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(投稿:by 僻地の産科医)
浜松バースセンターの取組みです!
県西部浜松医療センターの新たな取り組み
医師の代わりに助産師が正常分娩担う
(Nikkei Medical 2009.1 p46)
静岡県浜松市の医療公社が運営する県西部浜松医療センター(606床)は2009年4月、助産師が正常分娩を担う「バースセンター」を院内に新設する。
地域周産期母子医療センターに指定されている同院には、産科18床、NICU12床があるが、さらに既存病床15床をバースセンターに振り分ける。助産師を25人確保し、正常分娩を年500件手掛ける予定だ。
バースセンター開設の背景には、分娩を扱う施設の減少や医師不足がある。市内では、07年から08年にかけて4つの産科診療所が分娩を中止。同院の年間分娩数は、04年以降連続で1000件を超えている。
ところが、同院には産科医は6人、新生児担当の医師は2人しかいない。医師の増員が必要な状況だが確保は難しく、このままでは医師の負担がさらに大きくなると予想された。
一方で「助産師のみで対応可能なお産もかなりある。正常分娩には助産師を活用し、産科医の負担を軽減しようと考えた」と同院院長の小林隆夫氏は言う。
周産期医療センターとバースセンターを隣接させ、不測の事態には医師が駆け付ける体制を取るほか、分娩室を手術室としても利用できるようにする。また、地元の開業医が分娩にかかわれるオープンシステムも導入する方針だ。
浜松市は建設費として補助金6億2500万円を投入した。同市長の鈴木康友氏は「地域の周産期医療を維持するために具体的な知恵を現場から出してもらい、行政として財政面をサポートした」と話している。
消毒の概念を発見し、産褥熱の死亡率を低下させたゼンメルワイスの話に、第一産婦人科と第二産婦人科があったのを思いだしました。
まあ、うまくいけばいくほど、院内助産院のほうが、死亡率も新生児の予後もずっと良いデータがでるでしょうね。
投稿情報: 麻酔科医 | 2009年1 月15日 (木) 09:54