(投稿:by 僻地の産科医)
日経ネットPlus 2008-12-28
http://netplus.nikkei.co.jp/nikkei/news/medical/research/res081228.html
日本経済新聞社が実施した「医療と健康に関する意識調査」では7割以上の人が「医師不足の解消」を医療の優先課題と考えているなど、医療の現状に多くの人が危機感を抱いている実態が鮮明に浮かんだ。
■「病院・診療所の連携」要望強い高齢者
「医療に対して優先的に取り組んでほしいこと」はどの年代層も「医師不足の解消」と「医療事故の原因究明・防止策」が多数を占めた。それ以外の項目は年代によって優先順位に違いがみられた。
70代以上は「病院と診療所の連携強化」(34.2%)が「医療事故」(34.7%)とほぼ同率の高さ。40代は「医療機関の情報開示の推進」が28.1%で、同年代の3番目に入った。不妊治療の保険適用は20-30代で高い割合を示した。
「今後充実を望む医療」は全世代から強い要望があった「救急医療」がトップとなった。2位以下は年代ごとの特徴が色濃く出た。
「小児医療」は20代(41.4%)、30代(56.0%)で高い割合を占めたが、40代以降は減少。代わって「家族介護を要しない入院医療」の割合が増えた。「予防医療」は60代(22.3%)、70代以上(15.3%)で高かった。
年代間の差がはっきりと出たのは「モンスターペイシェント」。20代、30代は「意味を知っていて他人に説明できる」が2割以上いたが、40代以上は徐々に減り、「知らない、聞いたことがない」が4割を超えた。
「インフォームド・コンセント」は30-50代で「他人に説明できる」と答えた人が最多だったが、20代、60代、70代は「知らない」が最も多かった。「ジェネリック」や「セカンドオピニオン」は全世代で高い理解度が示された。
身近な医療機関で閉鎖や縮小があったと回答した人(29.4%)に医療機関の種類を尋ねたところ、「診療所」と「国立病院・自治体病院」が共に4割弱。民間病院などその他の病院が33.2%だった。
産婦人科や内科に続いて閉鎖・縮小が多かったのは婦人科(9.9%)、整形外科(9.4%)、外科(8.7%)、眼科(8.2%)だった。
閉鎖や縮小を経験した人のうち、「自分や家族が影響を受けた」のは36.3%。影響を受けた人の対応は男女で違いがあり、男性は「別の医療機関に通院した」が76.6%と女性より17.8ポイント高かった。女性は「治療をあきらめた」が9.4%で、男性より6.3ポイント高かった。世帯収入別にみると、治療をあきらめた人は年収300万円未満で12.9%と他の所得層と比べて高い割合だった。
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