(関連目次)→無過失補償制度 目次
(投稿:by 僻地の産科医)
情報収集、「内容の整理を」―産科補償制度
キャリアブレイン 2009年3月16日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/21086.html
分娩に関連して発症した重度脳性麻痺児を対象とした「産科医療補償制度」で、脳性麻痺発症の原因分析などを行う日本医療機能評価機構の「産科医療補償制度原因分析委員会」は3月16日、分娩機関や保護者からの情報収集などについて意見交換した。この中で、分娩機関からの情報収集について委員から「出産から補償の申請まで、半年や1年たっている場合、その時の勤務医の状況など、およそ分からない話」などとして、収集する情報内容の整理を求める声が上がった。
【関連記事】
中立的な事例分析を―産科補償制度
発症の原因、委員会と6分科会が共同分析-産科補償制度
産科補償制度の病院加入率99.8%に
出産育児一時金、さらに4万円引き上げへ―厚労省
産科補償制度、事務コストは年52.4億円
同制度で脳性麻痺児の分娩を扱った医療機関が同委員会に提出する書類には、病院の病床数や設置主体、医療安全体制などの診療体制や、事例に立ち会った医療従事者の当直日数、オンコール日数などについて記載を求める。
一方、脳性麻痺児の保護者からの情報収集に使用する意見書では、妊娠から出産後に退院するまでの間に、実施された検査や処置、それらに関して受けた説明などについて記載してもらう。
分娩機関からの提出書類について、委員からは「何を目的にした書類なのか、よく分からない。出産から補償の申請まで、半年や1年がたっている場合、当時の勤務医の状況など、およそ分からない話。もっと整理した方がいいのではないか」との声が上がった。
また、保護者からの意見書に対しては、「カルテや母子手帳など、情報がないと記憶をたどるのは難しい。分娩機関から得た情報を家族に渡して、それを基に書いてもらうことなどを検討してほしい」「会話から初めて出てくる情報はたくさんある。丁寧な聞き取りは、(同委員会の)報告書が出た際の保護者の納得への道にもつながるので、聞き取りの仕組みや体制づくりも検討してほしい」などの意見が出た。
同委員会の部会が、分娩機関から提出された診療録などや、脳性麻痺児の保護者からの情報に基づいて医学的観点から検証・分析を行い、原因分析報告書を作成。その後、同委員会で報告書の承認の可否を決定する。報告書は、保護者と分娩機関に提出するとともに、一般にも情報公開する。
原因分析の審議は早くて9月-産科補償制度
キャリアブレイン 2009年3月16日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/21088.html
3月16日に開かれた日本医療機能評価機構の「産科医療補償制度原因分析委員会」で、事務局側は、最初の事例を審議するのは、早くて今年9月ごろになるとの見通しを示した。
【関連記事】
情報収集、「内容の整理を」―産科補償制度
中立的な事例分析を―産科補償制度
発症の原因、委員会と6分科会が共同分析-産科補償制度
産科補償制度の病院加入率99.8%に
出産育児一時金、さらに4万円引き上げへ―厚労省
同制度の対象になる重度の脳性麻痺では、補償申請できるのが生後6か月以降になるため、申請の受け付けは早くとも今年7月以降になる。この場合、脳性麻痺の発生原因の報告書を作成する原因分析委員会の部会による審議は9月ごろ、本委員会による審議は10月ごろになると想定している。
この日、事務局が提示した資料によると、部会のメンバーは産科医や小児科医(新生児担当医)、助産師、弁護士など6人。部会では、メンバーの産科医が作成した報告書案を審議し、部会としての報告書を取りまとめ、本委員会に提出する。これを受けて本委員会が部会の報告書を審議し、承認の可否を検討する流れになる。
事務局の予測では、今年9-11月の四半期で部会が扱う審議件数は30件程度とみられる。一方、事務局は当面、6つの部会を設置する方針で、1部会当たりだと月平均1-2件程度を審議することになる。
その後、審議件数は徐々に増加し、2012年9-11月期には200件に達するものの、それ以降は頭打ちになるとみられている。1部会当たり月に11-12件の審議を担当する計算だ。
部会による報告書作成に協力するため、事務局には産科医、助産師、看護師を配置する。診療録や助産録、検査データ、保護者からの情報などを整理し、事例ごとの概要を作成。事務局の産科医がその内容を医学的に精査する。
16日の委員会で事務局は、部会の開催回数が今後、増えると予想されるため、状況に応じて体制を見直す考えを示した。委員からは、部会のメンバーを全国から集めるのか、首都圏から集めるのかとの質問があり、事務局側は「現実的には関東地区中心と考えざるを得ない。ただ、地域性のこともあるので、首都圏だけでなく、一部は他の地域にもお願いすることも検討せざるを得ない」と答えた。
コメント