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(投稿:by 僻地の産科医)
今回は鹿児島からo(^-^)o ..。*♡
県内の医師 鹿児島地区に一極集中~数字で見るかごしま
読売新聞 2009年1月11日
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20090111-OYT8T00121.htm
常勤内科医の不足が続く出水総合医療センター。診察室には医師の退職を知らせる張り紙があった。
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地方で問題が深刻化している医師不足。県内でも医師は鹿児島市周辺に集中する一方、それ以外の地域はすべて全国平均を下回るという、いびつな状況が浮き彫りになっている。“医師偏在”の現状を探った。
■不足の現状
厚生労働省の調査によると、2006年12月末の県内の人口10万人あたりの医師数は230・8人で、全国平均217・5人を上回っている。しかし、県内9地区別でみると、最高の鹿児島地区(鹿児島市、日置市など)の322・1人に比べ、最低の熊毛地区(西之表市、熊毛郡)は111・9人で、その差は約3倍にもなる。
このほか南薩地区(指宿市、枕崎市など)204・8人、川薩地区(薩摩川内など)198・9人、出水地区(阿久根市、出水市など)167・4人、姶良・伊佐地区(霧島市、伊佐市など)と肝属地区(鹿屋市、垂水市など)171・6人、奄美地区(奄美市、大島郡)161・1人、曽於地区(曽於市、志布志市など)120・4人の順で、いずれも全国平均を下回っている。離島部や過疎地を抱える地区の医師不足がうかがえる。
医師偏在の理由は、2006年度からスタートした新研修医制度に一因があるといわれている。総合的な診療能力を育成するためにスタートした新制度では、研修医自身が研修する病院を選べるようになった。その結果、研修先として、労働条件などの良い都市部の大病院の人気が高まり、地方の病院を希望する研修医が減った。県内の病院で、03年度に定員の80%を満たしていた研修希望者は、08年度は50%に落ちている。
また新制度を受け、これまで地方の公立病院などに医師を派遣していた各大学病院も人手不足になり、派遣医師の引き揚げを始めた。都市部で研修した若い医師は、そのまま都市部の病院に就職するケースが多く、さらに地方は医師不足に陥った。
■確保に向けて
出水市の出水総合医療センターの内科は、鹿児島大、熊本大からの派遣を受けていた医師の退職などに伴い、現在、呼吸器と消化器、神経内科、代謝内分泌、血液内科の5科が休診している。同市は新たな常勤医師の獲得に向け、研究資金として医師に最高200万円を融資する優遇制度を導入した。
種子島では昨年、唯一の産婦人科医院が休診して大きな問題となった。県医師会と島内1市2町(西之表市、中種子町、南種子町)が産科医確保に奔走し、今年1月から元鹿児島市医師会病院産婦人科部長の住吉稔医師(61)が赴任している。現在、毎月約20人の赤ちゃんをとり上げている住吉医師は「県や鹿児島大医学部の協力もあって、なんとかやってきた。へき地の医師確保には、行政などがしっかりサポートして、医師を孤立させないことが重要」と話す。
県は県医師会などと協力して、県内での勤務を希望している県外在住の医師に、勤務地や待遇の希望を聞いた上で、条件と合致する医療機関を紹介するドクターバンクを設置した。妊娠、出産で医療現場を退いた女性医師の復職支援も今後の課題だ。伊藤知事は「医師を確保するために、まずは鹿児島大との連携強化を進めたい。今後、ドクターヘリを導入し、迅速に患者を拠点病院へ運ぶ体制を整えたい」と話している。
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