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(投稿:by 僻地の産科医)
「まんが 医学の歴史」
茨木保 医学書院
http://store.shopping.yahoo.co.jp/7andy/32024002.html
とっても面白かったです(>▽<)!!!
おススメ度 ★★★★★
らららん。
古代の信仰、民族学的治療から、宗教の混ざった医学、
それからの科学的医学への移行、過渡期、
先人達の努力。とっても楽しく読めました(>▽<)!!!
医学の基本は解剖で、
いまでも医学教育は(たぶん)どこの大学でも
解剖学から入ります。
最初はショックで、医学生の頃は、
「こんなの教科書だけ見て覚えればいいじゃん~(>_<)!!!」
と思っていましたけれど。(臭いも強烈だし!)
でも医学の歴史をみてみると、
宗教の芽生えと同時に、
今まで身近だった「死体」を解剖するなんてとんでもない!
という風潮に変わってきて、
どの国でも「解剖」するのがどれだけ大変だったか、
とてもよくわかりました。
中国にも解剖図があります。
微妙に違うのですが、全然違うともいえない。
でも全然違う。。
昔の人の言い伝えや伝言ゲームを
イメージ図にしたらこうなった!
という感じなのでしょう。。
。。
というわけで、ヨーロッパでも、
マッドサイエンティフィックな先人達が、
墓で遺体泥棒して解剖して、
「ん?全然解剖図ちがうじゃん!」
となって、すったもんだの末、
医師と画家だけに解剖が許された時代に、
レオナルド・ダ・ビンチは生まれたそうです。
運のいい人です。 (↓ダ・ビンチ)
で、漸く解剖ができるようになって、
「解剖、わかったもんね~」
となっても、最初、心臓がポンプの役目を果たしているってこと
わからなかったわけです。
みんなで一生懸命考えて、試行錯誤の上でようやく、
肺とか心臓の役目がわかってきた。
打診、聴診は今も触診、視診と並んだ
有用な手法ですが、 これも、
編み出されるまでにかなりの時間がかかっています。
かんがえついた人偉いよ~。。。(;;)。
特に打診については、
打診して、死んだら解剖。
打診して、死んだら解剖。
で漸くわかるようになった。
。
死体の肺に水を入れて、
打診の音の変わり具合まで研究してるんです。
。
なんて恐ろしい子。。。
(あ、ガラスの仮面、
新刊発売中ですo(^-^)o ..。*♡)
聴診の最初は、でぶっちょのご婦人に、
「うーん、打診ができん」
と紙を筒に丸めたのが最初だとか。
関係ありませんが、私が大学にいた頃、
過去の遺物であった
たぶん松本良順とかも使っていただろう、
聴診器のお友達みたいなの、
まだ放置してありましたけれどね。
。
(胎児心音きくための。
使ってなかったけど
画像と違って木製です~)
現在は打診はCTやエコーなどの画像診断の発達に伴い、
すこし臨床的価値が落ちてきています。
私の頃はそうじゃなかったけれど、
「触診もせずに、誰にでも、なんにでもCT撮る!!!!」
研修医が溢れてきているところをみると、
私達の時代の医学も、どんどん「歴史」になりつつあるのかもしれませんね。
というわけで、まだまだ医学も試行錯誤の中にいるのです!
おすすめの一冊です!
一般の方にもおススメです。ぜひ、読んでみてくださいo(^-^)o ..。*♡
早速注文しましたです。
紹介いただき、感謝しておりますです。
こうゆうのが欲しかったんです。
投稿情報: ばあば | 2009年2 月 1日 (日) 12:41