(関連目次)→「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」
(投稿:by 僻地の産科医)
>いったん修了。全体像を改めて後日に
とあったので、しばらく待っていたのですけれど、
待ちきれないのでアップしますo(^-^)o ..。*♡
2月3日に最終会議があったようなのですけれど、
一番興味深かったのは、川口さまからの報告!
> この時は誰も何も反論しなかった。
> だから、てっきり根回し済みなんだと思っていた。
> 実態はそうではなく、あまりの『裏切り』に
> 委員みな声がなかったということのようだ。
とあるのです!!!!
m3の方の記事もぜひ参考にしてください。
周産期・救急懇談会6
ロハス・メディカルブログ 2009年2月 3日
(1)http://lohasmedical.jp/news/2009/02/03215334.php
(2)http://lohasmedical.jp/news/2009/02/03215334.php?page=2
(3)http://lohasmedical.jp/news/2009/02/03215334.php?page=3
(4)http://lohasmedical.jp/news/2009/02/03215334.php?page=4
(5)http://lohasmedical.jp/news/2009/02/03215334.php?page=5
(6)http://lohasmedical.jp/news/2009/02/03215334.php?page=6
(7)http://lohasmedical.jp/news/2009/02/03215334.php?page=7
有賀発言の背景はこれか?
ロハス・メディカルブログ 2009年02月05日
http://lohasmedical.jp/blog/2009/02/post_1595.php
周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会
報告書案了承も、成否は「カネ次第」
実効性担保のために財政的な支援を求める声が多数
2009年2月6日 m3.com
橋本佳子
http://www.m3.com/iryoIshin/article/91040/
厚生労働省の「周産期医療と救急医療の確保と連携に関する懇談会」の第6回会議が2月3日開催され、前回会議の「報告書」(案)を修正・肉付けされた形の案が提示された(文末に、厚労省が提示した「主な検討事項の一覧」を掲載)。
周産期母子医療センターの指定基準を見直し、(1)母体・胎児・新生児型、(2)胎児・新生児型、(3)母体型の3タイプに類型化するほか、地域の医療機関の連携、NICU、救急患者の搬送体制などの整備を進める。並行して、救急医療に従事する医師への手当や勤務体制の改善などにより、人的リソースの維持・拡充も図る。さらに、救急医療情報システムと周産期救急情報システムの統合または連携の推進、地域住民への啓発活動なども盛り込み、行政、消防庁、医療機関、地域住民など、関係者すべてに関連する提言が盛り込まれている。
この案は、微調整・追記がされたものの、骨格は前回会議の案とほぼ同じ。3 日の会議では内容そのものには大きな異論は出ず、表現等の修正を経て、最終報告書になる。
【報告書概要(案)】
1.厚生労働省の組織の連携強化による縦割りの解消
2.周産期医療対策事業の見直し
3.救急医療・周産期医療に対する財政支援とドクターフィー
4.地域におけるネットワーク
5.医療機関等におけるリソースの維持・増強
6.救急患者搬送体制の整備
7.搬送コーディネーター配置等による救急医療情報システムの整備
8.地域住民の理解と協力の確保
9.対策の効果の検証と改良サイクルの構築
今後の焦点は、報告書の実効性だ。会議では、行政、さらには、この日出席した渡辺孝男・厚生労働副大臣に、手厳しい意見が相次いだ。
「財政的支援なければ、現場に負担を強いるだけ」
「『搬送コーディネーターの配置』などとあるが、財政的な裏付けがないと、厚生労働省はこの報告書だけを持って、医療機関に実施を求めてくることになる。診療報酬では、全体の中で“パイの奪い合い”になりかねないので、財政的支援を求める形で提言すべき」(山形大学医学長・嘉山孝正氏)
「今回の報告書で初めて評価された部分もある。しかし、美辞麗句に終わるのか、あるいは厚労省に責任を持って報告書の内容を実現してもらうよう提言するのか。単なる提言に終わり、10分の1も実現しないのでは意味がない」(埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター長・田村正徳氏)
「診療報酬は個々の行為に対する評価であり、救急医療では待機時間や搬送をはじめ、診療報酬で評価できない部分が数多くある。救急医療全体を評価するために、診療報酬以外の広い意味での財政措置が必要」(市立堺病院副院長・横田順一朗氏)
