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(投稿:by 僻地の産科医)
つい最近、みんなで話し合っておりました。
最近、医師のロールモデルが壊れちゃったよね?って。
たとえば、
・教授
・臨床バリバリ市中病院部長
・開業医
教授には権威がなくなり、
市中病院部長は雑務に取り殺され、責任ばかり押付けられる。
開業医は昔のようには儲からない。下手するとツブレル。
なにやっていいのか、どっちの方角に行っていいのか。
ま、いいんだけれどね?
勤務医は若いうちしか続かないんですよ。体力的に。
医師の報酬格差、「原因は中医協」―財政審で意見
キャリアブレイン 2009年4月22日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/21674.html
財務相の諮問機関である財政制度等審議会(西室泰三会長)は4月21日、「医療提供体制の再構築」をめぐり意見交換した。財務省が提出した説明資料では、病院勤務医の「年収」と開業医の「収入格差」に約2倍の格差があるとしており、委員からは「格差が生じた原因は、まさに中医協の問題だ」「開業医より、勤務医の待遇が良い方が正常な姿かもしれない」などと、“格差是正”を求める意見が出た。
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財政審終了後の記者会見で西室会長は、社会保障について、今後2回にわたり引き続き審議する方針を明らかにした。財政審は、来年度予算編成に関する「春の建議」の素案を5月中にもまとめ、早ければ6月第1週に提出する見通しだ。
この日、財務省が提出した「病院勤務医と診療所医師(開業医)の給与の比較」では、厚労省が07年6月に実施した「医療経済実態調査」のデータを基に、病院勤務医の「年収」を1415万円、個人開業医の「収支差額」を2804万円と試算し、両者に2倍の開きがあるとした。
試算は、介護保険による収入のない医療機関の集計データのうち、同月分の病院勤務医の収入(118万円)と一般診療所の収支差額(234万円)を基にそれぞれ12倍した値。資料によると、開業医の収支差額は「保険診療収入等の医業収入から給与費や医薬品費等の医業費用を差し引いたもの」で、「主に開設医師の報酬となる」としている。
この日の財政審では、「開業医と勤務医の報酬そのものに明らかに格差がある。格差が生じた原因は、まさに中医協の問題だ」「米国だと開業医の報酬が低いが、日本とは逆に開業医が不足している。米国では地方によって医療の事情が違うが、開業医よりは勤務医の待遇が良い方が、正常な姿かもしれない」などの意見があった。会見で西室会長は、「診療報酬の問題は、医療の将来に対する根幹の部分」だと強調。その上で、「今までの診療報酬の決め方について、中医協を批判すべきところはしっかりと批判していく」と述べた。
一方、社会保障費の自然増のうち毎年2200億円を抑制する政府方針については、「現実的に考えて、2200億円の削減だけを金科玉条にするのが正しいかどうかも論議せざるをえない」と述べた。
診療報酬「開業医は減額」 勤務医との差是正 財務省提案―偏在問題解消狙う
2009/04/22 日本経済新聞 朝刊
財務省は二十一日、医師の偏在問題を是正するため、病院勤務医と開業医の診療報酬の配分を見直すべきだとの意見を財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に示した。病院勤務医と比べて高く設定されている開業医の再診料引き下げなどを念頭に置く。両者の待遇の差を縮め、医療現場の担い手不足を解消する狙い。年末の診療報酬改定に向け、社会保障費の抑制を訴える思惑もある。
「診療報酬の問題は医療の根幹だ。報酬の決め方について、批判すべきところはしっかり批判する」。財制審の西室泰三会長は二十一日の会合後の記者会見で、国が医療行為ごとに決める医療費の単価である診療報酬の配分を見直す必要性を強調した。
財務省が財制審に提出した資料によると、一九九六年以降の十年間で、全国の医師の総数は八・三%増えたが、診療科目別では偏在が顕著だ。精神科は二〇%、泌尿器科は一六・八%増えたが、外科は七・七%減、産婦人科は一〇・六%減った。地域別の医師数増加率も、首都圏や関西圏への集中が明らかだ。二〇%以上増えた埼玉、千葉県に対し、東北や四国の多くは数%だった。
こうした偏在の背景にあるのは、病院勤務医などの過酷な労働実態だ。待遇や労働条件が比較的よい開業医に転身するケースも少なくない。
財務省は、開業医の年収は病院勤務医の一・八倍―二倍に達すると指摘し、「報酬を増やす前に、人材を適正配分することが先だ」と主張する。待遇の格差を縮めることで開業医シフトにも歯止めがかけられるとみている。
勤務医と開業医の収入差を埋めるには、同じ病気で二回目以降の診察時にかかる再診料の差を縮めたり、勤務医への加算を手厚くしたりする方法がある。前回の診療報酬改定では開業医の再診料引き下げが焦点だったが、日本医師会の反対などで見送られ、代わりに勤務医の再診料が引き上げられた。
診療報酬の改定率は政府が予算編成過程で決めるが、報酬の配分方法を決めるのは中央社会保険医療協議会(中医協)だ。財制審では、中医協の委員構成の見直しも議論する方針だが、日本医師会や与野党の反発は必至だ。
財務省は同日の会合で、国立大の医学部生が診療科目を選ぶ際に定員規制を導入する案も示した。国立大の医学部生に必要となる入学金や授業料などの学費は、私立大と比べ六年間で二千万円以上少ない。同省は「育成に多くの国費を投じており、私大よりも公的関与の余地が大きい」として、学生の志望が特定の診療科目に偏りがちな現状を改めるべきだと主張している。
無床診療所数が35施設減少、開業に急ブレーキ 厚労省調査
Online Medニュース 2009.4.21
・1年ぶりの減少
厚生労働省がまとめた医療施設動態調査月報の09年1月末概数によると、一般診療所のうち無床診療所数が前月に比べ35施設減少したことが明らかとなった。昨年1月の14施設減少以来1年ぶりの減少だが、減少の数は昨年を上回った。開業への流れにさらに強いブレーキがかかりそうだ。
無床診療所数は1月末で8万8061施設となった。昨年の12月も15施設増にとどまっていたが、1年を通しても703施設増で07年の増加数の半数近くに落ち込んでいた。
有床診療所を含めた一般診療所全体では、昨年は111施設の増加にとどまり、07年まで続いた1000施設程度の増加の10分の1に落ち込んだが、今年はさらに増加数の減少が進みそうだ。
資料:医療施設動態調査(平成21年1月末概数)(厚労省)(下記のアドレスをクリック。またはコピーしてホームページ閲覧画面のアドレス欄に貼り付け、キーボードのEnterキーを押してください)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/m09/is0901.html
私は有床診療所なんですが、有床診療所を開業するのは大馬鹿者だというのを開業してから気づきました。そして開業する時、既に有床診療所が減少に転じていた、つまり大馬鹿者だと既にその当時から多くの開業予備軍(つまり勤務医)は気づいていたってことです。気づいていなかった私が大馬鹿者だった。
そして、現在は無床診療所もと。
勤務医の逃散先つぶしも成功ということになりますか。勤務医は奴隷のままでいさせる政策は成功しつつある。
投稿情報: 町医者 | 2009年4 月24日 (金) 10:57