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(投稿:by 僻地の産科医)
受精卵の複数移植は、人情としてはわかるものの、
母児医療のためにも越えてはいけない一線だと思います。
ただ60歳超えて、一生懸命やっていらっしゃったとの事。
人手不足、地方での不妊治療
について考えさせられる事件でもあります。
香川・受精卵取り違え、県が担当医を懲戒処分へ
読売新聞 2009年2月25日
http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20090225-OYO1T00611.htm?from=main2
香川県立中央病院(高松市)で体外受精卵が取り違えられたとされる問題で、同県は「取り違えで20歳代の女性が中絶した結果は重大」などとして、担当した川田清弥医師(61)を懲戒処分にする方針を固めた。県は、川田医師から改めて詳しく事情を聞き、日本産科婦人科学会の調査も踏まえて処分内容を決める。県は、川田医師の受精卵の取り扱い、管理がずさんだったと判断。受精卵を取り違えた疑いのほか、昨年4月以降、「移植する受精卵は原則一つ」とした同学会の会告(指針)に抵触していると認識しながら、妊娠率を高めるため、この女性を含めて、受精卵移植の約3割にあたる25回前後、複数個を移植したことなどを重視している。
川田医師は昨春、県を定年退職して嘱託職員となっているが、県は地方公務員法の懲戒規定に準じて処分を検討。川田医師は1993年以降、同病院の産婦人科医で唯一、体外受精に携わっており、免職(解雇)にすれば患者への影響が大きいことなどから、重い処分でも、停職(出勤停止)や減給にとどめる可能性が高いとみられる。
取り違え医師、3割が複数受精卵移植 院長の注意後も
朝日新聞 2009年2月25日
http://www.asahi.com/national/update/0225/OSK200902250038.html
受精卵取り違え:日産婦、医師聴取へ
毎日新聞 2009年2月25日
http://mainichi.jp/select/science/news/20090225ddm041040044000c.html
香川・受精卵取り違え問題 医師、倫理規定に違反し複数の受精卵移植を20回以上行う
岡山放送 2009年2月25日
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00150058.html
受精卵の取り違え問題で、香川・高松市の県立中央病院の医師が、学会の倫理規定に違反して複数の受精卵移植を2008年4月以降、20回以上行っていたことがわかった。病院によると、香川県立中央病院の川田清弥医師は、2008年4月から2月まで83回の受精卵移植を行い、このうち、20回以上患者に複数の受精卵を移植していたという。
日本産科婦人科学会の倫理規定では、母子にリスクをともなう複数の胎児の妊娠を防ぐため、複数の受精卵移植は禁止されている。川田医師は「倫理規定に違反することはわかっていたが、妊娠の確率を上げるためにやった」と話している。
3個の受精卵を移植=学会の見解違反は認識-受精卵取り違えで担当医・香川
財経新聞 2009年2月24日
http://www.zaikei.co.jp/article/biznews/090224/33084.html
23人28件で倫理規定抵触治療 受精卵移植
MSN産経ニュース 2009年2月25日
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090225/crm0902252041033-n1.htm
不妊治療患者の受精卵を取り違えた可能性が問題化している香川県立中央病院(高松市)は25日、川田清弥医師(61)が昨年4月から今年2月下旬までに、日本産科婦人科学会の倫理規定に抵触した受精卵移植を、中絶した20代女性を含め、23人の患者に対して計28件実施していたことを明らかにした。
川田医師は昨年4月から70人の患者に83件の受精卵移植を実施。うち23人が同学会規定に抵触する移植を受けた。11人が妊娠し、9人が胎児1人を妊娠する単胎妊娠で、このうち1人は流産、1人は取り違えが判明し中絶した。残る2人は胎児2人を妊娠する双胎妊娠。生まれた双子2組のうち3人が出産時の体重が2500グラム未満の低体重児だったが、経過は良好で、いずれの母体も異常はなかったとしている。
同学会は母体への危険性があるとして、受精卵の複数移植を原則禁止する倫理規定を昨年4月に通知した。しかし川田医師はそれ以後も3個の受精卵を移植するなどしており、川田医師は「妊娠の可能性を高くするためだったが、学会の規定に抵触した事実を重く受け止め、反省している」とコメントした。同学会は「川田医師から事情を聴くなどして調査した上で、対応を検討する」としており、28日に開く理事会で協議する。問題を受け同県はこの日、受精卵を取り違えるなどずさんな管理が重大な結果を招いた-などとして、担当の川田医師への処分を含めた検討を始めた。改めて本人から詳しく事情を聴くとともに同学会の調査結果なども踏まえ、何らかの処分を行う方針。
川田医師は昨年退職後、嘱託職員として勤務。地方公務員法の懲戒規定を適用できないため、過去の嘱託職員の処分例などをもとに判断するが、治療を受けている患者への影響なども考慮した対応になるとみられる。
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