htm
ついに日本国内でも新型インフルエンザの感染が拡大し始めました。僕たちの外来にもたくさんの発熱妊婦さんがやってきます。
感染症の蔓延(まんえん)を防ぐという意味で、妊婦さんも、かかりつけ医ではなく、発熱外来を持つ病院に電話相談した上で行っていただくことになっています。ただし、患者さん自身も判断に迷うことがあるでしょうし、発熱外来の医療者の人手にも限りがありますから、それぞれの症状に合わせて臨機応変に対応する必要があるでしょう。
今のところ、呼吸器系疾患などの既往がなければ新型インフルエンザの重篤化は少ないようですが、未知の感染症に対しては注意を怠ってはいけません。医療者も感染を恐れています。感染すれば隔離され、その他の妊婦さんや具合の悪い方の診療ができなくなるし、何より患者さんに感染させる可能性があるからです。
僕も発熱患者さんの検査中に息苦しくなりました。「まずい! 感染したか? 他の人にも感染させてしまったかもしれない!?」と絶望的な気分になりました。こっそり看護婦さんに打ち明けてみたら、「先生、検査のときに患者さんと一緒になって息を止めていましたよ」と冷たい目でみられました。
妊婦さんは自分のことだけでなく、赤ちゃんのことが心配だと思います。今は良いお薬があります。お薬による赤ちゃんへの副作用も今のところ報告されていません。それでも心配で仕方がないという方は、周囲の人と話をすることで少しは心が軽くなるかもしれません。
インフルエンザであってもなくても、実際に自分の手で赤ちゃんを抱っこするまでは妊婦さんの心配の種は尽きません。過度に心配しても状況は好転しませんが、そうかといって、たかをくくって普段と同じように生活するのもいけません。当たり前の予防措置を続けること。それが一番難しく、時に効果に疑問をはさみたくなりますが、こういう事態では唯一できることだと思います。(産科医・ブロガー 田村正明)
ご紹介ありがとうございます。TB打たせていただきました。
投稿情報: rijin | 2009年5 月26日 (火) 18:21
きゃっ(>▽<)..。*♡
先生、コメント有難うございます!
投稿情報: 僻地の産科医 | 2009年5 月26日 (火) 19:37