「私たちにとっては、診療報酬が“血”と“肉”。しかし、それが評価されてこなかったために、救急医療の窮状を招いている。診療報酬にも言及しないと、『検討会で議論した意味がない』と考える人がいるかもしれない」(昭和大学救急医学教授の有賀徹氏)
「新生児医療や長期入院問題に関連した事項は、診療報酬の形で例示する予定ではなかったのか。報告書に盛り込まれた個々の項目は、『診療報酬で何点』という形で盛り込まれて実現するもの。点数を具体的に提示する形でまとめるべき」(大阪府立母子保健総合医療センター総長・藤村正哲氏)
診療報酬で評価するか、あるいは予算措置で実施するかなどについては多少意見が分かれたものの、共通するのは、単なる報告書だけでは実効性が担保されないため、財政的な支援の必要性を明記すべきだという点だ。これらの意見を受け、厚生労働省医政局長の外口崇氏は、「診療報酬を含めた財政上の措置という形で記載すればどうか」と回答。
さらに、厚労省の「主な検討事項の一覧」に対し、北里大学産婦人科教授の海野信也氏は、「可能なことはできるだけ早く実施してほしい。『○○検討会を設置して実施』などとあれば分かるが、それが書かれていないので具体的にどのように進めるのかが見えない。報告書に明記されたことによって関係者の期待が高まることもあり、具体化の手順を示すべき」と求めた。これに対し、厚労省医政局指導課長の三浦公嗣氏は、「報告書案にあるように、ロードマップを早急に作成し、それにしたがって事業を進めていく」と引き取った。
会議は午後6時から午後8時20分まで開催。舛添要一・厚生労働大臣は途中、約30分出席。
2009年度予算案の「医師の手当」の実効性にも疑問符
さらに、検討会の議論は、2009年度予算案にも及んだ。興味深いやり取りが繰り広げられたので、最後に紹介する。
同予算案では、「休日夜間救急患者受入医療機関支援事業」が新設された。これは救命救急センターなどの医療機関が、休日・夜間等で救急医療に従事した勤務医個人に対する手当てを支給する場合、国がその3分の1、都道府県と市町村がそれぞれ3分の1以内で補助する仕組み。
有賀氏は、「この手当で、現場で働いている医師が、『あ、これでよかった』と思えるのか。医療機関に支払えと言っても、赤字が多い中で、払えない医療機関がたくさんある。医療機関が負担しない形に変更はできないのか。そうすれば現場は何とかなるのではないか」と現場の窮状を訴えた。
嘉山氏も、「財源がないからというのでは、この国は変わらない。財源を作るのが政治家の仕事ではないか。本当に国家はやる気があるのか、どんな国づくりをしたいのか、この検討会の報告書も、現場で何とかできることを提言したい」と国の対応を強く求めた。
これに対し、外口氏は、「2009年度予算案は既に国会に提出しているところであり、内容の変更はできない。もともと補助金は国が3分の1補助するルールであり、これは変更できない。この医師への手当は、2009年度予算案での初めての試みであり、実行の度合いを見ながら、いい方向に持っていきたい」と回答。これを受け、嘉山氏は、「外口氏は行政マンなので、ルール・法律に則り実行する立場であり、これらを変えることはできない。法律を変えることができるのは、政治家。この報告書でも、そこまで(踏み込んで)提言したい」と、渡辺大臣に対応を求めた。
渡辺大臣は、「2010年度予算については、いろいろ工夫する。救急医療は大変重要な分野であり、当然配慮する。制度の使い勝手が悪ければ、改善していく。現場が苦労されていることは分かっている」と苦しい答弁にとどまった。
【主な検討事項の一覧】
● 既に対応または対応中の事項
・ 厚生労働省の救急医療担当と周産期医療担当の連携強化
・ 医師の手当や勤務環境の改善に対する財政支援
・ 母体搬送コーディネーターの配置への支援
・ 出産育児一時金の引き上げ
● 2009年度末までに検討すべき事項
・ 周産期母子医療センター等の実態調査
・ 周産期医療体制の整備指針(周産期母子医療センターの指定基準を含む)の見直し
・ 周産期救急情報システムの改善
・ 公務員の就業規定やその運用の見直し
● 2009年度以降に検討すべき時候
・ 医療計画の基本方針の見直し
・ NICUの整備とその支援
・ GCUや一般小児病棟等の手厚い看護職員配置など対応能力の強化
・ 重症心身障害児施設等の後方病床および短期入所病床の整備とその支援
・ 周産期医療対策事業の見直し
・ 周産期救急患者の病態に応じた搬送・受入基準の作成
・ 必要に応じ県境を越えた救急搬送ネットワークの構築
・ 搬送元医療機関等に搬送する体制(戻り搬送)の促進
・ 新生児科の標榜や専門医の広告
・ 周産期母子医療センターの評価の仕組み
・ 地域住民の主体的な取り組みに対する支援
・ 救急搬送の実態把握
・ 財政支援や診療報酬上の措置等
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