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(投稿:by 僻地の産科医)
日本医事新報 No. 4428(2009年3月7日号)から ..。*♡
審議会機能発揮できる組織作りを
(日本医事新報 No. 4428 2009年3月7日号 p32)
▼2日に首相官邸で開かれた「厚生労働行政の在り方に関する懇談会」で最終報告案が示された。起草委員からは、昨年12月の中同報告でさらに検討を深めることとされた「行政組織・体制」について重点的に記述したことが説明。
懇談会メンバーからは、「厚労行政がどういう方向に向かうのか分からない」など、組織改革に踏み込んだ内容になっていないことを批判する声が続出した。
▼また、中間報告では、懇談会が設置されるきっかけとなった「後期高齢者医療制度」「年金記録」「薬害肝炎」の問題について原因分析が行われているものの、最終報告案ではそれらに対するフォローアップが記されていない。
▼この日の懇談会では、最終報告案を批判するメンバーに対し、起草委員が「そもそも、
この懇談会で具体的な組織改編の議論は一切していないので、最終報告に書くことはできない。ぜひ具体的な議論をしてほしい」と苦言を呈する一幕もあった。年度内の取りまとめに向け時間はあまりないが、懇談会は可能な限り実りある議論を行ってほしい。
▼そのためには、省内に山積するその他の課題に目を向けることも必要ではないか。例えば、社会保障審議会は正常に機能しているだろうか。2月26日に開催された社保審医療部会では、政府の社会保障国民会議が「医療・介護のあるべき姿」を示した最終報告が紹介された。この最終報告は厚労省大臣官房が実質的な資料作成を行ったにもかかわらず、部会の意見を反映させる機会が与えられなかったことに対し、委員の不満が噴出した。
▼同様の事態は平成17年末に厚労省が療養病床再編の方針を固めた際にも起きた。この問題は、23年度末に廃止される介護療養とその受け皿の介護施設を所掌する社保審介護給付費分科会のみで審議され、医療療養を所掌する医療部会に対しては事後報告が行われただけだった。
▼重大な施策に関わる決定に、審議会レベルの意見が十分に反映されないのであれば、その審議会は形骸化していると言わざるを得ない。これらの事例では、部会・分科会の担当部局間の連携にも問題がある。そのため「在り方形」は、
①部会・分科会再編の必要性を検討する
②(最終報内案で示された「医政・保険・老健の3局が統一の方針の下に政策を立案・実施する」との考え万をさらに据り下げ)省全体の方針統一を徹底する
―の2点を提言してはどうか。
審議会の機能を十分に発揮できる組織作りが求められているのではないか。
代行請求における負担軽減策
(日本医事新報 No. 4428 2009年3月7日号 p32)
厚生労働省は、レセプトのオンライン化に対応することが困難な医療機関・薬局を対象に「代行請求」の仕組み(三師会が代行請求機関となってオンライン請求する仕組み)を構築するとともに、代行請求を利用する医療機関・薬局の費用負担の軽減策を検討している。
同省は2月27日の自民党医療委員会で、現在考えている負担軽減策を説明。①平成21年度予算案において、代行請求機関でレセプトを電算化するためのソフト開発経費を確保、①さらに、20年度第2次袖正予算において措置された「ふるさと雇用再生特別交付金事業」の活用も検討している―とした。
このうち②の「ふるさと雇用再生特別交付金事業」(予算額2,500億円、23年度末まで)は、「都道府県に対する交付金により基金を創設し、創意工夫を凝らした事業の実施を支援することにより、地域求職者等の安定的な雇用機会の創出を図る」もの。地域の実情に応じて地域求職者等を雇い入れて行う事業に対し、基金から事業に要した費用が支給される(1年以上3年以内)。
開省はこの事業で、電子化に取り組む地域の医療機関等における医療事務を支援する方針。具体的には、紙カルテから電子カルテヘの入力や電子媒体の保存などを行う従事者を雇用して電子化に取り組む医療機関等を支援する考えで、この枠組みを活用して、代行請求機関が組レセプトの電子化などを行う取り組みについても支援できないか検討している模様だ。
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