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(投稿:by 僻地の産科医)
以前、感情労働という本を読みましたけれど、
この「共感疲労」という言葉の定義はちょっと違うようですね。
疲れちゃうんですよね。。。
ストレスを抱えた医療従事者は“共感疲労”と闘っている
Health Day Japan 2009.4.20
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=1823&Itemid=37
“共感疲労(compassion fatigue)”と呼ばれる一種の感情的な燃え尽きは、癌(がん)患者に対応する医師や看護師、その他の医療従事者に見られるが、不安や皮肉癖、慢性疲労、いらいら感、問題飲酒につながることのあるこの現象(phenomenon)に関する研究はほとんど行われていない。
これらの医療従事者は、患者を失ったことに伴う喪失感から自身を守るために感情を切り離すようになることが多く、最終的には離職する者もいる。米インディアナ大学医学部(インディアナポリス)精神医学准教授のCaroline Carney Doebbeling博士は「これは、実に厳しい環境に長期間曝されることを意味する」と説明している。
“共感疲労”という用語は1990年代に広まり、一部の医療従事者が自身を守る方法として示した精神的に距離をおく状態を表す。今回の研究で、Doebbeling氏らは、1950~2008年に発表され、キーワードに“共感疲労”を含む57件の研究をレビューした。
癌の状況を扱った研究は1件のみで、他は看護師、外傷を治療する医療従事者、外傷患者を扱っていた。同氏によれば「より典型的な共感疲労は気づかないうちに人を蝕むプロセスである」という。より慢性的な共感疲労が認められる人では、患者や家族に悪い知らせを伝えたり、大きなストレス要因である疼痛や家族問題を扱ったりする傾向がみられた。
Doebbeling氏は、対処方法として、この問題に取り組む人の職業的なネットワークの維持と現実的な目標設定を挙げ,「若い医師には死が自然経過の一部であることを教育していく必要がある」と述べている。研究結果は、医学誌「Journal of Health Psychology(健康心理学)」3月号に掲載された。
米モンティフィオーレMontefiore医療センター(ニューヨーク)のSean O'Mahony博士は「共感疲労は非常に一般的である。技術の進歩に伴い医療が忙しく複雑になるほど、短期間で扱う重病患者数は増える。他人の苦しみを見て受ける感情面への影響を抑えようとするのはごく当然と思われる」と述べている。別の専門家は「この研究は、医療従事者が生活の中でバランスをとる必要があることも指摘し、個人と医療機関の実践的な対処方法について考察している」と述べている。
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