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(投稿:by 僻地の産科医)
介護就職戦線「異変あり」
キャリアブレイン 2009年1月1日
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/19865.html
介護の世界に飛び込もうとする学生とその周囲に、静かな変化が起こっている。経済状況が大きく変化する中、就職活動を前倒しで始める学生。行政は人材を呼び込もうとPRに必死だ。一方、人材を送り出す側の専門学校も、学生確保に懸命に策を練る。
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暮れも押し詰まった2008年12月21日、東京都福祉人材センターは、東京都新宿区で今年2回目の「福祉業界合同採用試験」を実施した。この日は午前中に小論文と適性検査が行われ、午後は採用を希望する都内の福祉施設71法人(このうち51法人が高齢者介護を行う)が合同説明会を行った。試験にパスすれば、希望する施設で面接を行い、09年2月末までに内定が出る予定だ。
合同採用試験は07年11月にスタート。参加者は、1回目は124人だったが、08年8月に開催した2回目には172人、3度目の今回は286人まで増えた。今回の参加者のうち、10年3月の卒業予定者が約40%、転職希望者が35%、残りは今年3月の卒業予定者で、転職希望者以外は、福祉関係の学部に通う大学生が大半だという。
同センター人材情報室の中村孝一室長は、「大学生の福祉施設への就職はこれまで、実習が終わる4年生の9月から活動を始めるのが普通だったが、一般企業に就職を希望する学生であれば3年生の秋には活動を始めるため、福祉業界を希望する学生に焦りがあるのでは」と見ている。
就職活動を早めることになる合同採用試験について、大学関係者からは「学生を焦らせないで」という声と「早くから就職を意識した方がいい」という声があり、評価は分かれるという。今回の試験に受かった場合、面接を受ける権利は2年間保持されるが、10年3月に卒業予定の大学3年生などは、09年の夏以降に行われる面接を受けることになるという。
中村室長は、「福祉関連は志望者が有利な売り手市場。参加する施設には、働きやすい雰囲気の職場をつくり、研修などを行って職員を大切にするように伝えている。居心地がよければ、定着率も上がるのではないか」と語る。
この日試験を受けた、大学の福祉関連学部に通う3年生の女性は、既に有料老人ホームを運営する民間企業の説明会に参加している。高齢者介護施設を希望するが、就職先を選ぶポイントは人間関係のよさそうな職場だという。「両親は介護にあまりいいイメージを持っていない。体力とメンタルの面でわたしがやっていけるのか心配している。雰囲気がいい職場に行きたい」と話す。
20歳代の女性は、九州からやって来た。大学卒業後に社会福祉士の資格を取ったというが、別の職業に就いていた。介護の仕事に戻ってケアマネジャーを目指すつもりだが、九州ではキャリアアップにつながる就職先が見つからないため、今回の説明会に参加したという。「まずは、正職員になりたい。給料はその次で、標準的であればありがたい」という。
障害者援護施設を志望する4年生の男性は、給料とやりがいが、仕事を選ぶ上でのポイントだという。男性は説明会で給料について質問したが、「定期昇給については、緩やかに伸びていく」と説明されたという。
採用したい側は厳しい状況を語る。東京都西部にある特別養護老人ホームの職員は「学生を集めるのは大変。人間関係が原因で辞めてしまう若手も多く、定着するためにケアをしている」という。
また、23区内で特養を営む事業者は、「学生に理念や考え方を伝えるようにしている。説明会ではあまり給料について聞かれないが、実際の面接では、かなり質問される」という。
■医療・福祉のイメージアップ図る千葉県
千葉県は、医療・福祉の人材確保のため、イメージアップ作戦を始めた。関東・甲信越地区にある約560の医療・福祉系の大学・専門学校などに、雑誌「Triage(トリアージ)」を4万部配布。医療・福祉の職場への就職を希望している学生に千葉の病院や福祉施設に興味を持ってもらおうと呼びかける。雑誌名のトリアージには、学生に最善の選択をしてもらいたいという願いを込めたという。
内容は、20歳代にターゲットを絞った。テレビドラマ「小児救命」に出演する塚本高史さんのインタビューやモデルの押切もえさんのメッセージのほか、マリンスポーツの盛んな千葉県らしさをアピールするために、サーフィンを趣味にする看護師などが登場する。
同県健康福祉政策課の水貝昌弘さんは、まず若い人に読んでもらうことを考えたという。「これまでのような病院や福祉施設の紹介では、なかなか仕事の魅力を伝えきれなかった。全国的にも例がない内容ではないか。イメージアップを図ることを重視している」と話す。
千葉県では、今回の雑誌制作とPR効果を確かめるアンケートに1300万円の予算を確保し、今年度内に実施する。反応によっては、継続も考えるという。
■“介護で再出発”したい学生を募る専門学校
学生を育てる専門学校も必死だ。東京都江戸川区にある東京福祉専門学校では、介護などに興味のある人材を広く集めようと、高校生だけでなく、社会人を対象とした募集にも力を入れてきた。異分野からこの世界に入り、新たな刺激を受けた学生もいる。
介護福祉科夜間課程3年生の真鍋圭彰さん(26)は、コンピューター関連の専門学校を卒業後、IT系企業でエンジニアとして3年間働いた。仕事は残業も多く、結婚したとしても、家族との時間が取れないと思ったほか、40歳や50歳になって仕事を続けても、若い人に追い越されることが見えてしまったという。転機は祖母が倒れ、介護施設に入ったことだった。「それまで介護のことなど何も知らなかった」という。専門学校の学費は3年間で300万円以上。これまで仕事で貯めた分を充てた。
給料について質問すると、真鍋さんは「介護の現場でアルバイトをすると確かに賃金は気になったが、やりがいを感じる方が仕事も続くのでは」と語る。
真鍋さんは卒業を待たずに08年9月に会社を設立し、既に東京都葛飾区で訪問介護事業所を始めている経営者だ。介護のアルバイトをしていたとき、利用者が外に行きたくても、けがをする危険があるという理由で、外出が制限されるのを見てきたという。真鍋さんは「楽しみがないと駄目だと思った。外に出たいという利用者の希望をかなえるなら、介護保険外のサービスで実現しようと思った」という。
従業員は真鍋さんを含め5人。副社長は一つ歳下のクラスメートで、3人の介護福祉士は学校の卒業生だという。介護事業所を自ら立ち上げた経験のある専門学校の教員が全面的にサポートしてくれたという。
同校は介護を学ぼうとする学生を集めるのに必死だ。08年10月から「リ・スタートシステム」という学生募集プログラムを始めた。社会人を対象とした募集をさらに広げ、大学生、短大生、専門学校生、フリーターなどでも現在学んでいる分野ではなく、福祉の分野で手に職を付けたい、介護の世界で再出発したい人をターゲットとして募集をかけている。
ケアワーク部健康福祉科の堀延之主任は、「学施設からの求人は学校に来るが、入学希望者を集めることが難しくなっている」と説明する。背景には、高校が大学進学をベースにした進路指導をしているほか、「介護職は賃金が低く、現場が疲弊している」というマイナスイメージも響いているという。
Triage(トリアージ)って??
千葉県の健康福祉政策課って、かなりブラックなセンスの持ち主がいるのでしょうか?
学生に黒タグ着けられちゃったりして・・・
投稿情報: 富僧也 | 2009年1 月 6日 (火) 23:33